カラーベストとは?
カラーベストはケイミュー社が取り扱うスレート屋根のことです。
スレート屋根はセメントを主成分とする平べったい板状の屋根材のことで、主に新築戸建て住宅で採用されています。
1980年前半から2010年後半までの間は、高い屋根材のシェアを維持していました。
アスベストにまつわる問題やガルバリウム鋼板の屋根材の評価により、現在、シェアは低下傾向です。
ケイミューについて
ケイミュー社は、パナソニックとクボタが合同出資で2003年に設立した企業です。
ケイミュー社が取り扱うスレート屋根のブランド名(ラインアップ名)が「カラーベスト」です。
カラーベストシリーズの中に「コロニアル」とよばれる商品があります。
コロニアルは安価で多く流通している主力商品です。
そのため、カラーベストのことをコロニアルとよぶ人が多いです。
カラーベストとコロニアルの違い
カラーベストは「スレート屋根」や「コロニアル」の他、「カラベ」「化粧スレート」「新生瓦」「平板瓦」「石綿スレート」「平形スレート」ともよばれます。
元々はアスベストが含まれたセメントに着色をした屋根材であることから「カラー+ベスト」で「カラーベスト」と名付けられました。
カラーベストの名称のなじみは、筆者の経験上、関西地区にお住まいのお客様に多いです。
カラーベストのサイズ(寸法)
カラーベスト(コロニアルクァッド)のサイズと価格
1枚当たりのサイズ | 働き寸法910×182mm |
厚さ | 5.2mm |
1枚当たりの重量 | 約3.4kg |
梱包入り数 | 8枚 |
価格 | 約5,500円(税込み)/梱包 |
カラーベストの耐用年数
製造時期で変わる耐用年数
カラーベストは製造された時期によって、耐用年数が変わります。
大きく3つの世代にわかれます。
「アスベスト含有商品(~1990年代前半)」と「アスベストを取り除いた直後の商品(1990年代前半~2000年代半ば)」「アスベストを取り除いた直後の商品を改良させた商品(2000年代半ば以降)」の3つです。
アスベストを含めたカラーベストは長寿命です。
一方で、アスベストを除いた直後のカラーベストはぜい弱で短命です。
カラーベストの年代別 耐用年数表
世代(年代) | 耐用年数 | 代表的な商品 |
---|---|---|
アスベスト含有商品(~1990年代前半) | 40年 | ニューコロニアル |
アスベストを取り除いた直後の商品(1990年代前半~2000年代半ば) | 20年 | コロニアルNEO |
アスベストを取り除いた直後の商品を改良させた商品(2000年代半ば以降) | 30年 | コロニアルクァッド |
【Youtube動画】スレート屋根の耐久性と特徴
ノンアスベストの屋根「コロニアルNEO」
2000年代前半にアスベストを含めないカラーベストが製造されました。
わたしたち屋根工事の専門家は、ノンアスベストの屋根(通称ノンアス)と称しています。
コロニアルNEOは、カラーベストの商品ラインアップの中で最も不具合が多いノンアスベストの屋根材として知られています。
築後10年~20年程度で、屋根が割れたり欠けたりする不具合症状が多発します。
コロニアルNEOを含むノンアスベストの屋根はリフォームの際、特別な注意を払う必要がある屋根材です。
カラーベストのコストパフォーマンス
新築の戸建て住宅でおすすめ
新築の戸建て住宅において、カラーベストはコストパフォーマンスの点で優れています。
これから新築で住宅建築を控えている人にとって、カラーベストは屋根材候補のひとつとして検討する価値は十分にあります。
現行商品の中では、多く流通しているコロニアルクァッドより、コロニアルグラッサを筆者はおすすめします。
コロニアルグラッサはグラッサコートとよばれる耐候性に優れた無機塗料が用いられています。
無機塗料は長期にわたり色あしないため、塗装メンテナンスが不要と評価できる塗膜です。
屋根の色あせを心配することなく、長期間、美しい屋根の色が持続します。
コロニアルクァッドとコロニアルグラッサの1枚の価格差は2023年7月現在、上代でわずか30円(税抜き)です。
