私たちがはしごで屋根に上る時に注意してること【緊急】

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はしごをかけるときに注意すること

はしごを使って屋根に上るとき、私たちテイガク屋根修理が注意していることをご紹介します。
2016年に熊本地震の被害にあった熊本県や大分県では、屋根上からの転落事故が相次ぎました。
屋根が被災して、応急処置を施そうと不慣れな方が屋根に上ったのかもしれません。
この記事を通して読者の方が「屋根に上るときの注意点と危険性」を学び、毎年多発している屋根からの転落事故を防げればと思います。

また、本記事に書かれている「はしごのかけ方」や「注意するべき点」は、すべての建物に当てはまるものではありません。
記事中では一般的な2階建住宅の屋根に上るケースを想定しています。
屋根の破損状況や屋根材の種類、気候により屋根の上り方にはさまざまな工夫や応用が必要です。
以上のことをご理解のうえ、参考にしてください。

アイコン 本記事を読むうえでの注意事項

この記事の目的は「屋根修理を専門とする工事会社がはしごで屋根に上るときに注意しているポイント」を紹介することです。
決して、「一般の方でも簡単に屋根へ上れる」と宣伝するものではありません。

屋根やはしごの上で作業することは極めて危険なため、慣れていない方はできれば避けるべきです。

【前提】はしごで屋根に上れないケース

お客さまから屋根リフォームのお見積り依頼をいただいた後、テイガク屋根修理では現場の屋根へはしごで上り、劣化状況の確認や面積を測ります。
ただし、下記の事項に該当した場合は安全面の観点から屋根には上りません。

アイコン はしごで屋根に上れないケース

勾配(角度)が6寸(30度)以上の屋根

雨が降っている、これから降りそう

風が強い、これから強くなりそう

屋根が電線や樹木などの障害物で囲まれている

いうまでもないことですが、高所作業に不慣れな方は上記のどれかに該当した場合、絶対に屋根へ上らないでください。

屋根へ上るまえに用意する道具

「事故の発生を未然に防ぐ」「もし事故が起きてしまったときに大きな怪我を負わないようにする」ための道具をまずは確認しましょう。

【1】ヘルメット

ヘルメット
ヘルメットで頭部をまもる

はしごをつたっているとき、屋根に頭をぶつけてしまうことがあります。
屋根がひどく劣化している場合は、はしごで上り降りした衝撃で屋根材の破片が落ちてくることもあります。
頭部を保護するためにヘルメットを必ず着用します。
万が一、屋根やはしごから落下してしまったときに頭部を守る役目もあります。

【2】屋根専用作業靴

屋根専用作業靴
引用:日進ゴム株式会社

屋根はとても滑りやすい場所です。
屋根で滑ってしまい、地上へ落下すると、2階であっても死にます。
一般的な運動靴(スニーカー)の靴底は、屋根に上ることを想定していません。
靴底が滑りにくい素材で作られている屋根専用作業靴か、汎用的な作業靴である「たびぐつ」を用意します。

【3】作業用グローブ

作業用グローブ
引用:株式会社東和コーポレーション

屋根で作業をするとき、釘や木片、板金で手を怪我しないように作業用グローブを着けます。
はしごで上り降りするときには、滑り止めにもなります。
私たちが現場調査をするときは、屋根の劣化状況をスマートフォンで撮影するため、スマートフォンのタッチ機能に対応した作業用グローブを選んでます。

【4】ベルト

ベルトではしごを固定する

はしごをつたって屋根に到達したとき、はしごの上端と雨どいをベルトで固定します。
固定することで、強風や揺れではしごが倒れないようにします。

はしごを使うときはかならず2人1組で!

