ルーガ屋根(ROOGA)瓦の特徴と価格、リフォーム例

ガルバリウム鋼板などの金属瓦に次ぐ、ハブリット屋根材として現在人気が広まりつつある、新しいタイプの屋根瓦「ルーガ(ROOGA)」について解説します。
瓦屋根で屋根を仕上げたい方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

瓦屋根に関するテイガクのメインページはこちら

瓦屋根について

ルーガ(ROOGA)とは?

屋根材のルーガ
瓦のような美しいフォルム

ルーガ(ROOGA)は、ケイミュー(旧クボタ松下電工外装株式会社)が取り扱う屋根材です。
ルーガは高品質な屋根材として人気が高まりつつあります。
将来、陶器瓦の代わりになる屋根材だと筆者は評価しています。
特に新築で瓦屋根を検討されている方におすすめしたい屋根材です。

【Youtube動画】ルーガに関するテイガクの動画

ケイミューの屋根材「ルーガ」に決めた理由
10:14

ケイミューの屋根材「ルーガ」に決めた理由

ルーガへ葺き替えた屋根の様子

画像中央の アイコン アイコンを左右に移動すると、画像の比較ができます

築30年スレート ルーガに葺き替え

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ルーガ施工前 ルーガ鉄平施工後

屋根を変えるだけで高級感がある風合いに

ルーガ(ROOGA)とは?

1.販売元のケイミューについて

ケイミュー(KEMEW)は2003年に「クボタ」と「松下電工」が折半出資してできた日本最大手の屋根製造会社です。
スレート屋根(セメント製の屋根)のメーカーとしてトップシェアを誇っています。
スレート屋根にはたくさんの商品あり、なかでも「コロニアル・シリーズ」が主力商品です。
多くの戸建て住宅で採用されています。
そのため、スレート屋根のことをコロニアルとよぶ人が多いです。

ルーガ雅
テイガクが施工したルーガ屋根

そのセメントを原材料として用いた屋根材のうち、最高品質の屋根にあたるのがルーガ(ROOGA)となります。

2.ルーガは樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦

ルーガの断面
ルーガの断面

ルーガは一見、日本人のわたしたちに馴染みが深い陶器製品の瓦のように見えます。
厳かな瓦の雰囲気が感じられる屋根材です。

しかし、ルーガは陶器製品ではなく、セメント瓦の一種になります。
ルーガの性能名称は「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」です。

コロニアルをパワーアップさせた陶器瓦のような成型を施した屋根材」というイメージです。
上記画像はルーガの断面を見ると、スレート特有の繊維質になっていることが分かります。

3.ルーガが施工できるのは認定ショップのみ

複雑な形状の屋根
複雑な形状の屋根

ルーガを販売し、工事ができる業者は限定されています。
ルーガが施工できる業者は、ケイミューからルーガショップとして認定される必要があります。

テイガクはルーガショップとして認定されています

ケイミュー小田原研修センター
ケイミュー小田原研修センター

テイガクはルーガショップです。
認定の条件には研修が必要ですが、筆者も研修に昔、いってきました。

※ケイミューのルーガショップのサイトには、ブランド屋号の「テイガク」ではなく昭和ルーフリモ株式会社で登録されています。

アイコン 認定ショップの重要性

ルーガショップとして認定される過程には、他社からの推薦や専門講習会の受講、建設業許可証の取得、瑕疵担保険の加入などが義務付けられています。
ルーガのブランド力と工事品質を維持するため、施工業者に課せられた使命です。
また、工事業者は基本的にマニュアルに従った工事を行わなければ、メーカー保証を受けれません。

4.カバー工法で施工できるか?

ルーガは軽量屋根材の分野に位置づけられており、コロニアルの上にルーガを重ね張りできます。(屋根カバー工法)
ただし、金属屋根に比べると重い屋根材なので、筆者はあまりおすすめしません。
葺き替えによる施工をおすすめします。

5.評判や評価について

ルーガ 屋根
ルーガ鉄平の屋根

ルーガは販売開始から10年以上が経過しています。
多くの現場で使用された豊富な実績があり、専門家からの評価が確立している屋根材です。
かつてスレート屋根はぜい弱な不良品が出回っていた時期がありました。
十分な検証がなされていなかったことが大きな理由です。
しかし、販売から既に10年以上が経過しているルーガは、長く安心して使える屋根材と評価できます。

