【思い込みでは?】正しい雨漏り修理方法と業者選びのポイント

全記事 一覧 | 2018.05.11

このページでわかること

  • 雨漏りが発生しやすい部位がわかります
  • 各部位の雨漏り修理方法がわかります
  • 雨漏り修理業者の選定基準がわかります
雨漏り修理の様子

住宅トラブルの85%が雨漏りといわれています。
雨漏りの原因部位を特定することはとても難しいです。
雨漏りの原因部位を特定したつもりが、結局「思い込み」だったということが少なくありません。
思い込みを無くすにはあらゆる角度からの検証が大事です。

このページでは定額屋根修理が過去に雨漏り修理をおこなった雨漏り発生部位をランキング方式でまとめました。
あわせて各雨漏り部位の修理方法と業者選びのポイントもご案内します。
このページで取り上げた部位が当てはまらないか、1位から順番にご覧いただき、必要に応じて雨漏りの修理をおこなってください。

※このページは定額屋根修理の経験を元に解説しています。
読む方によって見解が異なることがあります。
また、戸建て住宅の雨漏りを対象にしたページとなります。
あらかじめご理解をいただいた上で参考にしてください。
このページをきっかけに雨漏り改善のお役に立てることができれば、嬉しく思います。

雨漏り修理業者の一覧

専門工事業者 得意な雨漏り修理工事の種類
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 各種板金からの雨漏り/金属屋根の雨漏り/コロニアルの雨漏り/笠木やパラペットからの雨漏り/天窓からの雨漏り/屋根と外壁の取り合いからの雨漏り/軒ゼロ住宅の雨漏り/勾配不足の屋根からの雨漏り/金属サイディングからの雨漏り/屋根の防水シート改修
瓦屋根工事業者(陶器瓦・粘土瓦・和瓦) 瓦屋根の雨漏り/コロニアルの雨漏り/漆喰からの雨漏り/天窓からの雨漏り/勾配不足の屋根からの雨漏り/屋根の防水シート改修
塗装工事業者 縁切りなしの雨漏り/外壁シーリング目地からの雨漏り
窯業サイディング工事業者(張り壁) 窯業サイディング外壁のヒビ割れからの雨漏り/外壁シーリング目地からの雨漏り/屋根と窯業サイディング外壁の取り合いからの雨漏り/外壁の防水シート改修/外壁の換気フードやドレン配管からの雨漏り
左官工事業者(塗り壁) 塗り壁のヒビ割れからの雨漏り/屋根と塗り壁の取り合いからの雨漏り/外壁の防水シート改修/外壁の換気フードやドレン配管からの雨漏り
防水工事業者 陸屋根やバルコニー床下からの雨漏り
サッシ工事業者 サッシ廻りからの雨漏り/バルコニーと外壁の取り合いからの雨漏り

「雨漏り修理」を請け負ったり、「雨漏り修理業者を紹介」したりするインターネットサービスが目立ちます。
しかし、この表が示す通り雨漏りは各部位ごとに専門業者(職人さん)が存在します。
国土交通省では29種類の専門業種を定めていますが、その中に「雨漏り修理業」という専門職業はありません。
そのため、あるひとつの業者が全ての雨漏りを修理して解決できるということは絶対にありません。

専門業種の背景を示さず「雨漏り修理だけ」を熱心にアピールしているホームページは外注対応になる可能性があります。
外注対応の場合、施主様は専門家からの直接的な提案を受けづらくなります。
さらに工事料金も高くなります。

雨漏りは苦痛です。
雨漏りの修理は「どこから雨が漏れているのか?」を探り、各雨漏り部位を専門とする工事業者を見つけることが大切です。

雨漏りは優先順位を付けて修理するのが鉄則

雨漏りが発生したとき、「屋根本体の劣化が原因」と「思い込む」人が多いです。
もちろん、屋根本体の経年劣化が原因で雨が漏れることはあります。
しかし、下のイラストで示しているとおり、雨は「屋根本体以外からが原因」で漏れることの方が多いです。
もし下のイラストで当てはまる部位が複数ある場合は、雨漏りを疑う部位に優先順位をつけてください。
そして、優先順位からひとつづ点検をおこなって、雨漏り部位を特定してください。
中にはシーリングなどの簡易的な補修で雨漏りが改善することもあります。
雨漏り修理頻度ランキング

そして、各部位にはその部位の施工を専門とする工事業者が存在します。
なお、屋根からの雨漏りが疑われる場合は「板金工事業者(金属屋根の工事業者)」に相談することをおすすめします。
「板金部位の雨漏り頻度が比較的高いから」です。
屋根の板金と雨漏り原因について詳しくはこちら

1位 谷どい板金からの雨漏り

谷どい板金について

谷樋(どい)板金は突出して雨漏りが多い部位です。
谷どい板金は「屋根と屋根の取り合い部」に取り付ける「逆への字型」の板金のことです。
この屋根と屋根が取り合う凹んだ部位を「谷部」とよびます。
谷部は雨水が集中する部位であるため、雨漏りの頻度も多いです。

雨漏り原因はサビからくる板金の穴あきです。
経年劣化で板金がゆがみ、雨水が速やかに排水できなくなることも原因のひとつとしてあげられます。

この谷どい板金は金属系の屋根だけに取り付けられると思っていたら、それは大きな間違いです。
谷どい板金は「谷部のある全ての屋根」に使われています。
「瓦屋根」や「コロニアル」にも谷どい板金は取り付けらています。
谷どい板金

谷どい板金からの雨漏り修理方法は?

谷どい板金の雨漏りは建築後20年から30年が過ぎた建物でよく発生します。
特に勾配(こうばい)の緩い「瓦棒(かわらぼう)屋根」などで発生しやすいです。

谷どい板金は「シーリングによる穴埋め」や「谷どい板金の交換」で部分修理することができます。(屋根の構造による)
しかし、谷どい板金の劣化に伴い屋根本体も劣化していることもあります。
そのため、谷どいからの雨漏りをきっかけに、屋根全体のリフォームを選択する人が多いです。

なお、谷どい板金をシーリングで穴埋めすると、雨漏りがさらに悪化して逆効果になる場合があるため注意が必要です。
谷どい板金の修理のポイントは下記のページを参考にしてください。
谷どい板金の修理方法について詳しくはこちら

瓦屋根やコロニアルは、「板金部分」と「屋根本体」の耐用年数が異なります。
例えば、瓦屋根は50年を超える耐久性がありますが、谷どい板金の耐用年数は20年から30年程度です。
屋根の部位よって、メンテナンススケジュールがバラバラになっているということです。
しかし、屋根をまるごと金属にすることで、屋根全体のメンテナンススケジュールが統一化されます。
定額屋根修理が金属屋根のリフォームをすすめる理由がここにあります。