はしごを使ったときの事故原因として、「横滑りによるはしごの転倒」があります。
はしごは左右の揺れに弱く、ちょっとした風で左右に揺れてしまいます。
さらに、人がはしごを上り降りするときはとても大きな揺れが起きます。

はしごを上るときは2人1組
はしごを上るときは2人1組

はしごの転倒を防ぐために、はしごで上り降りをするときは、かならず下ではしごを支える人が必要です。
また、はしごに限らず、脚立を使うときも同様に2人1組が原則です。

命綱をかならず使う
木に命綱をしばりつける

また、屋根やはしごの上で作業をおこなうときは、原則として命綱を用意します。
これから上る屋根面の反対側にある木やブロック、重りにロープを縛ります。

命綱を身体とつなげる
安全帯と命綱をつなげる

屋根に上る人は、装着している安全帯のフックにロープを引っ掛けます。
万が一、屋根から転落してしまっても、安全帯のフックと命綱によって落下の衝撃を和らげられます。

屋根にはしごを立てかけるときに注意していること

屋根にはしごを立てかけるときの注意点を紹介します。
消費者庁の調査によると、「はしごの立てかけ角度」を知っていた人は調査対象者全体の約半分しかいませんでした。
つまり、一般の方の約半分は、あやふやな角度ではしごを立てかけているということです。
ぜひこの機会に、安全なはしごの立てかけ方を学び直してください。

4-1. 75度の角度ではしごを屋根に立てかける

立てかける角度は75度
立てかける角度は75度

原則として、はしごの立てかけ角度は75度です。
75度を超える角度だと、はしごが背後(立てかけた側の反対方向)に倒れやすくなります。
逆に75度未満の角度だと、はしごが滑りやすくなります。

4-2. はしごは軒先に立てかける

ケラバと軒先の違い

はしごは「ケラバ」ではなく、かならず「軒先」に立てかけてください。
もし、ケラバにはしごを立てかけると、はしごがケラバの傾斜部分に接します。
はしごに人が上ったときの揺れや負荷をケラバの傾斜部分で受け止めることはできません。
はしごが少しづつ斜めにずれて、やがて滑るようにはしごが転倒します。
一方、軒先は水平なので、はしごと接する部分も水平です。はしごの負荷や揺れを受けきれます。
なお、ケラバにはしごをかけることを私たちは「ケラバ掛け」と呼んでます。
ケラバ掛けは、軒先にはしごをかけられないときに屋根へのぼる最終手段です。

4-3. はしごの足元を安定させる

はしごの足元にそえ木をかます
はしごのガタつきをなくす

はしごは横幅が約40cmあります。
左右の足元で段差やぬかるみがあると、はしごがガタついてしまいます。
はしごがガタつくときは安定させるために「そえ木」を使います。
片方の足元にそえ木をかまして、ガタつきをなくします。

4-4. はしごを上り降りするときはかならず声掛けを!

上り降りするときは声掛けする
上り降りするときは声掛けする

はしごを上るときには「上ります!」
はしごを降りるときには「降ります!」
と大きな声で、声掛けをしましょう。
この声掛けは、はしごを押さえる人に対してだけではなく、周囲の人への声掛けでもあります。
万が一、上り降り中にはしごが転倒してしまったとき、周囲の人を巻き込まないために大きな声掛けをしましょう。

4-5. はしごを押さえる人が上を見るときは注意

上り降りしているとゴミが落ちてくる
靴底の土やゴミが落ちてくる

はしごで人が上り降りをしているとき、はしごをつたっている人の靴についたゴミや土が上から落ちてきます。
はしごを押さえてる人が上を向いてしまうと、ゴミや土が目に入って危険です。
押さえている人が上を見るときは注意しましょう。

4-6. はしごを上るときは体を昇降面にあてる

はしごに身体をあてる
はしごに身体をあてる

はしごに上るときは、天板やふみ残(足をかけるところ)に身体を当て、安定させてながら上ります。
はしごに乗ったまま作業をする場合は、両手・両足の4点のうち、かならず3点以上で体を支えます。

ふみ残の幅(約40cm)を超えて作業をしない、上3段のふみ残に上らないことも重要です。
はしごから下りる時は屋根側を正面にして、後ろ向きで慎重に下ります。

4-7. はしごの上端をベルトで屋根に固定する

はしごと雨どいを固定する
はしごと雨どいを固定する

はしごを上りきったとき、はしごの上端と雨どいをベルトで固定します。
立てかけたはしごが風や揺れで倒れないようにします。
「はしごの負荷で雨どいが壊れるのではないか?」と心配になられる方がよくいらっしゃいます。
しかし、みなさまが思っている以上に雨どいは丈夫です。
はしごによる負荷で雨どいが壊れることはほとんどありません。