ルーガ(ROOGA)5つのメリット

1. 割れにくくて飛ばされにくい

これまでの陶器瓦やスレートは割れやすく、風に飛ばされやすい欠点がありました。
割れや飛散は雨漏りの原因となります。

ルーガ(ROOGA)は大人がハンマーでたたいても割れません。
私もハンマーで叩きましたが、ルーガは驚くほど硬い素材で、ビクともしませんでした。

また、ルーガは野地板に全ての瓦を釘を打ち込んで固定させるため、従来の陶器瓦に比べて風で飛ばされにくい設計になっています。
強風や台風がよく訪れる地域(各市町村ごとに計測されている基準風速が発表されています。)にお住まいのお客様は、保持力をさらに強化する台風クリップの用意もあります。

2. 耐震性に優れている

日本は「台風」だけではなく「地震」も多いです。
関東大震災がきっかけで、屋根の軽量化が重視されるようになりました。
戦後から瓦屋根は乾式工法(土を使わないで屋根を固定する工法)が導入されるようになりました。
阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て、今では屋根の軽量化は常識です。

建築基準法において、ルーガはコロニアルと同じ「軽い屋根材」に分類されます。
ルーガは陶器瓦の半分の重さです。
ただし、金属屋根に比べるとかなり重い屋根です。
その点は留意してください。

【ケイミュー公式動画より】ルーガが地震に強い理由

ルーガと地震について
01:02

ルーガと地震について

3. とにかくデザインが良い!

日本の景観に和瓦は欠かせません。
日本の伝統的木造住宅には和瓦がぴったりです。
しかし、従来の重い瓦屋根は耐震性において不利になります。(※地震被害の要因は屋根の重さだけではないです)
和瓦のデザインと遜色がないルーガは、地震対策を考える上でもおすすめできる屋根材です。

ルーガ 屋根
ルーガ施工写真

ルーガには「」と「鉄平」のふたつのデザインがあります。
カラーバリエーションも豊富です。
より厳かな屋根に装飾してくれる「棟」や「鬼」などもあります。
京都の街でも最近、ルーガの屋根をよく見かけるようになりました。
京都の街並みにもルーガは溶け込んでいます。

4. 色あせにくい

ルーガ(ROOGA)はケイミュー独自の塗装技術である「グラッサコート」を採用しています。
グラッサコートの塗膜は紫外線からの刺激を守り、色あせにくく鮮やかな色や光沢を長期間キープします。
コロニアル(クアッド)のように、10年ごとに足場を組んで再塗装を行うといったメンテナンスからは解放されます。

5. 野地板と屋根瓦の間に通気層ができる

ルーガ 通気層
ルーガは通気層が形成される屋根なので、野地板保護と断熱改善効果が期待できます

ルーガを施工すると、ルーガと野地板(のじいた)の間に通気層ができることになります。
一方、コロニアルや金属屋根(一部)は通気層を設けず、直接野地板に張ります。
屋根材の形状上、通気層を設けられません。

屋根材と野地板の間の通気層は、断熱効果をもたらすだけではなく、野地板の湿気を防ぐ上で重要な役割があります。
建築後30年が過ぎたコロニアルの屋根では、野地板が水分を含みボロボロになることが少なくありません。
ルーガのように通気層がある場合は、野地板の湿気からの腐食を抑えられます。

【野地板とは】屋根下地合板の種類と張替え費用について

野地板とは

ルーガ(ROOGA)3つのデメリット

1. 工事費用が高い

ルーガは高価格であり、施工には手間がかかります。
そのため、屋根の工事費用は他の屋根材に比べて高額です。
屋根のリフォームでスタンダードな、断熱材一体型金属屋根の約1.2~1.3倍程度、費用がかかります。

スレートをスレートに葺き替えにかかる費用が仮に100万円だった場合の工事金額の差をグラフにしました。

2. 工事期間が長い

実際の工事日数はお客様の屋根の状態や形状によって異なりますが、ルーガは工事日数も他の屋根材に比べて要します。
テイガクの葺き替え時における平均工事期間は、約2週間から3週間です。

3. 改修ではメーカー保証が適用されない

ルーガ研修の様子
ルーガ研修の様子

ルーガ(ROOGA)を改修工事で用いた場合、たとえルーガが新品でもメーカーの製品保証が得られません。
一方、金属屋根の場合、改修工事でも手厚いメーカー保証が得られます。