ワンポイント】板金工職人について
雨漏りが発生する部分は板金部分が多いです。
理由は単純で、雨漏りしやすい部分に板金が取り付けられるからです。
このページ内でもたくさんの板金部分が雨漏りポイントとして取り上げられています。
昔は建物の一部分に板金を取り付けることが多かったです。
しかし、現在では屋根自体にも金属製品がよく使われています。
これらの金属(鋼板)を加工して取り付けるプロフェッショナルが存在します。
それが「板金工職人」です。
板金工職人は金属屋根や雨仕舞の板金加工・取付を得意としています。
瓦職人や塗装職人、防水職人とは全く異なる専門職です。
繰り返しますが、板金部分からの雨漏りはとても多いです。
雨漏りが発生した場合は、まずはじめに板金工事の専門業者にお尋ねすることをおすすめします。
板金工事業者や板金工職人について詳しくはこちら

板金工職人

谷どい板金からの雨漏り修理業者は?

板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
屋根がコロニアルの場合、板金工事業者は金属屋根のカバー工法リフォームもおこなうことができます。
ただし、板金工事業者は瓦屋根の取り扱いができません。
瓦屋根の谷どい板金は瓦屋根工事業者に修理を依頼してください。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 金属屋根やコロニアルの谷どい板金
瓦屋根工事業者 瓦屋根の谷どい板金

谷どい板金修理

2位 屋根本体の経年劣化からの雨漏り

屋根材の耐用年数について

屋根材は時間の経過と共に「瓦のワレ」「コロニアルのズレ」「金属屋根のサビ」などが発生しやすくなります。
屋根材にも寿命があるので、寿命が過ぎた屋根は「葺き替え工事」や「カバー工法」などの全面改修が避けられません。
屋根材の寿命は屋根材ごとに異なります。
おおよその耐用年数は屋根材メーカーが設定しています。
しかし、屋根材の中には、私たちの期待を裏切るほど劣化の進行が速い商品が流通しています。
その劣化の進行が速い屋根材とは、2000年前後に販売された「ノンアスベストのスレート系屋根材」です。

【ワンポイント】ノンアスベスト屋根材とは
2000年ごろスレート系の屋根材にアスベストの使用が禁止されました。
それを受けてアスベストが含まれない屋根材が屋根メーカーから相次いで販売されました。
これを業界では「ノンアスベスト屋根」とよんでいます。
当時は屋根の主成分であるアスベストを代替できる製造技術が「不十分」でした。
そのため「一部の」ノンアスベスト屋根でハガレやヒビワレなどのクレームが数多く報告されています。
特に多いのが屋根の表面がめくれあがる表層剥離現象です。
施工後7年から10年くらいで発現します。
ただし、全てのノンアスベスト屋根材がこのような不良を生じるということではありません。
メーカーや商品によっては2000年ごろに販売されたノンアスベスト屋根材でも十分な品質が保たれた屋根材はあります。
現在販売されているスレート系屋根材の代表的な商品のコロニアルも、アスベストは含まれていないノンアスベスト屋根材です。

ノンアスベスト屋根材

屋根の経年劣化からの雨漏り修理方法は?

屋根本体の劣化が原因の雨漏り修理方法は「部分的な瓦の交換や補修」もしくは「屋根全体のリフォーム」があげられます。
屋根本体の種類によって、部分修理や屋根全体のリフォーム方法は様々です。
このページでは各屋根材のリフォーム方法については割愛いたします。

屋根本体の劣化による雨漏りでについて考えるとき、見逃してはいけないことがあります。
それは下葺き材(したふきざい)の劣化です。
屋根材の下には下葺き材とよばれる防水シートを敷きます。
下葺き材はルーフィングシートとよびます。

屋根からの雨漏りを最終的に防いでくれるのはこの下葺き材です。
下葺き材が破れていると雨漏りが発生します。
本来、屋根本体の経年劣化が原因の雨漏りは屋根材だけではなく、下葺き材を含めた改修工事が必要です。
瓦の差し替えなどの部分修理は雨漏り対策としては不十分です。
屋根の雨漏りは下葺き材が原因

屋根の経年劣化からの雨漏り修理業者は?

屋根工事業者は「板金工事業者」と「瓦屋根工事業者」のふたつに大きくわけられます。
金属屋根への葺き替えやカバー工法をおこなうのは板金工事業者(金属屋根の工事業者)です。
瓦屋根の葺きなおしや瓦屋根への葺き替えをおこなうのは瓦屋根屋根の工事業者です。
言うまでもないことですが、瓦屋根から金属屋根への葺き替えは板金工事業者がおこないます。

葺き替えリフォームでは瓦屋根を用いることはまずありません。
瓦の屋根は耐震性が悪く不具合が多いからです。
リフォーム分野では金属屋根が第一選択です。

なお、コロニアル(スレート系屋根材)は施工が簡単なので、板金工事業者でも瓦屋根工事業者でも施工ができます。
ただし、コロニアルは製品保証が改修工事では認められていないため、リフォーム工事で用いることはほとんどありません。

世間一般の人は「板金工事業者」と「瓦屋根工事業者」を区別していません。
「どちらも同じ屋根工事業者」と「思い込ん」でいる人が多いです。
これから屋根の部分修理や葺き替えリフォームをおこなう予定の方は、「金属」と「瓦」、どちらが専門であるか見極めることが大切です。

瓦の葺き替え工事について詳しくはこちら
コロニアルの重ね葺き工事(カバー工法)についてはこちら
トタン屋根の雨漏り修理工事について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 金属屋根への葺き替え
コロニアルの上に金属屋根を被せるカバー工法
瓦屋根工事業者 瓦屋根の部分修理・葺きなおし
瓦屋根への葺き替え

金属屋根

3位 雨押え板金からの雨漏り

雨押え板金について

「雨押(あまお)さえ板金」は屋根と外壁の取り合い部に取り付ける板金です。
雨押さえ板金は「壁ぎわ板金」や「水切り板金」ともよばれます。

戸建て2階建住宅の場合、2階上のてっぺんの屋根は「大屋根(おおやね)」とよびます。
一方、1階上の屋根は「下屋根(げやね)」とよびます。
雨押え板金は壁際からの雨漏りを防ぐための役割をになっています。
なお、雨押え板金は瓦屋根を含むすべての屋根に取り付けられます。
雨押え板金

雨押え板金からの雨漏り修理方法は?

