金属屋根が人気です。
2017年以降、新築分野において屋根材のシェアナンバーワンの素材となっています。
リフォーム分野でも20年以上前から第一選択として用いられています。
倉庫などの大きな建築物でも屋根は金属製が一般化されています。
人気の理由はコストパフォーマンスが高いからです。
しかし、金属屋根といっても種類があり、耐久性や価格、断熱効果など様々です。
この記事では金属屋根について詳しく解説します。
金属屋根で用いられる素材
メッキ鋼板について
メッキ鋼板のコイルを加工して金属屋根を成型し屋根材として市場に流通される

現在、わが国で普及している金属屋根の素材の多くは、メッキ鋼板です。
金属素材で覆うことをメッキとよびます。
一般的に、鉄という金属に、鉄以外の金属(合金)で覆ったものが製品として流通しています。
鉄は錆びやすいので、そのままの形で用いることができないからです。
ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板、トタンなどがメッキ鋼板に当てはまります。
ガルバリウム鋼板もエスジーエル鋼板も素材の中心は鉄であることは、抑えておきましょう。
要はメッキ鋼板とは、鉄をガルバリウムなどの合金などで保護している素材だということです。
一方で、メッキに頼らず素材そのもので製品化される金属があります。
ステンレスやアルミなどです。
しかし、ステンレスやアルミはメッキ鋼板に比べて高額なので、戸建て住宅で用いられることは、ほとんどありません。
ガルバリウム鋼板
金属屋根の人気の火付け役はガルバリウム鋼板

金属屋根が普及した一番の理由は、ガルバリウム鋼板の耐久性能が認められたからです。
ガルバリウムとは主に亜鉛とアルミからなる合金のことです。
そのガルバリウムで鉄をメッキさせたものが、ガルバリウム鋼板です。
軽量で耐震性に優れている金属屋根に優れた耐久性能が備わったことで、爆発的に金属屋根の普及が拡大しました。
エスジーエル鋼板
最近の主流はエスジーエル鋼板

エスジーエルとは、亜鉛とアルミからなるガルバリウムにマグネシウムを付加させた合金です。
エスジーエルで鉄をメッキさせたものが、エスジーエル鋼板です。
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍超の耐久性があることが認められ、沿岸部などの鉄が錆びやすい地域でも用いやすい素材です。
耐久性の高さから、現在、戸建て住宅の金属屋根の主流素材となっています。
トタン
錆がひとたび発生するとトタンはたちまち拡大する

トタンとは、亜鉛でメッキさせたメッキ鋼板です。
亜鉛メッキ鋼板ともよびます。
トタンの金属屋根は錆に弱く、塗装による細かなメンテナンスが必要です。
2、30年前は金属屋根の主流となる素材でしたが、現在はほとんんど用いられることがありません。
小さな倉庫や物置きの屋根や外壁くらいしか、活躍の場はありません。
金属屋根の張り方・種類
戸建て住宅は「横葺き」と「縦葺き」
横葺き金属屋根

縦葺き金属屋根

金属屋根は「縦張り」と「横張り」の2パターンの張り方があります。
屋根の流れ(傾き)に沿って張るのが縦張りで、地面に対して水平に張るのが横張りです。
屋根面が5面や6面など複雑な屋根には横葺きが適していて、シンプルな2面や1面の屋根には縦葺きが適しています。
断熱材や長期保証などの付加価値が高いの横葺きで、工事価格が安く済むのが縦葺きです。
工場や倉庫の屋根は「折板」
工場や倉庫で用いたれる折板屋根

工場や倉庫などの大型建築物は折板とよばれる金属屋根が用いられます。
屋根の断面が富士山の形をした金属屋根です。
クレーンを用いて、持ち上げて屋根を張り上げます。
なお、折板屋根は写真のように全て縦葺きで仕上げます。
金属屋根の耐久性を決定づける5つの項目
耐久性に大きく関わる要素は主に5点あります。
「1・金属屋根の素材」と「2・金属屋根の留め具」「3・ルーフィング」「4・小屋裏換気」「5・断熱材一体型」の5点です。
その1:素材の耐久性
素材 | 耐用年数 |
---|---|
ステンレス | 約50年 |
アルミ | 約50年 |
銅板 | 約45年 |
エスジーエル鋼板 | 約35年 |
ガルバリウム鋼板 | 約30年 |
トタン | 約20年 |
言うまでもないことですが、金属やメッキの質に金属屋根の耐久性は大きく関わります。
金属の天敵は錆びです。
したがって、錆びに強い金属素材であるほど、耐久性は向上します。
その2:金属屋根を留め付ける留め具
屋根材を留める留め具は”ステンレス製のビス”がおすすめ

鉄くぎ(亜鉛メッキ)だと錆びてボロボロになる恐れがある

留め具 | 耐久性 |
---|---|
ステンレス製のビス | ◎ |
ステンレス製の釘 | 〇 |
鉄製(亜鉛メッキ)のビス | 〇 |
鉄製(亜鉛メッキ)の釘 | △ |
金属屋根を留める留め具は屋根の耐久性に深く関わります。
鉄の釘は水に弱く、金属屋根に入り込んだ雨水や結露による結露水に触れると経年と共に錆び始めます。
屋根を留める力が損なわれるので、風で金属屋根が飛ばされやすくなります。
錆びに強く、金属屋根を強固に固定させるステンレス製のビスがおすすめです。
その3:ルーフィング(戸建て住宅のみ)
耐久性の高いルーフィングとステンレス製のビス留めによる施工で耐風性能と耐久性能、止水性能が大幅に改善する

