【早期対策】土葺き屋根は葺き替えによるリフォームを

  • 土葺き屋根が良くないと言われている理由がわかるよ

  • 土葺き屋根の葺き替え費用がわかるよ

  • 土葺き屋根の葺き替えに使うおススメの屋根材がわかるよ

土葺き屋根の改修工事について

土葺き(つちぶき・どぶき)工法は土の重さを利用して屋根瓦を葺く工事方法です。
昭和20年より昔に建てられた木造住宅の瓦屋根には、土葺き工法が採用されていることが多いです。
現在では耐震性の影響から土葺き工法は行われていませんが、過去に地震の影響が少なかった地域では今でもたくさんの土葺き屋根の住宅が残っています。
今回の記事では土葺き屋根の適切な改修方法について詳しく解説します。

100㎡の土葺き屋根の葺き替え費用の目安

平米単価(税抜)金額(税抜)
瓦撤去・処分3,200円320,000円
葺き土撤去・処分1,800円180,000円
下地調整1,800円180,000円
野地板張り2,400円240,000円
下葺き材張り600円60,000円
屋根仕上げ材張り6,500円650,000円
(注)足場組み立て費用や板金費用、諸経費等は含まれておりません。土葺き屋根の改修は葺き土の処分費用と下地調整が他の工事と異なり必要となります。

土葺き屋根とは

土葺き工法とは大量の土を使って屋根瓦を固定しする工事方法です。
床土(葺き土)と呼ばれる土を使います。
屋根全面に床土を敷き詰めて更に重い屋根瓦を葺くため、建物の重量が増して建物が安定するなどのメリットがあります。
昭和初期までは主流な工事方法でした。
土葺きの屋根のメリットは以下の通りです。
・建物が安定する
・屋根瓦が風で飛ばされなくなる
・土には断熱効果がある
・雨漏り時に土が雨水を吸水してくれる

土葺き工法は湿式工法従来工法と呼ばれることもあります。
現在の瓦屋根は土を使わない引掛桟工法(乾式工法)が主流です。

現在では耐震性への悪影響から、土葺き工法で屋根を葺くことはありません。

土葺き工法がなくなった大きなきっかけは関東大震災と言われています。
関東大震災により家屋が壊滅し、その後の建替えによる復興後、関東地区では土葺き屋根を見かけることがなくなりました。
しかし、比較的地震が少なかった関西地方では今でも多くの土葺き屋根が現存します。
関西地区にある建築後50年を超える木造住宅は土葺き屋根である可能性が高いです。
しかし、阪神・淡路大震災で倒壊した家屋の多くが土葺き屋根であることや、屋根の軽量化に関する法整備などの影響もあり、土葺き屋根は急速に減少しています。

土葺き屋根

引掛桟葺き工法

現在新たに葺かれる屋根瓦は引掛桟工法が採用されています。
桟木(さんぎ)と呼ばれる薄い木の棒を取り付けて屋根瓦を引っ掛けます。
葺き土を使用したないため、屋根の重さは土葺き屋根よりも軽くなります。
ただし、引掛桟工法の屋根だから耐震性能が安心であると判断するのは間違いです。
陶器やセメント製の屋根瓦はとても重いため、現在の建築基準法で認める耐震基準に適用されているとは限りません。

引掛桟葺き工法

瓦の葺き替えは4大耐震改修工事

代表的な耐震改修工事は4つあります。
「建物の基礎」「接合部の補強」「壁の補強」「屋根の軽量化」の4つは木造住宅の4大耐震改修工事になります。
参考:大阪府住宅まちづくり部 建築防災課 耐震グループ
木造住宅耐震補強工法の紹介
屋根材の軽量化は耐震性能を向上させるための重要な要素のひとつです。
軽量の屋根材は「軽量スレート(コロニアル)」「金属屋根」「アスファルトシングル」の3つが認められており、重い瓦屋根は軽い屋根材に葺き替えることが耐震改修では推奨されいてます。
しかし、この3つの 屋根材の重さは決して同等ではなく、かなりの差があります。
圧倒的に「金属屋根」もしくは「アスファルトシングル」が軽いです。
耐震改修を目的に屋根工事をお考えの方は「金属屋根」への葺き替えを検討してください。
陶器瓦の葺き替えについて詳しくはこちら

屋根材の種類平米あたりの重量
瓦屋根(土葺き)70kg
瓦屋根(引掛)45kg
ルーガ20kg
軽量スレートコロニアル20kg
金属屋根(成型ガルバリウム鋼板)5kg
瓦の葺き替えは4大耐震改修工事

土葺き屋根の葺き替えの手順

土葺き屋根の葺き替えの手順

土葺き屋根の葺き替え工事の工程は以下の通りになります。

1瓦撤去・処分
2葺き土の撤去・処分
3下地調整
4野地板張り
5下葺き材張り
6屋根仕上げ材張り
土葺き屋根の葺き替えには2番の「葺き土の撤去」と3番の「下地調整」の費用が発生するのが特徴です。

そのため、土葺き屋根の葺き替えは一般的な葺き替え費用より10%~20%工事費用が多くなります。

土葺き屋根の葺き替えの手順

屋根の下地調整とは

下地調整とは屋根面を平らにするための工事のことです。

長い間、瓦や土の荷重を受けてきた屋根面は年月の経過とともにたわんでしまいます。
たわんだ状態の屋根面に屋根材を張ることは、屋根を仕上げる上で決して良いことではありません。
雨漏りや屋根材の破損やめくれなどの原因になります。
たわんだ屋根面に垂木などの木材を取り付けて屋根面を平らにします。

