
ガルバリウム鋼板屋根の歴史
屋根材シェアナンバーワンの引き金になった素材

金属屋根は現在、屋根材のシェア、ナンバーワンです。
なぜ金属屋根が人気になったのかというと、ガルバリウム鋼板が登場したからです。
ガルバリウム鋼板が登場する前の金属屋根の素材はトタンでした。
トタンは「亜鉛メッキ鋼板」ともよびます。

トタンは「錆びやすい」デメリットを抱えており、広く普及しませんでした。
長い間、金属屋根は瓦やスレート(コロニアル)に次ぐ、三番目に使われる屋根としてのポジションが続きました。
ガルバリウム鋼板はトタンのデメリットである錆びやすさを格段に改善させた素材です。
販売から30年以上が経過し、徐々に市場に認められるようになりました。
最近は大規模な地震や台風の影響もあり、急速にガルバリウム鋼板の屋根の評価が高まっています。
もちろん30年という長年の実績と評価により、屋根としての価値や安心性は確立されたと言い切れます。
最近はフッ素塗膜や石粒付きなどの付加価値の製品や、ガルバリウム鋼板を更に錆びにくくさせたエスジーエル鋼板なども登場しています。
これからの金属屋根はエスジーエル鋼板に置き換わっていくはずです。
是非、この記事を参考にしてガルバリウム鋼板の屋根とはどんな屋根なのか、知識を深めてください。
ガルバリウム鋼板の製造元について

国内メーカーだけでガルバリウム鋼板の屋根メーカーは10社以上あり、商品になると100種類以上あります。
しかし、ガルバリウム鋼板の製造は、ほぼ2社に限定されます。
JEE鋼板(JFEグループ)と日鉄鋼板(日本製鉄グループ)の高炉メーカーです。
素材の供給元をたどると、ほとんどがJFEもしくは日本製鉄にたどりつくため、ガルバリウム鋼板の素材自体の品質に差異はありません。
建築板金工事会社について

実際にガルバリウム鋼板の屋根を用いて工事をする会社は、建築板金工事会社です。
塗装会社や地域のリフォーム会社、工務店、ハウスメーカーは直接、ガルバリウム鋼板の屋根材を扱った工事をおこないません。

金属建材は巨大なので、ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材を管理する倉庫を所有する建築板金工事会社が、実際の工事をおこないます。
もし、ガルバリウム鋼板の屋根を用いた工事について、しっかりとした説明を受けてかつ安くおこないたい人は、建築板金工事会社に直接、工事を依頼されることをおすすめします。
なお、テイガクは創業20年以上が経過する建築板金工事会社です。
ガルバリウム鋼板の
マニュアル
気になる項目をクリックして、ガルバリウム鋼板についてチェックしよう!

ガルバリウム鋼板の特徴
屋根材メーカー一覧
リフォームも新築もガルバリウム鋼板の屋根が人気

リフォームと新築どちらで検討していますか?
”コロニアル(スレート)”をガルバリウム鋼板の屋根にしたい人

コロニアル(スレート・カラーベスト)の屋根をガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする人が増えています。
築後30年が過ぎているコロニアルは屋根の寿命が到来しています。
そのため、1980年代に住宅を購入した層の人がガルバリウム鋼板の屋根を用いた葺き替えもしくはカバー工法を検討しています。
一方、1990年代に製造されたコロニアルには、屋根を丈夫にさせるアスベストが含まれておらず、強風時にひび割れや欠けなどの不具合が生じることが多いです。
そのため、築後15年程度であってもガルバリウム鋼板の屋根を用いたリフォーム工事を検討するが少なくありません。
瓦をガルバリウム鋼板の屋根にしたい人

瓦の屋根をガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする人も増えています。
屋根の老朽化や雨漏りをきっかけにリフォームを検討する人が多いですが、最も多い理由が耐震性と耐風性の改善です。
ここ4,5年は台風や地震による被害をきっかけに、ガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする人が増えています。
注文住宅におけるガルバリウム鋼板の屋根