4-8. はしごの上端はかならず60cm以上突出させる

はしごの上端は60cm以上突出させる
はしごの上端は60cm以上突出させる

しっかりと屋根にはしごを立てかけるには、はしごの上端を60cm以上突出させる必要があります。
突き出ている部分が60cm未満の場合、少しの揺れではしごが倒れてしまうことがあります。
はしごの上端を60cm以上突出させることは「労働安全衛生法」という法律で定められているため、かならず守ります。

はしごの転落時は過半数が50歳代以上

消費者庁では、はしごの転落事故の原因を調査し、注意喚起をしています。

転落事故の年代別グラフ
引用:消費者庁

消費者庁の調査によると、転落事故において50歳代以上が全体の約80%を占めます。
加齢にともない身体の機能が低下し、バランスを崩しやすいようです。

転落事故の原因別グラフ
引用:消費者庁

転落事故の原因として、はしごの破損による転落はわずか5%です。
事故原因のほとんどが主に下記の2つに分類できます。
「使用上の注意が守られていなかった」(合計すると40%)
・設置不良、誤使用、天板をまたぐ、天板に乗る、点検不良
「はしごの昇降時にバランスを崩した」(合計すると38%)
・バランス崩し、踏み外し

危害の程度グラフ
引用:消費者庁

転落事故による危害の程度は「中等症」、「重症」が全体の60%を占めます。
(中等症とは、入院による治療を要する状態や、骨折をともなう状態を指します)
「死亡」にいたってしまった転落事故も起きてます。
はしごの転落事故は軽い怪我で済む可能性が低いです。

かならず品質・安全性の認証を受けたはしごを使う

Aマークの認証を受けたはしご
Aマークの認証を受けたはしご

はしごには品質・安全性を保証するための認証マークがあります。
「JISマーク」「SGマーク」「Aマーク」などです。
はしごの脇にシールで貼られていることが多いです。

認証マークがあっても流通後にはしごの不備が見つかり、リコールされるケースがあります。

リコールの対象製品であることを、消費者庁やはしごメーカーは告知を出します。
しかし、実際の使用者に認知されることはほとんどありません。
品質や安全性について、はしごを使う前に今一度の再確認をしてください。

1番の最善策はすぐに屋根専門工事会社へ依頼をすること

緊急で屋根の応急処置が必要なときに、自分なら安全にはしごを上り降りできると判断して慣れてない方が屋根に上ってしまうことがあります。
しかし、「はしごの上り降り」と「屋根上での高所作業」ではまったく異なった危険性があります。
私たちテイガク屋根修理は、屋根上で作業をするときは安全上の観点から、かならず足場を組み立てます。

足場の組み立て

屋根上での作業に慣れてない方が、足場を組まずに屋根上で作業することは、とても危険であることをぜひ知っていただきたいです。
自身の身体能力を過信することは避けて、一刻でも早く、屋根専門の工事会社に屋根の調査・診断・修理をおこなってもらうことが最善策です。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
著者経歴

大阪府堺市生まれ。船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク屋根修理の記事を執筆しています。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は10,000棟を超えます。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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  1. 【前提】はしごで屋根に上れないケース
  2. 屋根へ上るまえに用意する道具
    1. 【1】ヘルメット
    2. 【2】屋根専用作業靴
    3. 【3】作業用グローブ
    4. 【4】ベルト
  3. はしごを使うときはかならず2人1組で!
  4. 屋根にはしごを立てかけるときに注意していること
    1. 4-1. 75度の角度ではしごを屋根に立てかける
    2. 4-2. はしごは軒先に立てかける
    3. 4-3. はしごの足元を安定させる
    4. 4-4. はしごを上り降りするときはかならず声掛けを!
    5. 4-5. はしごを押さえる人が上を見るときは注意
    6. 4-6. はしごを上るときは体を昇降面にあてる
    7. 4-7. はしごの上端をベルトで屋根に固定する
    8. 4-8. はしごの上端はかならず60cm以上突出させる
  5. はしごの転落時は過半数が50歳代以上
  6. かならず品質・安全性の認証を受けたはしごを使う
  7. 1番の最善策はすぐに屋根専門工事会社へ依頼をすること