土葺き屋根はほぼ100%、下地調整が必要とテイガク屋根修理では判断しています。
しかし、下地調整を行わない施工をお勧めする業者さんが存在します。
工事費用が安いことを理由に下地調整を行わない工事は絶対に避けてください。
工事終了直後は何もなくても、近い将来、下地調整未実施による屋根のトラブル(雨漏りや屋根の捲れ)が発生するはずです。

下地調整とは

土葺き屋根の補修

屋根瓦を補修する方法を紹介します。
ホームセンターに行くと、たくさんのシーリング剤が販売されています。
シーリング剤はコーキング剤、充てん剤、シリコン剤などとも呼ばれています。
シーリングについて詳しくはこちら
ホームセンターに行くとわかりますが、あまりにもたくさんの種類があって迷ってしまいます。
実際に各充てん剤の性能は様々です。
”応急処置的”に屋根瓦を固定するものから、本格的に屋根瓦を固定させる超強力な接着剤もあります。

その中でもテイガク屋根修理は超強力の「ポリフォーム」をおすすめします。
ポリフォームは屋根瓦が飛散したり、崩れたりすることを最小限に抑えてくれる強力接着材で、ハリケーンの影響が大きいアメリカのフロリダ州では使用が義務付けられています。
日本でもポリフォームを使用して屋根瓦を固定するケースが増加傾向にあります。

コーキング材

葺き替えに使うお勧めの屋根材

陶器瓦をコロニアルやフラットな金属屋根に葺き替えることに抵抗がある方も多くいます。
陶器瓦の葺き替えでお悩みになるお客様がたくさんいます。
葺き替えにお勧めの屋根材をご紹介します。

軽量陶器瓦

軽量タイプの陶器瓦が開発・販売されています。
岩福セラミックスの「クレストⅢ」は平米あたり33kgと、陶器瓦の中では最軽量に分類できる商品です。
陶器製の意匠性を優先させたいお客様にお勧めです。
なお、陶器瓦葺きの工事はテイガク屋根修理では承れません。
お近くの瓦葺き工事業者様にご相談ください。

ルーガ 雅

「ルーガ」は屋根材最大手のケイミューから販売されている新しいタイプの屋根瓦です。
セメントを主成分にした屋根材ですが、気泡を含んだハブリット構造の屋根材であり、耐久性と軽量性に優れた屋根材です。
販売開始から10年が経ち専門家からの評価も高く、急速に使用され始めています。
テイガク屋根修理でもたくさんの施工実績があります。
ルーガについて詳しくはこちら

軽量金属屋根

陶器瓦の葺き替えは軽量金属屋根による葺き替えが最も多いです。
費用対効果が高いことが一番の理由になります。
軽量金属屋根メーカーも消費者の需要に応えており、和瓦風金属屋根の製造及び販売をしています。

日本瓦の形状に型取った金属屋根は日本の伝統建築物にも使用され始めています。
2010年、浅草寺では清水建設により和瓦風金属屋根による施工が行われました。
「年間3000万人が訪れる日本有数の観光地であり、老朽化による災害被害を最小限に抑えるため」が主な理由です。
その結果、屋根瓦の重量は5分の1に大幅に軽量化され、耐震性能が向上しました。

金属屋根メーカーの中には厚みがあり耐久性が高い商品や優美な曲線がある商品、鬼瓦・棟瓦・軒先飾りなどの部材が揃った商品など、商品ごとに違いがあります。
お客様の好みに合った金属屋根をお選びください。

和瓦風金属屋根メーカー一覧

葺き替えに使うお勧めの屋根材

テイガク屋根修理の葺き替え事例

テイガク屋根修理で施工した和風屋根の工事事例をご紹介いたします。
現場は兵庫県宝塚市で、和風金属屋根への葺き替え工事です。
屋根の形は入母屋屋根です。
使用屋根材は日新総合建材株式会社 月星タイトルーフです。

月星タイトルーフの施工

既存の瓦を撤去しました。葺き土の画像です。
葺き土が大量にあり、見るからに重そうです。
今回は宝塚市の現場です。
関西地区ではまだまだたくさんの土葺き屋根が残っています。

月星タイトルーフの施工

陶器瓦や葺き土による長年の重荷は、屋根全体を歪ませます。
下地合板が真っすぐになるよう、熟練の職人が下地調整いたします。
これで、真っすぐ綺麗に屋根材を葺けます。

月星タイトルーフの施工

防水シート(下葺き材)の張り付けです。
ケイミューの高分子系下葺材を使用いたしました。
下葺き材はとても大切な部材です。
屋根のリフォーム会社が使用する下葺き材も必ず注目してください。

ノアガード

屋根の葺き替え工事完成です。
屋根の重さは1/10以下になりました。
金属屋根ですが、日本瓦のもつ雰囲気は十分に感じられます。

和風金属屋根瓦

土葺き屋根の軽量化リフォームはテイガク屋根修理で

テイガク屋根修理では土葺き屋根を「軽量金属屋根」や「ルーガ」などに葺き替える工事を承っております。
工事は「お客様と直接契約」による「定額料金」で承ります。
屋根のリフォーム工事費用はこちら
屋根工事を専門とする監督と職人さんが手掛ける高品質リフォーム工事をご提供いたします。
土葺き屋根の葺き替えをご検討のお客様はテイガク屋根修理にお問い合わせください。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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