ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板の全知識
※このページは主に戸建て住宅を対象にした内容です。
はじめに

ガルバリウム鋼板の屋根や外壁が人気です。
ガルバリウム鋼板は決してパーフェクトな建材ではありません。
それでも人気なのは、他の建材と比べて優れている点がたくさんあるからです。
2014年にはガルバリウム鋼板を改良したエスジーエル鋼板(SGL鋼板)が登場し、金属建材の耐久性能はさらに向上しています。
このページではガルバリウム鋼板のデメリットや寿命、メンテナンス方法についても詳しく解説します。
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ガルバリウム鋼板の屋根は2017年以降トップシェア!
フラット35(旧:住宅金融公庫)で借入した方の屋根材種類を比較したデータによると、2017年に新築で用いられた屋根材のうち、金属屋根がコロニアル(スレート)と瓦を抑えてはじめて1位になりました。
数字上でもガルバリウム鋼板は使用頻度が高い建材であることがわかります。
※厳密には多種多様な金属素材がありますが、金属屋根=ガルバリウム鋼板の屋根ととらえてください。
ガルバリウム鋼板の特徴
質問「ガルバリウム鋼板とはなんでしょうか?」
解答「ガルバリウムという合金でメッキされた鉄のこと」です。
JIS規格におけるガルバリウム鋼板の正式名称は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」です。

メッキとは金属の膜(まく)のことです。
電気や熱の力を利用して鉄をメッキ層で被せます。
メッキが鉄を保護します。
ガルバリウム鋼板では、ガルバリウムという合金がメッキ層となり鉄を保護します。
つまり、ガルバリウム鋼板の中身(芯)は鉄です。
身近にあるメッキ鋼板の種類
メッキ鋼板はガルバリウム鋼板だけではなく、わたしたちの身の回りにたくさんあります。
メッキ製品 | メッキの素材 | 現代における主な用途 |
---|---|---|
ブリキ | スズ | 缶 |
トタン | 亜鉛 | ダクト |
ガルバリウム | 亜鉛+アルミ+シリコン | 屋根と外壁 |
エスジーエル | 亜鉛+アルミ+シリコン+マグネシウム | 屋根と外壁(将来の主流) |
クロム | クロム | 蛇口 |
「亜鉛だけでメッキした鉄」を「トタン」とよび、「スズでメッキした鉄」を「ブリキ」とよびます。
メッキする成分によって、鉄の寿命が大きく変わることになります。
ガルバリウム鋼板の耐久性

ガルバリウム鋼板の耐用年数はおよそ25年から35年です。
ガルバリウム鋼板は錆びからはじまる穴あきさえなければ、40年以上の耐久性の維持も十分に期待できます。
長くつかい続けるには錆びのメンテナンスを定期的におこなってください。
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販売開始から30年以上経過
ガルバリウムは「ガルバ」や「GL」とも略されます。
商用生産がはじまったのは1982年です。
世に出てすでに30年以上が経過しています。
販売当初は全く売れませんでした。
建設業界、特に外装業界は”超超超”保守的です。
当たり前といえば当たり前ですが、新しい屋根や外壁素材などは誰も見向きもしません。
未知のものを建物の屋根や外壁につかうことほど恐ろしいことはないからです。
もし不良品であることが発覚したら、会社の評価は地に落ちます。
だからこそ、奈良時代からある瓦が現在でも伝統的に受け入れられている背景があります。
しかし、30年という年月の経過と実績は、安全性と信頼性を確立する決め手になったと評価してよいでしょう。
今やガルバリウム鋼板はわたしたちとって、なくてはならない建材です。
断熱材一体型の商品も開発