2017年のフラット35(旧住宅金融公庫)のデータによると、屋根材のなかで金属屋根の新規採用が最も多いことが判明しました。
金属屋根がコロニアルや瓦のシェアを抜くことは過去に一度もなかったことなので、屋根材業界では劇的な変化といえます。
現代はインターネットの記事だけではなく、口コミやユーチューブなどで情報を集められる時代です。
いわゆる”建築系ユーチューバー”は、ガルバリウム鋼板の屋根に対しておおむね高い評価をくだしています。
リフォーム分野も新築分野もガルバリウム鋼板の屋根が今後ますます支持されることになります。
ただし、リフォームと新築のガルバリウム鋼板屋根では、事情があって、同じガルバリウム鋼板なのに張り方が異なります。
基本的に新築の戸建て住宅は、屋根面積を減らしたり、工期を短くしたりすることができる縦葺き(たてぶき)が好んで採用されています。
一方、リフォームでは横葺き(よこぶき)が多いです。
「縦葺きと横葺きにはどんなデメリットとメリットがあるのか?」
これから新築で建物を建てられる人は把握して欲しいです。
「横葺き・縦葺き・差込葺き」どれがおすすめ?

ガルバリウム鋼板の屋根選びのキホンは「横葺き」「縦葺き」「差込葺き」の3つを知ること
横葺き(よこぶき)って何?

屋根の流れに沿って横方向に張る金属屋根を横葺き(よこぶき)とよびます。
断熱性が高い断熱材一体型や、耐風性に優れた施工ができるなど、付加価値の高い屋根に仕上げられるため、特に屋根のリフォームでは主流となる張り方です。
住宅密集地では日差し確保の関係で、屋根面が多くなる傾向があり(シンプルな三角屋根が少なく)、複雑な屋根であればあるほど横葺きは施工のしやすさの点で適しています。
そのため、都心や郊外の屋根は自ずと横葺きになることが多いです。
デメリット

横葺きのデメリットは主に2点あります。
1:屋根の勾配(傾き)が2.5寸(約14度以上)必要
2:縦葺きより価格と工期の負担が大きい
メーカーと商品について詳しくはこちら
縦葺き(たてぶき)って何?

屋根の流れに沿って縦方向に張る金属屋根を縦葺き(たてぶき)とよびます。
昔の金属屋根といえば、縦葺きのことでした。
みなさんがイメージされるトタン屋根が代表的な縦葺き屋根です。
最近は横葺きが増えている一方で、縦葺きも負けずに進化しています。
昔は芯木とよばれる木の棒とトタンで構成された瓦棒(かわらぼう)とよばれる張り方が一般的でした。
しかし、最近は芯木を用いずガルバリウム鋼板だけで屋根を仕上げる立平葺き(たてひらぶき)が縦葺きの主流となっています。
デメリット

縦葺きは横葺きよりも工事費が安くなることがほとんどなので、初期コストを重視する新築の戸建て住宅でよく採用されています。
また、太陽光パネルの設置にも最適な屋根です。
そんな縦葺きにもデメリットがあります。
1:断熱材一体型などの付加価値の高い屋根材がないため、暑くなりやすく雨音がうるさい
2:複雑な形の屋根には不向き
メーカーと商品について詳しくはこちら
差込葺き(さしこみぶき)って何?

2010年代後半から登場した、新しいコロニアル専用のリフォーム用の屋根材です。
「コの字型」のガルバリウム鋼板をコロニアルに接着剤で貼って仕上げます。
板金加工技術が全くなくてもできる屋根材です。
商品では「Cガード」や「リコロニー」が有名です。
デメリット

