折板屋根で屋根カバー工法を行う改修方法と改修費用のポイント

折板屋根の特徴

大型建築物の屋根改修工事の主役

折板屋根カバー工法後の写真

折板屋根は金属製の屋根材です。
代表的な素材として、亜鉛メッキ鋼板ガルバリウム鋼板塩ビ鋼板ステンレス鋼板があげられます。

折板屋根は主に倉庫や工場などの大型建築物で用いられています。

波型スレート

昔は倉庫や工場の屋根材といえば、波型スレートでした。
しかし、現在の大型施設の屋根は、ほとんどが折板屋根です。
リフォーム工事も同じです。
古くなった折板屋根や波型スレートのうえに折板屋根を被せる屋根カバー工法がおこなわれています。
テイガクでもよくおこなっています。

【Youtube】折板屋根の構造について

折板屋根が改修工事に向いている理由

折板屋根の作業風景

もちろん、折板屋根にも寿命があります。
いつかは大規模な改修工事が必要となります。
しかし、古い屋根を剥がして屋根を張り替える工事は、多額の費用がかかり、建物の利用も制限されます。

そこで、軽い折板屋根を重ねて張る屋根カバー工法が生み出されました。
屋根カバー工法による工事は古い折板屋根はもちろん、古い波型スレートでも採用されています。
施工実績を重ねていることに加えて、施工技術や鋼板の素材なども日々、改良、改善されています。

カバー工法葺き替え
工事費用安い高い
重量重くなる変わらず
工事期間短い長い
工事中の営業可能不可能

折板屋根のカバー工法の費用

テイガクによる折板屋根の成型加工動画

まずは大型の屋根を成型し、施工している下記の動画をご覧ください。

金属屋根の現場成型

金属屋根の現場成型

折板屋根 持ち上げ動画

折板屋根 持ち上げ動画

折板屋根の改修費用が表にでない理由

現場成型

折板屋根の成型加工

あらかじめ工場で成型した折板屋根を車で持ち運ぶことができる場合、折板屋根の改修費用は安くなります。
しかし、車で持ち運ぶことができないほど屋根が大きい場合は、現場で工作機械を持ち運んで折板屋根を屋外で製造します。

屋根面積

屋根面積が大きいほど屋根改修費用は安くなります。
しかし、戸建て住宅と違って工場や倉庫の屋根はスケールが異なります。
100㎡の屋根もあれば、10,000㎡を超える屋根もあります。
そのため、おおよその価格を公開することが難しいです。

電線や前面道路の幅などの周囲環境

折板屋根の持ち運び

電線がなくてクレーン車などの機械がおける十分なスペースがあれば、大型の折板屋根を持ち上げて速やかかつ安価で工事をおこなうことができます。
しかし、周囲が住宅街で電線があったり、前面道路の道幅が狭かったりすると、屋根が短い短尺の折板屋根で工事を進めるしかありません。
その場合は工事費用が高くなります。

どんな屋根でカバー工法ができるのか?

折板屋根のうえに折板屋根

築後30年が過ぎた折板屋根

古くなった折板屋根のうえに折板屋根を被せる工事です。
雨漏りが改善しない折板屋根の改修工事として、まずはじめに検討されるポピュラーな工事です。

波型スレートのうえに折板屋根

波型スレートとタイトフレーム

古くなった波型スレート屋根のうえに折板屋根を被せる工事です。
折板屋根を用いた改修工事では、最も多い工事になります。

瓦棒屋根のうえに折板屋根

縦葺き瓦棒屋根のカバー工法

縦葺きの瓦棒金属屋根のうえに折板屋根を被せる工事です。

折板屋根のカバー工法をおこなうデメリット

POINT
  • 屋根が重くなる

  • 夏は暑くなりやすい

  • 膨張で音鳴りがすることがある

  • 結露水が生じることがある

屋根が重くなる

折板屋根のカバー工法

屋根カバー工法をおこなうと屋根が重くなり、耐震性能が悪くなります。
折板屋根の厚みは、住宅用の金属屋根の2倍近くあり、1㎡当たり15kg~20kg程度は屋根が重くなります。
それでも重さは瓦屋根の半分以下の重さであり、軽い屋根であることは認められます。
しかし、建物の耐震性に不安がある場合は、屋根カバー工法による改修工事は避けたほうがよいでしょう。

夏は暑くなりやすい

折板屋根のルーフファン

折板屋根のカバー工法では、基本的には断熱材を充てんしないでおこなうことがほとんどです。
そのため、屋根を被せると暑さが改善しないで逆に増すことがあります。
その場合は、ルーフファンとよばれる屋根にこもった熱を排出する部材を取り付けると効果的です。

テイガクの職人さんには、このルーフファンの取り付けだけを専門にしていた職人さんが在籍しています。
折板屋根のルーフファンの取り付けにご興味がある人は是非テイガクにご相談ください!

