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スレートの屋根に塗装をおこなう必要がない理由

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アイコン はじめに

この記事ではスレート屋根に塗装をおこなう必要性がないことについて解説しています。
前提として、屋根機能維持や屋根耐久性向上のために屋根塗装をおこなう必要があるかどうかが、この記事のテーマになっています。
色あせて苔だらけで汚くなったスレート屋根を美しくする目的で屋根塗装をおこなう場合は、屋根塗装の価値は十分にあります。
上記の内容をふまえたうえでご覧ください。

屋根塗装は美観維持が目的

スレート製造会社の見解

スレートのメンテナンススケジュール
メーカーのメンテナンススケジュール表には屋根塗装が必要である記述はない

スレート屋根を製造しているメーカーのメンテナンススケジュールをみると、スレートの塗装は「美観上必要に応じて」と明記されています。
つまりこれは、屋根塗装は「屋根機能維持」「屋根長寿命化」「屋根品質向上」と因果関係がないと読み取れます。
屋根塗装は必要に迫られておこなうものではないということです。

屋根塗装が屋根の寿命を縮めることも

建築後30年の間に、2回塗装をおこなったスレート屋根と、1度も塗装をおこなっていないスレート屋根を比べてみても、両者の屋根の状態に大差はないというのがテイガクの意見です。

築10年 塗装歴なし

築15年 塗装歴なし

築18年 塗装歴なし

築20年 塗装歴1回

築21年 塗装歴なし

築25年 塗装歴なし

築25年 塗装歴1回

築28年 塗装歴なし

築30年 塗装歴1回

築30年 塗装歴なし

築32年 塗装歴1回

築30年 塗装歴2回 雨漏り発生

屋根塗装を一度もおこなっていない屋根は珍しくはありません

街なかを歩いていると、明らかに屋根塗装をおこなっていない住宅をそこら中に見かけることができます。
30年以上何もしていないのに、しっかりと屋根が機能している現場はたくさんあります

むしろ、複数回屋根塗装をおこなっている屋根のほうが雨漏り発生件数が多い傾向があります。
屋根塗料の選定の誤り不十分な縁切り高圧洗浄による負荷のかけ過ぎ等、人為的なことが原因で思わぬトラブルを誘引させるリスクもあります。

屋根塗装の効果が限定的であることを情報発信をしている塗装会社様も

屋根は紫外線や雨風の影響を受けやすいので、外壁よりもはるかに早く汚くなることも意味がないと思う理由のひとつ
屋根は紫外線や雨風の影響を受けやすいので、外壁よりもはるかに早く汚くなることも意味がないと思う理由のひとつ

塗装会社やリフォーム会社、ハウスメーカー、塗装会社紹介サイト、塗料メーカーにしてみれば、屋根塗装をおこなうことは自社の利益に結びつきます。
だから、屋根塗装が必要な工事ではないことは、決して口に出しません。

一方で、屋根塗装の効果が限定的であることを情報発信している塗装会社様も存在します。
塗装を主業務にする立場でありながら、不利益を被る情報を発信しています。
是非、こちらの塗装会社様のブログを読んでください。
読者の方は、どちらの言うことを信じますか?

屋根塗装を行ってはいけない場合も

ノンアスベスト屋根は塗装をしてはいけない

パミールに屋根塗装
塗装会社の言われるがままにノンアスベストの屋根に屋根塗装をおこなっている人がたくさんいる

屋根塗装をおこなってはいけないスレート屋根が存在することも知っておいて欲しいです。
それはアスベストが含まれていないスレート屋根です。

コロニアルNEO」や「パミール」「レサス」といったノンアスベスト屋根には塗装をおこなう価値は全くありません。
理由はもともとの屋根がぜい弱だからです。

また、屋根塗装をおこなう前には、高圧洗浄で屋根の汚れを取り除きます。
高圧洗浄は汚れを洗い流すというより、削り取るイメージです。
スレート屋根を余計に痛めてしまい、屋根塗装をおこなうことで寿命を縮めることにもなります。
ノンアスベストの屋根に塗装をおこなう行為は、まさにお金と時間の無駄です。

屋根塗装がお金の無駄遣いだったよくある事例

スレートは2枚重ねになっているので、欠けたスレートの部分から古いスレートが露出している
スレートは2枚重ねになっているので、欠けたスレートの部分から古いスレートが露出している

