手抜き工事で雨漏り発覚後、既に業者が廃業していた実例

屋根のリフォームを請け負う業者は数多くあります。
中には全くの素人であるにも関わらず、目先の工事金が目当てでお客様に工事契約を迫る業者もいます。
今回の事例は、内装リフォームを中心に活動している工務店が屋根工事を受注し、屋根工事の経験がないにも関わらず、大工が強引に改修をした不良工事事例です。
屋根工事は屋根職人が行うべき専門職です。
結局、屋根のリフォーム後半年で、雨漏りが発生する事態に発展しました。
現在、この工務店は廃業し、責任者の連絡が全く取れない状況が続いています。

今回は、手抜き工事の事例を取り扱うとともに、屋根工事会社を選定するうえで読者の方に注意して欲しいことをご案内いたします。

手抜き工事事例

東京都にお住いのお客様から、屋根の雨漏りに関してのご相談を受け、リフォーム工事のご注文をいただきました。
この住宅の屋根は半年前に新しくリフォームしたばかりです。
現場調査を行い、実際に工事を開始し完工するまでの間、数多くの不良施工・手抜き部分が見つかりました。
まさに手抜き工事のデパートとも言える現場です。。。
雨漏りは起きるべきくして起きたことが納得できます。
今回の手抜き工事の詳細を紹介することで、読者の方が正しい屋根工事のあり方を見極めるポイントにもなると思います。
是非、参考にしてください。

1-1.不良施工・手抜き1 板金の脳天打ち

屋根のてっぺんには棟板金があります。
この現場では棟板金に使用する釘を頭打ちしています。
これは脳天打ちと言って、棟の取り付け時には絶対に行ってはいけない工作です。
雨水が釘の穴から浸水するため、棟板金は必ず横から釘留しなければなりません。

不良施工・手抜き1 板金の脳天打ち

1-2.不良施工・手抜き2 コロニアルとコロニアルの隙間を埋める

この施工業者はコロニアルとコロニアルの隙間をモルタルパテで埋めていました。
コロニアルの隙間は雨水が入り込んだり、結露水が発生した時、水を排出する重要な役割があります。
例えば、コロニアルの塗装の時、塗装職人は縁切りと呼ばれる、塗料が隙間に入り込んで乾燥しないようコロニアルの隙間をわざと設ける作業を行います。
コロニアルとコロニアルの隙間に塗料が乾燥して固まってしまうと、雨が屋根内部に滞留して雨漏りを引き起こします。
コロニアルの隙間を塞ぐ行為は絶対に行ってはいけません。

不良施工・手抜き2 コロニアルとコロニアルの隙間を埋める

1-3.不良施工・手抜き3 釘を下地に直接打ち付けない

棟部のコロニアルがほぼ2枚重ねになって張られています。
最上段のコロニアルが下段のコロニアルを突き抜けて、取り付けられている状態です。
当然、下段のコロニアルに大きな損傷を与えていることになります。
下段のコロニアルから雨漏りが発生したり、コロニアルが割れたり、外れてしまうことは時間の問題です。
また、最上段のコロニアルの保持力も十分とは言えません。
この場合、最上段のコロニアルの上部を切り落として、直接下地に張りつけます。
最後に張る段のコロニアルを全て均一に切り落とす作業が面倒だったのでしょう。
明らかな手抜き工事です。

不良施工・手抜き3釘を下地に直接打ち付けない

1-4.不良施工・手抜き4 下地の芋張り&古い合板を再利用!?

新築時、下地を芋張りをしています。
芋張りとはタイルのように平行に合板を張る方法です。
芋張りは材料が余らず、工期も短くできるメリットがある分、屋根面の強度が落ちてしまいます。
新築時の屋根の野地板合板は千鳥張りが基本です。
千鳥張りとは互い違いに張る方法です。
しかも、画像でもわかりますが、手前には古い色褪せた合板が張られ、奥には新品の合板が使用されています。
どこかの現場の古い合板を使いまわししたようです。

不良施工・手抜き4 下地の芋張り&古い合板を再利用!?

1-5.不良施工・手抜き5 露出した木材&板金の隙間&汚いコーキング処理

画像は屋根と隣の外壁との取り合い部にあたります。
雨仕舞板金処理をした【つもり】のようです。
補強用と思われる木材が露出しています。
木材が腐ってしまうことは全く想定していないようです。
板金と板金の継ぎ目に大きな隙間もあります。
大きな口を開けて、水を誘っているようにも感じられます。
コーキング処理も本当に汚く、不適切で、小学生の工作レベル以下です。

