ガルバリウム鋼板の耐用年数はおよそ25年から35年です。
ガルバリウム鋼板は錆びからはじまる穴あきに対して注意を払う必要があります。
逆を言えば、穴があかなければ屋根と外壁の機能は維持すると言えます。
錆びのメンテナンスを正しくおこなっていれば、40年以上の耐久性の維持も十分に期待できます。
ガルバリウム鋼板建材メーカーの保証からみた耐用年数
保証年数 | |
---|---|
金属屋根 | 25年 |
金属サイディング | 10年 |
ガルバリウム鋼板の耐用年数
耐用年数は40年以上が期待できる
ガルバリウム鋼板の耐用年数はおよそ25年から35年です。
25年と言われると思ったより短命だと感じる人もいるはずです。
メーカーは責任が問われる立場なので、数字に関しては低く示す傾向があります。
これはガルバリウム鋼板だけに限らず全ての建材にも当てはまります。
家電製品の製品保証と同じような感覚で受け止めてください。
しっかりメンテナンスをおこなっていれば、ガルバリウム鋼板は40年以上の耐久性は十分に期待できます。
製鋼会社であるJFE鋼板は試験をおこなった結果、ガルバリウム鋼板は40年以上の長期耐久性が推測されると評価しています。
ただし、環境や施工方法によってガルバリウム鋼板の耐久性は大きく低減するので注意が必要です。
屋根材料として、ガルバリウム鋼板の耐久性を検討した結果、通常の屋根面状態では40年以上の長期耐久性が推測される。
ガルバリウム鋼板の耐用年数が低下しやすい環境は?
以下のような場所は、ガルバリウム鋼板の耐用年数が低くなる傾向があります。
海岸近くの地域
ガルバリウム鋼板は乗用車と同じく金属製品なので、塩害を受けやすい素材です。
海岸に近いほど錆やすいです。
海岸沿いから5km以内の地域はメーカーの保証対象外となります。
SGL鋼板は海岸から500mまでを保証
ガルバリウム鋼板を改良させたSGL鋼板はガルバリウム鋼板にくらべて塩害に強い鋼板です。海岸沿いから500m以内が保証対象外となり、海岸沿いの建物ではおすすめです。
工場やグラウンドなど粉塵が多い地域
風で飛来する粉塵物には、ガルバリウム鋼板の腐食を促進させる物質が含まれています。
落葉樹が多い地域
木片や落ち葉がガルバリウム鋼板と接触すると電食作用が起こり、ガルバリウム鋼板が腐食します。
雨どいが落ち葉でよく詰まるお宅や庭木が外壁面に付着するお宅は、屋根や外壁に付着しないようメンテナンスが必要です。
雨が当たらない外壁
ガルバリウム鋼板の場合、屋根よりも外壁のほうが錆が発生しやすいです。
雨水がかかる箇所は錆の進行が早くなると思い込んでいる人が多いのですが、それは間違いです。
雨が当たらない箇所ほど錆が発生しやすいです。
理由は埃などの付着物が雨で洗い流されないからです。
そのため、雨水が当たりにくいバルコニーの下や玄関廻りなどは、よく錆が発生します。
低勾配(ていこうばい)
傾きが緩いガルバリウム鋼板の屋根は、傾きが急の屋根よりも耐用年数が低くなる恐れがあります。
理由は水溜りができやすいからです。
水溜りができると、ガルバリウム鋼板の腐食スピードは10倍になると言われています。
2寸を下回る低勾配の屋根は日ごろからガルバリウム鋼板の錆びの確認をおこなっておきましょう。
電食と貰い錆び
異なる異種金属が触れると電食作用が発生し、錆びが急速に進みます。
たとえばステンレスとガルバリウムの相性は悪く、お互いが触れ合うとガルバリウム鋼板が錆び始めます。
塗膜処置されていないステンレスをガルバリウム鋼板に打ち込むと、すぐに錆びてしまいます。
また、アンテナの配線が錆びている場合、錆がガルバリウム鋼板に付着してガルバリウム鋼板が錆びるおそれがあります。
これを貰い錆びと呼びます。
工場の煙突や換気口
工場は屋根の真ん中に煙突や換気口を設けていることが多く、低勾配であることが多いです。
排出口から埃などがガルバリウム鋼板に付着し、かつ低勾配で水はけが悪いので、工場の屋根は住宅屋根よりも細目なメンテナンスが必要です。
ガルバリウム鋼板の耐用年数を長くするには?
ガルバリウム鋼板の屋根の場合
定期的に屋根にのぼったり、ドローンを用いて空撮をしたりして屋根の状態を確認してください。
異物があったり、庭木が付着していたりしたら、屋根にのぼって取り除いてください。
錆びが見つかったからといって極度に心配をすることはありません。
錆びがあたかも重大な問題であるかのように過度に不安をあおる業者がいるので注意をしてください。
ガルバリウム鋼板は錆びが拡大しにくいことがメリットとして評価されている建材です。
そのため、小さな錆びが見つかったとしても急を要する状態ではないと思ってください。
もちろん、錆びの拡大がひどかったり、穴が開いていたりしている場合は、錆びの除去や錆止め塗装、穴埋め処置などをおこなう必要があります。
ガルバリウム鋼板の外壁
前述のとおり、屋根よりも外壁のほうが雨水が当たらない箇所が多いため、よく錆びます。
金属サイディングの点検にいくと画像のような状態になっているお客様宅が多いです。
実際にメーカー保証年数は、外壁は屋根の半分以下となっています。
【動画】ガルバリウム鋼板のメンテナンスと錆びについて(1分20秒)
ガルバリウム鋼板のメンテナンスと錆びについて
錆びやすい外壁部位
ガルバリウム鋼板の外壁の場合は、以下のところは念入りに水洗いしてください。
ホースの水圧で水をかけるだけでも十分、効果があります。
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軒下
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バルコニーや出窓の下
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ビルトインガレージや玄関
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庇の下
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給湯器やインターホン周り
【まとめ】ガルバリウム鋼板の耐久性が不安な方へ
ここまで読むとガルバリウム鋼板の耐久性に不安を感じてしまう方が多いかもしれません。
しかし、過度な心配はご無用です。
なぜなら、ガルバリウム鋼板は錆びが拡大しにくい性質をもっており、その性質が認められたからこそ人気を博しています。
ガルバリウム鋼板が普及してから20年以上が経過しました。
その間、十分過ぎるほどの施工実績があり、検証もおこなわれています。
専門家や建設業者からも高い評価が確立されています。
2019年、屋根材では瓦やスレートを抜き、最も使用されている素材になりました。
正しくガルバリウム鋼板のことを知っておけば、ガルバリウム鋼板は長く安心して用いることができる素材です。