縁切りとは?
![【検証動画】縁切りとは?](https://img.youtube.com/vi/SzyzRVdVnfs/mqdefault.jpg)
【検証動画】縁切りとは?
屋根塗装で必要な作業
縁切りとは、屋根塗装で形成される屋根材と屋根材の重ね部分にできる塗膜を切断する作業のことです。
屋根材が重ね合った部分にできた塗膜を切断してすき間を設けると、屋根内部に入り込んだ雨水を外へ排水させることができます。
一方、排水経路が塗膜で塞がれてしまうと、雨漏りの原因になります。
新築時はもちろん、すき間がある(屋根塗装されていない)ため、屋根内部に入り込んだ雨水は外へしっかりと排水されます。
しかし、屋根塗装の際はすき間を塞がないように塗装をしなければなりません。
屋根機能維持を目的に屋根塗装をしたのに、雨漏りを発生させてしまう逆効果を呼ぶことになります。
テイガクでも毎年数件、縁切りがなされていない、もしくは不十分から起因する雨漏り現場に直面しています。
なぜ縁切りをしないで雨漏りが生じる現場がなくならないのか?
![](https://yanekabeya.com/wp-content/uploads/2023/06/20-768x432.jpg)
理由はシンプルです。
塗装会社(もしくは塗装職人)の知識不足、もしくは管理不足(手抜き)が原因です。
急勾配(6寸以上)でも縁切りは必要
急こう配(6寸以上)の場合は雨水が流れ落ちるスピードが速いため、縁切りは不要という声を聞きます。
たしかに、急こう配の屋根は排水処理に優れているため、雨漏りリスクが低い屋根です。
しかし、屋根のてっぺんにある棟板金に剥がれなどの不具合があると、雨水が屋根内部に簡単に入り込んでしまいます。
そのため、急勾配であっても縁切りは必要です。
ちなみに、このページにある縁切りを紹介した動画の屋根は9寸勾配の屋根でした。
スレート屋根にすき間を設ける方法
縁切り
皮スキを使って、スレート屋根の重なり合う箇所を切断する作業です。
タスペーサー取り付け
![タスペーサー](https://yanekabeya.com/wp-content/uploads/2023/06/21-768x432.jpg)
スレート屋根とスレート屋根の間に、プラスチックのチップを挟み込んで塗装をする作業です。
塗料の選定
溶剤系の塗料は水性に比べて塗膜が形成しにくいです。
そのため、縁切りもタスペーサーを要せずに塗装ができます。
ただし、塗膜が形成しにくいだけであるため、複数回の屋根塗装や塗厚に注意を引き締めることが必要です。
スレート屋根の構造
スレート屋根の構造
スレート屋根は上部を釘で固定させて、2枚重ねにしているシンプルな構造の屋根です。
もちろんスレート屋根の下部はすき間ができるかたちになります。
毛細管現象による雨水侵入
スレート屋根の内部に雨水が入る一番の原因は「毛細管現象」です。
二番目に「棟板金からの雨水侵入」があげられます。
毛細管現象とは重力に左右されずに雨水が逆流して屋根内部に入り込む現象のことです。
雨が降っている時、屋根面に降り注いだ雨水は完全に流れ落ちることはありません。
雨水の一部はスレート屋根のすき間に入り込み、屋根の傾きとは逆方向に進んで屋根内部へ入り込みます。
直打ちの棟下地が原因の雨水侵入
![直打ちの棟下地](https://yanekabeya.com/wp-content/uploads/2023/06/22-768x432.jpg)
スレート屋根の棟板金の取り付けそのものに問題があります。
スレート屋根の棟板金の下地はスレート屋根本体に直接、打ち付けて取り付けます。
そのため、スレート屋根本体に穴が生じ、その穴から屋根内部へ雨水が入り込みます。
スレート屋根の塗装は意味がないとテイガクが思う理由
![結露でビチャビチャになった屋根内部](https://img.youtube.com/vi/ru2QoLzVzR0/mqdefault.jpg)
結露でビチャビチャになった屋根内部
スレート屋根はその構造上、雨水が内部に入り込むことが避けられない屋根です。
雨水だけではなく結露水も多く発生し、雨水や結露水はスレート屋根のすき間から排水されます。
つまり、スレート屋根は「内部に水が入る前提で作られている屋根」。
とも言い換えられます。
屋根塗装は物理的に屋根表面だけしか塗装ができません。
雨水や結露水が出入りする部位には何の処置を施すことができません。
水の接触はあらゆる腐食の原因となります。
スレート屋根の内部に何も処置を施すことができな以上、屋根塗装の効果は限定的です。
![](https://yanekabeya.com/wp-content/uploads/2023/06/24-768x432.jpg)
美観の維持以外の目的以外でスレート屋根の塗装をおこなう必要はないというスタンスです。
スレート屋根の塗装をおこなうお金を「棟板金の交換」と「換気棟の追加」に用いることの方が賢明であるとテイガク社員はお客様に推奨しています。