雨押え板金からの雨漏りは建築後20年から30年程度の住宅でよく発生します。

雨押え板金の取り付けにあシーリングが使われています。
シーリングのヒビ割れが原因の雨漏りであれば、シーリングを打ちなおすことで雨漏りはなおります。
サビによる穴あきや板金の歪みが雨漏りの原因である場合は雨押え板金を交換します。
屋根や板金全体の劣化が進んでいたり、部分的な雨押え板金の交換ができなかったりする場合は、屋根全体のフルリフォームが最善策です。

【ワンポイント】シーリングによる応急処置について
建物にはシーリングがたくさん使われています。
シーリングのヒビ割れが原因の雨漏りであれば、シーリングを打つことで雨漏りはなおります。
しかし、部分的なシーリングだけの対処は根本的な原因解決にはならないことが多いです。
屋根や外壁の内部が根本的な原因であることが多いからです。
根本的な原因を改善させないシーリングだけの応急処置では、近い将来、ふたたび雨漏りが発生する可能性があります。

雨押え板金が用いられている部位で、特に雨漏りが多いのは「下屋根の軒先の壁ぎわ」です。
この部位は雨水が一番集中するため、水が外壁にかからないよう雨押さえ板金を折り曲げるなどの工夫が必要です。
外壁内部に雨水が浸水する経路ができている場合は、外壁を剥がして防水シートを張りなおす処置もおこなってください。
壁際の雨漏り

雨押え板金からの雨漏り修理業者は?

板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
屋根がコロニアルの場合、板金工事業者は金属屋根のカバー工法リフォームもおこなうことができます。
ただし、板金工事業者は瓦屋根の取り扱いができません。
瓦屋根の雨押え板金は瓦屋根工事業者に修理を依頼してください。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 金属屋根やコロニアルの雨押え板金の交換
瓦屋根工事業者 瓦屋根の雨押え板金の交換

雨押え板金の修理

4位 陸屋根からの雨漏り(バルコニー床含む)

陸屋根について

平らな屋根を「陸屋根(りくやね)」もしくは「フラットルーフ」とよびます。
陸屋根は防水層を設けて雨水の侵入をふせぐ構造となっています。
マンションの屋上などで採用されている屋根ですが、 「戸建て住宅のバルコニーの床下防水」も陸屋根の防水層とほぼ同じつくりです。
陸屋根は完全な平らではなく、若干の勾配(こうばい)がもうけられています。
勾配とは傾斜のことです。
勾配がないと陸屋根部分に水たまりができ、防水層が劣化しやすくなります。
防水層の下地は合板が使われます。
下地は耐水合板が用いられますが、雨漏りをしているということは下地が水浸しになっているということです。
水にぬれると木製の下地は腐ってしまいます。

防水層は「ウレタン」「FRP」「アスファルト」「シート」の4種類にわけられます。
各防水層の種類によって、耐用年数が異なります。
一般住宅のバルコニーの床下には「FRP」がよく使われます。

陸屋根からの雨漏りを確認する方法は比較的簡単です。
陸屋根に水張り試験を行うことで雨漏りを確かめられます。

陸屋根の重要箇所は防水層だけではありません。
外壁やパラペットの「立ち上がり幅」も重要です。
防水層からの立ち上がりは25cm以上確保するのが理想とされています。
十分な立ち上がりがないと、陸屋根がプール状態になった時に雨水が笠木や外壁内部へと浸水します。

なお、防水層の勾配や立ち上がりには設計施工基準が定められています。

昔の戸建住宅は防水技術が未熟でした。
昔は大手ハウスメーカーでもバルコニーの下に居室をもうけることを避けていました。
しかし、最近は防水層技術が向上したため、バルコニーの下に居室をもうける住宅が増えています。
それでも陸屋根部位の雨漏りは多いです。
防水層の雨漏り

陸屋根からの雨漏り修理方法は?

陸屋根の防水層の耐用年数はおよそ10年から15年程度です。

防水層にヒビ割れなどの穴あきが原因で雨漏りが発生します。
シーリングによる穴埋めや防水テープを貼ることで、一時的な雨漏りの改善が期待できます。
比較的多い防水層のヒビ割れとして、「下地と下地のジョイント部分」に沿ったヒビ割れがあげられます。
まっすぐにできたヒビ割れがある場合は、この下地が原因のヒビ割れとみなすことができます。
この場合は、下地を含めた改修対策が必要です。

勾配不足が原因で水たまりができる場合は、十分な勾配をもうける改修工事が必要です。
ただし、排水溝のゴミ詰まりが原因で水たまりができることもあります。

防水層の改修工事は既存の防水層に、新たに防水層を重ねる方法が一般的です。
しかし、雨漏りの影響で下地(耐水合板)の腐食が進行している場合や、十分な立ち上がりの確保ができない場合は、防水層の全面交換となります。
この場合はサッシや外壁などにも関わってきます。
そのため、大がかりな改修工事となる傾向があります。

大がかりな工事を避けるためにも陸屋根やバルコニーは、防水層を保護するためのトップコートを定期的に塗ることが大切です。

【ワンポイント】トップコートとは
トップコートとは防水層を保護するために塗るコーティング材です。
防水層を長持ちさせるためには、定期的にトップコートを塗る必要があります。
水をはじく性質があるので、多少の防水効果も期待できます。
定額屋根修理では屋根や外壁工事のついでに、バルコニーのトップコート塗布工事を依頼される方が多いです。
防水層に使う「ウレタン」や「トップコート」はホームセンターでも販売されているので、まずはじめにDIYで試してみるのもひとつの考えです。

劣化した防水層

陸屋根からの雨漏り修理業者は?

防水工事業者に依頼するのが望ましいです。
ただし、住宅バルコニーの床下などの狭所部分は塗装業者でも施工ができます。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
防水工事業者 防水層全般
塗装工事業者 ウレタンやFRPを用いた狭所部分の防水工事

防水層工事

5位 笠木板金(パラペット)からの雨漏り

笠木板金について

笠木(かさぎ)板金は「バルコニー」や「パラペット」のてっぺん部分に取り付けられる板金のことです。

【ワンポイント】パラペットとは
パラペットとは「立ち上がり壁」もしくは「手すり壁」のことです。
陸屋根の立ち上がり部位もパラペットとして分類できます。
パラペットは昔の商店街の木造建築物でよく見かけます。
入口側の外壁を屋根が見えなくなるまで立ち上げることで、2階の生活感を隠したり、看板を取り付けたりすることができます。

パラペット
笠木のてっぺん部位はフラットであるため、板金の継ぎ目の歪みや釘穴のゆるみが原因で雨漏りが発生します。
雨が風の影響で横や下から吹き込んだ場合、笠木廻りのシーリング穴から雨水が浸水します。
なお、笠木部分は十分な通気性の確保がされていないことが多いです。
その場合は内部結露が原因で笠木が劣化していることがあります。
笠木板金(パラペット)からの雨漏り

笠木板金からの雨漏りの修理方法は?