不良施工・手抜き5 露出した木材&板金の隙間&汚いコーキング処理

1-6.不良施工・手抜き6 板金不足

板金が中途半端な位置で終わっています。
雨押え板金の横からコーキングがべったり塗られていますが、コーキングが剥がれてしまうと大参事になることは明らかです。
水が入り込むリスクに対する対策を全く講じていません。
またこの部位は、隣家の雨樋から雨水がオーバーフローを起こすリスクがあります。
また、雪が溜まりやすい部位でもあります。
単純に水の流れを読むだけでなく、豪雨や豪雪時にどのようなリスクが発生するのか想像を働かせることが、プロの仕事です。
このような部位ほど、十分な雨仕舞処理が必要になります。

1-7.不良施工・手抜き7 ルーフィングシートの途切れ

ルーフィングシートが中途半端な位置で途切れています。
ルーフィングシートとは画像の緑色のシートのことです。
防水シートの役割があります。
壁と屋根との取り合い部は雨が漏れやすい部位であるため、本来この防水シートは壁際までしっかり立ち上げて張る必要があります。
ルーフィングシートを余分の長さにして残すことを、捨てルーフィングと呼びます。
捨てルーフィングを怠っている工作です。
また、ルーフィングシートの品質は「アスファルトルーフィング940」と呼ばれる規格品を使用していました。
「アスファルトルーフィング940」は施工後、約10年で著しく耐久性能が衰えます。
屋根を修繕して10年後に雨漏りが発生することは決して優良なリフォーム工事とは言えません。
テイガク屋根修理では、ルーフィングシートには「改質アスファルトルーフィングシート」を使用します。
「改質アスファルトルーフィングシート」の寿命は20年から30年です。
単純に安い素材を使用した工事を優先するのではなく、長期的な視点による配慮も必要です。

不良施工・手抜き7 ルーフィングシートの途切れ

手抜き工事から身を守るには

2-1.本業が屋根工事である会社に依頼する

最も適切なことは、本業が屋根工事の会社にダイレクトに客様が発注することです。
しかし、屋根工事会社はたくさんあります。
ポイントは会社の透明性をしっかり開示しているかどうかです。
いいことばかり記載することで、重要な情報のアカウンタビリティを避けている会社は少なくありません。
会社の情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、少し離れた距離感覚で良し悪しを判断することも大切です。
例えば、仲介(営業)会社であるにも関わらずお客様から注文を請け負うために屋根の直接工事を掲げている会社も存在します。
弊社のホームページでも繰り返しご案内していますが、屋根材を保管する倉庫があるのかなど、直接施工を行う会社である根拠を確認する必要があります。
リフォームローンは施工会社との提携になるため、リフォームローンの取り組みがある会社かどうかなども判断基準になります。

もちろん、大手ハウスメーカーのリフォーム部門や、地元で信頼を得ているリフォーム会社に工事を依頼することも、手抜き工事から避ける担保になります。
しかし、仲介業を主にした会社は、一般的に工事費が高く、表面的な知識しか伴っておりません。
深く掘り下げた適切な工事のアドバイスを受けれない可能性があります。

2-2.施工業者が廃業する可能性も

工事会社が廃業するリスクも考慮しなければいけません。
廃業だけではなく、資金繰りが苦しい会社や工務店は古い資材を使いまわししたりする手抜き工事のリスクも潜んでいます。
バブルの影響もあり、テイガク屋根修理にお問い合わせいただくお客様の約3割以上の割合で、既にお客様宅を施工した会社や設計会社、不動産会社が廃業しています。
相談できる会社がなく、インターネットで弊社を見つけてお問い合わせいただくパターンです。
屋根や外壁は地震や台風の影響を最も受けやすい部位であるため、相談できる会社の存在はメンテナンス上とても重要です。
初めての会社にご相談をされる際、会社の規模や業務内容、過去の実績なども参考にした方がいいでしょう。
自社のホームページを継続的に更新しているか、専門分野に特化しているか(手当たり次第、工事を請け負っていないか)、過度な営業や派手な広告をしていないかなどをチェックすることが大切です。

2-3.工事品質と工事価格のバランスを見極める

A社とB社の相見積りを活用し、単純に安い会社に工事依頼を即断するのは避けましょう。
見積り書には見えない問題が隠されている可能性があります。
ルーフィングシートや合板などは仕上げができると確認ができない建材であるため、見積書内には素材のグレードまでの詳細を記載しない会社もいます。
実際に工事を行う職人の技術力や人柄なども、見積書だけでは推し量れない問題です。
当初は安い金額であっても、後々追加工事が発生したり、職人の技術力がなく、いつまで経ってもリフォームが終わらないなどのトラブルにつながってしまうのです。

見積もり作成担当者と工事内容、使用材料の品質、施工中の撮影、アフタフォローまで、十分に確認した上で、工事依頼する会社を決めてください。
お客様の方から積極的に工事内容や値段交渉のアプローチをすることも重要です。
他社の見積もり内容との違いについて、お客様の方からご指摘をいただいたり、ご質問をいただくことは、リフォーム会社にとってはとても嬉しいことです。
お客様からアプローチをいただく度に、精いっぱいの対応をしたいと常々感じています。

