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スーパーガルテクトは、アイジー工業が取り扱う国産の金属屋根材です。
ガルバリウム鋼板ではない次世代鋼板であるエスジーエル鋼板(SGL)鋼板が用いられています。
他社メーカーの金属屋根と比較しても、多くの点で優れている人気の屋根材です。
テイガクは年間500棟以上のスーパーガルテクトの施工実績がある会社です。
このページでは、施工実績に基づいたスーパーガルテクトの特徴とメリット、そして工事価格について詳しく解説します。
スーパーガルテクトがなぜ人気なのか?プロが解説する12のポイント【総集編】
アイジー工業について
アイジー工業は山形県に本社がある金属建材のトップメーカーです。
「金属屋根」と「金属外壁材」の製造会社として、日本で最も高いシェアを長年、維持しています。
金属屋根の主力商品がスーパーガルテクトです。
一般の人には、あまり馴染みのない会社ですが、住宅建築に関わる人であれば知らない人はいない会社です。
スーパーガルテクトの特徴
横葺き金属屋根
金属屋根は横葺きと縦葺きの2種類があります。
横葺きとは地面に対して横方向(水平方向)に張る金属屋根のことです。
横葺きは主に戸建て住宅のリフォームでよく用いられます。
コロニアル(スレート)の上にに重ねて張る屋根カバー工法や、重い瓦屋根を葺き替える場合に用いる屋根材です。
スーパーガルテクトは横葺き金属屋根にあたります。
断熱材一体型
スーパーガルテクトは鋼板の裏側に断熱材が付着している断熱材一体型の金属屋根です。
断熱効果と室内側の温度差からもたらす結露抑制の効果が得られます。
寸法
項目 | サイズ |
---|---|
働き幅 | 265mm |
働き長さ | 2,960mm |
厚さ | 最大16mm |
重量 | 5.0kg/㎡ |
保証年数
保証内容 | ガルテクト(ポリエステル) | スーパーガルテクト(フッ素) |
---|---|---|
穴あき | 25年 | 25年 |
赤さび | 20年 | 20年 |
塗膜変退色 | なし | 20年 |
色
ポリエステル塗膜品は、ブラックとブラウン、ブルー、グリーン、レッド、チャコールグレーの6色です。
フッ素塗膜品は、ブラックとブラウンの2色です。
フッ素塗膜品は、20年の塗膜変退色保証(色あせ保証)が付保されます。
耐用年数
スーパーガルテクトの耐用年数はおよそ25年~35年です。
屋根カバー工法もしくは葺き替えの工事内容によって耐用年数は変わります。
また、金属屋根の工事は高い技術力を要する工事であり、工事業者に技術にも強く依存します。
スーパーガルテクトの工事価格
工事方法 | 費用 |
---|---|
屋根カバー工法 | 100万円 |
屋根葺き替え(アスベストなし) | 150万円 |
屋根葺き替え(アスベストあり) | 180万円 |
日本製の金属屋根は、外国製の石粒付き金属屋根に比べて工事価格が高いです。
おおむね10万円~15万円程度、金額が高くなります。
テイガクは屋根工事の単価を定額料金で価格設定しています。
スーパーガルテクトの工事価格の詳細を知りたい方は、下記ページを参考にしてください。
スーパーガルテクトの特徴とメリット
スーパーガルテクトが優れた屋根材である、15のポイントを解説します。
1.エスジーエル鋼板(耐久性)
エスジーエル鋼板は、日本製鉄グループ(新日鉄住金)が取扱う次世代鋼板です。
従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えた、改良版ガルバリウム鋼板として評価できる素材です。
ガルバリウム鋼板と比べ、3倍超の耐久性が認められています。
特に沿岸地域で生じる塩害からの錆びに対する耐久が高いです。
アイジー工業では2016年から屋根材で用いる鋼板を、従来のガルバリウム鋼板からエスジーエル鋼板に切り替えています。
日本製の屋根材全てがエスジーエル鋼板ではありません。
エスジーエル鋼板は日本製鉄グループのみが供給しているため、それ以外の製鋼会社から供給を受けて製造されている屋根材はガルバリウム鋼板となります。
日本の最新技術が用いられたエスジーエル鋼板の屋根材であるかは、おさえてほしいポイントです。
2.断熱性
スーパーガルテクトは熱貫流率が1.43W/㎡Kです。
この数値は断熱材金属サイディングに匹敵する、極めて高い断熱効果を示す数値です。
夏は涼しく冬は暖かい効果が得られます。
断熱効果が高い理由は断熱材の厚みにあります。
断熱材は最厚16mmで、屋根と屋根がかみ合う、かん合部にも断熱材が入り込んでいます。
3.イソヌレートフォーム(不燃性)
スーパーガルテクトの断熱材はイソヌレートフォームが用いられています。
イソヌレートフォームは、熱に強い素材として知られています。
断熱材が熱で溶けることはありません。
そして、着火をしてもウレタンのように、勢いよく燃え広がることがありません。
