ガルバリウム鋼板の外壁が人気である理由・メリットとデメリット

ガルバリウム鋼板の外壁が人気である理由 ガルバリウム鋼板の外壁が人気である理由 ガルバリウム鋼板の外壁が人気である理由

このページでは、ガルバリウム鋼板の外壁について、価格からメリット・デメリットまでご紹介します。
ガルバリウム鋼板の外壁は、耐震性や耐久性に優れています。
20年以上昔は、主に応急処置やリフォームで用いる外壁材としての用途でした。
しかし、デザインや断熱性能に優れた商品が開発され、人気が高まっています。
外壁のリフォームをご希望の方は、ガルバリウム鋼板でのカバー工法もぜひ検討してみてください。

ガルバリウム鋼板の外壁材の基礎知識

ガルバリウム鋼板とは?

木目調のインクジェット(無機塗膜)+断熱材一体型
木目調のインクジェット(無機塗膜)+断熱材一体型

ガルバリウム鋼板とは、鉄をメッキ層で保護された鋼板であり、メッキは主にアルミと亜鉛が組み合わせた合金が用いられています。
メッキの成分にアルミがないトタンと比べて錆びに強く、高い耐久性があることが認められています
開発から30年以上経過しており、多くの実績数と長い歴史を経て評価が確立し、現在では外壁や屋根で最も多く採用されている金属素材となっています。

戸建て住宅では断熱材一体型の商品が用いられます。
金属特有のシルエットや、インクジェットによる彩色技術の進歩のおかげで、デザインも支持されおり、外壁市場では人気が徐々に高まっています。

鉄(薄い鉄の板)をガルバリウムのメッキで保護した鋼板がガルバリウム鋼板
鉄(薄い鉄の板)をガルバリウムのメッキで保護した鋼板がガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板についての詳細はこちらから

ガルバリウム鋼板とは

金属サイディングのシェア

窯業サイディングとガルバリウム鋼板の外壁を組み合わせた外壁
窯業サイディングとガルバリウム鋼板の外壁を組み合わせて外壁カバー工法をした外壁

ガルバリウム鋼板は金属製の外壁材であるため、金属サイディングに分類されます。
サイディングとは外壁パネルのことです。
金属サイディングは、窯業サイディングに次ぐ、2番目にシェアを獲得している外壁材です。

外壁材のシェア

外壁材 シェア
窯業サイディング 78.4%
金属サイディング 10.9%
モルタル 7.3%
日本サッシ協会/令和4年度調査

外壁材の種類と特徴

画像中央の アイコン アイコンを左右に移動すると、画像の比較ができます

【リフォーム前】窯業サイディングの外壁 【リフォーム後】ガルバリウム鋼板の外壁

窯業サイディングをガルバリウム鋼板の外壁にリフォーム

金属サイディングを含む、戸建て住宅でよく用いられる外壁材の種類と特徴をまとめました。
窯業サイディングは製造時期によって、全く性能と構造が異なるため、「釘打ちタイプ12㎜」と「釘打ちタイプ14㎜」「金具引掛けタイプ」「シーリングレスタイプ」の4つに分類しました。

窯業サイディングの特徴

初期コスト 耐久性 断熱性 メンテナンス性 耐震性
釘打ちタイプ
(12mm/販売中止)
× ×
釘打ちタイプ
(14mm/標準品)
×
金具引掛けタイプ
(15mm/標準品)
×
シーリングレスタイプ
(16㎜以上/ハイグレード品)

金属サイディングはガルバリウム鋼板だけではなく、エスジーエル鋼板やアルミも人気です。
それぞれ比較いたします。

金属サイディングの特徴

初期コスト 耐久性 断熱性 メンテナンス性 耐震性
ガルバリウム鋼板
エスジーエル鋼板 
アルミ

その他の外壁材の特徴

初期コスト 耐久性 断熱性 メンテナンス性 耐震性
樹脂サイディング ×
モルタル外壁(左官仕上げ) ×
タイル ×
ALC

ガルバリウム鋼板の外壁は優れた外壁材か?