この施工方法には致命的なデメリットがあります。
それは、防水シート(ルーフィング)を新しくできないことです。
屋根は1次防水と2次防水の2段階で防水性を確保させています。
1次防水が屋根材、2次防水が屋根材の下に敷く防水シート(ルーフィング・下葺き材)です。
雨漏りの直接的な原因は防水シートの劣化による穴開きが原因です。
差込葺きはスレートの表面にガルバリウム鋼板を貼るだけなので、防水シートを新しくすることが当然できません。
メーカー側(リコロニーを製造しているケイミュー)もこの工事が防水性の改善を目的にする工事ではないと書き示しています。
長期的な観点では大きな価値がない工事だとテイガクでは評価しているため、お客様にはあまりおすすめしていません。
メーカーと商品について詳しくはこちら
横葺き金属屋根
おすすめの横葺き金属屋根商品
施工写真 | メーカー名 | おすすめ商品 | 特徴 |
---|---|---|---|
![]() |
アイジー工業 | スーパーガルテクト |
おすすめランキング1位 ・金属建材最大手メーカー ・断熱材一体型 ・かん合式 ・ガルバリウム板 ・フッ素塗膜商品あり 詳しくはこちら |
![]() |
ニチハ | 横暖ルーフαプレミアムS |
おすすめランキング2位 ・外壁材最大手メーカー ・断熱材一体型 ・かん合式 ・エスジーエル鋼板 ・フッ素塗膜(変退色20年保証) 詳しくはこちら |
※各メーカーのひとつの商品だけの紹介となります。各メーカーには複数種類の屋根材があります。
横葺きの金属屋根選びでおさえておきたい10のポイント
1:エスジーエル鋼板

このページはガルバリウム鋼板の屋根について記述しています。
しかし、2022年現在、ガルバリウム鋼板よりエスジーエル鋼板の屋根の方が人気です。
国内の横葺き金属屋根メーカーの多くは、ガルバリウム鋼板ではなくエスジーエル鋼板の素材で屋根を製造しています。
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍超の錆びにくさの特質を備えた鋼板です。
鋼板価格はガルバリウム鋼板よりも高価ですが、大きく金額は変わりません。
したがって、これから横葺きの屋根を検討されている人は、ガルバリウム鋼板ではなく、エスジーエル鋼板製品をおすすめします。
2:断熱材一体型

断熱材一体型とは、屋根材の裏側に断熱材が貼りつけられた金属屋根のことです。
断熱材があることにより、断熱効果が高くなるだけではなく、雨音の遮音効果も高くなります。
横葺き金属屋根の製品において、断熱材一体型の製品はまず始めに検討すべき屋根材となっています。
ただし、メーカーや商品ごとに断熱材の厚みや種類、量が異なるので、注意をしてください。
3:かん合式

かん合式のは嵌合式と書きます。
「嵌(は)める」の漢字の通り、屋根材同士を嵌め合わせて貼ります。
屋根が1枚1枚上下で引っ掛け合わさる形になります。
屋根材を留める留め具が外部に露出しないため、錆びや抜けなどの影響が及びにくくなります。
留め具は釘ではなくビスを用いて張ると耐風性能が高まります。
-オーバーラップ式について‐

オーバーラップ式とは、屋根のつなぎ目を外側からビスで固定して張り付ける方法のことです。
屋根の外側に屋根材を固定するビスが露出します。
石粒付き鋼板のような輸入品の屋根材に多い張り方です。
石粒付き鋼板の屋根材において、屋根を固定する力(耐風性能)はオーバーラップ式の方がかん合式よりも強いです。

ただし、外側から留めるビスの錆びが発生することがあるため、定期的な錆びの状態確認が必要です。
メーカー純正品ビスは鉄ビスですが、テイガクではステンレスビスを用いるようにしています。
4:ステンレスビス留め

屋根材は「鉄くぎ」ではなく「ステンレスビス」を用いて張るようにしましょう。
鉄製の留め具は錆びやすいため、一度錆びてしまうと、屋根が剥がれやすく、雨漏りしやすくなります。
また、留め具は釘の形状ではく、ビスの形状にすることで、ガッチリと屋根を固定することができます。
5:鋼板下地

