カラーベスト(スレート屋根)へ葺き替える費用とその施工方法

全記事 一覧 | 2019.04.10

このページでわかること

  • スレート屋根のひとつカラーベストの特徴がわかります
  • カラーベストの寿命とリフォーム方法がわかります
  • カラーベスト・グラッサの特徴がわかります
カラーベストとは

カラーベストはケイミュー(旧クボタ)が販売するスレート屋根のブランド名です。
スレート屋根にはたくさんの種類があり、カラーベストはスレート屋根のひとつ「平板(へいばん)スレート」にあたります。
このページではスレート屋根のひとつ「カラーベスト」について、そしてカラーベストへ葺き替え(ふきかえ)する場合の工事費用や施工方法の注意点について解説します。

※このページは主にカラーベスト”へ”葺き替える工事について解説しています。
カラーベスト”を”葺き替える工事については以下のページを参照にしてください。
スレート屋根の葺き替えについて

カラーベストのメーカー保証

商品名 ヒビや割れ 新築雨漏り 新築色あせ 改修雨漏り 改修色あせ
コロニアルクアッド 保証なし 10年 2年 保証なし 保証なし
コロニアルグラッサ 保証なし 10年 10年 保証なし 保証なし

保証内容を考慮するとカラーベストはリフォームで使用するには適していません。ヒビや割れの不具合は保証対象外となります。

1.カラーべストとは

1-1.カラーベストとはスレート屋根のこと

カラーベストは屋根材メーカー最大手であるケイミューが販売する平板(へいばん)スレートのブランド名です。

ケイミューは2003年に「松下電工」と「クボタ」の外装事業部が統合して設立された会社です。
平板スレート市場で90%以上のシェアを占有しています。

平板スレートはスレート屋根のひとつで「薄い板状の形」をしています。
都市部の戸建て住宅の多くはスレート屋根(平板スレート)が採用されています。
したがって、建設業に従事していない方は「カラーベスト=平板スレート=スレート屋根」と認知いただいて全く問題ありません。
なお、建築図面では平板スレートやカラーベストだけではなく「コロニアル」「化粧スレート」「薄板スレート」などと書き示されていることもあります。
テイガク屋根修理ではカラーベストのことを「コロニアル」とよんでホームページを制作しています。
※このページだけはカラーベストの名称を用いてページ制作いたします。
カラーベスト コロニアルネオ

1-2.カラーベストにも種類がある

カラーベストは1961年の販売以来、頻繁にデザインを変え、品質改良もなされています。
2019年現在、合計で12種類のカラーベストの該当商品があります。
もちろん各商品ごとに値段や形、塗膜の耐候性などが違います。
つまり、カラーベストの中でも上位商品と下位商品があります。

カラーベストの中で一番人気があるラインナップが「コロニアルシリーズ」です。
コロニアルシリーズは「コロニアルクァッド」と「コロニアルグラッサ」「コロニアルグランデグラッサ」の3種類が販売されています。
なかでも「コロニアルクァッド」が最も人気があります。
理由は安いからです。
そのため、一般的にカラーベストといえば「コロニアル」のことであり、「コロニアルクァッド」を示します。カラーベスト コロニアルクワッド

1-3.カラーベストを工事する人は?

カラーベストは施工が簡単な屋根材ひとつです。
そのため、屋根工事を専門とする職人さんであれば、カラーベスト張りの工事そおこなうことができます。
屋根職人さんとは「板金工」と「瓦葺(ふ)き職人」があたります。
「板金工」は金属屋根を専門する職人さんです。
「瓦葺き職人」は陶器瓦を専門にする職人さんです。

なお、テイガク屋根修理は板金工が集まった板金工事会社です。
陶器瓦を扱うことはできませんが、カラーベストを張る工事は請け負うことが可能です。
カラーベストでリフォーム

1-4.カラーベストの屋根が多い理由

カラーベストが人気の理由は「軽くて」「安くて」「施工が早くて簡単」だからです。
高度経済成長期の住宅供給不足が問題視されていた時代は、板金工も瓦葺き職人でも施工ができるカラーベストは最適な屋根材でした。
最近は耐久性が高く不具合も少ない金属屋根の人気が高まっていますが、現在でもカラーベストは新築物件を中心によく使われています。
カラーベストの特徴