筆者の見解を述べると、ガルバリウム鋼板の外壁材は窯業サイディングよりも優れています。
しかし、費用の問題があり、窯業サイディングより普及が拡がっていません。
コストを意識した分譲住宅では、用いられることはほとんどありません。
また、施工ができる会社が限られていることもあり、提案できない会社(ハウスメーカーなど)も存在します。
もちろん、外壁材を選ぶことができる環境にある人には、金属サイディングをおすすめします。

アイコン ガルバリウム鋼板の外壁材はどのような機会で用いられているのか?

ガルバリウム鋼板の外壁材は主に下記の2つのケースで採用されています
1:分譲住宅ではなく「注文住宅」
2:重ね張りによる「外壁リフォーム」

ガルバリウム鋼板の外壁材のメリットとデメリット

ガルバリウム鋼板の外壁のメリットとデメリットをまとめます。

メリット
  • 軽量で地震に強い

  • 断熱性が高い

  • シンプルで高級感があるデザイン

  • 継ぎ目のシーリングの多くが板金で覆われるため、止水性とメンテナンス性が良好

  • フッ素鋼板はほぼ再塗装不要

デメリット
  • 窯業サイディングより価格が高い

  • 窯業サイディングよりリアルな質感は劣る

  • 施工が難しい

高い断熱性能

断熱性能に対する興味関心が年々、高まっています。
主要な外壁材のなかでも金属サイディングは、最も高い断熱性能を示しています。
室内に侵入する熱の量を抑えてくれます。
新築時、建物の断熱性能を評価するために、断熱等級とよばれる評価基準が設けられています。
計算式による数値で断熱効果を求めます。
当然、外壁材の断熱効果も数値に当てはめる必要があり、各外壁材メーカーは商品ごとに熱電率とよばれる断熱効果と関わる数値を公開しています。

各外壁材の熱伝導率

外壁材   熱伝導率W/(m・K)
金属サイディング 0.026
窯業サイディング 0.15
ALC 0.17
モルタル 1.3
日本サイディング工業会より

数値が高いほど、熱が伝わりやすいことを示します。
真夏に日差しが当たった外壁の熱が外壁内部にどのくらい流入するかを示す数値です。

高いメンテナンス性能

トタンと比べて錆が発生しにくく、発生しても拡大しないのがガルバリウム鋼板の特徴です。
そのため、白錆びなどの錆が生じていても、外壁の機能(雨漏りを防ぐ)に大きな影響が及ぶことは、ほぼありません。
また、窯業サイディングと違いシーリングの露出も少ないです。

築60年!!約30年後の金属サイディングはどうなってるの?塗装は不要?
09:41

築60年!!約30年後の金属サイディングはどうなってるの?塗装は不要?

モダンでかっこいいデザイン性

洗練されたおしゃれなデザインが理由でガルバリウム鋼板の外壁を選ぶ人が増えています。
テイガクでは多数の施工実績がございます。
是非、他の外壁との違いを見比べてください。

ガルバリウム鋼板の外壁でリフォームしたビフォーアフター

おしゃれでモダンな外壁リフォーム

ガルバリウム鋼板の外壁材が紹介されているYoutube動画

ガルバリウム鋼板の外壁について解説しているYouTube動画を集めました。
ガルバリウム鋼板の外壁は、注文住宅を手掛ける設計士(建築士)に好まれる傾向があります。
設計士は建築に関する探求心が強いため、設計士が発信している情報の信頼性は高いです。

ガルバリウム鋼板の外壁工事費用

新築時とリフォーム時の工事価格

ここからは、ガルバリウム鋼板の外壁の相場についてご紹介します。
次の建物イメージを参考に、相場を算出しています。

家

【モデルの建物情報】

建物構造 木造2階建て
外壁面積 170㎡

ガルバリウム鋼板の外壁材の価格は、商品によって大きく変わります。
最も安い商品(断熱材がない商品)の材料費込の施工費は1㎡あたりおよそ6,000円です。
人気が高い断熱材一体型のシンプルなデザインの縦張りサイディングは、材料費込の施工費が1㎡あたりおよそ9,000円です。
最も価格が高い商品は、無機塗料のインクジェットで彩色デザインされた商品、もしくは外壁の継ぎ目がない長尺の縦張りサイディングです。

縦張りのガルバリウム鋼板の外壁
縦張りのガルバリウム鋼板の外壁は比較的工事金額が高い
横張りのスタンダードなガルバリウム鋼板の外壁
横張りのスタンダードなガルバリウム鋼板の外壁は比較的工事金額を抑えられる
インクジェットのガルバリウム鋼板の外壁
インクジェットによるデザインされたガルバリウム鋼板の外壁はかなり工事金額が高い