屋根で最も多い不具合は棟板金(むねばんきん)の飛散です。
ガルバリウム鋼板の屋根に限らず、全ての屋根に共通する不具合です。
棟板金とは屋根の一番てっぺんに取り付ける鋼板材です。
台風などの強風が吹くと風で飛ばされる事故が多発します。
棟板金の裏側の下地材を鋼板製にすることで、棟板金の飛散リスクが大幅に低減できます。
Youtube動画 テイガクが推奨する棟板金の下地

棟板金の下地について
6:フッ素塗膜

ガルバリウム鋼板の屋根にはフッ素塗膜の屋根があります。
塗膜の良し悪しでガルバリウムの耐久性に影響はなく、メーカーの保証年数も変わりません。
しかし、現行で最も流通しているポリエステル塗膜の商品の色あせは、かなり進みやすいことが分かりました。
耐候性に優れた塗膜のフッ素商品をできればおすすめしたいです。
ただし、フッ素塗膜の原料が2021年の後半から入手困難となり、将来、フッ素塗膜の屋根は生産されなくなる可能性が高まっています。
7:石粒付き鋼板

屋根の表面に天然石が付着した屋根材です。
石粒付き鋼板のほぼ100%が輸入品(韓国製や中国製が多い)です。
鋼板の裏側には断熱材は付いていません。
断熱材がない代わりに鋼板の裏側に空気層が形成され、空気層が瓦屋根並みの断熱効果を発揮してくれます。
石粒付き鋼板の一番のメリットは見た目の美しさです。
暖かみがある印象をもたらせてくれます。
8:空気層

屋根材と野地板(のじいた)の間には空気層を設けることが望ましいです。
空気層があると、屋根内部に入り込んだ湿った空気を外に排出させられるので、屋根の野地板の劣化を遅らせることができます。
瓦屋根が長持ちするのは、空気層を設けることができるからだといえます。
鋼板の裏側に断熱材がない石粒付きの金属屋根には、空気層を設けることができます。
ただし、空気層の厚みがとても薄かったり、空気層があっても空気の流れが確保できなかったりする屋根がほとんどです。
瓦屋根と同じ理屈にはならないので、過信し過ぎないようにしましょう。
断熱材付きと空気層どっちが優れている?
メーカーの試験結果を比べると、断熱材一体型の製品のほうが、断熱性に優れたデータが得られています。
ただし、断熱効果は、断熱材の厚みに大きく依存します。
断熱効果を考えると「スーパーガルテクト」や「横暖ルーフαS」のような断熱材が分厚い製品がおすすめです。
9:瓦風

和瓦や洋風瓦などの「瓦風デザイン」のガルバリウム鋼板の屋根もあります。
最近は、寺社仏閣などの文化建築物でもよく用いられています。
寺社仏閣は参拝者や観光客がたくさん集まるため、急な地震や突が風による人的被害リスクを軽減する期待が高い金属屋根の人気が高まっています。
10:千鳥葺き

横葺きの金属屋根の張り方は、「乱葺き」と「千鳥葺き」があります。
基本的には経済的かつゴミの排出量が少ない「乱葺き」がおすすめです。
しかし、太陽光パネル取り付けには「千鳥葺き」が望ましいです。
太陽光パネル設置義務化やEV車を自宅で充電するなど、電力供給に関する関心が高まっているので、太陽光パネル設置を見込んでいる場合は、「千鳥葺き」による屋根の仕上を検討してください。
Youtube動画 屋根の千鳥葺きについて