2~3万円の負担でコロニアルクァッドからコロニアルグラッサへグレードアップできます。
さらに、遮熱効果が付加されたコロニアル遮熱グラッサや分厚く耐久性が増したレイシャスグラッサなどがあります。
リフォームではおすすめできない
屋根の改修において、カラーベストはおすすめしません。
カラーベストは板状で硬い素材であるため、経年変化で不陸(全体が平らでない)が生じた屋根に張ろうとしても、安定して張ることができません。
屋根の下地が真っ直ぐな状態である、新築時の施工に適した屋根材です。
新築の時とは違い、ケイミューは改修に用いる場合、カラーベストの保証を設けてくれません。
カラーベストの修理
部分修理・差し替え
欠けたり割れたりしたカラーベストを部分的に修理もしくは交換(差し替え)することは可能です。
足場を必要とする作業であることや、他の部位も同様の症状が現れる可能性があるため、部分的な屋根材の修理はあまりおすすめしません。
部分修理・差し込み
ガルバリウム鋼板の板を接着剤で接着させてカラーベストを補修する方法があります。
同じくケイミュー株式会社が取り扱う「リコロニー」や、「Cガード」とよばれる商品が知られています。
差し替えよりも安全に処置ができるため、カラーベストの部分修理にはおすすめしたい修理方法です。
棟板金の交換
屋根で最も多い不具合として、「棟板金の剥がれ」があげられます。
棟板金とは、カラーベストの屋根の頂部に取り付ける板金部材のことです。
棟板金の下に敷かれている木下地の腐食が進行すると、強風によって棟板金が剥がれる事故が発生します。
カラーベストのリフォーム方法と費用
カラーベストの中でも最も流通しているコロニアルクァッドの実質価格は、1枚当たり約700円です。
カラーベストを数枚交換する部分修理の場合は、材料代だけで1万円もかかりません。
本格的な全面改修の方法として「屋根塗装」と「屋根カバー工法」「屋根葺き替え」の3つの方法があります。
これらのリフォーム費用は、依頼するリフォーム会社やリフォームで使用する商品によって大きく変わります。
屋根塗装
色あせやコケが気になってきてら、屋根塗装を検討してください。
お住まいの市区町村によっては遮熱塗料を用いて屋根塗装をすることで、補助金がでる可能性があります。
ただし、屋根塗装は屋根の美観維持が目的です。
屋根の機能維持や改善にはカバー工法、もしくは葺き替え工事しか選択肢はありません。
なお、屋根塗装の際は必ず、棟板金の交換をおこなってください。
必要に応じて縁切り作業(もしくはタスペーサー取り付け)があるかどうかも確認しましょう。
カバー工法
屋根カバー工法は古いカラーベストの上に軽い屋根材を重ねて張る工事方法です。
カラーベストで最も多く採用されている屋根の本格的なリフォーム方法です。
重ねて張る屋根材は、金属屋根もしくはアスファルトシングルが多いです。
金属屋根はガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板とよばれる耐久性の高い鋼板の屋根がよく用いられています。
葺き替え
葺き替えは古いカラーベストを剝がして、屋根を張り替える工事のことです。
ただし、工事金額は高額です。
さらにアスベストが含まれている葺き替えは、含まれていない葺き替えの1.2~1.3倍程度、工事金額が高くなります。
葺き替えはカバー工法と違い、屋根の下地材である、野地板を張り直すことができます。
野地板と屋根材を新しくすることで、新築時と同等もしくはそれ以上の耐久性の屋根に作り替えることが可能となります。
カラーベストの屋根改修工事はテイガクで
テイガクは金属屋根や塗装工事を得意とする、外装工事のプロフェッショナルです。
関東と関西に大型倉庫と営業拠点を設け、お客様に直接工事の形で高品質かつ低価格の外装工事をご提供いたします。
この記事でご紹介したカラーベストの改修工事は年間500棟以上、おこなっています。
これからカラーベストのリフォームをご検討されている人は是非、テイガクにご相談ください。
お見積りの作成までは無料で承っております。