ガルバリウム鋼板の外壁工事の価格

工事内容 工事価格
新築 1,500,000~2,000,000円
リフォーム 1,800,000~2,500,000円

新築時は、窯業サイディングに比べて1.2~1.4倍程度の費用負担となります。
リフォーム時の外壁塗装と比べると、外壁塗装のおよそ2.5~3倍程度の費用負担となります。

長尺&縦張りのガルバリウム鋼板

金属サイディングの外壁
【アイジー工業/ガルボウ】継ぎ目が全くない長尺の外壁

金属サイディングの1枚長さは3~4mです。
縦張りで金属サイディングを張ると、水平方向(横方向)に継ぎ目が生じます。
見切り材と呼ばれる板金役物が露出する仕上がりになります。

シンプルででスッキリしたデザインを求める場合、継ぎ目に少し違和感を覚える方もいるかもしれません。
そのような問題を解消するため、6mの長さまで特注することができます。
1枚の外壁材で外壁を仕上げます。

美しさだけではなく、雨仕舞やメンテナンス性にも優れています。
軽量なガルバリウム鋼板の金属サイディングだからこそできるクオリティです。
ただし、工事金額はかなり高額になります。

【外壁材選び】最も優れている外壁材が長尺縦張り金属サイディングである理由
09:48

【外壁材選び】最も優れている外壁材が長尺縦張り金属サイディングである理由

ガルバリウム鋼板の外壁材と色

ガルバリウム鋼板の色

ガルステージシャイン
【アイジー工業】ガルステージ

人気商品ほどカラーラインナップが豊富です。
たとえばアイジー工業のガルステージとよばれる商品は、11色あります。
最近は金属素材を活かしたシンプルなデザインが好まれる傾向があり、メタリック色や黒、あるいはネイビーといった落ち着いた色が人気です。

遮熱性を求める場合は、白系がおすすめです。
寒冷地域にお住まいの人は、熱を吸収しやすい黒系がよいでしょう。

アイコン メーカーが提供するシュミレーションを活用!

ガルバリウム鋼板の外壁材メーカーは、金属サイディングの商品ごとに写真を合成するシュミレーションパースを提供しています。
これから新築やリフォームでガルバリウム鋼板の外壁材の採用を検討されている人は、シュミレーションを活用してください。
費用は無料です。

縦張りと横張り

縦張りの金属サイディング
下地を横向きにして縦に外壁を仕上げる

昔のガルバリウム鋼板の金属サイディングは、手っ取り早く安く済ませるリフォーム用の外壁材、あるいは補修用の外壁材として用いられていました。
そのため、モルタル外壁を模した横張りの外壁材が多かったです。

しかし、アイジー工業が「ガルスパン」とよばれるシンプルで洗練された縦張りの金属サイディングを販売したことで、デザインを目的として、ガルバリウム鋼板の外壁材が採用される人が増えています。

雨漏りした外壁を金属サイディングでリフォーム
13:57

雨漏りした外壁を金属サイディングでリフォーム

色あせと錆び

錆が発生したガルバリウム鋼板の外壁
錆が発生したガルバリウム鋼板の外壁

20年近く放置していると、ガルバリウム鋼板は色あせ錆びが少しづつ目立つようになります。
ガルバリウム鋼板の塗膜はフッ素とポリエステルがあり、フッ素鋼板光触媒鋼板を用いれば色あせの問題は解消されます。
錆びはトタンのように拡大することはなく、局所的に生じます。
筆者の見解を述べると、ガルバリウム鋼板の錆びは、問題視する必要はありません。
ガルバリウム鋼板の錆びはかなりスローペースに進行するからです。

具体的にガルバリウム鋼板の錆びは、「まだら模様」→「白錆び」→「赤錆び」の順番で進行します。
赤錆びのステージにまで到来していなけらば、そのまま何もせずとも、外壁機能が低下する(雨漏りする)ことはないでしょう。

ガルバリウム鋼板の塗膜 期待耐候年数
ポリエステル塗膜 5年
フッ素塗膜 30年
光触媒 35年
無機(インクジェット) 40年
※耐候年数はテイガクの経験による

