【屋根材】横暖ルーフ - 断熱性能・寿命・価格・デメリット

横暖ルーフは断熱材一体型の横葺き金属屋根

2000年4月に発売された横暖ルーフ

横暖ルーフ(テイガクによる工事)
横暖ルーフ(テイガクによる工事)

横暖ルーフは栃木県にある株式会社チューオーが2000年4月に販売した断熱材一体型金属屋根です。

ガルバリウム鋼板の断熱材一体型の横葺き屋根は、1990年代は存在しておらず、画期的な屋根材として瞬く間に普及が拡大しました。
今はリフォーム業界では知らない人がいないほど、知名度が高い屋根です。

なお、チューオーは2008年にニチハ株式会社の子会社になっています。
子会社になってからも栃木県鹿沼市にある製造工場で横暖ルーフを製造しています。

断熱材付きの屋根の効果はこちら

断熱性能はトップクラス

最厚18mmの断熱材がある横暖ルーフ
最厚18mmの断熱材

横暖ルーフの特筆すべき点は断熱性能が優れている点です。
石粒付き鋼板の屋根よりも断熱性能が優れています。
次の表は、横暖ルーフαSと石粒付き鋼板の断熱性能の比較表です。

横暖ルーフαS室温26.6度野地板裏の温度36.6度
石粒付き鋼板
(空気層15mmの商品)
室温20度野地板裏の温度49度
断熱性能の比較

横暖ルーフの野地板裏温度は13度以上も低いデータが得られています。

※さいたま市8月での調査です。屋根表面温度は75度近くなります。
※横暖ルーフは断熱性能の厚み、石粒付き鋼板は空気層の厚みが商品によって異なり、商品ごとの厚みによって断熱性能が異なります。

Q

石粒付き鋼板は断熱性能があるのでしょうか?

A

リクシルのTルーフクラシックなどの空気層が厚く通気ができる屋根を除き、筆者は断熱効果は期待できないと評価しています。
具体的な数値と商品で断熱効果を算出しているメーカーが少ないです。
石粒付き鋼板は空気層の厚さが商品ごとに全く異なります。
空気層の厚みに断熱効果は依存します。
10mm以下のほとんどないものから、15mm以上がある商品までさまざまです。
屋根材メーカーが発信している情報を深く読み取ったうえで屋根材をしっかりと比較してください。

3種類のランナップ

横暖ルーフは20年以上の歴史がある屋根なので、時代と共に進化しています。
現在、販売されている(販売予定の)横暖ルーフは、以下の3種類です。
※耐候性は日光や雨などの天候がもたらす要因に対する耐久性のこと。色あせに影響があります。

商品名価格断熱性能耐候性(塗料)耐久性(鋼板種類
横暖ルーフS安い低い×(ポリエステル)〇(ガルバリウム鋼板)
横暖ルーフαS普通高い×(ポリエステル)〇(ガルバリウム鋼板)
横暖ルーフ
プレミアムS
高い低い〇(フッ素)◎(エスジーエル鋼板)
横暖ルーフの商品一覧

価格においては「横暖ルーフS」がお求めやすく、最も流通しています。

断熱材の厚みは「横暖ルーフαS」が最も分厚く、断熱性能に優れています。
金属屋根の中で最も断熱材が分厚いです。

横暖ルーフプレミアムS」は色あせしにくくに強い商品です。
沿岸地域においてエスジーエル鋼板は特に高い耐久性能を示します。

テイガクでおすすめは断熱性能に優れた横暖ルーフプレミアムSです。

Q

センタールーフとは何ですか?

A

センタールーフは横暖ルーフのブランド名です。
横暖ルーフは商品名になります。
似たような例では、スレート屋根のカラーベストというブランド商品に、コロニアルという商品がある。このようなブランド名と商品名の関係性です。

横暖ルーフの評価・メリット

豊富な板金役物

横暖ルーフの屋根本体は優れた性能をもつ商品です。
その一方、金属屋根は板金役物とよばれる屋根本体以外の板金部材の構造のほうが屋根機能を評価するうえでは重要です。
昔の横暖ルーフの役物の形と現在の役物の形は全く異なり、改良が加えられています。
つまり屋根の性能が向上しています。
たとえば、屋根カバー工法の際に雨水が雨どいに確実に入り込む軒先セットバックスターターなど、きめ細かな板金役物を取り揃えています。