屋根の千鳥葺きについて
縦葺き金属屋根
おすすめの縦葺き金属屋根
施工写真 | メーカー名 | おすすめ商品 | 特徴 |
---|---|---|---|
![]() |
- | - | ・板金工事会社による自社工事 |
![]() |
稲垣商事 | スタンビー |
・ガルバリウム鋼板 ・ステンレスの選択も可能 ・0.5寸勾配から施工可能 ・オプションで断熱材と制振材を付加でき |
![]() |
セキノ興産 | 立平ロック |
・ガルバリウム鋼板 ・ステンレスの選択も可能 ・0.5寸勾配から施工可能 ・ホットメイルを標準装備 |
![]() |
月星商事 | タフビーム |
・ガルバリウム鋼板 ・ステンレスの選択も可能 ・0.5寸勾配から施工可能 |
※各メーカーのひとつの商品だけの紹介となります。各メーカーには複数種類の屋根材があります。
縦葺きの金属屋根選びでおさえておきたい5つのポイント
1:緩勾配

縦葺きのガルバリウム鋼板の屋根は緩い勾配(傾斜)でも屋根が施工できるという大きな特徴があります。
したがって、同じ床面積の建物なのに、屋根面積が横葺きの金属屋根よりも少なくて済みます。
屋根面積で屋根の工事金額が変わるため、屋根工事の金額も安くなります。
新築の戸建て住宅で縦葺きの金属屋根が好まれているのは、このためです。
また、屋根が緩やかななので屋根にのぼりやすく、メンテナンス性にも優れていると評価できます。
2:瓦棒葺き

瓦棒葺き(かわらぼうぶき)とは、芯木(しんぎ)と鋼板の2つを組み合わせて仕上げる金属屋根のことです。
屋根を断面でみると凸とした突起があることがわかります。
芯木と芯木の間にガルバリウム鋼板(昔はトタン)を張って仕上げます。
昔は金属屋根といえば瓦棒葺きを意味していました。
現在の街中でもよく見る瓦棒葺きですが、芯木と金属の相性は悪く、長期的には屋根の腐朽を招きます。
そのような背景があり、三晃金属工業(屋根施工最大手の東証一部上場企業)が芯木に木の棒を用いない三晃式とよばれる工法を生み出しました。
最近の縦葺き金属屋根の多くは、芯木を用いず金属だけで構成されています。

しかし、現在でも芯木の棒と鋼板を組み合わせた瓦棒葺きをおこなうことがあります。
理由はお手軽だからです。
芯木を用いた瓦棒葺きは「木の棒」と「鋼板のコイル」があれば、どんな場所でも工事ができるメリットがあります。
住宅密集地で車が入り込めない場所や、住宅の庭側に大きな屋根材や道具を持ち運べない場合などは、芯木入りの瓦棒葺きで施工をおこないます。
3:立平葺き

立平葺き(たてひらぶき)とは、芯木の木の棒がないガルバリウム鋼板だけで構成された屋根のことです。
あらかじめ屋根の長さに合わせて切断加工した屋根を、工場から現場に持ち込んで仕上げます。
そのため、短期間かつ低コストで屋根を仕上げることができます。

立平葺きの屋根と屋根の継ぎ目部分は、金属を折り曲げて、引っ掛け合わせてつなぎます。
屋根材の材質もステンレスや銅板などに変えることも簡単にできます。
現在、新築の金属屋根で最も多く採用されています。
4:断熱性と遮音性

縦葺きのガルバリウム鋼板の屋根は工事価格が安く済む一方で、断熱性と遮音性に劣ります。
理由は屋根材の裏側に断熱材がないからです。
基本的には安く仕上げることが売りの屋根なので、付加価値が高い断熱材を付着させずに屋根を仕上げることが多いです。
もちろん、別途費用がかかってしまいますが、断熱材や遮熱シートを貼って屋根を仕上げることは可能です。
5:複雑な屋根

複雑な屋根の形には、縦葺きの金属屋根は適していません。
シンプルな切妻屋根などの屋根に適しています。
屋根面の数が6面や7面など複数になる場合は、横葺きの金属屋根のほうが施工がしやすいです。
6:太陽光パネル取り付け

縦葺きの金属屋根と太陽光パネル設置の相性は、他の屋根材と比べて優れています。
屋根に穴を開けずに済み、太陽光パネルを支える金具の取り付けも簡単です。
縦葺きは屋根の勾配が緩やかなことがほとんどで、メンテナンスもしやすいです。
7:制振材と断熱材

