スレート(コロニアル)屋根カバー工法の費用について

全記事 一覧 | 2019.05.13

このページでわかること

  • 屋根カバー工法の費用と相場がわかかります
  • 屋根カバー工法の見積り内容の詳細がわかります
  • 屋根カバー工法の見積りをとる業者選定基準がわかります
カバー工法の費用

屋根カバー工法の費用はいくらかかるのか?
興味のあるお客様が多いはずです。
屋根カバー工法にかかる費用を詳しく板金工事会社(金属屋根専門工事会社)である私たちがご案内いたします。
※こちらのページは戸建て住宅のカバー工法を中心としたページです。工場などで使われる「波型スレート」や「折板屋根」のカバー工法については触れておりません。予めご了承ください。

【最安値】100㎡(約30坪)屋根のカバー工法費用

最も安い価格の建材を用いた場合のカバー工法費用です。
屋根材は「アスファルトシングル」、防水シートは「アスファルトルーフィング940」、板金下地材は「」を使います。

カバー工法は「アスファルトシングル」を使うか「金属屋根」を使うかで価格が変わります。
金属屋根のカバー工法費用についてはこちら

工事項目 単価 平均工事価格
足場工事 750円/㎡ 約170,000円
防水シート
(アスファルトルーフィング940)
400円/㎡ 約40,000円
アスファルトシングル 4,500円/㎡ 約450,000円
各種板金工事
(木下地)
1,350円~/m 約135,000円
諸経費等 30,000円~ 約45,000円
運搬費 30,000円~ 約30,000円
合計金額(税抜) 870,000円

単価はテイガク屋根修理がお客様にご提供している工事価格です。材料と工事費込みの材工価格となります。屋根形状や勾配、屋根材によって価格は変動いたします。平均的な屋根の工事価格としてご認識ください。

1.屋根カバー工法とは

屋根カバー工法とは古い屋根の上に新しい屋根を重ねて張る工事方法のことです。
全ての屋根でできる工事ではなく、主にスレート屋根に適用される工事方法です。
しかし、スレート屋根といっても種類が複数あり、カバー工法ができるスレート屋根は限られています。
スレート屋根の中でも薄平べったい「平板スレート」と、工場で使われている「波型スレート」でカバー工法はおこなうことができます。
スレート屋根について詳しくはこちらカバー工法は古いスレート屋根を撤去せずに全面リフォームすることができるため、工事費用と工事期間を抑えて工事することができます。
アスベスト入りのスレート屋根であればアスベストを封じ込めることもできます。
アスベスト屋根について詳しくはこちら
そのため、スレート屋根でおこなう代表的かつ人気のあるリフォーム方法として確立されています。
重ねて張る屋根材は軽い金属屋根を用いるのが一般的です。
軽い金属屋根価格を抑えたい場合は「アスファルトシングル」とよばれる屋根材を用いることもできます。
アスファルトシングルはゴムでできたシート状の屋根材です。
下の写真と上の写真を比べると同じ屋根のように感じます。
しかし、実物を見ると全く違います。
金属屋根がなぜ選ばれるのかは本物を手に取って見比べてください。
よくわかるはずです。
アスファルトシングル

2.カバー工法ができる既存の屋根

2-1.カバー工法ができる既存の屋根

インターネットで「カバー工法」と調べると、平板スレートを対象とした工事ばかりが表示されます。
平板スレートとは「コロニアル」もしくは「カラーベスト」ともよばれています。
正式名称は平板スレートですが、コロニアルとよぶことの方が多いです。
カバー工法ができる屋根はこのコロニアルだけではありません。

「波型スレート」「アスファルトシングル」「瓦棒」「折板屋根」などでも採用することができます。

2-2.カバー工法ができない既存の屋根

カバー工法ができない屋根材もあります。
形状に厚みがある屋根はほぼカバー工法ができません。
「陶器瓦」「セメント瓦」「立平」「横葺き金属屋根」は無条件でカバー工法ができません。

3.カバー工法ができる条件

スレート屋根でカバー工法をおこなうには条件があります。
平板スレート屋根だからといってカバー工法ができるとは限りません。
カバー工法ができる状態」と「カバー工法ができる環境」の2つがキーポイントになります。

3-1.カバー工法ができる状態であること

カバー工法では元々ある古い野地板(のじいた)を再利用します。
野地板とは屋根材の下にある下地材で、屋根全体を構造的に支えてくれる役割があります。
12㎜厚の木製合板もしくは杉板がよく使われています。
野地板にビスもしくは釘で屋根材を張りつけます。
もちろん、野地板が腐食していると釘が効かず、しっかりと屋根を張ることができません。
そのため、カバー工法できるかどうかは野地板の状態が良好であるかが一番重要なポイントになります。
経年劣化が進んだスレート屋根の野地板は、北面もしくはケラバ側が傷みやすい傾向があります。
野地板の状態確認は実務経験が豊富な屋根工事のプロに判断してもららうことが大切です。
野地板の状態を確認することができる機械や簡易器具もあります。
野地板について詳しくはこちら
腐食した野地板