15年前のカタログ(左)と2023現在のカタログ(右)
15年前のカタログ(左)と2023現在のカタログ(右)

20年前のカタログと比べて板金役物のラインナップが豊富です。
この点は国内メーカー屋根材の大きな強みです。
戸建て住宅の状況に応じた適切な施工が図れます。

長尺

屋根は長ければ長いほど、継ぎ目が少なくなります。
特に横葺きの金属屋根は横同士のジョイント部分が弱点になります。
継ぎ目が少ないほど、止水性に優れた屋根と評価できます。
横暖ルーフは1枚当たりの長さが3m以上ある長尺の屋根です。

4重層リブ構造

屋根と屋根のジョイント部分に雨水が入りにくい4重層のリブ構造
屋根と屋根のジョイント部分に雨水が入りにくい

ジョイント部分の雨水侵入は屋根の機能維持という点で大切です。
横暖ルーフは4重層のリブ構造になっており、横ジョイント部分への雨水侵入をしっかりと防いでくれます。
万が一雨水が屋根内部に入った場合に排水ができる水抜き穴があるのも横暖ルーフが評価できるポイントです。

横暖ルーフは雨水が入った場合の水抜き穴がある
雨水が入った場合の水抜き穴

販売から20年

現在、当たり前のようにおこなわれている屋根カバー工法は20年前は全くおこなわれていませんでした。
横暖ルーフの普及の結果、屋根カバー工法が浸透しました。
他のメーカーや輸入品の屋根と比べて横暖ルーフの施工数は一桁多いです。
実績数と歴史から信頼性の高い屋根材と評価できます。

日本製の強み

製造品質の均一性が驚くほど優れています。
工場生産の点検作業を怠っていない証拠です。
屋根材は建物の維持と大きく関わる建材であるため、ゆがみや切断部の差異などは本来、許容ができないものです。

屋根材は丁寧に段ボールに梱包されて出荷される(テイガクの倉庫)
丁寧に段ボールに梱包されて出荷される(テイガクの倉庫)

遮熱鋼板

横暖ルーフは断熱性能だけではなく、遮熱鋼板が用いられているので遮熱性能も優れています。
夏場の熱の吸収を抑制させる効果があります。
遮熱性と断熱性の両方が備わった金属屋根です。

断熱性能(横暖ルーフαS)

横暖ルーフαSの断熱材は金属屋根の中でも最も分厚いです。
断熱性能は断熱材の厚さに依存します。
したがって、横暖ルーフの断熱性能は戸建て住宅で用いられる金属屋根の中でもトップクラスの断熱性能があります。

高級感(横暖ルーフαS)

立体感のあるフォルムがかっこいい横暖ルーフαS
立体感のあるフォルムがかっこいい

断熱材が分厚い(最厚18mm)ため、横暖ルーフαSのフォルムは立体感重厚感があります。
筆者個人としては、横暖ルーフで一番評価しているポイントはαSの「見た目のかっこ良さ」です。

エスジーエル鋼板+フッ素(横暖ルーフ プレミアムS)

横暖ルーフ プレミアムSはガルバリウム鋼板ではなく、ガルバリウム鋼板を改良させたエスジーエル鋼板で製造されています。
エスジーエル鋼板(ZAM鋼板)は従来のガルバリウム鋼板よりも更に耐久性の高い素材です。
住宅屋根に限らず自動車部品から道路土木製品にまで幅広く用いられています。
また、横暖ルーフ プレミアムSは塗膜がフッ素塗膜であり、耐候性が高く20年の色あせ保証が設けられています。

横暖ルーフαプレミアムSについて

廃番となった横暖ルーフの最高級品である横暖ルーフαプレミアムSは、2023年1月現在、テイガクでは若干の在庫がございます。
お早めにご所望ください。

横暖ルーフのデメリット

板金工でしか施工ができない

国内メーカーの金属屋根はおしなべて施工方法の難易度が高いです。
施工マニュアルを見れば分かります。
このことは性能が優れているとも言い換えられますが、難易度が高い分、工事ができる人が限られています。