縦葺き金属屋根はオプション工事で「制振材」もしくは「断熱材」を裏側に貼り付けることができます。
制振材は断熱性能は多少ありますが、基本的には遮音性を目的に貼り付けます。
制振材と断熱材の2種類があることに、注意をしてください。
8:遮熱効果

屋根の遮熱効果は遮熱塗料や遮熱鋼板よりも、色に強く左右されます。
縦葺きのガルバリウム鋼板は、色のラインナップが豊富です。
遮熱効果を期待される人は、最も熱を反射してくれるシルバーをおすすめします。
テイガクがおすすめするガルバリウム鋼板屋根
テイガク人気ランキング 1位 アイジー工業 スーパーガルテクトの特徴

専門紙である日経ホームビルダーでは、2020年金属屋根部門で「採用したいメーカーランキング」5年連続1位をスーパーガルテクトは堅持しています。
また、2022年には軽量で断熱性の高さが認められた画期的な屋根材として、文部化科学大臣賞を受賞しています。
なお、スーパーガルテクトの鋼板はエスジーエル鋼板であり、ガルバリウム鋼板ではありません。
したがって、ガルバリウム鋼板よりも高い耐久性を備えています。
海に近い建物は、スーパーガルテクトがおすすめです。
スーパーガルテクトの断熱材はイソヌレートフォームとよばれる燃えにくい素材が採用されています。
断熱材の厚みは16mmと金属屋根のなかでは分厚い屋根材に位置付けられます。
標準品はちぢみ塗装による塗膜で、滑りにくく職人さんが施工がしやすく職人さんからの評判が高い商品です。
屋根のつなぎ目はかん合式タイプで、断熱材が屋根全体を覆う点も他の屋根材と異なるポイントです。
塗膜保証が20年のフッ素塗膜商品もあります。

メーカー製品保証
保証対象 | 保証年数 |
---|---|
穴あき | 25年 |
塗膜 | 15年 |
塗膜変退色 | 15年 |
テイガクは施工実績日本一

テイガクは2019年と2020年、2021年とスーパーガルテクトの施工面積が日本全国で第一位となりました。
スーパーガルテクトの施工に慣れている管理者や職人さんが多数、在籍しています。
スーパーガルテクトの工事を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。
スーパーガルテクトの本体工事価格
屋根材の製品名 | 本体工事価格(税抜) |
---|---|
スーパーガルテクト(ポリエステル) | 6,700円/㎡ |
スーパーガルテクト(フッ素) | 7,700円/㎡ |
テイガク人気ランキング 2位 ニチハ 横暖(よこだん)ルーフαSの特徴

横暖ルーフを取り扱うニチハは外壁材トップの製造メーカーです。
窯業系サイディングの製造会社として知られています。
外壁ではなく、屋根材の製造販売もしています。
2000年に発売開始し、20年が経過しています。
横暖ルーフαSの素材はガルバリウム鋼板です。
断熱材が分厚い商品で、横暖ルーフαSの断熱材の最大厚は18㎜です。
類似品の横暖ルーフSは断熱材の厚みが12㎜なので、横暖ルーフを検討する際は、横暖ルーフSをおすすめします。
横暖ルーフシリーズは、別名センタールーフ(ブランド名)ともよばれています。
断熱材一体型の横葺きガルバリウム鋼板屋根として長く市場を席巻した、実績と歴史がある金属屋根です。
わたしたち板金工事会社にとって、横暖ルーフを知らない人はまずいません。

メーカー製品保証
保証対象 | 保証年数 |
---|---|
穴あき | 25年 |
塗膜 | 20年 |
塗膜変退色 | 20年 |
横暖ルーフの本体工事価格
屋根材の製品名 | 本体工事価格(税抜) |
---|---|
横暖ルーフαS | 8,000円/㎡ |
横暖ルーフαS | 6,400円/㎡ |
横暖ルーフプレミアムS | 7,700円/㎡ |
横暖ルーフS | 6,200円/㎡ |
テイガク人気ランキング 3位 立平葺きの特徴

