工場や倉庫の屋根にもちいられる折板屋根。
今回のテーマは、折板屋根に取り付けたエプロン面戸と雨漏りについてです。
そもそもエプロン面戸って何?エプロン面戸の役割とは?
エプロン面戸の概要、雨漏りの原因と改修方法について解説します。
目 次
閉じるエプロン面戸と雨漏りについての動画
テイガクが現地調査した折板屋根からの雨漏りの現場について、動画でも確認できます。
【塗装失敗・雨漏り動画】工場屋根エプロン面戸からの雨漏り
エプロン面戸とは?
隙間を塞ぐ部材のことを面戸(めんど)と呼びます。
エプロン面戸は、折板屋根の山形とは逆かさになっている溝のところに、雨水が入らないよう取り付ける板金部材です。
エプロンのように、下にぶらさがった形の部材のため、「エプロン面戸」と呼ばれています。
折板屋根は工場や倉庫などの金属屋根
折板屋根は、工場や倉庫などの大型建築物の屋根としてもちいられる金属屋根です。
金属の板を折り曲げて加工した屋根材で、山形の形状の断面をした屋根です。
屋根の傾き方向には継ぎ目がないため、屋根材1枚の長さが10mを超えることもあり長尺屋根ともよばれます。
屋根の勾配が高い部分、水が流れ始める最初の部分を水上側、水が流れて雨樋に入る部分を、水下側といいます。
屋根の雨水は、水上側から水下側へ流れていきます。
エプロン面戸の役割と施工方法
エプロン面戸の役割
エプロン面戸は、水上側にある、屋根の端や棟、壁の手前部分の屋根の溝に取り付けます。
エプロン面戸を取り付けることで、横向きに吹き付けてくる雨の勢いを弱めたり、棟や壁側に雨水が大量に廻るのを防ぐことができます。
雨水を完全に通さないようにするためではなく、雨水の量や勢いを少なくするための部材です。
エプロン面戸の施工方法
エプロン面戸を折板屋根の溝に取り付けた後、隙間にシーリングをして固定し防水します。
ここで一番重要なのが、エプロン面戸の下の部分はシーリングしないことです。
万が一、雨水がエプロン面戸より内側に入っても、下の隙間から雨水が排出されるように、逃げ道を作っておく必要があります。
エプロン面戸のすきまをすべてシーリングをしてしまうと、内側に入った雨水が内部に溜まり躯体が腐食する可能性があります。
誤った施工方法は、防水機能を高めるどころか、雨漏りを引き起こす原因になってしまいます。
エプロン面戸の誤った施工で雨漏りした現場
折板屋根の工場で、雨漏りのご相談をいただいた現場です。
屋根の端に取り付けてあるのは、アルミ製の笠木(かさぎ)です。
壁際から雨水が入り込まないようにL字型の水切り板金が取り付けられています。
水切り板金の下の部分に、エプロン面戸があります。
エプロン面戸の状態を確認すると、本来、隙間を開けておく必要がある下の部分が、塗膜で埋まっていることが確認できました。
おそらく、金属屋根に理解が及んでいない業者が、塗装の際に塞いでしまったのだろうと考えられます。
雨漏りしていた天井の上に部分にあたる、エプロン面戸の溝部分は湿った状態になっていました。
他の箇所は乾燥していたためこの箇所だけ違いがよく分かります。
エプロン面戸の内側に雨水が溜まり壁側に水が廻ったことで、雨漏りを引き起こしたことが分かりました。
エプロン面戸が原因の雨漏りの改修方法は?
雨漏りを解消するためには、1番の問題であるエプロン面戸の下端を切断し、排水できるように逃げ道を作ってあげます。
次に、笠木と水切り板金の隙間など、必要な箇所にしっかりシーリングをします。
この方法でも、雨漏りが発生してしまう状況であれば、笠木や水切り板金の交換など、防水加工が必要な箇所の部材交換を検討した方がよいでしょう。
テイガクのシーリング剤について
テイガクでは2024年10月より、工事に使用するシーリング材に、耐候性・速乾性に優れた「SRシール H100」を採用いたします。(SRシール H100の詳細はこちら)
ご希望のシーリング材がございましたら変更は可能ですので、担当の施工管理士にご相談ください。
雨漏りでお困りの際はテイガクへご相談ください
今回ご紹介したエプロン面戸の施工にかかわらず、施工する業者が屋根の構造を正しく理解していることは非常に重要です。
誤った施工方法は、防水効果を高めるどころか屋根や家本体の劣化を招きます。
工事を検討されるお客様は、正しい情報を取り入れて業者を選びをしましょう。
テイガクでは、戸建てだけでなく、工場や倉庫の雨漏りについても対応いたします。
現地調査・お見積りまで無料なのでお気軽にご相談ください。
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