2020年代の外壁は
“塗る”ではなく“張る”時代
板金工事会社が直接監修
※このページは主に戸建て住宅を対象にした内容です。
従来の外壁と金属サイディング
窯業&モルタル外壁に金属サイディングで外壁カバー工法
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金属サイディングの特徴と耐久性
金属サイディングとは金属製の外壁パネルのことです。
窯業サイディングの次に普及している外壁材です。
金属にはガルバリウム鋼板とよばれる素材がよくつかわれています。
持ち前の軽さと丈夫さを活かし、古い外壁の上に重ねて張る外壁カバー工法がよくおこなわれています。
そのため、金属サイディングは外壁リフォーム分野で選択されることが多い外壁材です。
しかし、近年はそのデザイン性とコストパフォーマンスの高さから、新築のシェアも急伸しています。
施工は金属屋根と同じ板金工事会社が請け負います。
【解説動画】金属サイディングの特徴について(3分13秒)

金属サイディングの特徴について
【施工動画】大人気金属サイディング「ビレクト」でカバー工法(1分41秒)

大人気金属サイディング「ビレクト」でカバー工法
金属サイディングの特徴
1980年代以前の金属サイディングといえばトタンでした。
リブトタンや波トタンとよばれる外壁材よくつかわれていました。
1980年~90年代にはアルミサイディングが人気を博しました。
2000年以降は、断熱材が裏側に貼り付けられたより付加価値の高い金属サイディングの普及が拡大し、外壁に通気層を設ける外壁通気工法が確立されました。
その後、コストパフォーマンスに極めて優れたガルバリウム鋼板が開発され、2000年以降はガルバリウム鋼板製が金属サイディングの中心素材となります。
2019年にはガルバリウム鋼板を改良させたエスジーエル鋼板製の金属サイディングが旭トステムから販売されました。

金属サイディングの寿命・耐久性
外壁種類 | 耐久年数 |
---|---|
トタン | 15年~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 30年~35年 |
エスジーエル鋼板 | 30年~40年 |
アルミサイディング | 35年~40年 |
※筆者の経験と知識に基づく評価です。住宅環境や施工方法、メンテナンス有無によって耐久性は変動します。


金属サイディングのシェア

金属サイディングの人気が高まっており、シェアが年々拡大しています。
新築分野の外壁材シェア(出典:日本サッシ協会)
外壁種類 | 前回の調査 | 2020年3月調査 |
---|---|---|
窯業サイディング | 78.6% | 76.5%(DOWN) |
金属サイディング等 | 11.4% | 12.3%(UP) |
モルタル | 5.7% | 5.8% |
その他(タイル・樹脂等) | 4.3% | 5.4% |
※金属サイディングにはガルバリウム鋼板とアルミを含む
リフォーム分野の外壁材シェア(出典:矢野経済研究所)
外壁種類 | シェア |
---|---|
金属サイディング | 46.3% |
窯業サイディング | 27.8% |
モルタル | 12.6% |
その他(タイル・樹脂等) | 13.4% |
古い外壁に軽い外壁材を張る外壁カバー工法で金属サイディングはよくつかわれています。
外壁塗装を除くと、金属サイディングは外壁リフォーム市場で最も多く支持されています。
3. 外壁リフォームの時期

お客さま宅の築年数を選択して、外壁リフォームのポイントを確認してください。
この時期になると、しきりにハウスメーカーや塗装業者から外壁塗装をすすめられるはずです。
しかし、築20年未満の建物の多くは外壁通気工法が取り入れらています。
外壁材と外壁下地の間に透湿防水シートと空気層がある構造になっています。
サイディングが湿気から守られており、雨水が壁内に入っても排出されやすい構造になっています。
したがって、塗膜にチョーキングが出たり、シーリングがひび割れたりしても、多少のことであれば心配に及びません。
以下に当てはまるかたのみ、外壁リフォームを検討してください。
検討理由 |
---|
シーリングの著しい劣化(ひび割れ・はがれ・やせ細り) |
外壁の模様をそのまま維持させるクリア塗装 |
美観の改善 |
モルタル外壁の場合、20年以上が経過すればところどころ外壁にひび割れ(クラック)が生じ、汚れも目立ち始めます。
ひび割れを埋めて、汚れを落とし、外壁塗装によるメンテナンスをおこなってください。
この時期に建築された窯業サイディングの外壁は、外壁に通気層がない直張りサイディングである可能性が高いです。
外壁が湿気による結露の影響で痛みやすい環境にあるといえます。
直張りサイディングは塗装ではなく金属サイディングを用いた外壁カバー工法をおすすめします。
この時期の建物は「取り壊し」や「売却」を見据えたリフォーム工事を検討してください。
建物を引継がれる人がなく、取り壊しを予定されている場合は、外壁塗装によるメンテナンスだけでいいかもしれません。
ただし、当時の建築技術を考えると、外壁塗装だけで50年、60年以上、外壁を維持させる考えはかなり無理があります。
これから10年や20年以上お過ごしになりたい人や、中古住宅を購入した若い人は、金属サイディングによるカバー工法をおすすめします。
現代は人生100年の時代です。
現在60代、70代の人で、80を過ぎて築後50年を過ぎた戸建て住宅に外壁塗装を検討することは、体力的にもかなり厳しく、できれば避けて欲しいです。
金属サイディングのカバー工法おこなうことで、外壁の断熱効果が高くなり、健康的な生活がおくれるメリットもあります。
すでに外壁材の寿命が終わりに近づいています。
迷わず金属サイディングによる外壁カバー工法、もしくは外壁の張り替えをおこなってください。