3-2.カバー工法に適した環境であること

いくら古い野地板の状態がよくても、カバー工法に適した環境でなければカバー工法を採用することができません。
たとえば、最近増えている屋根断熱の住宅は野地板が劣化しやすい環境といえます。
屋根断熱の住宅は野地板が結露しやすく、腐りやすいです。
悪環境にある屋根であれば、換気棟(かんきむね)を新設するなどの対策を講じたうえでカバー工法を実施しなければなりません。
換気棟について詳しくはこちら
換気棟

4.カバー工法の種類

カバー工法には2種類の工事方法があります。
どちらのカバー工法を選択するかでカバー工法の費用は変わります。

4-1.直接下葺き材張りカバー工法

直接下葺き材張りカバー工法とは古いスレート屋根の上に新しく「下葺き材」と「屋根材」を張る工事方法です。
一般的によく採用されるカバー工法です。
野地板が良好な状態であり、良好な環境である場合に用いることができる工事方法です。

4-2.野地板増し張りカバー工法

野地板増し張りカバー工法とは古いスレート屋根の上に新しく「野地板」を張ってから「下葺き材」と「屋根材」を張る工事方法です。
野地板の劣化が進行している時に採用する工事です。
野地板を増し張りする工程が増えるため工事費用が割高になります。

5.カバー工法で使う屋根材

5-1.アスファルトシングル

アスファルトシングルとはアスファルトゴム製の屋根材です。
シートのような形状をしています。
価格が最も安い屋根材のひとつです。
工事価格を最優先にしたカバー工法をおこなう場合におすすめしたい屋根材です。
簡単に工事ができることからDIY大国のアメリカでは、アスファルトシングルが人気です。
DIYでアスファルトシングルの施工や修理がおこわれています。
そのため、アメリカではシェアが90%近くあります。
古いスレート屋根の上に張ってカバー工法ができるのも魅力のひとつです。

しかし、風で飛ばされやすく耐久性が低いため、価格重視の建売住宅を除き、わが国ではあまり普及が進んでいません。
インターネットで安い工事価格のカバー工法を見つけたら、それは「アスファルトシングルを使ったカバー工法」である可能性があります。
アスファルトシングル

5-2.金属屋根

一般にわが国のカバー工法は金属屋根を重ね張りするカバー工法を示します。
金属は耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」とよばれる素材がよく使われます。
金属屋根には断熱材一体型の商品などもあり、最近はガルバリウム鋼板を改良したSGL鋼板へ人気がシフトしています。
メーカ―によって様々な特徴をもつ商品が販売されています。
ガルバリウム鋼板について詳しくはこちら
金属屋根

6.金属屋根のカバー工法の費用

金属屋根で仕上げるカバー工法見積もり価格の費用を表にしました。
金属屋根は「断熱材付SGL鋼板」、防水シートは「改質アスファルトルーフィング」、板金下地は「樹脂製」を使う耐久性が高い工事内容となっています。

70㎡、2階建て、下屋根あり、5寸勾配、雨どい交換なしの戸建て住宅の直接下葺き材張りカバー工法を想定しています。

数量 単価 項目別工事価格
足場組立
(メッシュシート込み)
200㎡ 750円 150,000円
下葺き材張り
(PカラーEX+)
70㎡ 600円 42,000円
屋根本体
(スーパーガルテクト)
70㎡ 6,500円 455,000円
軒先/ケラバ水切り板金取り付け 30m 1,500円 45,000円
棟板金取り付け
(樹脂製貫板共)
25m 3,000円 75,000円
雨押さえ板金
(樹脂製貫板共)
15m 3,000円 45,000円
雪止め金具 25m 1,400円 35,000円
工事諸経費
(廃材処分費)
1式 45,000円
運搬費 1式 30,000円
合計金額 932,500円(税抜)

7.カバー工法費用の項目別解説

先で示した見積もり金額を項目別に解説します。

7-1.足場組立

工事の安全性を確保するために、建物周りに足場を設置します。
足場パイプの外側には端材が飛ばされないよう、メッシュのシート(養生シート)を張ります。
足場と養生の費用は2階建て戸建て住宅では15万円~20万円が工事価格の平均値です。
足場工事の費用は意外と高額です。
そのため、「屋根工事+外壁塗装」「屋根工事+シーリング」など、他工事と組み合わせて工事をおこなうことがおすすめです。