具体的にガルバリウム鋼板の錆びは、「まだら模様」→「白錆び」→「赤錆び」の順番で進行します。
赤錆びのステージにまで到来していなけらば、そのまま何もせずとも、外壁機能が低下する(雨漏りする)ことはないでしょう。

ガルバリウム鋼板の外壁材メーカーとおすすめ商品

金属サイディングメーカー

会社名 特色
アイジー工業 金属建材シェアNO1
旭トステム外装  旭硝子が開発した高耐久フッ素「ルミフロン」採用
ケイミュー 屋根材・雨どいの売り上げNO1メーカー
ニチハ 外壁材の売り上げNO1メーカー
日鉄鋼板 日本製鉄グループ・エスジーエル鋼板製造会社
YKK AP アルミサイディング売り上げNO1メーカー

おすすめのガルバリウム鋼板の外壁材

ビレクトの外壁

メーカー名:アイジー工業
商品名:ビレクト/マットブラック
張り方:横張り/縦胴縁
工事内容:テイガクによる外壁カバー工法

ガルスパンの外壁

メーカー名:アイジー工業
商品名:ガルスパン/ネオブラック
張り方:縦張り/横胴縁
工事内容:テイガクによる外壁カバー工法+一部窯業サイディング張り

ティエラの外壁

メーカー名:旭トステム外装
商品名:ティエラ/インクジェット(フッ素)
張り方:横張り/縦胴縁
工事内容:テイガクによる外壁カバー工法

外壁カバー工法(重ね張り)

古い外壁の上にガルバリウム鋼板の外壁材を張るリフォームが人気です。
外壁塗装のように繰り返しおこなう必要はなく、1度の外壁リフォームで30年以上の安心が得られます。
建物の外観も新築同様で刷新もできることから、予算がある人は外壁カバー工法を検討してください。

外壁カバー工法について詳しくはこちら

外壁カバー工法とは

ガルバリウム鋼板以外の金属サイディング

エスジーエル鋼板

エスジーエル鋼板は、ガルバリウムのメッキにマグネシウムを加えた改良型ガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板よりは”やや割高”です。
ガルバリウム鋼板の3倍超の耐久性が認められています。
同じ分類の鋼板ではZAM鋼板やスーパーダイマなどもよく知られています。
いずれも日本製鉄グループが開発製造している高耐久鋼板です。
金属サイディングでも数は少ないですが、数点、発売されはじめています。

エスジーエル鋼板の外壁商品

メーカー名 商品名
旭トステム ジオストライプ
旭トステム スパンサイディング
アイジー工業 ガルボウ

アルミサイディング

ガルバリウム鋼板が登場する前の金属サイディングといえば、アルミサイディングでした。
軽さと錆びにくさではアルミサイディングが優れています。
コストパフォーマンスに優れたガルバリウム鋼板の外壁材が登場し、アルミサイディングのシェアは急減しました。

しかし、今でも昔にアルミサイディングで施工された建物を街中で見かけます。
30年以上経過しているにもかかわらず、色あせも雨漏りもなく外壁機能が維持されています。
筆者はアルミサイディングは再評価しています。

ガルバリウム鋼板の外壁材に関するよくある質問

Q

メンテナンス方法は?

A

外壁部位のなかでも雨が当たりにくい箇所は錆が発生しやすいです。
理由は外壁に付着したホコリが雨で洗い流されないからです。
雨が当たりくい箇所を10年1度、点検をおこない、必要に応じてホースなどを用いて水洗いしてください。

Q

再塗装の必要はあるのか?

A

ガルバリウム鋼板は錆が生じても拡大したり、穴が開いたりするリスクが極めて低い素材です。
そのため、明らかな赤さびの発生がない限り、再塗装の必要はありません。
あくまでもテイガクの見解です。

Q

横張りと縦張りどちらがいいのか?

A

胴縁が縦(縦胴縁)になる横張の方が良いです。
しかし、通気層を確保する施工をおこなっていれば、縦張りでも全く問題ありません。
どちらが良いか尋ねられた時の回答です。
基本的にどちらでも問題ありません。

Q

ガルバリウム鋼板の外壁工事をおこなう会社は?

A

建築板金工事会社です。
金属建材を切断したり、張ったりする専門職人である板金工が施工をします。
専門性が高くて工事金額が安い工事会社をお探しの人は、建築板金工事会社に依頼するとよいでしょう。

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