笠木板金を新しいものへ交換します。
バルコニーの笠木は既製品で対応できることが多いです。
しかし、パラペットの笠木は板金工職人さんが鋼板を加工して取り付けることが多いです。
笠木の内部結露を抑えるために、通気性の確保ができる笠木換気材が販売されています。
必要に応じて笠木の換気材を採用してください。
また、笠木だけではなく、笠木内部の木下地や防水シートも新しいものに交換してください。
笠木板金雨漏り修理方法

笠木板金からの雨漏り修理業者は?

板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
屋根と一体化したパラペットの場合は、屋根全体のフルリフォームも検討してください。
メーカー既製品のバルコニー笠木はサッシ工事業者でも施工ができます。
パラペットの雨漏り修理について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 笠木板金全般
各種板金全般
金属屋根の葺き替え
サッシ工事業者 メーカー既製品のアルミ製バルコニー笠木

笠木板金は板金工事会社へ

6位 天窓(トップライト)からの雨漏り

天窓について

天窓からの雨漏りはシーリングの劣化が原因であることが最も多いです。
続いて多い原因が、天窓廻りに取り付けられた「天窓板金」の劣化です。

天窓は「メーカー品」と「造作品」に大きくわけられます。
造作品とは「大工さんの手作り品」のことです。
昔の天窓の多くは手作業で作られています。
「造作品」は「メーカー品」と比べて雨漏り頻度が高いです。

その他、「天窓付近の室内クロスが剥がれた」や「天窓の木枠が濡れている」といったご相談を受けることがあります。
このような問題が発生した場合、まず始めに「結露」を疑うよう定額屋根修理ではお願いしています。
天窓は外気に触れる部位であるため、結露の水濡れなどが意外と多いです。
結露と雨漏りは関係がないため、結露防止の対策を講じることになります。
天窓(トップライト)からの雨漏り

天窓からの雨漏りの修理方法は?

天窓のシーリングと天窓板金の劣化については、「谷どい板金」と「雨押さえ板金」の修理方法と同じになります。
板金加工を専門とする板金工事業者に修理を依頼してください。

他の板金にも当てはまりますが、天窓板金を交換するには、足場を組み立てて屋根を剥がします。
そのため、屋根のフルリフォームも検討してください。

天窓が「造作品」である場合は、新しい天窓への交換も検討してください。
最近の天窓は高機能低価格であり、雨仕舞いにも優れています。

そもそも、私たち屋根業者にとって、屋根に穴を開ける行為は暴挙といえます。
天窓からの雨漏りは起きるべくして起きる現象です。
雨漏りを再発させないためにも、天窓をつぶして無くすことも選択肢として考えてください。
これは天窓だけではなく、「ドーマー」や「煙突」なども当てはまります。

【ワンポイント】太陽光パネルの雨漏りについて
最近は太陽光パネルが原因の雨漏りが増えています。
原因としてパネルを取り付ける金具の不良設置などがあげられます。
太陽光パネルを脱着する費用はとても高額です。
屋根の不具合がおきると、たちまち太陽光パネルを設置したことで得られる利益が吹き飛びます。
屋根は地震や台風などの自然災害の影響が受けやすい部位です。
「雨漏りから守る」ことが屋根本来の目的です。
その目的以外のために特別な加工を屋根におこなうことは、屋根工事業者として決しておすすめできません。

太陽光パネル雨漏り

天窓からの雨漏り修理業者は?

板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
下記写真のように天窓は板金工事のひとつとなります。
ただし、板金工事業者は瓦屋根の取り扱いができません。
瓦屋根の天窓だけの修理は瓦屋根工事業者に修理を依頼してください。
金属屋根への葺き替えを含めた瓦屋根の天窓修理をご検討中の方は板金工事業者に依頼してください。
なお、天窓だけの交換や修理は天窓メーカーに工事業者の紹介依頼されることもおすすめです。
天窓の雨漏り修理・交換について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 金属屋根やコロニアルの天窓
瓦屋根工事業者 瓦屋根の天窓
天窓メーカーの紹介 天窓全般

天窓の交換修理

7位 外壁シーリング目地からの雨漏り

外壁シーリング目地について

窯業系サイディングの目地にはシーリングが充てんされています。
筆者の感覚では窯業系サイディングは平均で1棟あたり約300m、シーリングが使われています。
窯業サイディングのシーリング箇所は、私たちが思っている以上にたくさんあります。
手間や材料費がかかるため、シーリング工事は高額です。

シーリングがヒビ割れたり、やせ細って隙間が生じたりすると、そこから雨水が浸水し雨漏りが発生します。
外壁シーリング目地からの雨漏り

シーリングからの雨漏り修理方法

シーリングの寿命は短く、環境や施工方法が悪い場合、およそ10年ほどでシーリングの打ちなおしが必要になります。
「シーリングは建材の中で最も耐用年数が低い」と思ってください。
そのため、シーリング部位は細かな定期点検が大切です。

シーリングはたくさんの種類があります。
使用するシーリング選びも大切なポイントです。

シーリングの改修は「増し打ち」もしくは「打ち替え」があります。
「打ち替え」は既存のシーリングを剥がして、新たにシーリングを打つ工事のことです。
新たにシーリングを打つ場合は、プライマーを用います。

【ワンポイント】プライマーとは
プライマーとはサイディングとシーリングの密着性を高める接着剤のことです。
通常、シーリングを使うとき、プリライマーを塗ってからシーリングを打ちます。
プライマーを使うと工程が増えるので、シーリングだけで間に合わせてしまうことが多いです。
しかし、プライマーの塗布はとても重要です。
プライマーがないとシーリングが比較的早期に剥がれてきます。
プライマーには適正品があり、適切な使用方法もあります。
なお、プライマーは外壁塗料や床下防水塗料でも用いられます。

シーリングは「メンテナンス性が悪い」「高額」「雨漏りしやすい」などのデメリットが多いです。
最近はシーリングを使わないサイディングも登場しています。
リフォームの際は、比較的シーリングを用いない「金属サイディングのカバー工法」を選択することもおすすめです。
シーリングのプライマー塗り

外壁シーリング目地からの雨漏り修理業者は?