4.かん合深さ(耐風性)
スーパーガルテクトは「かん合式」の横葺き金属屋根です。
上下(メスとオス)で屋根材同士を引っかけるようにして、屋根材を固定させます。
もちろん、構造を含む「かん合の深さ」が深いほど、屋根の固定する力、つまり耐風性能は向上します。
スーパーガルテクトは「かん合の深さ」が深い屋根材です。
5.屋根の折り曲げ回数(止水性)
金属屋根の本体や本体以外で用いる板金部材は、所々、折り曲げられています。
折り曲げられている理由は、屋根内部に雨水を入り込まさないためです。
従って、鋼板の折り曲げ回数が多ければ多いほど、高い止水性能があると評価できます。
スーパーガルテクトは、適切な箇所全てに折り曲げ加工がなされており、屋根内部に雨水が入り込みにくい構造となっています。
6.裏側のコーティング(耐錆性)
スーパーガルテクトは、鋼板の裏側もしっかりと着色塗料で塗装されています。
屋根の裏側で発生した結露水や入り込んだ雨水が引き起こす錆びのリスクが低い屋根材です。
7.セットバックスターター(排水性)
スーパーガルテクトは、本体以外の板金部材の種類が豊富です。
40種類近く、板金部材があります。
屋根の形状や工事方法などの条件に合わせて、板金部材を組み合わせることができます。
代表例として、セットバックスターターとよばれる板金部材があります。
セットバックスターターは、屋根カバー工法で用いる板金部材です。
屋根カバー工法をおこなった際、屋根が工事前の状態より一段高くなり、雨水が雨どいへと適切に排水されなくなります。
セットバックスターターを用いることで、屋根面にふりそそいだ雨水が雨どいへとスムーズに排水されます。
屋根の機能維持という点において、スーパーガルテクトには優れた板金部材が用意されています。
もちろん、全ての板金部材がガルバリウム鋼板ではなく、エスジーエル鋼板で製造されています。
8.ケラバ板金(止水性と排水性)
板金部材のなかで最も高く評価できるのがケラバ板金です。
ケラバ板金は、屋根の側面に取り付ける板金部材です。
スーパーガルテクトのケラバ板金は、是非、実物に触れて欲しいです。
そして、他の屋根材メーカーのケラバ板金と比べてほしいです。
止水性と排水性、そして風による変形などがおこりにくい、しっかりとした構造となっています。
9.釘打ち部に雨水が入りにくい(雨漏りリスク低減)
屋根を固定する釘打ち部に雨水が入ることは、横葺き金属屋根で避けたいことです。
釘打ち部の釘回りに雨水が滞留すると、釘回り錆、そして釘が腐食、最終的に釘穴回りの板金に穴が空くようになります。
スーパーガルテクトの釘打ち部には断熱材が充てんされています。
そのため、他の金属屋根に比べて釘打ち部に厚みがあります。
この厚みがあるおかげで、釘打ち部に雨水が入り込みにくい構造となっています。
また、万が一の水濡れに備えた「専用ステンレスビス」も用意があります。
長さは55mmと、屋根カバー工法の際の下地に到達する適合長さとなっています。
10.横ジョイント(止水性能)
このパートは筆者が最も評価しているポイントです。
横葺き金属屋根は、上下だけではなく、左右にもジョイントさせます。
上下のジョイント部よりも、左右のジョイント部から雨水が屋根内部に入り込みやすいです。
スーパーガルテクトは左右のジョイント部の止水性が極めて高く、権威性がある賞(文部科学大臣賞・弁理士会会長賞)を受賞しています。
また、1枚当たりの長さが3mある長尺の屋根であり、短尺の屋根より継ぎ目が少なくなる点も大きなポイントです。
11.換気棟の構造(換気性能)
換気棟は屋根の商品ごとに構造が異なります。
内部の構造は是非、これから横葺き金属屋根の採用を検討されている人には、知っておいてほしいです。
スーパーガルテクトは、屋根内部にあける穴の大きさが大きく、換気量が一般的な換気棟よりも多いです。
また、止水性と排水性にも優れています。
12.情報公開(保証)
屋根材の保証期間は、メーカーや輸入元によって異なります。
しかし、保証期間が長いから優れた屋根材であるとは限りません。
見方によっては、堅実であるという見方もできます。
保証期間よりもはるかに保証内容の方が大切です。
屋根材に不具合があった際、屋根材を1枚だけ用意されるだけの保証対応では、保証はあってないようなものです。
アイジー工業の保証内容は大手の会社らしく、保証内容がかなり丁寧で、一般消費者にも公開をしています。
保証内容だけではなく、施工マニュアルも公開しています。
施工マニュアルは「新築用」と「改修用」の2部あります。
建材業界では、保証内容や施工マニュアルを消費者にむけて公開をしていないことが多いです。
情報公開をしている姿勢は、商品に対する自信の現れだと評価できます。
13.梱包(安定性)
スーパーガルテクトは、屋根材と板金役物全てに梱包がなされています。
屋根材は段ボールに詰められて、納品されます。
検品などの品質管理もしっかりとおこなわれています。
当たり前のように感じますが、販売元によっては梱包がなく納品される屋根材もあります。