ガルバリウム鋼板の厚みは0.35mm~0.5mm厚の製品が多いです。
もちろん、1mmにも満たない薄い鋼板だと断熱性と遮音性に劣ります。
ガルバリウム鋼板は「暑い」や「うるさい」といったクレームは、薄い鋼板をそのまま用いていることが背景としてあります。
しかし、現在のガルバリウム鋼板の主流品は鋼板の裏側に断熱材を貼り付けた「断熱材一体型の製品」です。
従来の問題点であった断熱性や遮音性が大幅に改善しています。
むしろ、断熱性や遮音性は他の屋根材や外壁材よりも優れているか同等程度です。
そのほかにも色彩豊富なデザイン、エンボス模様を取り入れたデザインなど、ラインナップも着実に増えています。
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最近は「ガルバが良い」といった内容の記事やユーチューブ動画をよく目にします。実際はどうなのでしょうか?
ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板をひとことで表すと、「耐震性や耐久性、価格を総合的に比べると最もバランスの取れた素材」です。
コストパフォーマンスに優れた屋根材であり、外壁材であるということです。
評価項目としては、「価格」「耐久性」「断熱性」「メンテナンス性」「施工性」「耐震性」「耐風性」「デザイン性」などを比べた結果です。
もちろん、細かく建材の良し悪しを比べると、ガルバリウム鋼板が他の建材より劣るところはたくさんあります。
また、断熱性や遮音性を期待するのであれば、断熱材一体型のガルバリウム鋼板製品を使用しなければならない制約もあります。
「ガルバリウム鋼板=他の建材よりも良い」わけではありません。
しっかりとガルバリウム鋼板のこと、他の建材のことを知って比べたうえで判断しましょう。
ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板は他の建材と比べて劣る点があるのも事実です。
たとえば、沿岸部や工場、森林近くでガルバリウム鋼板を用いると、錆びが発生するリスクが高まります。
割れる性質がない代わりに凹みやすい性質があります。
価格もコロニアルや窯業サイディングに比べると割高です。
また、誰でも施工ができる建材ではなく、専門的な板金技術を備えた板金工しか施工ができない建材でもあります。
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昔はリフォームのイメージが強かったガルバですが、最近は新築でもたくさんつかわれはじめています。
リフォームだけではなく新築でも
新築における屋根と外壁のシェア
新築でガルバリウム鋼板の屋根と外壁が選ばれることは、リフォームに比べるとまだまだ少ないです。
住宅は初期コスト重視で建築されるからです。
建売住宅において、屋根はコロニアルやアスファルトシングル、外壁は窯業サイディングが今でも多く使われています。
しかし、最近は消費者が得る情報量や知識が向上し、コストパフォーマンスの点でガルバリウム鋼板が他の外装材より優れているという認知が広がっています。
屋根については冒頭でも触れたように、すでにナンバーワンのシェアを獲得しています。
建売住宅の市場にも変化があり、ガルバリウム鋼板の屋根と外壁を標準外装材として採用しているハウスメーカーも増えています。
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リフォームでは独占状態
新築と違い、ガルバリウム鋼板はリフォーム分野ではほぼ独占状態です。
その背景に「屋根カバー工法」と「外壁カバー工法」の有用性があげられます。
屋根カバー工法とは、古いコロニアルの上にガルバリウム鋼板の屋根を重ねてリフォームする工事方法です。
外壁カバー工法も屋根と同じく、古い外壁の上にガルバリウム鋼板の外壁を重ねて仕上げます。
軽いガルバリウム鋼板だからこそできるリフォーム工事です。
仕上がりは塗装と違って、新築に近い仕上がりが実感できます。
カバー工法は古い屋根や外壁をはがして処分する費用や工事期間を抑えることができます。
このカバー工法がポピュラーになり、ガルバリウム鋼板が爆発的に普及するきっかけになりました。
画像中央の アイコンを左右に移動すると、画像の比較ができます



「ガルバに関わる会社と人を知ること=正しい判断ができること」となります。
ガルバリウム鋼板の工事をする会社と人
板金工事会社と板金工
板金工とよばれる職人さんがガルバリウム鋼板を取り扱い、その受注から施工管理をおこなうのが板金工事会社です。
新築でもリフォーム分野においてもハウスメーカーや工務店は板金工を自ら雇い入れはしません。
下請けである板金工事会社に外注をします。
もしこれからガルバリウム鋼板の屋根や外壁の工事を検討されている人は、直接、板金工事会社に依頼することをおすすめします。
テイガクはその板金工事会社にあたります。
瓦工事や塗装工事との違い

板金工事は塗装工事や大工工事、瓦工事とは全く異なる専門分野の工事です。
世の中ではこの事実が知れ渡っていないため、塗装工事会社や瓦葺き工事会社にガルバリウム鋼板の屋根や外壁工事を依頼する人が多いです。
テイガクは板金工事会社なので、このような商慣習が根付いていることにもどかしい思いを持ち続けています。 住宅リフォーム業界の構造を知ったうえで、工事業者を選定してください。
鋼板の製鋼会社

