ガルバリウム鋼板の厚みとメッキについて

ガルバリウム鋼板の厚み

ガルバリウム鋼板の厚みは、屋根は0.35mmの製品が多く、外壁は0.27mmの製品が多いです。
メーカーと商品によって異なります。
もちろん、厚みが厚いほど、凹みや歪みにくくなります。
しかし、「厚み=ガルバリウムの厚み」だと勘違いしている人や、「厚みがある=耐久性がある」と思い込んでいる人が多いです。
ガルバリウム鋼板の厚みは主に基材にあたる鉄の厚みを示し、「鉄の厚み」よりも「メッキ層の種類と厚み」の方が耐久性にとって重要な要素となります。
これからガルバリウム鋼板の屋根と外壁工事を検討している人はガルバリウム鋼板の厚みだけではなく、メッキ層の種類と厚みについても注意を払ってください。

金属屋根と金属サイディングの厚み

厚み
ガルバリウム鋼板の屋根0.35~0.62mm
ガルバリウム鋼板の外壁0.27~0.50mm

ガルバリウム鋼板の構造

ガルバリウム鋼板とはメッキされた鉄のこと
ガルバリウム鋼板の構造

ガルバリウム鋼板の厚み

【動画】ガルバリウム鋼板の厚みとメッキ層について(2分10秒)

ガルバリウム鋼板の厚みとメッキ層について

ガルバリウム鋼板の厚みとメッキ層について

屋根の厚みについて

ガルバリウム鋼板屋根材の厚みは0.35mmが標準厚です。
1㎜にも満たない厚さなので驚く人が多いですが、0.35mmで十分、屋根として機能します。
ただし、0.35mm厚の屋根は、屋根の上の乗り方を誤ったり、断熱材がないところに乗ったりすると凹む場合があります。

マックス建材「マックス瓦」
マックス建材「マックス瓦」

マックス建材が販売するマックス瓦のような0.62mm厚の屋根材もあります。
この製品の強度は凄まじいの一言で、体重80キロの私が乗っても何ともありません。
雹などの飛来物が飛んできても安心な屋根材です。

アイコン 厚みがあるデメリットについて

厚みが厚いと屋根が重くなるデメリットがあります。
屋根カバー工法で屋根を仕上げると、当然、屋根が重くなります。
耐震性能の観点では、できるだけ薄く軽い屋根材であればあるほど良い屋根材となります。

外壁の厚みについて

エンボス加工された金属サイディング
エンボス加工された金属サイディング

ガルバリウム鋼板の外壁材の厚みは0.27mmが標準厚です。
柄などのエンボス加工(凸凹加工)を必要とする商品は厚みがあると加工が大変なので、0.27mmと屋根に比べて薄いです。

スパン系金属サイディング
フラットな面のサイディングは厚みが厚くて丈夫

近年、人気急上昇中のスパン系サイディングは0.35mmです。
エンボス加工されている一般的な金属サイディングよりもスパン系サイディングはフラットな部分が多いため、凹み安いです。
そのため、エンボス加工商品に比べて厚さがあり、その分、金額も高くなります。
金属サイディングは工場の外壁などの大型製品もあります。
大型製品は1枚当たりの長さが6mもあったりするので、さらに凹みやすく、そのため、厚みが0.5mmの製品が標準品です。

縦張り長尺のガルバリウム鋼板に注意

縦張り長尺サイディング
外壁に数え切れないほどの凹み

縦張り長尺物の金属サイディングはガルバリウム鋼板の厚みが薄いと、年月が経過するとともに凹みが目立つようになります。
厚みが十分にあるガルバリウム鋼板もしくは裏側に断熱材が付いたガルバリウム鋼板を用いることをおすすめします。

ガルバリウムではなく鉄の厚み

ここまでガルバリウム鋼板の厚みの違いについて解説しました。

ここで、よくある勘違いがあります。
それは、「ガルバリウム鋼板の厚みが厚い商品はガルバリウムの厚みが厚い」といった勘違いや「厚みがあるほど優れている」といった勘違いです。
ガルバリウム鋼板とは、鉄の基材にガルバリウムをメッキ層で覆った素材になります。
ガルバリウム鋼板の厚みは主に鉄の厚みとなります。

もちろん、鉄の厚みは鋼板の丈夫さを比べる要素になります。
しかし、厚みだけではなく、メッキの質やメッキの量も大切だと、筆者は考えます。

ガルバリウムのメッキ層

メッキの種類

メッキには鉄を錆から守ったり、修復させたりする機能があります。
昔は鉄に「亜鉛」をメッキさせる「トタン」が主流でした。
現在は鉄に「亜鉛とアルミを混ぜた合金」である「ガルバリウム」をメッキさせる「ガルバリウム鋼板」が主流となっています。
さらに最近は、「亜鉛とアルミとマグネシウムを混ぜた合金」である「SGL(エスジーエル)」をメッキさせる「SGL鋼板」が登場し、評価が高まっています。

ガルバリウム鋼板の厚みよりはメッキの種類や量にも注目してください。

メッキ層で評価した屋根材と外壁材

おすすめ屋根材:スーパーガルテクト(アイジー工業)

アイジー工業のスーパーガルテクト
メッキはSGLであり、メッキ量も一般的なガルバリウム鋼板の1.25倍

アイジー工業のスーパーガルテクトはメッキにSGLが採用されたSGL鋼板屋根になります。
鋼板の厚みは0.35mmであり、標準的な厚みです。
さらにスーパーガルテクトはメッキ量が多い特徴があります。
一般的なガルバリウム鋼板の1.25倍、メッキ量を使って製造された屋根材です。

スーパーガルテクト

おすすめ外壁材:スチール ニュースタンダード(旭トステム外装)

旭トステム外装のスチール ニュースタンダード
金属サイディング初のSGL鋼板素材の外壁材

旭トステム外装のスチール ニュースタンダードは業界初のSGL鋼板を採用した金属サイディングです。
厚みは0.35mmと標準的な金属サイディングよりも厚い製品です。
裏側には断熱材が貼り付けられており、とてもしっかりしたつくりです。

【2020年最新】金属サイディングのメーカーとおすすめ商品

まとめ

ガルバリウム鋼板の厚みは、メーカーや商品によって違いがあります。
当然、厚みがある商品ほど、凹みにくく強度が高いです。
しかし、いくら厚みのある鋼板であっても、鋼板を保護するメッキ層の質が低く量が少ないと意味がありません。
厚みだけではなく鋼板を保護するメッキ層も注目してください。

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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