テイガク屋根修理による高品質屋根リフォーム

ここまで、手抜き工事で雨漏りが発生した現場についてご案内しました。
この現場をどのように改修したのか、テイガク屋根修理による高品質なリフォーム工事の内容をご覧ください。

3-1.屋根面の合板は千鳥に張る

屋根面の野地板は千鳥張り(互い違い張り)します。
また野地板の厚さは12mmで、低ホルムアルデヒドのF4☆☆☆☆の製品を使用します。
※F4☆☆☆☆(フォースター)とは
建築基準法では、シックハウス症候群の主な原因のひとつとされるホルムアルデヒドを放散する建材について、面積あたりの発散速度(量)により4つの等級に分類されています。
F4☆☆☆☆(フォースター)は、ホルムアルデヒドの発散が最も少なく、 使用面積の制限が設けられていない等級です。

屋根面の合板は千鳥に張る

3-2.屋根と外壁の取り合い部は一体化させる

屋根と外壁に同質の合板を張ることで、取り合い部を一体化させます。
防水処理において有効な工作です。
屋根と外壁を完全にセパレートすると、雨水が侵入する入口を設けることになります。

屋根と外壁の取り合い部は一体化させる

3-3.ルーフィングシートはしっかり立ち上げる

ルーフィングシートを外壁まで立ち上げて張ります。
屋根と外壁が一体化しました。
ルーフィングシートは耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング」を使用します。

3-4.雨仕舞板金を適切に取り付ける

雨仕舞板金を取り付けます。
板金は2段階の仕組みになっています。
画像の上段は雨水を排水する樋の役割をもつ板金です。
下段は屋根材のスターター(開始部)になる板金で、仕上げの屋根材の下側に取りつけられます。
尚、不良施工の例は下段の板金自体がなく、上段の板金が屋根の上に取り付けられ、コーキングでべったり塗られた状態でした。

雨仕舞板金を適切に取り付ける
雨仕舞板金を適切に取り付ける

3-5.効果のある副資材は積極的に使用する

棟の下地を取り付けた後には、ブチルテープと呼ばれる防水テープを張ります。
少しでも雨漏りのリスクを低減できる副資材があれば、テイガク屋根修理は積極的に使用します。
お客様に少しでも安心していただけるよう、目に見えないところは写真を撮り適切な施工内容を行っているか、しっかりとご報告いたします。

効果のある副資材は積極的に使用する

3-6.金属サイディングを張ることで外壁の防水能力を高める

外壁に金属サイディングを張ることで、外壁からの雨漏りのリスクが低減できます。
また、雪が溜まりやすい構造になっているため、雪留め金具も取り付けました。

金属サイディングを張ることで外壁の防水能力を高める

3-7.テイガク屋根修理による屋根のリフォーム完成

屋根のリフォーム工事、完成です。
施工不良の部位があまりにもたくさんあったため、ゼロの状態からやり直しさせていただきました。
外壁部分はガルバリウム鋼板製の金属サイディングを張って仕上げました。
屋根材もガルバリウム鋼板製です。
これで屋根と外壁の取り合い部からの雨漏りは絶対に起こりません。

テイガク屋根修理による屋根のリフォーム完成

テイガク屋根修理について

テイガク屋根修理はお客様と直接契約、直接施工を行う屋根専門の工事会社です。
以下に、テイガク屋根修理の特徴・他社様との違いについて、ご案内いたします。

屋根資材を保管する倉庫をもつ(埼玉県川口市・千葉県市川市・大阪府堺市)会社です。
・資材を大量に保管し、職人による直接工事なので工事金額は定額(テイガク)です。
・営業費用や広告費用の発生がないため工事金額は低額(テイガク)です。
・追加工事費用の請求などは一切ない、完全責任見積り制度。
・倉庫に職人を配置し、資材も保管しているので、万が一のトラブルの対応やアフターサービスもしっかり対応いたします。
・屋根専門の工事会社による、点検・調査になるので、適切な屋根のリフォーム方法をご提案できます。
・押し売りや過度な電話による勧誘などは一切ない、シンプル&スマートな営業スタイル。
・屋根だけではなく、外壁塗装や外壁サイディングの工事職人が所属しています。
施工実績10年以上の職人が親方(オヤカタ)としてお客様の屋根を施工します。
お見積りは無料です。
・ホームページを頻繁に更新することで、屋根や業界に関するお客様の知識や知恵の向上を図っています。
平成16年創業の屋根と外壁工事に特化した工事会社です。

弊社の会社理念や個性的な運営方法に、少しでも共感いただければ嬉しい限りです。
テイガク屋根修理は屋根専門の工事会社としての立場から、適切かつ高品質な屋根のリフォーム工事をお客様にご提供することをお約束いたします。

テイガク屋根修理
この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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