7-2.下葺き材(ルーフィング)

下葺き材とは防水シートのことで、最終的に雨漏りを防いでくれる”超”大事なシートです。
「ルーフィング」ともよばれます。
下葺き材には種類がたくさんあり、戸建て住宅用でも20種類はあります。
もちろん、20種類それぞれ特徴が異なり、価格や耐久性が違います。
汎用されているのは「アスファルトルーフィング」もしくは「アスファルトルーフィング940」とよばれるもので、築後10年程度で劣化がはじまる低品質商品です。
屋根工事業者から何も伝達がなければ「アスファルトルーフィング」が使われる可能性があります。
10年程度で劣化がはじまる防水シートを使うのはできれば避けたいところです。

リフォームでは最低でも「改修アスファルトルーフィング(ゴムアス)」以上の性能がある商品をおすすめします。
商品にもよりますが、改質アスファルトの価格は労務費込みで600円/㎡~900円/㎡が平均値です。
アスファルトルーフィング940の施工費用は400円/㎡、弊社ではいただいています。
今回の見積書では田島ルーフィングの「PカラーEX+」を選定しました。
ルーフィングについて詳しくはこちら

7-3.屋根本体工事

屋根本体を張る工事項目です。
下葺き材同様、金属屋根にもたくさんの種類があります。
メーカーだけでも10社以上あります。
商品ごとに特徴があり、価格や耐久性、保証期間、保証内容が変わります。
今回の見積書ではアイジー工業の「スーパーガルテクト」を使った工事価格を示しました。
テイガク屋根修理では労務費込みでスーパーガルテクトを6,500円/㎡でご提供しています。
フッ素塗膜のスーパーガルテクトは7,500円/㎡になります。

スーパーガルテクトよりも価格の安い金属屋根もございます。
弊社ではお客様のご予算とご希望にあわせた工事の提案をおこないます。
各メーカーの金属屋根について詳しくはこちら

7-4.各種板金工事

屋根には板金工事が必ず伴います。
「棟板金」「軒先板金」「ケラバ唐草」「谷どい板金」「雨押え板金」「天窓板金」など、たくさんあります。
基本的に板金工事はメートル当たりで価格を求めます。
屋根の形状や大きさで板金工事の価格は変動します。
70㎡~100㎡の屋根であれば15万円~25万円の間におさまることが多いです。

7-5.雪止め金具

雪止め金具は落雪事故防止のための金具です。
70㎡~100㎡の屋根の雪止め金具設置価格は3万円~7万円です。
お客様の希望に応じて取り付けています。
ただし、落屑は人身事故にまで発展することがあるため、雪が降る地域にはお取り付けをお願いしております。
関西地区では使用しないことが多いです。
日が当たりやすい南面や明らかに落雪しても被害がない面には取り付けないことがあります。
金属屋根の中でも石粒付き鋼板屋根は雪が滑りにくい素材であるため、雪止め金具を取り付けないことが多いです。

7-6.工事諸経費

工事諸経費は管理費や廃材処分費などが含まれています。
現場規模や環境に応じて45,000円~120,000円程度の工事諸経費が発生します。

7-7.運搬費

2018年度から資材運搬費用が大幅に値上がりしました。
現場規模や環境に応じて運搬費が発生することがあります。

7-8.その他発生する費用

その他「換気棟取り付け」や「雨どい交換」「破風板板金巻き」などの費用が必要に応じて発生します。
「エアコン室外機」「アンテナ」「カーポート屋根」が工事作業の障害になる場合は「脱着の労務費」もかかります。

7-9.見積もり書で見過ごされること

見積り書を金額だけで比較することは絶対に避けましょう。
前述の通り、下葺き材や屋根材の種類によって工事品質や工事価格は変わります。
そして、用いる下地材によっても工事品質と工事価格は変わります。
たとえば、棟板金(むねばんきん)で用いる下地材は木製ではなく、樹脂製のものがおすすめです。
木製下地は腐ってしまうと、板金を留めている釘が緩んでしまい強風時に飛ばされやすくなります。
一生で一度のリフォーム工事にするためにも、板金下地は樹脂製を用いるべきです。
板金下地の内容を記載していない見積もり書では木製下地を使われる可能性があります。
見積もり書だけでは工事会社の工事品質まで推し量ることができないことがあります。

8.見積もり依頼時に注意したいこと

8-1.板金工事会社について

金属屋根を用いてカバー工法をおこなうのは板金工という職人さんです。
塗装工や瓦葺き職人は金属屋根を取り扱うことができませんが、塗装会社は屋根塗装をし、瓦工事会社も屋根工事をします。
そのため、一般の人は塗装会社や瓦工事会社でもカバー工法ができると勘違いします。
実態は板金工事会社へ外注する形で塗装会社は屋根カバー工法をお客様から請け負います。