2.カラーベスト・グラッサについて

ケイミューの販売する屋根材に「グラッサ」の名称が付く商品がたくさんあります。
「コロニアルグラッサ」「スペリアルIIグラッサ」「セイバリーグラッサ」「コロニアル遮熱グラッサ」「グランデグラッサ」「プラウドナチュラルグラッサ」などです。
実は「コロニアルクァッド」以外の商品名には「グラッサ」の名称が付いてます。

「グラッサ」とは「グラッサコート」の略称で、屋根表面の特殊塗膜のことです。
グラッサコートを施した屋根は約30年が経過しても、色あせがしにくい優れた耐候性が確認(ケイミュー独自試験)されています。
コロニアルクァッドの塗膜は2層構造ですが、グラッサコートの塗膜は3層構造になっています。
「コロニアルクァッド」の色あせ保証が2年であるのに対し、「グラッサコートされたカラーベスト」の色あせ保証は10年となっています。

3.カラーべストの耐久性や塗装について

3-1.カラーベストの耐久性

「コロニアルクァッド」と「コロニアルグラッサ」の屋根機能の耐用年数は変わりません。
メンテナンススケジュール表には「コロニアルクァッド」も「コロニアルグラッサ」も10年ごとのメンテナンスが推奨されています。
メンテナンスマニュアルはこちら
そして「30年目前後における本体の部分補修・再塗装や交換については、これまでのメンテナンス実施状況および躯体状況など住宅全体の劣化具合を専門業者様等に確認頂いた上で、総合的に判断してください。」と書き示されています。
とても遠回しな表現です。
はっきり書くと責任問題になるからです。
これは要するに築後30年前後がカラーベストの寿命ということです。(ただし例外あり)カラーベストの耐久性

3-2.カラーベストの色あせ

「コロニアルクァッド」は数年で色があせます。
10年を過ぎると建築当初の美観は期待ができません。

一方、カラーベストグラッサはどうでしょうか。
「カラーベストグラッサは塗り替えの必要がないのか?」とお客様に聞かれることがあります。
たしかに、グラッサコートは色あせがしにくいとはいえ、20年後30年後の屋根の様子が気になります。
しかし、この質問に対しては明確な答えが出せません。
理由は「グラッサコートされたカラーベスト」の販売開始は平成16年だからです。
まだまだな実績と検証を元に色あせがないかが実証されていません。

なお、グラッサコートの色あせ保証の10年は他の屋根材に比べて短い数字です。
たとえば、フッ素塗膜の金属屋根は20年の色あせ保証が付いています。
フッ素塗膜の金属屋根は昔からあり、色あせしにくいことは実証はされています。
また、最近人気が高まっている石粒付き金属屋根は石粒が屋根の色を表現しているため、色あせがほぼない屋根材として販売されています。
屋根の色あせと石粒付き鋼板

3-3.カラーベストの塗装

建築後10年から15年を目安にカラーベストを塗り替える方が多いです。
カラーベストを塗装する理由は外壁塗装の”ついで”のきっかけが多いです。
「外壁塗装のついでに屋根塗装をしておきましょう!」とリフォーム会社にすすめられて屋根塗装をおこなう方が多いです。
しかし、塗装は屋根本来の機能を向上させたり、回復させたりすることにはなりません。
あくまでもカラーベストの塗装の目的は美観維持です。
塗装をおこなうことで、カラーベストの寿命が大幅に伸びることはありません。
ケイミューのメンテナンスマニュアルにも塗装は「美観上必要に応じて」としっかり明記されています。
屋根塗装について詳しくはこちら
カラーベスト 塗装

4.スレート屋根”へ”新しく葺き替えする前に知っておきたい予備知識

4-1.スレート屋根への葺き替えをおすすめしない理由

「カラーベスト(スレート屋根)で屋根を葺(ふ)き替えるのはおすすめしますか?」とよく聞かれます。
原則、カラーベストを使って屋根を張り替えることはおすすめしません。
理由はカラーベストを葺き替えた場合はメーカー保証(色あせ保証を除く)が認められないからです。
カラーベストを使った工事は新築物件のみ保証が得られます。
つまり、カラーベストは新築の戸建て住宅専用屋根材と私たちは考えています。

屋根の葺き替えでは金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはSGL鋼板の屋根)がおすすめです。
金属屋根の多くは新築とリフォームを問わず、20年から30年の保証がメーカーから得られます。

