ガルバリウム鋼板の価格・工事費用の相場について

ガルバリウム鋼板自体の材料価格は安いもので1,000円/㎡程度です。
デザインや断熱性などの付加価値を高めたものになると4,000円/㎡程度です。
しかし、実際にDIYによる材料費だけで屋根と外壁を仕上げることは不可能です。
職人さんの労務費や施工管理費などが加わり、たいてい、工事金額は10,000円/㎡を超えます。
工事価格の設定は基本的に自由なので、依頼する業者ごとにガルバリウム鋼板の工事価格に大幅な差が生まれます。
法外な費用を請求する悪徳リフォーム業者がいるのも事実です。
この記事ではガルバリウム鋼板の価格について詳しく解説します。

ガルバリウム鋼板の価格

ガルバリウム鋼板は「コイルの形」もしくは屋根や外壁ですぐにつかえるように「成型加工された形」で販売さています。
どちらもホームセンターや楽天市場などの通販でも購入することが可能です。

コイルの価格

コイル状のガルバリウム鋼板
コイル状のガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は通常、グルグル巻きにされたコイルの状態で保管されています。
コイル形状のガルバリウム鋼板を一般の人が購入する機会はほぼありません。
私たち板金工事会社が購入することがほとんどです。
たとえば、コイルを元に私たちは破風板板金を造ります。
コイルを折り曲げ、成型加工し、破風部分に取り付けます。
コイルの価格は1㎡あたり約800円~1,000円位です。

成型加工されたガルバリウム鋼板の価格

ガルバリウム鋼板を成型加工して屋根材/外壁材にする
ガルバリウム鋼板を成型加工して屋根材/外壁材にする

コイルを元に金属建材メーカーが屋根材や外壁材として用いられるよう成型加工します。
鋼板の表側に遮熱塗料を塗布させた商品や、裏側に断熱材を貼付させた商品など、付加価値の高い商品を各メーカーは開発し、販売しています。
わたしたちが日常に目にするガルバリウム鋼板はメーカーが成型加工した商品です。

屋根材の価格は1㎡あたり約2,500円~4,000円位です。
外壁材の価格は1㎡あたり約3,000円~5,000円位です。

屋根材・外壁材はバラ売りされない
屋根材・外壁材はバラ売りされない

ただし、屋根材と外壁材はバラ売りはされていません。
大きな段ボール箱にまとめられて販売されています。
したがって、最小単位で成型加工された屋根材と外壁材を購入する場合は以下の金額が相場になります。

屋根材の価格は約5㎡入りで約14,000~16,000円位です。
外壁材の価格は約10㎡入りで約35,000~50,000円位です。

なお、メーカーのカタログを見ると参考設計価格という表記があります。
1㎡あたり7,000円や9,000円などさまざまです。
しかし、実際はメーカー設計価格より30%前後ほど安く、世の中に流通されています。

お求めやすいガルバリウム鋼板

波型ガルバリウム鋼板
波型ガルバリウム鋼板

屋根にも外壁にも使えるガルバリウム鋼板の定番の形が「波型」とよばれる形です。
「波板」ともよびます。
トタンが主流の時代は、「波型トタン」や「波トタン」「カラートタン」ともよばれていました。
現在でも街中で波型トタンで仕上げられた屋根や外壁はよく目にします。
これからは「波型ガルバ」を目にすることが多くなるはずです。

基本的にガルバリウム鋼板の屋根と外壁は板金工とよばれる職人さんが施工をします。
しかし、波型製品は造りがシンプルなので、大工さんがおこなったり、DIYで仕上げたりすることもしばしばあります。

波型ガルバの価格は1㎡あたり1,000円位です。

ガルバリウム鋼板以外に必要になる”お金”

鋼板以外の費用

谷どい部分の雨仕舞
屋根の棟板金や谷樋板金

基本的にガルバリウム鋼板の鋼板だけで屋根や外壁を仕上げることはできません。
たとえば、屋根を仕上げるには、棟板金(むねばんきん)や軒先板金(のきさきばんきん)などの役物(やくもの)とよばれる板金部材が必要になります。
また、DIYで施工をするなら労務費はかかりませんが、プロに作業をおこなってもらうには施工費雑務費が別途かかります。

実際にガルバリウム鋼板の屋根や外壁を仕上げる工事費は以下の計算になります。

「工事費」=「ガルバリウム鋼板代」+「役物代」+「職人労務費」+「運搬費」+「廃材処分費」+「交通費や駐車場代などの諸経費」

工事費

ガルバリウム鋼板を用いた新築(注文住宅)の屋根/外壁工事費用

屋根/外壁の種類 工事単価
縦葺き屋根
(ガルバリウム鋼板)
約6,000円~7,000円/㎡
横葺き屋根
(ガルバリウム鋼板)
約7,000円~9,000円/㎡
縦張り外壁
(ガルバリウム鋼板)
約9,000円~10,000円/㎡
横張り外壁
(ガルバリウム鋼板)
約8,000円~9,000円/㎡