塗装会社や瓦工事会社がカバー工法の受注を図る理由は明確です。
外注の形でも工事を請け負うことができるからです。
リフォーム業界は専門外の人でも簡単に工事を受注することができる業界です。
そのため、ホームセンターや家電量販店などの異業種でもたやすく参入をしています。
最近が大手家具メーカーもリフォーム業に参入しています。
しかし、カバー工法をおこなえるかどうかは経験が豊富な板金工や板金工事会社でなければ判断できません。
そのうえ、板金工事会社に直接工事を依頼するとカバー工法の工事価格は安くなります。

もちろん、職人さんの中には手先が器用な人もいて、本業が瓦職人なのに金属屋根の工事ができる人もいます。
しかし、テイガク屋根修理の板金工のように毎日、金属屋根の工事だけをしている職人さんに比べれば技術は劣るはずです。
これから、カバー工法をおこなう予定の方は板金工事会社に見積もり依頼するように意識してください。

なお、アスファルトシングルは工事が簡単な屋根材であるため、板金工でも瓦職人でも工事をおこなうことができます。

8-2.見積もり一括取得サイトにと頼らないこと

「カバー工法ができる地元の工事会社を3社、無料で紹介します」といった紹介サイトがインターネットで大人気です。
紹介サイトは別名マッチングサイトともいいます。
これら紹介サイトはボランティアでウェブサイトを運営しているのではありません。
見積もり依頼主からお金を得られるカラクリがしっかりとあります。

紹介サイトを通して契約が決まった場合、紹介先の屋根工事会社から工事費のバックマージン(20%程度)を紹介サイト運営会社は支払われる仕組みになっています。
もちろん、バックマージンは屋根工事会社がお客様に提出する見積書に含まれます。
紹介サイト経由で紹介される全ての工事会社の見積書には、工事金額から+20%程度の本来必要としない費用が上乗せされているということです。

決して紹介サイトが悪いということではありません。
20%工事費用を多く支払ったとしても良い工事会社に巡りあい、満足できる可能性はあります。

ただし、より安く品質の高い屋根工事を依頼したいとなると話は別です。
言うまでもないことですが、紹介サイトを通さずに板金工事会社に直接依頼することの方が価格の安いカバー工法が実現できる可能性は高いです。
紹介サイトだけに頼ることはおすすめいたしません。
紹介サイトの仕組みがわかる動画はこちら

8-3.メーカーが限定されない提案を受ける

金属屋根のメーカーは10社以上あり、各メーカーの屋根にはそれぞれ耐久性や価格などの特徴が異なります。
最近はSGL鋼板や色あせがしない石粒が付着した金属屋根(石粒付鋼板屋根)なども人気が高まっています。
したがって、ひとつのメーカーだけではなく、お客様の希望にあう金属屋根を選定しましょう。
SGL鋼板について詳しくはこちら
石粒付き鋼板について詳しくはこちら

しかし、世の中にはひとつのメーカー製品しか提案できないリフォーム会社が多いです。
理由は慣れていることや仕入れ単価が安いこと、在庫が余っていることなど様々です。
もちろん、たくさんのメーカー製品を取り扱いっている屋根工事会社に見積もり依頼をする方がお客様ご要望に沿った提案が期待できます。
少なくとも複数の会社から相見積もりを取り、紹介された屋根材の比較もおこないましょう。

9.カバー工法の問題

カバー工法の認知が広がり、カバー工法をすすめる業者がずいぶん増えました。
カバー工法の人気をうけ、屋根材別で金属屋根がシェアNO1を占有するにいたっています。

テイガク屋根修理を運営する昭和ルーフリモ株式会社は20年以上昔からカバー工法をおこなっていますが、ここまで普及が進むとは想像もしていませんでした。
たとえば、ひとむかしの塗装会社は屋根のリフォームは屋根塗装しかおこなっていませんでした。
しかし、最近の塗装会社は板金工事会社とつながりをもつようになり、屋根ではカバー工法をすすめる塗装会社も増えています。

その一方、カバー工法の認知と工事量拡大にあわせて問題も生じいています。
それは安易にカバー工法をすすめる業者が増えていることです。
なんでもかんでもカバー工法で対処できると思い込んでいる業者が明らかに増えています。
本来、カバー工法は適切な状況や環境の条件下でおこなわれるべき工事です。

不適切な条件で工事をおこなうと、10年も経たないうちに何らかの不具合が起こり得ます。
決してカバー工法は簡単に実施の判断ができる工事方法ではありません。
一生に一度の屋根リフォーム工事にするためにも、実績と提案力がある板金工事会社を見つけることが適切なカバー工法をおこなうための第一歩です。

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