4. 外壁リフォームの工事費用

外壁リフォームの費用についてざっくり解説します。
モルタル外壁の場合
外壁平米数×3,000円
+
付帯塗装10万円
+
足場代20万円
×
消費税
窯業サイディング外壁の場合
外壁平米数×3,000円
+
付帯塗装20万円
+
シーリング20万円
+
足場代20万円
×
消費税
が工事の合計費用の目安になります。
約25坪程度の戸建て住宅の場合、ざっくり100万円から120万円です。
最も金額が安い工事である一方、ライフプランの中で3回(最低2回)はおこなわなければならない工事です。
金属サイディングを用いた標準的な外壁カバー工法の費用
外壁平米数×9,000円~10,000円
+
付帯塗装20万円
+
足場代20万円
×
消費税
が工事の合計費用の目安になります。
約25坪程度の戸建て住宅の場合、ざっくり200万円~250万円くらいです。
外壁塗装の約2倍~2.5倍のくらいの費用に収まることが多いです。
標準的な外壁張り替え(窯業サイディングに張り替え)の費用
外壁平米数×15,000円
+
付帯塗装20万円
+
足場代20万円
×
消費税
が工事の合計費用の目安になります。
約25坪程度の戸建て住宅の場合、ざっくり300万円~350万円です。
外壁塗装の約3倍のくらいの費用が目安です。
張り替えは費用が高くなるだけではなく、工期が長く、雨漏りリスクが高い工事です。
5. 金属サイディングによるカバー工法のメリット

2020年代は外壁も屋根もカバー工法の時代!
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築20年が経過した窯業サイディングの塗装。
以前あった外壁材の模様は消えてなくなり、全体的にのっぺりして、厚化粧をしているような感じです。
新築のようなフレッシュさまでは、塗装では再現できず、古めかしい雰囲気は隠しきれません。
業者にすすめられた遮熱塗料をつかっても、快適性はたいして変わりません。
また10年~15年後には100万円単位の出費を要し、足場を立てるストレスをふたたび経験しなければなりません。
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まるで建て替えをしたかのように外壁が様変わりしました。
新築のような真新しさも感じられます。
もちろん、外壁からの雨漏りは改善し、外壁材の耐久性もリセットされます。
空気層と断熱材の効果で住まいの室内の快適性が格段に良くなり健康的に暮らせます。
しばらくの間は外装を気に掛ける必要がなく、これが最初で最後のリフォーム工事になるはずです。
近所のかたからも驚かれ、うらやましがられます。
心もリフレッシュし、工事後の満足度がとても高いリフォーム方法です。
6. 金属サイディングのことについてもっと知りましょう

知れば知るほど金属サイディングの良さが分かります
7. 金属サイディングに関するよくある質問
A
外壁カバー工法だけの場合、約4週間が工事期間の目安です。
屋根カバー工法とセットでおこなった場合、約5週間が工事期間の目安です。
A
破風板(はふいた)や軒天(のきてん)、戸袋などは金属サイディングを張らずに塗装で済ませることが多いです。
技術的に張ることは可能ですが、別途費用がかかります。
また、バルコニーの内側は狭くなってしまうので、金属サイディングを張らないことが多いです。
A
25坪の戸建て住宅で屋根と外壁をカバー工法で仕上げると、約300万円前後が工事価格の平均値です。
テイガクではお見積りまでは無料となっておりまので、施工対応エリアにお住いのお客さまはお気軽にお問い合わせください。
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