14.日本製(持続性)
日本の建材に比べて、海外の建材は輸入元の販売中止がおこりやすいです。
国際情勢や為替、合併などの影響が受けやすいです。
保証期間30年、同じように販売が継続されているのかは誰もわかりません。
いっぽう、日本製の建材は、国内に工場を設けて生産をしています。
スーパーガルテクトは日本を代表する金属建材メーカーの商品であり、建材供給の点では安定していると評価できます。
スーパーガルテクトの耐用年数を高める施工方法
下り棟の施工方法
棟部は最も屋根の不具合が多い部位です。
そして、横葺き金属屋根の棟の構造は特殊です。
そのいっぽう、棟板金が取り付けられてしまうと、棟板金の内部構造がどのようになっているか、知るすべがありません。
不具合が多い部であるからこそ、棟の構造は理解を深めてほしいです。
金属屋根の立ち上げと棟の内部について
直打ちとL型捨て谷
下り棟に棟下地を直接打ち付ける「直打ち」やC型よりも簡素な「L型捨て谷」を用いる施工方法は、今でも多くの屋根工事会社が採用している棟板金の施工方法です。
しかし、金属屋根はその特性上、他の屋根材と異なり、折り曲げて施工ができる優位性があります。
中長期的に100%の安心を追求する場合は、「立ち上げ」もしくは「C型捨て谷」による施工法をお求めください。
立ち上げとC型捨て谷
スーパーガルテクトでおすすめしたい棟の施工方法は「立ち上げ」と「C型捨て谷」による施工方法です。
C型捨て谷は高価な部材であるため、横葺き金属屋根では「立ち上げ」で施工がされることが多いです。
テイガクオリジナルの施工法
2023年現在、テイガクは、金属下地(エスヌキ)を用いた従来の「立ち上げ」より更に進化した方法で棟下地の施工をおこなっています。(エスヌキ工法)
棟下地
棟板金を固定させる下地には、「木」と「樹脂」「金属」の3つがあります。
なかでも「金属」がおすすめです。
木と樹脂の棟下地
木や樹脂の棟下地は水濡れによる腐食や熱による変形で、棟板金が安定しないです。
金属の棟下地(エスヌキ)
テイガクでは、棟板金の下地として金属製の下地(エスヌキ)を推奨しています。
テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)の強度について
テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)は「価格の安いガルバ」と「錆に強いアルミ」の2種類からお選び頂けます。
アルミは、異種金属接触の腐食を考慮した板厚(1.3mm)で設計し、表面にはアルマイト処理(絶縁処理)を施しています。
これまでの数多くの失敗と経験から生まれたテイガクのオリジナルの下地材です。
詳細はこちら
ケミカル面戸
L型捨て谷やC型捨て谷を用いる際は、ケミカル面戸とよばれる棟内部入り込む雨水を止水する部材を取り付けてください。
棟板金で隠れてしまう部材であるため、取り付けられているかチェックをしてください。
スーパーガルテクトの費用とよくある質問
フッ素にすることで屋根の耐用年数は長くなるのか?
耐用年数が長くなることはありません。
しかし、フッ素塗膜の鋼板で製造された屋根は長期にわたり色もちします。
10年後20年後に再塗装は必要か?
基本的に再塗装の必要はありません。
塗装は美観維持のためにおこないます。
ただし、錆が発生している場合は、錆を取り除いて錆止めを塗り、そのうえで屋根塗装をおこなうメンテナンスをおすすめします。
10年後のスーパーガルテクト
スーパーガルテクトCとの違いは?
スーパーガルテクトCは通常のガルテクトより短い1,820mmの商品です。
住宅密集地で屋根材の持ち運びが困難な場合に用います。
おすすめの色は?
テイガクでは熱反射率が最も高いチャコールをおすすめすることが多いです。
チャコールが最も日差しを反射し、熱くなりにくいです。
ブラックは熱を吸収し、室内が暑くなりやすいです。
また、チャコールは色あせ進みにくい色でもあります。
スーパーガルテクトの屋根にのぼる時に注意点は?
屋根のケラバ部分は断熱材がないため、足で踏むと屋根が凹みます。
アンテナの工事屋さんや塗装屋職人さんがよく踏みつけて凹まします。
屋根にのぼる時は注意をしてください。
雨音はするのか?
断熱材があるため、雨音はほぼしません。
テイガクでは、これまで一度も雨音が原因となる問題は発生していません。
断熱材は溶けるのか?
断熱材は溶けません。
熱に強いイソヌレートフォームが用いられています。
安心してください。
テイガクにおける金属屋根の品質評価基準
金属屋根材はメーカーや商品ごとに全く性能が異なります。
板金役物の数や施工方法なども全く異なります。
とても難解な工事です。
テイガクでは以下の項目を金属屋根の指標として公正に屋根を評価しています。
20,000棟の工事実績があるテイガクが独自で求めた屋根材の評価基準です。
金属屋根の商品とあわせて検討して欲しい工事の品質基準です。