4-2.スレート屋根の葺き替えには野地板の新設が必要

カラーベストはデリケートな屋根材です。
そのため、カラーベストを用いて葺き替えする場合、野地板(のじいた)を新しくする必要があります。
野地板とは屋根材の下に敷く下地材です。
一般的には厚さ12ミリの構造用合板(こうぞうようごうばん)が野地板として用いられます。
野地板について詳しくはこちら

古い屋根材をはがす際、野地板に負荷がかかります。
野地板がゆがんだり、はがれたりします。
傷んだ野地板の上にデリケートなカラーベストを張ることはできません。
もちろん、ケイミューも野地板を新しくせずにカラーベストを張ることを認めていません。

野地板を新しく張る工程が増えるため、カラーベストを葺き替えで張る工事費用は高くなります。
野地板新設工事をおこなわないでカラーベスト葺き替えを提案された場合は注意しましょう。
なお、金属屋根は古い野地板を再利用して屋根を張ることができる場合があります。
野地板の新設

5.NGにもかかわらず実施されている工事

ケイミューが認めていないカラーベストの工事を3つ取り上げます。
どれもNG工事です。
しかし、実際に下記の工事をおこなっている屋根工事会社が存在ます。
画像参照:ケイミュー株式会社

5-1.カラーベストの上にカラーベストを張る

カラーベストの上にカラーベストを張る工事(カバー工法)はNGです。
カラーベストのリフォーム注意点1

5-2.カラーベストの上に野地板を張ってカラーベストを張る

カラーベストの上に野地板を張ってカラーベストを張る工事はNGです。
必ず古いカラーベストを剥がしてから野地板を張りましょう。
カラーベストのリフォーム注意点2

5-3.古い野地板の上にカラーベストを張る

古い野地板の再利用はNGです。
カラーベストを新しく張る場合は、古い野地板を再利用せず、新しい野地板を張ってからカラーベストを仕上げます。
この作業をおこなう屋根工事業者が多いです。
カラーベストのリフォーム注意点3

6.古いカラーベストのリフォーム方法

6-1.カバー工法と葺き替えどっちがいいのか?

古くなったカラーベストを全面改修する場合は「カバー工法」もしくは「葺き替え」を選択することになります。
言うまでもないことですが、理想のリフォーム方法は「葺き替え」です。
古いカラーベストを全て剥がして、新しい屋根材に張り替える工事が最善の工事方法です。
ただし、カバー工法は予算と工期を抑えて工事をおこなうことができます。
特にアスベストが入っているカラーベストの葺き替え工事費用はかなり高額になります。
そのため、費用対効果や将来求める屋根(住宅)の耐用年数などを考慮し、カバー工法を選択されるお客様の方が多いのが実情です。

もちろん、古いカラーベストがかなり傷んでいる屋根(築30年以上の屋根)や雨漏りが生じている屋根はカバー工法ができません。
その場合は葺き替えをおこなうことになります。
カバー工法は屋根の状態が良好な場合にのみ選択できる工事です。
カラーベスト 葺き替え

6-2.金属屋根は横葺き篏合式がおすすめ

カラーベストのリフォームで用いる金属屋根は、カバー工法も葺き替えも含めて横葺き篏合式(よこぶきかんごうしき)がおすすめです。
横葺き篏合式とは金属屋根を上下で引っ掛けあって張るタイプの屋根材です。
カラーベストを張る場合、カラーベストは上部4点だけを釘で固定して張ります。
しかし、横葺き篏合式は上部を釘で固定することはカラーベストと変わりませんが、屋根本体の上部と下部がお互いをはめ合う形になります。
そのため、屋根一面が一体化します。
屋根一面が一体化するため、カラーベストと比べて部分的に剥がれたり、落脱することが少ないです。
ガルバリウム鋼板屋根について詳しくはこちらカラーベスト ガルバリウム鋼板屋根

7.30坪(約100㎡)のカラーベストのリフォーム価格相場

カラーベストをリフォームする場合の工事価格の目安(税抜)です。
工事価格に足場の金額は含まれておりません。
ガルバリウム鋼板は断熱材入りの横葺き屋根を想定しています。
板金交換は棟(むね)や軒先、ケラバ、谷、雨押えを含めた工事金額を想定しています。