製鋼会社がガルバリウム鋼板の原材料を元にガルバリウム鋼板を製造します。
製鋼会社が生産したコイル状の鋼板を、金属建材メーカーが屋根材や外壁材に加工して販売します。
販売先(納品先)は板金工事会社です。 製鋼会社は誰もが知っていて日本の建設業を支える超有名企業です。
国内でガルバリウム鋼板を製造している会社はごく少数です。
ガルバリウム鋼板製造メーカー |
---|
「日本製鉄株式会社」 |
「JFEホールディングス株式会社」 |
「株式会社神戸製鋼」 |
「株式会社淀川製鋼所」 |
金属建材メーカー
金属建材メーカーは鋼板会社からガルバリウム鋼板を買い取り、自社工場で屋根材や外壁材として成型加工します。
下記の表は金属建材メーカー一覧(一部)です。
ガルバリウム鋼板の屋根と外壁を製造している会社は30社以上、存在します。
国内製造メーカーの社名 | 取り扱い |
---|---|
「アイジー工業株式会社」 | 屋根と外壁 |
「旭トステム外装株式会社」 | 外壁 |
「ケイミュー株式会社」 | 屋根と外壁 |
「ニチハ株式会社」 | 屋根と外壁 |
「東邦シートフレーム株式会社」 | 外壁 |
「日鉄鋼板株式会社」 | 屋根と外壁 |
「株式会社淀川製鋼所」 | 屋根と外壁 |
「YKK AP株式会社」 | 外壁 |
最近は国産ではなく輸入品の建材(屋根材)も普及しています。
国別では韓国製品が多いです。
全ての金属建材が国産ではないことは、ポイントとして押さえておきましょう。
輸入販売の社名 | 取り扱い |
---|---|
「伊藤忠建材株式会社」 | 屋根 |
「株式会社リクシル」 | 屋根 |
「株式会社ディートレーディング」 | 屋根 |

ガルバリウム鋼板の張る方向は意外と重要なポイントです。
縦葺き/横葺きと縦張り/横張り
屋根の縦葺き(たてぶき)

屋根の流れに沿って縦向きに屋根を仕上げるのを縦葺き(たてぶき)とよびます。
昔ながらのトタン屋根がまさに縦葺き屋根です。
トタン屋根の形状は、継ぎ目が凸となっている(出っ張った)ころがあります。
凸となっているところの中に「芯木(しんぎ)」とよばれる木の棒が入っています。
この形状の屋根を瓦棒(かわらぼう)もしくは棒葺き(ぼうぶき)とよびます。

最近の縦葺きは芯木の木を除いた「立平(たてひら)」が主流になりつつあります。
もちろん、現在では瓦棒も立平も鋼板はガルバリウム鋼板をつかいます。
現在、縦葺き屋根は新築住宅でとてもよく取り入られています。
理由は勾配(こうばい)が緩くても採用できるため、屋根の面積が少なく済むからです。
「住宅の建築コストを落としたいが、ガルバリウム鋼板の屋根にしたい」という消費者の気持ちが反映された結果です。
屋根の横葺き(よこぶき)

新築と違いって屋根のリフォームでは横葺きが主流となります。
金属屋根メーカーが製造する屋根のほぼ100%が横葺き屋根です。
理由は横葺き屋根は縦葺き屋根より付加価値の高い商品が多く、断熱性能や耐風性能、施工性、製品保証などに優れた商品が多いからです。
リフォームの場合は屋根の面積が既に決まっています。
そのため、費用対効果の高い横葺きのガルバリウム鋼板屋根が自然と選ばれます。
外壁の縦張り

屋根と同じく昔の金属外壁といえば縦張り(たてばり)でした。
リブトタンとよばれる外壁材がよくつかわれていました。
しかし、ガルバリウム鋼板が登場し、今ではイメージも全く新しいものに生まれ変わっています。
最近はスパン系とよばれるデザインのガルバリウム鋼板の外壁が人気です。
装飾的なデザインからシンプルですっきりとしたデザインを求める消費者が増えています。
「無印良品の家」は縦張りのガルバリウム鋼板が標準施工品として採用されています。
外壁の横張り

縦張りの人気が高まっているとはいえ、ガルバリウム鋼板外壁の多くは横張り(よこばり)です。
理由は施工性に優れていて、工事価格が抑えられるからです。
また、横張りの商品が多いことから、デザインのラインナップも豊富です。

「ガルバ」ではなく「エスジーエル」の時代になりつつあります
エスジーエル鋼板などガルバリウム鋼板より優れた素材も
エスジーエル鋼板
金属建材はガルバリウム鋼板だけではありません。
従来のガルバリウムに2%のマグネシウムを添加した新しい鋼板であるエスジーエル鋼板が注目されています。
ガルバリウムと比べて3倍超の耐食性が認められています。
すでにテイガクで施工する屋根の80%以上がエスジーエル鋼板の屋根となっています。
ガルバリウム鋼板よりも優れた素材があることも抑えておきましょう。
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アルミ
アルミはガルバリウム鋼板が登場する前からある金属建材です。
価格を除くとガルバリウム鋼板と比べて錆びにくさや軽さなどの点で優れています。
特に外壁ではガルバリウム鋼板だけではなく、アルミサイディングも選択肢に加えてください。
石粒付き鋼板