石粒付き鋼板やスレート屋根、アスファルトシングルとは施工方法が全く異なります。
たとえば、「横暖ルーフは施工ができるか?」とリフォーム会社にお客さまが尋ねられた場合、施工ができないといった回答あるいは否定的な意見を述べる会社がいると思います。

これは下請けで横暖ルーフの工事がおこなえる板金工がいないことが主な理由です。
ちなみに石粒付き鋼板の屋根は板金工だけではなく、瓦屋根職人やスレート屋根職人でも工事ができる屋根です。

価格が高い

屋根本体だけではなく、役物部材の形状や製品の均質性維持など、国内メーカーの屋根はかなり丁寧に作りこまれている分、価格が輸入品の屋根と比べて高いです。

微細な傷がつきやすい

横暖ルーフの表面についた繊細な傷
このような傷は金属屋根の工事では必ず付いてしまう

横暖ルーフの表面はツルツルしているため、工事中に微細な傷がつきやすいです。
特にフッ素商品の横暖ルーフ プレミアムSは傷がつきやすいです。

横暖ルーフの耐用年数と価格

耐用年数

屋根カバー工法で25~30年、屋根葺き替えで35~40年が期待耐用年数です。

保証年数

メーカー保証は以下のとおりです。

商品名塗膜赤さび穴あき
横暖ルーフS 15年20年25年
横暖ルーフαS15年20年25年
横暖ルーフ プレミアムS20年20年25年
メーカー保証期間

25年で屋根が機能しなくなるわけではありません。
25年以上の耐久性が期待できるイメージとなります。

Q

輸入品の屋根に比べて保証年数が短いのはなぜですか?

A

国内メーカーが堅実だからだと筆者は評価しています。
輸入品の屋根は競合品である国内メーカーと対抗するため、30年や50年といった長期保証を設けていると推測しています。
なお、保証内容は錆びや穴があいた部分の屋根を1枚(穴が開いた屋根だけを)提供するだけです。
交換工事までを保証をするものではありません。
したがって、保証期間の長い短いだけで屋根の性能を評価することは難しいです。

価格

横暖ルーフの1㎡あたりの参考価格です。

商品名価格
横暖ルーフS 6,300円/㎡
横暖ルーフαS 6,400円/㎡
横暖ルーフ プレミアムS7,000円/㎡

テイガクでは横暖ルーフの工事価格を定額料金で公開しています。
(工事金額は都度、変動いたします。)
横暖ルーフの工事をご希望の方は、参考にしてください。

テイガクの最新屋根工価格はこちら

屋根リフォーム費用

こんな方に横暖ルーフはおすすめ

施工実績数販売歴の長さを重視されている方
高い断熱性能を期待されている方
この点においては、横暖ルーフは他メーカーの屋根と比べて優れていると評価できます。

テイガクの横暖ルーフ施工例

横暖ルーフのカバー工法と施工マニュアル

屋根カバー工法も安心して利用ができます

横暖ルーフは新築でけではなく、屋根カバー工法でも用いることができる屋根材です。
ニチハも施工マニュアルや動画による解説を用意しています。
長い歴史がある商品であるため、屋根カバー工法の施工実績数は日本で一番多いと思われます。

また、パミールなどのノンアスベストの割れやすい屋根への屋根カバー工法では、断熱材が一体化されているため、屋根全体を横暖ルーフで抑えつけて覆うことができます。
下地の状態をしっかり確認し、適切な部材を用いて工事をすれば長く安心してお過ごしいただけます。