工事内容 工事価格
シーリング補修
(局所)
約3万円
部分差し替え
(10枚程度)
約4万円
遮熱フッ素塗装
(板金交換なし)
約40万円
遮熱フッ素塗装
(板金交換あり)
約45万円~55万円
直接下葺き材張りカバー工法
(板金交換あり)
約90万円~130万円
野地板増し張りカバー工法
(板金交換あり)
約110万円~150万円
ガルバリウム鋼板屋根へ葺き替え
(ノンアスベスト/板金交換あり/野地板新設なし)
約120万円~160万円
コロニアルグラッサへ葺き替え
(ノンアスベスト/板金交換あり/野地板新設あり)
約130万円~170万円
ガルバリウム鋼板屋根へ葺き替え
(アスベスト入り/板金交換あり/野地板新設なし)
約140万円~180万円
ガルバリウム鋼板屋根へ葺き替え
(アスベスト入り/板金交換あり/野地板新設あり)
約150万円~190万円

詳しい屋根カバー工法や屋根葺き替えの工事価格についてはこちらのページを参考にしてください。
カラーベストの上にカバー工法

8.カラーベストへ葺き替えた工事事例

テイガク屋根修理でカラーベストを使用したリフォーム工事をご紹介します
お客様からのご要望があり、「カラーベスト・コロニアルグラッサ」へ葺き替えました。

8-1.現場調査

既存の屋根瓦は積水化学工業株式会社が販売していた「セキスイかわらU」です。
「セキスイかわらU」はカバー工法ができるスレート屋根として人気があった屋根材です。
私たち施工会社は「U瓦」や「セキスイ瓦」と略してよぶことが多いです。
セキスイ瓦は歴史が古く、30年以上昔から販売されていました。
しかし、アスベストを含まずに再販売したセキスイ瓦は不具合報告が多発する事態となり、現在ではセキスイ瓦は生産されておりません。
積水化学工業(関連会社)も現在は屋根材の製造自体をおこなっておりません。
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8-2.野地板張り

今回の現場ではお客様からのご要望で「カラーベスト・コロニアルグラッサ」へ葺き替えました。
「カラーベスト・グラッサ」を選んだ理由は「松下電工」と「クボタ」の商品力とブランド力にお客様が信頼を寄せられていたからです。
画像は野地板を綺麗に張るためにおこなう下地調整の様子です。
カラーベストはとてもデリケートな屋根材です。
新築の屋根面のようなフラットな状態でカラーベストは張る必要があります。
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8-3.下葺き材張り

野地板の新設後、野地板の上に下葺き材(防水シート)を張ります。
カラーベスト自体は断熱効果がありません。
そのため、今回の現場では野地板を2重して空気層を設け、さらに換気棟を取り付けて熱気と湿気を放出する屋根通気工法を採用しました。
この工法は断熱と結露防止の効果が期待できる工事方法です。
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8-4.カラーベスト本体張り

カラーベスト本体を張り、棟板金を取り付けてカラーベストの葺き替えリフォーム工事が完成です。
新築のような綺麗な屋根に仕上がりました。
テイガク屋根修理のホームページは金属屋根の施工例ばかりです。
今回のようなカラーベストの葺き替え工事も請け負えます!
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9.カラーベスト(スレート屋根)のまとめ

・カラーベストはケイミューが販売するスレート屋根のブランド名です。カラーベストのラインナップのひとつ「コロニアル」が一番の人気商品です。

・カラーベストは「スレート屋根」の他、「コロニアル」「平板スレート」「薄型スレート」「軽量スレート」など色々よび名があります。

・カラーベストにはたくさんの商品があります。「グラッサ」の名前がついた商品は耐候性に優れた特殊塗料(グラッサコート)が使われていて、色あせ10年保証が得られます。

・カラーベストの色あせは美観上の問題であり、屋根の機能に影響はおよびません。

・カラーベストは主に新築で使われる屋根材です。原則、カラーベストを葺き替えで使う場合は野地板を新設する必要があり、工事費用が高くなります。また、改修においてはメーカー保証が適用されません。

・既存屋根がカラーベストの場合は金属屋根を重ねて張るカバー工法(重ね葺き)が選択できます。ただし、既存屋根の劣化が進行している場合はカバー工法が適用できません。葺き替えになります。

・カバー工法も葺き替えも金属屋根を使用することをおすすめします。

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