ガルバリウム鋼板を用いた葺き替えリフォームの屋根工事費用

屋根の種類 工事単価
縦葺き屋根
(ガルバリウム鋼板)
約13,000円~16,000円/㎡
横葺き屋根(ガルバリウム鋼板)
(ガルバリウム鋼板)
約14,000円~17,000円/㎡

ガルバリウム鋼板を用いたカバー工法リフォームの屋根/外壁工事費用

屋根/外壁の種類 工事単価
縦葺き屋根
(ガルバリウム鋼板)
約9,000円~11,000円/㎡
横葺き屋根
(ガルバリウム鋼板)
約10,000円~12,000円/㎡
縦張り外壁
(ガルバリウム鋼板)
約13,000円~14,000円/㎡
横張り外壁
(ガルバリウム鋼板)
約11,000円~12,000円/㎡

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建売住宅とガルバリウム鋼板

最近、建売住宅でもガルバリウム鋼板を採用することが増えています。
屋根と外壁の標準施工品としての認知と普及が拡大しています。
スレート系や窯業サイディングをガルバリウム鋼板の屋根と外壁にするだけで、40万円~50万円ほど工事費が高くなるはずです。
そのような建売住宅を見た場合、屋根と外壁の価値を見逃さないようにしてください。
将来のメンテナンスなどの費用対効果を考えた設計をしているととらえてください。

板金工事会社以外に依頼した場合

板金工事会社以外の契約

理想的な工事契約の例
理想的な工事契約の例

建設業界は下請けや孫請けなど、お金の流れが複数の会社にまたがる業界です。
たとえば、ハウスメーカーにガルバリウム鋼板の屋根工事を契約した場合、ハウスメーカーに勤務している正社員が屋根にのぼってガルバリウム鋼板の工事をおこなうことは100%ありません。
ハウスメーカーの下請け業務委託契約をしている板金工事会社が実際の工事をおこないます。
ハウスメーカーに限らず、リフォーム業界は営業活動を主におこなう元請け会社と、元請け会社から工事を受注する下請け会社の関係で成り立っている業界です。
その一方で、板金工事会社を見つけて直接工事依頼をおこなえば、中間マージンをなくした工事が実現できます。
したがって、ガルバリウム鋼板を用いた屋根と外壁の工事を依頼する場合は、板金工事会社に直接依頼をすることをおすすめします。

マッチングサイトを利用した場合

フランチャイズ加盟店経由の工事契約
フランチャイズ加盟店経由の工事契約

インターネットでは業者紹介サイトが栄華を極めています。
紹介サイトマッチングサイトともよばれています。

屋根や外壁のリフォーム工事をインターネットを活用して検討しようとする際、
地元の優良専門リフォーム業者を3社以上、無料で紹介します!
といった宣伝を必ず目にするはずです。

業者紹介サイトに登録しているリフォーム会社に問い合わせがあったお客様を引き合わせて、リフォーム工事が契約にいたると成功報酬を紹介サイトがリフォーム会社から受け取るビジネスモデルです。
成功報酬のお金は当然、エンドユーザーであるお客様(施工主)を経由することはありません。
リフォーム工事金額総額の10%~20%がリフォーム工事会社から業者紹介サイト運営会社に支払われます。
もちろん、リフォーム工事を請け負うリフォーム工事会社は利益を一定数以上必要になるわけなので、あらかじめ業者紹介サイトへの成功報酬分の費用を見積り金額に上乗せさせます。

ガルバリウム鋼板の屋根や外壁の工事をおこなう場合、マッチングサイトを用いず板金工事会社に直接依頼をした方が健全な判断であるというのがテイガクのスタンスです。

ルバリウム鋼板の価格のまとめ

コイル形状(フラット形状)や波型などのシンプルな形状のガルバリウム鋼板は、1㎡あたり1,000円前後が市場流通価格です。
断熱材一体型やエンボスデザイン加工などが施された製品になると、1㎡あたり4,000円前後になります。
もちろん、DIYで施工をすれば、材料費だけで済みます。
もっとも大きく価格差が生じるのは、工事の依頼先です。
専門の板金工職人や板金工事会社に施工を依頼すると、労務費や諸経費が別途かかるため、1㎡あたり10,000円前後になります。
直接工事をおこなう工事業者ではなく、営業活動を中心におこなう工事業者に工事を依頼すると中間マージンが発生します。
特筆すべきは、インターネットの世界です。
インターネットでは業者を紹介するマッチングサイトが増えており、契約ごとに中間マージンに近い成果報酬が発生する取引形態が増えています。

また、新築とリフォームでは廃材の量が変わるため、工事費も大きく変わります。

DIYではなくプロの業者にガルバリウム鋼板を用いた工事を依頼する際は、ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材を直接取り扱いし、板金工が在籍する板金工事会社に依頼することをおすすめしたいです。

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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