シーリングを全面的に改修する場合は、シーリング工事業者に依頼するのが望ましいです。
あまり知られていませんが、シーリングを専門とする業者(職人さん)が存在します。
ただし、戸建て住宅のシーリング工事は塗装業者でも施工ができます。
雨漏り時のシーリング材の選び方について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
シーリング工事業者 シーリング全般
塗装工事業者 戸建て住宅のシーリング

シーリング打替え修理

8位 外壁のヒビ割れからの雨漏り

外壁のヒビ割れについて

外壁のヒビ割れは「クラック」ともよばれます。
塗料の劣化や乾燥収縮、塗料の選定不良でヒビ割れはよく発生します。
髪の毛くらいの細いヒビ割れを「ヘアークラック」とよびます。
ヘアークラック程度で雨漏りが生じることはなく、1mm以上の隙間が生じている場合が危険と判断します。

1mm以上の隙間ができるクラックは、「建物の構造的な欠陥」「不同沈下」などが原因としてあげられます。
このような建物の構造上の問題から発生するクラックを「構造クラック」とよびます。
その他、「大型地震の影響」や「サイディング材の直貼り」で外壁が大きくヒビ割れることもあります。
外壁のヒビ割れからの雨漏り

外壁のヒビ割れからの雨漏り修理方法

外壁のヒビ割れはシーリングの穴埋めやパテ埋めなどで対処します。
シーリングのヒビ割れ補修後に塗装をおこなう場合は、シーリングが塗料をはじきます。
そのため、シーリングの上に色がつくモルタルなどをさらに塗ってください。

昔、外壁のヒビ割れだと思い込んでヒビ割れを埋めて安心していたら、雨漏りが一向に収まらずヒビ割れが他の部分に次々と発生することがありました。
これは全く外壁とは関係ない屋根からの雨漏りが原因でした。
屋根から雨水が外壁内部に入り込んでいたのです。
屋根からの雨漏りをなおすことで、外壁のヒビ割れを抑えることができました。

このように外壁のヒビ割れは「構造クラック」を含めて、外壁だけの問題ではない場合があります。
根本的な原因を解決することが大切です。

建築後数十年が経過し、外壁が大きく歪んでいる場合は「外壁材の交換」もしくは「外壁材のカバー工法」を選択します。
外壁材のカバー工法は金属サイディングを用います。

【ワンポイント】金属サイディングとは
金属サイディングとは金属素材の外壁材のことです。
主に素材はガルバリウム鋼板が用いられます。
既存外壁の上に、胴縁(どうぶち)とよばれる下地材を取り付け、その上に金属サイディングを増し張りします。
胴縁には通気層を確保する役割もあります。
そのため、外壁全体が外断熱となり、外壁の断熱効果が高まります。
既存の外壁材の上に更に外壁材が張るため、外壁全体の雨仕舞いが改善します。

サイディング外壁のヒビからの漏水

外壁のヒビ割れからの雨漏り修理業者は?

シーリングなどを用いた簡易的な穴埋めは誰でもできます。
外壁材の交換や外壁材のカバー工法が必要な場合には、その工事を専門とする業者に依頼してください。
外壁だけの問題ではない場合は、別途、雨漏り原因を特定する調査が必要です。
金属サイディングについて詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
シーリング工事業者 シーリング全般
塗装工事業者 戸建て住宅のシーリング
塗装全般
左官工事業者(塗り壁) 塗り壁全般
窯業サイディング工事業者(張り壁) 窯業サイディング全般
板金工事業者 金属サイディングの重ね張り
(外壁カバー工法)

金属サイディングカバー工法

9位 軒天と外壁の取り合いからの雨漏り

軒天と外壁の取り合いについて

窯業サイディングの戸建住宅屋根は外壁よりも30cmから60cm程度の「軒の出」をもうけて、屋根の下側には軒天(のきてん)が張られています。
軒天は屋根と外壁の取り合い部からの雨漏りを防いでくれる大切な役割を担っています。
軒天と外壁の取り合い部にはシーリングが打たれています。

モルタル壁などの塗り壁の場合は、塗り壁と同質の外壁仕上げ材で軒裏が一体化されていことが多いので、屋根と外壁の取り合い部の雨漏りは比較的少ないです。
ただし、取り合い部のヒビ割れには注意してください。

最近は屋根の出をもうけず、軒天そのものがない住宅が増えています。
この軒の出がない住宅を「軒ゼロ住宅」とよびます。
軒の出がないため、軒ゼロ住宅は雨漏りリスクが高いです。
軒のゼロ住宅については10位で解説します。

昔ながらの日本家屋は軒天が張られておらず、屋根の下地が露出していることが多いです。
寺院などの歴史建築物の軒裏は露出されて、母屋(もや)や垂木(たるき)、野地板(のじいた)が丸見えです。
しかし、昔の日本家屋は軒の出がたっぷりともうけられているため、屋根と外壁の取り合いからの雨漏りは少ないです。
「軒が出た屋根」=「優れた屋根」といえます。
軒天と外壁の取り合いからの雨漏り

軒天と外壁の取り合いからの雨漏り修理方法は?

シーリングのヒビ割れを埋めることで、雨漏りの改善が期待できます。
合わせて軒天を増し張りもしくは張り替えることも検討してください。
しかし、軒天と外壁の内部構造にも注目してほしいポイントがあります。
内部構造を理解することで、どうしてこの部分から雨が漏れるのかがわかります。
大切なことは外壁の「透湿防水シート」を軒天よりも上(10cm以上)に張る「外壁先行」工事をおこなうことです。

【ワンポイント】軒天先行と外壁先行とは
住宅を建てる時、「軒天先行」と「外壁先行」という考え方があります。
軒天を仕上げてから外壁を仕上げる工事が「軒天先行」です。
外壁を仕上げてから軒天を仕上げる工事が「外壁先行」です。
雨仕舞いの観点では「外壁先行」の方が優れています。
外壁の透湿防水シートをできるだけ高い位置にあらかじめ張ることができるからです。
しかし、「軒天先行」で仕上げられている住宅もたくさんあります。
軒天先行では軒天の位置で外壁の透湿防水シートが途切れることになります。
軒天先行が多い理由は、屋根と軒天を仕上げてから外壁を張る方が楽だからです。
外壁材を多く使わず済むことにもなり、コストを抑えることができます。
軒天先行の工事は屋根と外壁の取り合い部がウィークポイントになってしまいます。

軒天と外壁を壊して、外壁や透湿防水シートを新たに張りなおすことで雨仕舞が大きく改善します。
透湿防水シート

軒天と外壁の取り合いからの雨漏り修理業者は?