ガルバリウム鋼板の表面に石粒を付着させた屋根材があります。
石粒付き鋼板屋根や天然石鋼板屋根などとよばれています。
金属とは違った暖かみのある雰囲気が演出できる屋根材です。
石粒付き鋼板屋根の多くが輸入品です。
なかにはジンカリウム鋼板とよばれて販売されていることがあります。
JIS規格ではガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板は同じ組成に当てはまるので、両者の品質に大きな違いはないと筆者は評価しています。

ガルバリウム鋼板の天敵は錆びです!
ガルバリウム鋼板と錆び
錆びが与える影響
金属建材にとっての天敵は錆びです。
錆びに強いとよばれているガルバリウム鋼板も例外はなく、ガルバリウム鋼板も錆びることがあります。
錆びは2種類あり、「白錆び」と「赤錆び」があります。
白錆びから赤錆びに転じ、最終的に鋼板に穴があいてしまいます。
赤錆びが危険信号になります。
ガルバリウム鋼板を長くつかうためにも、錆びが発生しやすい環境を把握し、定期的なメンテナンスをおこなうようにしましょう。
錆びやすい環境や錆びる原因

枯れ葉がたまりやすい屋根
小枝や枯れ葉が水分を含むと酸性の木酢液(もくさくえき)が発生し、ガルバリウム鋼板がサビやすくなります。
葉が落ちる大きなシンボルツリーがあったり、公園や森林近くに建物があったりする場合は注意が必要です。
雪止め金具や釘穴周り
異種金属の接合部は電食の影響でサビやすくなります。
たとえば、ガルバリウムと無塗装のステンレスなどが接触する部分は錆びが発生しやすいです。
雪止め金具などは直接触れないよう塗装品をつかうなどの工夫が必要です。
沿岸地域や工業地域
沿岸地域では塩害の影響を受け、工業地域では大気中の炭酸ガスの影響で錆びやすくなります。
金属建材メーカーは沿岸地域では年4回、工業地域では年3回の点検を推奨しています。
また、車の排ガスが多い地域もサビやすい環境です。
屋根の勾配不足
屋根の勾配不足で屋根に水たまりや雪だまりができることがあります。
長時間水に接触すると錆びのスピードが速くなります。
【最重要】雨水がかかりにくい外壁
雨水に長時間接触するのもNGですが、雨水がかからないのほうが更にNGです。
ガルバリウム鋼板の表面に付着した埃などの不純物が錆びを誘発させます。
戸建て住宅で屋根と外壁両方にガルバリウム鋼板をつかっている場合、どちらかというと屋根よりも外壁の方が錆びが発生しやすいです。
理由は外壁には雨がかからない部位が多いからです。
以下のところは注意してください。
-
軒下(のきした)
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バルコニーや出窓の下
-
玄関アルコーブなど内部に入り込んだ外壁
-
庇(ひさし)の下
-
給湯器や暖房のが排気箇所
それでもガルバリウム鋼板は錆びに強い
なんだか錆びのリスクを知ると、ガルバリウム鋼板に対して不安を感じてしまいます。
しかし、ガルバリウム鋼板がここまで普及した理由は何だったか?を考え直してみましょう。
ガルバリウム鋼板が錆びにくい性質を備えているから普及したのです。
ガルバリウムとは「亜鉛とアルミ」を組み合わせた合金です。
亜鉛にはサビによる穴あき拡大を抑えてくれる「防食作用」があります。
そしてアルミには、亜鉛が溶けた穴を埋めてくれる「保護作用」があります。
つまり、ガルバリウムには亜鉛の「防食作用」とアルミの「保護作用」がサイクルする「自己修復作用」が備わっています。
これは傷口を保護する”かさぶたをつくって浸食を食い止める人体のメカニズム”に似ています。

実際に筆者は築18年が経過したフッ素塗膜のガルバリウム鋼板にのぼって確認をしました。
錆びがところどころに生じていましたが、拡大の傾向もなく、抑えられている様子でした。
メンテナンスさえしっかりしておけば、ガルバリウム鋼板の錆びを過度に怖がることはありません。