ルーフィングの種類 | 耐久性 |
---|---|
高耐久不織布ルーフィング | ◎ |
改質アスファルトルーフィング | 〇 |
アスファルトルーフィング940 | × |
屋根は屋根本体と、その下に敷くルーフィングとよばれる屋根用の防水シートの2重で雨漏りを防ぎます。
ルーフィングの種類は様々で、当然、長期にわたって防水性能を維持するシートがおすすめです。
最高で60年長持ちする防水シートがある一方で、10年程度で劣化がはじまる防水シートもあります。
その4:小屋裏換気(戸建て住宅のみ)
屋根裏の熱と湿気を排出させる換気棟

屋根材を支えているのは野地板という板材

換気口 | 耐久性 |
---|---|
換気棟 | ◎ |
妻換気/軒天換気 | 〇 |
屋根裏のスペースのことを小屋裏(こやうら)とよびます。
屋根裏がサウナのような湿気で充満している状態は、屋根を構成する木材にダメージを与えるので決して良い状態とは言えません。
湿気は屋根の下地材である野地板(のじいた)の劣化を促進させます。
屋根裏を常に乾燥状態にさせるためには、屋根の上から湿気と熱を放出させる換気棟(かんきむね)の取り付けが有効です。
換気棟は穴が空いた棟板金のことです。
換気棟はたくさんあればあるほど有効です。
その5:断熱材一体型(戸建て住宅のみ)

金属屋根と野地板の表面の温度差が大きいほど、野地板は湿気による負荷を受けます。
温度差を縮めるには、金属屋根の下に断熱材を貼り付けるのが有効です。
もちろん、屋根下の部屋も快適になります。
金属屋根の商品の中には、金属屋根の裏側に断熱材があらかじめ付着した「断熱材一体型」の商品があります。
金属屋根の工事価格(税込み価格)
・戸建住宅
張り方 | 価格 |
---|---|
横葺き金属屋根(予算重視) | 7,200円/㎡ |
横葺き金属屋根(耐久性と断熱性重視) | 7,700円/㎡ |
縦葺き金属屋根(予算重視) | 6,600円/㎡ |
縦葺き金属屋根(耐久性と断熱性重視) | 6,600円/㎡ |
・折板屋根
屋根面積 | 価格 |
---|---|
屋根面積300㎡以下(予算重視) | 11,000円/㎡ |
屋根面積300㎡以下(耐久性と断熱性重視) | 13,000円/㎡ |
屋根面積300㎡以上 | 応相談 |
※雨どいや各種板金工事は含まれておりません
おすすめの金属屋根商品
戸建て住宅でおすすめの屋根材はスーパーガルテクト
20年の塗膜保証が付いたスーパーガルテクト・フッ素

かん合式タイプの金属屋根でかん合部にも断熱材が詰められているのが特徴

戸建て住宅の金属屋根のおすすめはアイジー工業のスーパーガルテクトです。
スーパーガルテクトの鋼板の素材はエスジーエル鋼板です。
断熱材一体型で、断熱材が分厚いことに加えて「かん合部内にも断熱材が詰まっている」ことがスーパーガルテクトが他の屋根材にないポイントです。
かん号部内に断熱材があるおかげて、屋根を固定する釘打ち部に雨水が入りにくく、屋根全体が断熱材で覆われる仕上げになります。
屋根の耐久性と断熱性に優れた”考えられた屋根材”と評価できます。
そのこともあり、2020年には全国発明表彰である 『日本弁理士会会長賞』、2022年には『文部科学大臣賞』を表彰されています。
なお、塗膜はポリエステルとフッ素の2種類があり、フッ素塗膜のスーパーガルテクトは20年の変退色保証が付きます。
スーパーガルテクトのお客様からのご評価

スーパーガルテクトのご評価
折板屋根はコストパフォーマンスに優れたボルト式
折板屋根はボルト締めタイプのガルバリウム鋼板素材がおすすめ

折板屋根はまずはコストパフォーマンス重視で、ガルバリウム鋼板製のボルト式タイプの金属屋根を検討しましょう。
ガルバリウム鋼板のボルト式タイプの折板屋根は、どの折板屋根メーカーでも取り扱いがあるので、メーカーにはこだわる必要はありません。
折板屋根の現場は面積が大きい傾向があり、たとえば300坪の建物の場合、工事金額が1千万円以上かかることがあります。
まずはじめにコストパフォーマンスに優れた製品で見積もりを取り、余裕があればボルトレスタイプや断熱材敷き詰め、鋼板素材を再検討してください。
金属屋根の工事はテイガクへ
テイガクの関東拠店’(川口市)

テイガクの大阪拠店(堺市)

テイガクは金属屋根専門の工事会社です。
関東と関西に複数の拠点(現在9拠店)がある建築板金工事会社です。
戸建て住宅から工場などの大規模建築物まで、全ての金属屋根工事をこなすことができます。
お客様に適切かつ安心安全な金属屋根工事をご提供いたします。
お見積もりまでは無料ですので、お気軽にご相談ください。
金属屋根でよくある質問
A
金属屋根は錆びに弱いため、トタンなどの素材では頻繁に塗装によるメンテンを必要とします。
また、錆に強いと評価されているガルバリウム鋼板も20年~30年が経過すると、環境等の要因で錆びることがあります。
錆びに対するメンテナンスは細目におこないましょう。
A
戸建て住宅用の金属屋根メーカーは「アイジー工業」「ニチハ」「メタル建材」などが有名です。
折板屋根のメーカーを含めると20社以上、存在します。