膨張で音鳴りがすることがある

折板屋根は金属なので熱を吸収することで膨張し、収縮します。
台所のステンレスシンクに熱湯をかけると「BON!!」という音鳴りする原理と同じです。
あの音の更に大きな音が屋根で起きます。
折板屋根の裏側に断熱材を敷くことで音の発生をある程度は抑えられますが、基本的には避けられない現象だと思ってください。

結露水が生じることがある

折板屋根でカバー工法をおこなうと、古い屋根材と折板屋根の間に結露が生じやすくなります。
この結露を雨漏りと勘違いされてしまうことが少なくありません。
結露は折板屋根の裏に断熱材を敷くことで解消はされませうが、折板屋根の下に敷く断熱材は皆さんが思っている以上に高額です。

折板屋根を用いたカバー工法の手順

現場調査

現場調査 折板屋根ブルーシート

横浜市にある築40年以上経過した波型スレートの改修工事をご案内します。
屋根の面積は約150坪あります。
改修のきっかけは、2019年の台風による雨漏り被害です。
雨漏りは工場内の備品や商品に損害を与え、工場の生産性も低下させます。

テイガクのウェブサイトを見て、お問い合わせいただいたお客様です。
相見積もりの結果、テイガクで工事をおこなわせていただく運びとなりました。

既存屋根の劣化

折板屋根金具取り付け

古い波型スレートの屋根の様子です。
これまで波型スレートを継ぎはぎで局所的に修理をおこなうことは地元の工務店さんにお願いされていたようです。
しかし、スレートの歪みが屋根全体に現れ、金属製のルーフファンも錆びてしまっています。

安全ネットと下地材の取り付け

波型スレートは人の重さで踏み抜いてしまい、転落事故につながる恐れがあります。
そのため安全ネットを屋根全面に張り付けます。
その後、折板屋根を固定するための下地材を取り付けます。
銀色のギザギザした金具が折板屋根の下地材で、タイトフレームとよびます。

長尺の屋根を持ち上げ

折板屋根の製造

今回の現場は工場地域で周囲の環境が良く、クレーン車や材料置き場などの十分なスペースが確保できました。
工場であらかじめ製造した長い折板屋根をクレーンで持ち上げます。
大型の屋根は職人さんの数が4名~10名程度必要です。

折板屋根の取り付け

折板屋根を屋根の上に持ち上げました。

折板屋根を取り付けます。
こちらの折板屋根はボルトが表に出ない「ボルトレスタイプ」です。
金額は少し高くなりますが、屋根の表面に穴が露出しないため、雨仕舞に優れています。

折板屋根の工事完成

折板屋根材の取り付け

最後に折板屋根のてっぺんの棟板金を取り付けて、折半屋根の改修工事が完了となります。
今回はルーフファンも交換しました。
工事開始から完成まで約2週間で終わりました。
折半屋根の屋根の色は複数の色から選べますが、遮熱効果が高い薄いグレーもしくはシルバーがおすすめです。

折板屋根のカバー工法は板金工事会社へ

折板屋根のカバー工法の実績が豊富なテイガクにお任せください

テイガク川口倉庫
テイガクの工事拠点(埼玉県川口市)

テイガクではこれまで、数多くの折板屋根の工事を手掛けてきました。
金属屋根や金属外壁の工事は、テイガクのような板金工事会社が専門におこなう工事です。

これから、折板屋根のカバー工法による金属屋根の工事をご検討されている人はテイガクにお問い合わせください。
お見積りの作成までは無料です。
お気軽にお問い合わせください。

千葉市波型スレート屋根カバー工法完成
千葉市美浜区

千葉市 – 工場の波板スレート屋根をカバー工法でリフォーム

日付:2019年7月

千葉市 – 工場の波板スレート屋根をカバー工法でリフォーム

テイガクは工場の屋根もおこなっています。千葉市の工場で波板スレート屋根を金属屋根のカバー工法で仕上げました。板金専門の工事会社だからできる完全自社の施工です。工場の葺き替えやカバー工法をご検討のお客様はテイガクへお任せく…

日付:2019年7月

12.堺市工場屋根の改修工事 完成
大阪府堺市

堺市 – 工場の波型スレート屋根改修工事はテイガクで

日付:2017年7月

堺市 – 工場の波型スレート屋根改修工事はテイガクで

大阪府堺市の波型スレート屋根をカバー工法でリフォームしました。 堺市の工場屋根や倉庫屋根はテイガクにお任せください。 大阪府堺市で行った工場のスレート屋根改修工事 大阪府堺市で工場屋根の改修工事を行いました。既存の屋根は…

日付:2017年7月

テイガク
大阪府東大阪市

東大阪市の工場屋根リフォーム 工事事例

日付:2016年5月

東大阪市の工場屋根リフォーム 工事事例

大阪で工場屋根のリフォーム工事、雨漏り修繕工事をご検討のお客様は弊社にお問い合わせください。 完全定額制の固定料金でお客様の工場屋根の修繕工事をご提供させていただきます。 お見積もりは無料、相見積もりも喜んでお引き受けし…

日付:2016年5月

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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