板金工事業者もしくは瓦屋根工事業者に、軒天の張り替えや増し張り、シーリングの打ちなおしを依頼してください。
軒天の張り替えとシーリングの打ちなおしはセットなので、屋根を専門とする職人さんであれば施工ができます。
外壁を取り壊すときは、外壁工事業者の選定も必要になります。
軒天の修理について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 軒天張り
シーリング打ちなおし
瓦屋根工事業者 軒天張り
シーリング打ちなおし

軒天増し張り

10位 広子舞と外壁の取り合いからの雨漏り(軒ゼロ住宅の雨漏り)

広子舞と破風板の取り合いについて(軒ゼロ住宅の雨漏り)

広子舞(ひろこまい)とは軒先部分の野地板下地(のじいたしたじ)のことです。
屋根の軒先を地上から見上げると、屋根の木下地が数センチ露出しているのがわかります。
軒側だと雨どいが邪魔して見られないので、ケラバ側からだと確認しやすいです。
この露出した屋根の下地が広子舞です。
広子舞は破風板(はふいた)から2cmから3cm程度、飛び出しています。
広小舞は木下地なので、雨がかかり腐食が進行するとボロボロと崩れてしまいます。
屋根の下地は軒先にある広小舞から腐り始めることが多いです。
大雨時には広子舞部分に雨水が吹き込み、広小舞は常時、水に触れることになります。
まれに10cm近くも広子舞が飛び出た屋根を見かけることがあります。
雨水に広小舞が触れる機会が増えてしまうので、よいつくりの屋根とはいえません。
軒ゼロ住宅の雨漏り

特に「軒ゼロ住宅」の場合、広小舞と破風板の取り合い部がウィークポイントになります。
軒ゼロ住宅の破風板は外壁に直接貼られています。
破風板の裏側は外壁ということです。
そのため、軒ゼロ住宅は広子舞から雨水が外壁内部へ雨漏りしやすいつくりになっています。

軒ゼロ住宅は広小舞と破風板の取り合い部分だけではなく、その他の住宅部位にも悪影響を及ぼします。

【ワンポイント】軒ゼロ住宅の2次被害
軒ゼロ住宅は雨漏りの2次被害が生じやすい建物です。
軒の出がないため、外壁面はたくさんの雨がかかり、紫外線の影響も強く受けます。
このため、軒ゼロ住宅はシーリングや外壁が劣化しやすくなります。
「軒ゼロ住宅は建物の寿命を半減させる」と評価する専門家もいます。
軒ゼロ住宅は比較的新しい作りのデザインです。
今後、軒ゼロ住宅関係する雨漏りは増加すると予想されます。

雨どいのオーバーフローなどの不具合があると、さらに広子舞と破風板の取り合い部に雨水がかかり雨漏りリスクが高まります。

【ワンポイント】雨どいのオーバーフローとは
雨どいが正常に機能していない場合、雨どいから雨水があふれることがあります。
これを雨どいのオーバーフローとよびます。
原因は雨どいの断面積不足やゴミづまり、勾配不足、金具の設置不足などがあげられます。
雨どいが原因となる雨漏りもあるので、日頃から雨どいの点検もおこないましょう。

軒ゼロ住宅とは

広子舞と破風板の取り合いからの雨漏り修理方法は?

広子舞に雨がかからないよう、軒先部には「軒先板金」を取り付けます。
軒先板金は「軒先から草」「ケラバ板金」「軒先水切り」などともよばれます。
「十分な立ち下がりがある軒先板金」であるかが大切なポイントです。
軒先板金の立ち下がり幅が短いと、広子舞部分に雨がかかりやすくなります。

できることなら、広小舞部位に「広子舞板金」を取り付けてください。
ガルバリウム鋼板製の板金を広子舞に取り付けてることで、広子舞を雨水から保護させます。
最近の軒ゼロ住宅では広小舞板金が取り付けられた住宅が増えています。
その他の対策として、木部専用の防水塗料や防腐塗料などを定期的に塗布することもおすすめです。
外装工事を行う場合は、必ず広子舞部分の塗装もおこなってください。
ケラバ板金の修理

広子舞と破風板の取り合いからの雨漏り修理業者は?

板金工事業者もしくは瓦屋根工事業者に、広小舞(野地板)と破風板の修理や張り替えや、シーリングの打ちなおしを依頼してください。
ただし、軒ゼロ住宅で瓦屋根を採用している住宅はほとんどないので、板金工事業者への依頼が現実的です。
板金工事業者は軒先板金や広小舞板金の加工取付も得意としています。
広小舞部分の塗布は塗装業者に依頼するのが望ましいですが、屋根を専門とする職人さんでも施工はできます。
外壁を取り壊すときは、外壁工事業者の選定も必要になります。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 広小舞や破風板の修理や張り替え
各種板金による雨仕舞
瓦屋根工事業者 広小舞や破風板の修理や張り替え
塗装工事業者 広小舞の塗布

破風板 広小舞

11位 手抜きによる雨漏り

手抜きについて

「手抜き」というと、わざと本来するべき手間をはぶいた工事をしたり、低品質低コストの建材使ったりする悪徳業者を想像します。
しかし、本来するべき工事が行われていないのは、職人さんの知識不足が原因であることが多いです。
専門業者による工事がおこなわれていないということです。

たとえば、「棟板金の脳天打ち」があげられます。
通常、棟板金(むねばんきん)は横からビスを打って固定します。
横側からの穴の方が、雨水が浸水しにくいからです。
しかし、そのことを知らない職人さんは板金の頭にビスを打ちます。
当然、板金上側にある穴の方が雨は漏れやすいです。
信じられないことですが、このような工事業者がいるのは事実です。

その他、「職人さん同士の連携不足」があげられます。
たとえば、屋根と外壁の職人さんは全く別の人が施工します。
そのため、屋根と外壁の取り合い部の防水処置が適切におこなわれないといった事態がおこります。
これは工事業者の「施工管理不足」とも言い換えられます。
板金の脳天打ち 雨漏り

手抜き工事の対策方法は?

手抜き工事を未然に防ぐのは、専門工事業者の見極めが大切です。
現在、すでに工務店や雨漏り修理業者に依頼をされていて、雨漏りが一向になおらない場合は、業者をみなおしてください。

たとえば、雨漏りの修理を請け負う業者に、塗装業者があげられます。
塗装業者は商売になるため、一生懸命、雨漏り修理に関する宣伝をおこないます。
塗装業者と塗装職人さんは絶対数が多いため、インターネット上でも雨漏り修理を請け負う塗装業者の宣伝が目立ちます。
しかし、今回取り上げている雨漏りのポイントのうち、塗装職人さんが関わる雨漏りはわずかです。
板金からの雨漏りを塗装職人さんに修理依頼をしても、解決できない可能性が高いということです。
考えてもわかることですが、塗装業(シーリング業除く)と雨漏り修理はほとんど関係がありません。