メンテナンスの仕方と保証の落とし穴について知っておきましょう
ガルバリウム鋼板のメンテナンスと保証
メンテナンス方法
屋根のメンテナンス

屋根はのぼってメンテナンスをおこなうことが難しい場合があります。
そういった場合、テイガクではドローンによる空撮で金属にサビが発生していないか、屋根の上に異物がないかを確認します。
筆者の経験では、屋根は雨水が汚れを落としてくれるため、錆びのリスクは低いと評価しています。
外壁のメンテナンス
外壁は立地条件に応じて年に数回、水洗いすることをおすすめします。
雨水がかからないガルバリウム鋼板の外壁は、ホースをつかって外壁表面に付いたホコリや汚れを落とします。
また、海岸地域や工場地域などはクリーニングの頻度を高めてください。
水洗いで汚れがとれない箇所は、中性洗剤で洗い落してから水洗いします。
金属建材メーカーでは悪い立地のところは年4回の水洗いを推奨しています。
塗装によるメンテナンス
「ガルバリウム鋼板の屋根と外壁は塗装をする必要がある」といった意見をよく目にします。
もちろん、メンテナンスの頻度を高めればガルバリウム鋼板は長持ちします。
しかし、筆者は「色あせによる美観が気になること」と「錆びの拡大が認められること」がない限り塗装は不要だと評価しています。
「今すぐ塗装をしなければ大変なことになる」「10年に1回は塗装をしなければいけない」といった不安をあおる塗装工事会社の営業手段には注意をしましょう。
ガルバリウム鋼板の保証
縦葺きと縦張りの製品保証
縦葺き屋根と縦張り外壁は、メーカーが製造品ではないことがほとんどです。
板金工事会社が鋼板を入手し、自社加工して制作します。
そのため、製品保証が発行されないことが多いです。
ガルバリウム鋼板はメーカー保証がないといった意見は、板金工事会社加工による縦葺き屋根や縦張り外壁のことを示します。
横葺きと横張りの製品保証
一方、横葺き屋根と横張り外壁は、その多くがメーカー製造品です。
金属建材メーカーが製品保証をもうけています。
ガルバリウム鋼板の場合、穴あき保証が10年から25年の商品が多いです。
保証期間や保証内容はメーカーによって全く異なります。
また、ガルバリウム鋼板の塗膜がフッ素塗膜の場合、塗膜の変退色保証が付きます。
メーカーだけではなく、商品のグレードによっても保証内容は大きく異なることもおさえておきましょう。
工事保証

工事保証とは、工事を受注した工事会社がお客様に付与する施工品質の保証です。
工事保証も工事を受注する会社ごとに全く違います。
これからガルバリウム鋼板を用いる人にとって一番恐れるべきことは、自然災害による不具合の免責です。
たとえば、台風でガルバリウム鋼板の屋根が飛ばされた場合、工事会社は工事の責任を負わず、免責となります。
筆者が知る限り、大規模な自然災害時の工事品質保証をおこなっている建設会社はこの世に存在しません。
立派なハウスメーカーでも自然災害時の不具合は免責になります。
つまり、「自然災害によるものだから工事と関係ない」のひとことで済まされてしまいます。
屋根と外壁工事の業界は、技術力がなかったり、手抜きをしていたりする業者が逃げられる業界とも言い換えられます。
工事保証だけではなく、工事会社の創業年数や専門分野、実績数や技術力などを重視した業者選びを心掛けるようにしましょう。
ガルバリウム鋼板に関する記事一覧
ガルバリウム鋼板に関するよくある質問
A
断熱材一体型製品を使ってください。
断熱材一体型にすると価格は1棟当たり屋根で10万円前後、外壁で30万円前後、高くなります。
費用対効果を考えても断熱材一体型の製品がおすすめです。
A
はい、あります。エスジーエル鋼板もしくはアルミです。
なかでもエスジーエル鋼板は費用対効果が高いので、これから金属屋根と外壁はエスジーエル鋼板製の製品をおすすめします。
A
色あせが気になる方は横暖ルーフαプレミアムSです。
気にならない方はスーパーガルテクトをおすすめします。
ただし、いずれもガルバリウム鋼板ではなくエスジーエル鋼板です。
A
保証は主にメーカー製品保証と工事保証にわけられます。
メーカー製品保証は穴あきが10年から15年の商品が多いです。
最高で25年の商品があります。
工事保証はガルバリウム鋼板を施工する会社ごとに異なります。
施工会社ごとの保証年数と免責事項は工事前に確認しておくとよいでしょう。