ルーガ(ROOGA)は”鉄平”と”雅”の2種類

「雅」と「鉄平」は全く異なる屋根材

ルーガ雅と鉄平
ルーガ 雅と鉄平

ルーガには「雅」と「鉄平」、2種類のデザインがあります。
和風住宅には「雅」、洋風住宅には「鉄平」を使用します。
この2種類の屋根材そのものの性質は同じです。
しかし、「施工方法」や「重量」「施工できる条件」が異なります。

ルーガ(ROOGA)「雅」

ルーガ ROOGA 雅
ルーガ ROOGA 雅

」は和瓦に近いデザインが特徴です。
そのため、鬼や高棟などの役物がたくさん用意されています。

ルーガ(ROOGA)「鉄平」

ルーガ ROOGA 鉄平
ルーガ ROOGA 鉄平

鉄平」は名前の通り平たいデザインが特徴の屋根です。
洋風住宅用としておすすめの屋根材ですが、日本瓦からの葺き替えに用いても素敵です。
屋根がすっきりした印象になります。

特に鉄平では役物(棟や軒先に使用する部材)を同質役物(屋根と同素材)もしくは板金役物(ガルバリウム鋼板)かを選択できます。
板金役物の方が安価です。
したがって、ルーガを使いたいが安く仕上げたいという人は「ルーガ鉄平の板金仕上げ」を選択してください。

結局、ルーガと金属屋根はどっちがいい?

ルーガ 雅
ルーガ雅の施工写真

「ルーガ」と「ガルバ」どちらが良いか、お客様からよく聞かれます。
基本的には筆者はデザインが決め手だと思います。
屋根の意匠にこだわりたい、重厚感のある仕上げにしたい方にはルーガをおすすめします。

ルーガと金属屋根の比較

比較内容 ルーガ 金属屋根
デザイン △~〇
メンテナンス性 〇(フッ素の場合)
価格
耐震性
耐久性
保証期間 ×

【屋根材の種類】失敗しない屋根材の比較と評価

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テイガク屋根修理のルーガの施工事例

テイガク屋根修理で施工したルーガ屋根施工事例のご紹介です。
ご案内の施工事例は一部です。

千葉県流山市

千葉県流山市 – セキスイかわらUからルーガ雅へ葺き替え

日付:2023年1月

千葉県流山市 – セキスイかわらUからルーガ雅へ葺き替え

工事前の状態 テイガクからのご提案 今回は、千葉県流山市のお客さまから、屋根のメンテナンスについてご相談をいただきました。お住まいは築35年で、20年前に積水化学工業のセキスイかわらUに葺き替えをおこなったとのことでした…

日付:2023年1月

東京都東大和市

東京都東大和市-コロニアルNEOをケイミューのルーガで葺き替え工事

日付:2023年8月

東京都東大和市-コロニアルNEOをケイミューのルーガで葺き替え工事

工事前の状態 テイガクからのご提案 今回は東京都東大和市のお客さまから、屋根のメンテナンスについてご相談をいただきました。工事前のお客さま宅屋根に使用されていたのは、旧クボタのスレート屋根材であるコロニアルNEOです。コ…

日付:2023年8月

大阪府高槻市

大阪府高槻市 – 雨漏りしたスレート屋根をケイミューのルーガに張り替え

日付:2023年7月

大阪府高槻市 – 雨漏りしたスレート屋根をケイミューのルーガに張り替え

工事前の状態 テイガクからのご提案 今回は大阪府高槻市のお客さまから、屋根のリフォームについてご相談をいただきました。現場では屋根材としてスレートが使用されていましたが、築35年ということもあり、屋根材の色褪せ、色むら、…

日付:2023年7月

和歌山県海南市  - ルーガ鉄平に葺き替え工事
和歌山県海南市

和歌山県海南市 – ルーガ鉄平に葺き替え工事

日付:2023年6月

和歌山県海南市 – ルーガ鉄平に葺き替え工事

工事前の状態 テイガクからのご提案 今回は、和歌山県海南市のお客さまから、屋根のリフォームについてご相談をいただきました。工事前のお客さま宅では屋根材としてスレートが使用されていました。築30年ということもあり、こちらの…

日付:2023年6月

ルーガの施工地域

年間積雪が30センチ以下の地域のみ、ルーガの施工が可能です。
施工地域の可否については、お近くのルーガショップもしくはケイミューの営業所にお尋ねください。

積雪と施工可能エリア
施工可能エリア

テイガクでは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県などの関東と、大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県の関西が施工対象エリア(一部地域除く)です。
ルーガの工事をお求めのお客様は、現地調査・お見積りまで無料でおこないますので、お気軽にお問い合わせください。

テイガクの施工エリアはこちら

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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