雨漏り修理を依頼する業者の専門分野を下調べをしっかりおこないましょう。
金属屋根の雨漏り 手抜き工事

【ワンポイント】インターネット上の雨漏り修理業者について
インターネット上では「雨漏り修理25,000円」と宣伝する業者が存在します。
25,000円で雨漏りがなおるのは魅力的ですが、25,000円でできる雨漏り修理方法は極めて限定的です。
シーリングの増し打ちなどの簡易的な応急処置の修理価格だと思ってください。
このような応急処置を主体にする業者は水回りやガラス、鍵などの生活トラブル全般に関わる業者もしくは個人事業主が多いです。
つまり、工事を主体とする建設工事会社ではないことが多いです。
また、最近は修理業者を紹介する「マッチングサービス」が流行しています。
マッチングサービスとはインターネット運営会社に登録している修理業者を、インターネット運営会社がホームページ閲覧者に紹介するサービスです。
「無料で地元の専門業者を複数社を紹介します」や「一括見積が簡単にできる」といったフレーズでインターネット上で集客を図っています。
このサービスを通して、期待通りの雨漏り修理業者が紹介されるとは限りません。
紹介する会社は建設工事会社ではなく、インターネット制作会社だからです。
雨漏り修理業者の請求書には、インターネット運営会社の紹介料が上乗せされることにもなります。
無料で複数の修理業者を紹介されても、結局、工事料金が全体的に割高といったパラドックスがおこります。

塗装業者による雨漏り修理

12位 サッシ廻りからの雨漏り

サッシ廻りについて

サッシ廻りの雨漏りは「サッシ廻りのシーリングの劣化」による原因が多いです。
シーリングにヒビ割れた隙間があると、雨水は室内側へ浸水します。
さらにサッシ内にある防水テープが劣化していたり、シワがあったりすると「防水テープの毛細管現象」が発生し、室内側への雨漏り被害が拡大します。

【ワンポイント】毛細管現象とは
毛細現象とは雨水が小さい隙間に入り込んでいく現象のことです。
勾配に関係なく、小さな隙間があれば雨水はどんどん隙間の奥へと進んでいきます。
防水テープだけではなく、屋根瓦でも毛細管現象はみられます。
下から上へ、低いところから高いところへ雨水が進んでいくため、毛細血管現象が原因の雨漏りは特定が難しい特徴があります。

サッシ廻りからの雨漏り
防水テープ

サッシからの雨漏り修理方法は?

シーリングの耐用年数はおよそ10年から15年です。
シーリングのヒビ割れた隙間に新しいシーリングを充てんすることで、雨漏りの改善が期待できます。
ただし、耐用年数が過ぎたシーリングであれば、建物全体のシーリングが劣化していることになります。
部分補修ではなく、建物全体のシーリングの打ちなおしも検討しましょう。

防水テープなどの外壁内部にも問題がある場合は、サッシ廻りの外壁内部も改修対象になります。
防水テープや透湿防水シートの張りなおしも検討しましょう。
防水テープはサッシ廻りだけではなく、屋根でも使われています。

バルコニーと隣接しているサッシを交換する場合は、サッシの下枠から雨漏りが発生しやすくなるため、バルコニー床下の防水層もあわせて改修します。
バルコニーと室内がバリアフリーになっている場合は要注意です。
防水テープの取り付け 雨漏り修理

サッシ廻りからの雨漏り修理業者は?

サッシ工事業者に依頼するのが望ましいです。
ただし、バルコニーがあるサッシの場合、防水工事が必要になることもあります。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
サッシ工事業者 窓廻りやシャッターボックスの修理や交換

サッシと防水層の雨仕舞

13位 縁切りなしの雨漏り

縁切りについて

縁切り(えんぎり)とは屋根と屋根の隙間を確保する作業のことです。

屋根を塗装すると、元々あった屋根と屋根の隙間が塗料でふさがれます。
これは雨仕舞い上、問題があります。
万が一、屋根の内部に雨水がはいりこんだ場合、雨水の逃げ道が塗料でふさがれることになります。
その結果、雨水が室外へ排水することができなくなり、建物内部で雨漏りが発生します。

【ワンポイント】「隙間」を埋めると雨漏りが悪化する場合がある
「隙間」=「漏水」と結論づける人が多いですが、それは大きな間違いです。
建材の「隙間」には建物内部に入った雨水を排水する役割もあります。
つまり、「ふさいでいい隙間」と「ふさいではいけない隙間」があります。
雨漏りが発生したからといって、建物のあらゆる隙間をシーリングでふさいでしまうのは絶対にやめてください。

「縁切り作業」は主に塗装リフォーム後のコロニアルでおこなわれます。
縁切りの方法は「手作業による切り込み」と「タスペーサー」を用いる2つの方法があります。
タスペーサーとは屋根の隙間を確保するために、屋根と屋根の隙間に挟み込む板状のチップのことです。
最近はタスペーサーを挟んで屋根を塗装することが多いです。

縁切りがおこなわれていない屋根は高確率で雨漏りが生じます。
この雨漏りは手抜き工事とも言い換えられます。
縁切りなしの雨漏り

縁切りされていない屋根の雨漏り修理方法は?

塗装後の縁切りは「手作業による切り込み」でおこないます。
カッターなどで切り込みを入れる作業となりますが、塗料がガチガチに固まっているため、塗装後の縁切り作業は思っている以上に重労働です。
足場も必要になるので、費用負担も大きいです。
そのため、金属屋根を被せるカバー工法で対処すもひとつの方法です。

縁切りなしの雨漏り修理業者は?

塗装工事業者に依頼するのが望ましいです。
屋根カバー工法を行う場合は板金工事業者に依頼してください。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
塗装工事業者 縁切り
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 屋根カバー工法

屋根カバー工法

14位 棟板金からの雨漏り

棟板金について

棟板金(むねばんきん)とは屋根のてっぺんに取り付けられる板金のことです。
棟板金はコロニアルや金属屋根で用いられます。
経年劣化の影響で、棟板金を固定している釘が抜けたり、緩んだりします。
釘穴のサビが進行し、穴が拡大すると、雨漏りリスクが高まります。

釘が抜けると棟板金は風で飛ばされやすくなります。
言うまでもないことですが、飛ばされたら雨が漏れます。
特に最近の住宅には「換気棟」とよばれる屋根に換気口がついた棟板金が取り付けられているので、棟板金に不具合が発生すると、一発で一大事になります。

棟板金が飛ばされたり、釘が抜けたりするのは原因がはっきりしています。
棟板金の下地の腐食が原因です。
棟板金の下地を貫板(ぬきいた)とよびます。
多くの場合、貫板は「木」であることが多いです。
木の貫板は経年劣化し、雨水がかかると腐り、釘の保持力も低下します。

「軒ゼロ住宅」の場合、「片流れ屋根の棟板金部分」でよく雨漏りが発生します。
棟板金と破風板との取り合い部から雨水が入り込み、外壁内部へよく雨が漏れます。
棟板金からの雨漏り

棟板金からの雨漏り修理方法は?