屋根カバー工法の時はセットバックスターター

雨水が雨どいに確実に入るカバー工法専用の軒先セットバックスターター
雨水が雨どいに確実に入るカバー工法専用の軒先セットバックスターター

屋根カバー工法で使用する板金役物は、セットバックスターターがおすすめです。

横暖ルーフの施工マニュアル

ニチハのウェブサイトおよびユーチューブ動画から施工方法が確認できます。

出典: NICHIHA公式YouTubeチャンネルより

出典: NICHIHA公式YouTubeチャンネルより

テイガクにおける金属屋根の品質評価基準

金属屋根材はメーカーや商品ごとに全く性能が異なります。
板金役物の数や施工方法なども全く異なります。
とても難解な工事です。

テイガクでは以下の項目を金属屋根の指標として公正に屋根を評価しています。
20,000棟の工事実績があるテイガクが独自で求めた屋根材の評価基準です。

金属屋根の品質評価指標

POINT
  • メッキ鋼板の質(耐久性):トタン<ガルバリウム<エスジーエル

  • 役物の質(耐久性):トタン<ガルバリウム<エスジーエル

  • ケラバ水切りの構造(止水性):溝なし<低い溝<高い溝

  • 軒先板金のラインナップ(止水性):少ない<多い

  • 各役物の折り曲げ回数(止水性):少ない<多い

  • 本体篏合部の折り曲げ数(耐風性・止水性):少ない<多い

  • 本体篏合部の深さ(耐風性):短い<多い

  • 本体横ジョイントの止水性能(止水性):低い<高い<極めて高い

  • 屋根の継ぎ目の数/屋根1枚当たりの長さ(止水性):短い<長い

  • 屋根1枚あたりに必要なビスの数(止水性):多い<少ない

  • 製造物の均質性(品質):バラつきあり<バラつきなし

  • 施工マニュアルの公開有無(品質):非クローズ<オープン

  • 施工マニュアルの内容(品質):施工性重視<品質重視

  • 換気棟の取付構造(止水性):内部水切りなし・直打ち<内部水切りあり

  • カタログの信頼性(品質):定性的<定量的

  • 屋根本体の折り曲げ加工(止水性):しにくい<しやすい

  • 釘打ち部の形状(耐久性・耐風性):断熱材なし<断熱材あり

  • 断熱材の厚み(断熱性):なし<薄い<厚い

  • 空気層の厚み(断熱性):なし<薄い3mm以下<厚い10mm以下<厚い+通気確保

工事の品質基準

金属屋根の商品とあわせて検討して欲しい工事の品質基準です。

POINT
  • 耐風性(ビス留めか・ビスの長さ・ビスの数が適切か)

  • 耐久性(ステンレス製か)

  • 棟板金の下地(木<樹脂=防腐剤木<金属)

  • ルーフィング(質の高いものを用いているか)

  • 耐錆性(ビスのパッキンの厚み)

品質で重視しない評価項目

POINT
  • メーカー保証の年数

  • 色あせのしにくさ/傷つきにくさ

  • 見た目

  • 屋根に降り注ぐ雨水の横走り

  • 屋根ののぼりやすさのメンテナンス性

  • 屋根の重さ

メーカー保証の年数

メーカー保証は保証の内容と仕方、仕組みに疑問を感じる点が多いです。
実際の保証内容は屋根の張り替えなどの労務提供はなく、(筆者が知る限り)不具合があった屋根の代替品(1枚なら1枚だけ)を提供するだけです。
建材メーカー業界特有ですが保証はとてもグレーです。
言ったもの勝ちのような様相ととらえられます。
保証年数=優れた屋根」とは全く結びつきません。

色あせや見た目

色あせや見た目の美しさは品質と関係がないため、屋根の品質という点では除外しています。

雨水の横走り

横走りしない代わりに雨水の排水経路が形成されるため、雨漏り原因箇所に雨水が集中するおそれがあります。
風がともなう雨は縦横無尽に雨が屋根上に降り注ぐため、品質の点で評価基準になりにくいです。

メンテナンス性

メンテナンスのしやすさは、屋根材をおすすめするうえで(特に工事会社にとって)、とても重要な指標になります。
しかし、品質とは結び付かないので、屋根材の評価基準から除外しています。

屋根の重さ

商品ごとに屋根本体の重さに差異がありますが、屋根に影響を与える可能性は軽微であるため、除外しています。

横暖ルーフでの屋根工事はご相談ください

横暖ルーフ屋根材の特徴についてご紹介しました。
テイガクでは、金属屋根への葺き替え、屋根カバー工法を得意としています。
自社倉庫で、屋根材を管理していますので、応急処置にもすぐに駆けつけることが可能です。
横暖ルーフでの施工をご希望のお客さまはぜひテイガクへご相談ください。
お見積りと現地調査は無料です。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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