基本的に立平葺きはメーカーごとに大きな差異はありません。
そのため、特にメーカーにこだわる必要はありません。
オプションで制振材もしくは断熱材を鋼板の裏側に取り付けることができます。
工事価格を優先される場合におすすめの屋根材です。

メーカー製品保証
保証対象 | 保証年数 |
---|---|
穴あき | 極みMAX:25年 和みFIT ミドル:15年 |
塗膜 | 極みMAX:15年 和みFIT ミドル:保証なし |
塗膜変退色 | 極みMAX:保証なし 和みFIT ミドル:保証なし |
スタンビーの本体工事価格
屋根材の製品名 | 本体工事価格(税抜) |
---|---|
立平葺き | 6,000円/㎡ |
瓦棒葺き | 6,000円/㎡ |
立平葺き(断熱材) | 7,000円/㎡ |
テイガク人気ランキング 4位 伊藤忠建材 スカイメタルルーフの特徴

伊藤忠建材は伊藤忠傘下の建材メーカーです。
屋根材では石粒付き鋼板の「スカイメタルルーフ」とアスファルトシングルの「オークリッジ」を取り扱っています。
伊藤忠自体が商社であるため、いずれの屋根材も国産ではなく輸入品です。
屋根のうえに石粒が付着した商品です。
鋼板の質はジンカリウム鋼板とカタログに記載がありますが、実質的にガルバリウム鋼板と思ってください。
石粒付きだから高価なイメージがありますが、それは間違いです。
輸入品(主に韓国製)であることと、石粒が雪止め金具の代わりになることもあって、国産のガルバリウム鋼板屋根よりも安く仕上げることができます。
石粒付き鋼板の色は色あせないという意見をよく見かけます。
しかし、石粒付き鋼板の普及がはじまって10年が経過したテイガクの評価は、「多少は色あせる」と評価しています。
また、石粒のところに苔が発生している屋根もみかけます。
スカイメタルルーフはかん合式タイプの「スカイメタルルーフ・スレート」「スカイメタルルーフ・フラット」とオーバーラップ式タイプの「スカイメタルルーフ・ウッド」の3種類があります。
テイガクは、かん合式タイプの商品をおすすめする機会が多いです。
ノーメンテナンスと表現して販売している会社も存在するようですが、大きな期待はしないしょうにしましょう。

メーカー製品保証
保証対象 | 保証年数 |
---|---|
製品 | 50年 |
美観 | 30年 |
スカイメタルルーフの本体工事価格
屋根材の製品名 | 本体工事価格(税抜) |
---|---|
スカイメタルルーフ ウッド | 6,300円/㎡ |
ガルバリウム鋼板の屋根 商品紹介ページ
よくある質問
A
屋根面積1㎡あたり横葺きで6,000円から1万円、縦葺きで5,000円から9,000円、差込葺きで5,0000円が相場です。
屋根で用いる商品と屋根の形で大きく工事金額は変わります。
ガルバリウム鋼板の屋根の価格についてはこちら
A
横暖ルーフαプレミアムSが一番のおすすめすです。
フッ素塗膜・エスジーエル鋼板(改良版ガルバリウム鋼板)・かん合式・断熱材が屋根全面をカバー、商品代金など、他のメーカーにない条件が満たされた商品です。最も優れた屋根材のひとつです。
横暖ルーフαプレミアムSについてはこちら
A
縦葺きの金属屋根で仕上げると工事費用がやすくなります。
縦葺きガルバリウム鋼板屋根についてはこちら
A
かん合式のガルバリウム鋼板の屋根をビス留めと取り付けることをおすすめします。
ビスの間隔を30cm間隔にするなど、ビスの間隔はできるだけ短くする方が屋根材の固定力は強くなり、強風でも風で飛ばされにくい屋根になります。
かん合式についてはこちら