棟板金と貫板を新しいものに交換します。
貫板は「樹脂製品」を使うことをおすすめします。
最近の樹脂製貫板は樹脂の中にアルミ芯が組み込まれています。
アルミ芯にビスを打ち込んで棟板金を固定するので、木製貫板と比べて格段に棟板金の保持力が高まります。

棟板金の不具合は風災害による事故が多いです。
風災害による屋根の不具合で雨漏りが発生した場合は、火災保険が適用されます。
火災保険の申請方法について詳しくはこちら

【ワンポイント】風災害の火災保険申請とは
台風や強風の影響で屋根瓦に不具合が生じた際、保険会社から被災箇所の修理費用が支払われます。
申請には屋根工事業者の見積書や被災写真が保険会社より求められます。
そのため、火災保険申請に詳しい屋根修理業者へご相談ください。
この火災保険の申請代行だけを請け負う会社があり、社会問題になっています。
火災保険の申請は業者に代行させず、施主様自身でおこなっってください。
火災保険の申請は交通事故の保険申請より簡単です。
保険会社から支払われるのは被災部位の修理費用だけです。
室内などの改修費用は支払われません。

棟の下地交換修理

棟板金からの雨漏り修理業者は?

板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
棟板金の交換・修理について詳しくはこちら

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 各種板金による雨仕舞

棟板金の交換修理

15位 勾配不足の屋根からの雨漏り

勾配不足の屋根について

屋根には勾配(こうばい)がもうけられています。
勾配とは屋根の傾きのことです。
勾配があればあるほど、屋根の雨水が流れるスピードが早くなるため、雨漏りは少なくなります。
屋根が水に触れる時間も少なくなるので、屋根の寿命も長くなります。
つまり、「勾配がある屋根」=「優れた屋根」といえます。

一方、勾配が緩い屋根は雨漏りが多いです。
勾配が緩いと屋根面に水たまりができます。
金属屋根やもしくは庇(ひさし)の水たまりは、シーリング劣化やサビの原因になります。
屋根の上に雪がとどまった際の雪解け水が原因となる雨漏りも多いです。

屋根材には、屋根材ごとに必要勾配が定められています。
たとえば、コロニアルには2.5寸以上の勾配が必要です。
しかし、このルールを無視して2.5寸未満の勾配でコロニアルを使っている現場を見かけます。

さらに、2.5寸の低勾配屋根にコロニアルを用いるには条件があります。
この条件をクリアしていない場合、雨漏りリスクが高まります。
勾配不足の屋根からの雨漏り

勾配不足からの雨漏り修理方法

屋根の勾配を変えることは大掛かりなので、低勾配用の屋根材を使うことが大切なポイントです。
低勾配に適した屋根はズバリ、「縦葺きの金属屋根」です。
縦葺きの金属屋根とは縦のラインに沿って張る金属屋根のことです。
「瓦棒」や「立平」などが当てはまります。

「横葺きの金属屋根」はNGです。
横葺き金属屋根とは横のラインに沿って張る金属屋根のことです。
「アイジー工業のスーパーガルテクト」や「ニチハの横段ルーフαs」などのメーカー既製品の住宅用金属屋根材がほとんどなので、メーカー既製品のことと思ってください。
瓦棒は「コイル状の鋼板」と「垂木(たるき)とよばれる木の棒」を現場に持ち出して板金工職人さんがその場で加工して張り付けます。

縦葺き屋根でも頻繁に雨漏りが発生する場合は、嵩上げ(かさあげ)工法で屋根の勾配を変更させます。

【ワンポイント】嵩上げ(かさあげ)工法とは
嵩上げとは既存屋根の上に屋根を新たにもうける工事とのことです。
頻繁に雨漏りが発生する低勾配屋根で用いる工事です。
嵩上げ工法をすることで100%雨漏りは改善します。

金属屋根の雨漏り

勾配不足からの雨漏り修理業者は?

「縦葺きの金属屋根」の施工は板金工事業者に依頼するのが望ましいです。
嵩上げ工事はかなり高度な技術が求められます。
屋根専門の工事業者でも施工ができる業者へ限られています。
施工実績があるか、下調べをしてください。

依頼する雨漏り修理業者 得意とする専門分野
板金工事業者(金属屋根の工事業者) 金属屋根の葺き替え
各種板金による雨仕舞

嵩上げ

その他のよく雨漏りが発生する部位

「煙突」「ドーマー」「庇」「化粧胴差」「出窓」「外壁の換気口や換気扇」「シャッターボックス」「棟板金」「瓦屋根の漆喰」などがあげられます。

煙突

【このページで一番 重要!!】全ての原因は下葺き材や透湿防水シートの劣化

ここまで数多くの雨漏り発生部位について解説しました。
全ての雨漏りに共通することがあります。
それは、屋根や外壁の下に張られている防水シートが機能していないことです。
防水シートが破れたり施工不良があったりすると、万が一雨が屋根や外壁の内部に浸水したとき雨が漏れます。
つまり、防水シートさえ機能していれば、雨が漏れることはありません。
これは全ての屋根にいえることです。
屋根本体 下葺き材

屋根の防水シートは「下葺き材(したぶきざい)」とよびます。
その他、「ルーフィング」や「アスファルトルーフィングシート」とよばれます。
下葺きにはグレードがあり、耐用年数が30年や最高で50年の製品があります。
大手メーカーの田島ルーフィングからは18種類ものの住宅用下葺き材が販売されています。
しかし、一般的に使用される下葺きは低品質のものが多いです。
理由は安いことと、10年経過すれば雨漏りの瑕疵担保保証から住宅建設会社は逃れらるからです。
施主様(建築主)も屋根の仕上げ材にはこだわっても、下葺き材にまではこだわらないのも事実です。
下葺き材について詳しくはこちら
下葺き材の破れからの雨漏り

下葺き材はコストパフォーマンスがとても高い建材です。
平米当たり数百円加算するだけで、グレードの高い製品が利用できます。
定額屋根修理では耐用年数20年の下葺き材を標準施工品として採用しています。
しかし、平米当たり200円加算することで、耐用年数が30年の下葺きをお選び頂けます。
100平米の屋根であれば20,000円の加算で10年も耐用年数が延長されることになります。
最近では穴を開けずに張ることができる粘着式下葺き材もよく使います。
もし、これから雨漏りが原因で屋根のリフォーム工事を検討されている方は、できる限り耐久性の高い下葺き材の利用を強くおすすめします。
粘着式下葺き材

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