建築15年の節目に屋根と外壁を塗装。
外壁塗装会社から屋根塗装をすることは常識であり、当たり前のことだと言われ、外壁と合わせて屋根も塗装。
屋根はコロニアルNEO。
塗装をした2年後に台風が襲い、スレート屋根が欠けて、棟板金も浮いてしまった。
結局、屋根カバー工法で屋根全体を改修することに。

台風による屋根の被害

毎年9月頃、台風が日本列島に上陸し、屋根が飛ばされるといった被災が相次ぎます。
断トツに多い被災は、屋根のてっぺんに取り付けられている棟板金(むねばんきん)の飛散です。
屋根のメンテナンスの際、屋根塗装よりも、棟板金の下地を含めた交換のほうが優先されるべき項目です。
しかし、屋根塗装をおこなっても棟板金は全くケアをしないという人が多いです。

スレートの構造を知れば屋根塗装の意味がないことがわかる

ルーフィングが最後の砦

スレートの下にある緑色のシートがルーフィング
スレートの下にある緑色のシートがルーフィング

スレートの構造について改めて学び直しましょう。
まず、スレートの下にはルーフィングとよばれる防水シートがあります。
下葺き材(したぶきざい)ともよばれます。
最終的に雨漏りを防ぐ、屋根の最重要素材です。
つまり、雨漏りはルーフィングの機能低下から引き起こります。

スレートの下裏には雨水が入り込むもの

スレート屋根が沿ってすき間が空き過ぎるのは問題だが、すき間があること自体はおかしなことではない
スレート屋根が沿ってすき間が空き過ぎるのは問題だが、すき間があること自体はおかしなことではない

スレートはスレートの上部に釘を4本横並びに打ち込んで張りつけているだけです。
そのため、スレートは構造上、上下左右にすき間があります。
このすき間には、雨水が入り込むと同時に、すき間に入り込んだ雨水を排水させる役割があります。

まれに写真のようなすき間をシーリングで埋める屋根を見かけるが、完全に自殺行為
まれに写真のようなすき間をシーリングで埋める屋根を見かけるが、完全に自殺行為

たとえば屋根塗装をおこなう時、タスペーサー縁切りといってスレートのすき間を確保する作業をおこないます。
言い換えれば、スレートは構造上、常に雨水が裏側に入り込んでいる屋根材であるということです。

屋根の存在価値は雨漏りを引き起こさないこと。
これに尽きます。
屋根の表面だけを塗装しても、中のルーフィングに手を加えない限り、なんの解決策にもなりません。

屋根塗装の価値に裏付けがない

立証されていない”ファクト”

スレートに塗装をすることによって屋根の耐久性が上がるとか、屋根の寿命が長くなるとか、そう信じている人が多いのではないでしょうか?

たしかに、理論的には塗膜を形成することでスレートの雨水吸水を抑えることはできます。
しかし、屋根塗装をすることで1年でも屋根の寿命が延びるデータは立証されていません。
そのようなデータがあれば、堂々と屋根塗装を推し進めた主張ができますが、残念ながら塗装会社も塗料会社もエビデンスを持ち得ていません。

屋根塗料メーカーのカタログで読み取れる”ファクト”

現在、たくさんの屋根用塗料が塗料メーカーから販売されています。
是非、屋根塗料メーカーの塗料カタログに目を通してください。
屋根塗料のカタログには「防汚」もしくは「遮熱」といったキーワードばかりです。
その一方、「屋根の耐久性」や「屋根の寿命」「雨漏り」「屋根の機能改善」に関するキーワードは全くのゼロです。

屋根塗装の保証で読み取れる”ファクト”

通常、リフォーム工事には消費者を保護するための工事保証が設定されます。
是非、塗装会社が設ける屋根塗装時の保証内容を確認してください。
保証内容は塗膜保証だけのはずです。

塗膜保証とは塗膜の色あせや膨れ、剥がれを保証するものであり、屋根機能維持を保証するものではありません。

本当に屋根塗装をおこなうことで屋根の耐久性が高くなるのであれば、自信をもって屋根機能に関する保証も設けることができるはずです。
筆者が知る限り、屋根塗装をおこなうことで、雨漏り保証や屋根のひび割れ、剥がれまでを保証する塗装会社は存在しません。

もし、屋根塗装をした翌年に屋根がひび割れたり、剥がれ落ちたりしても、「それは屋根塗装とは関係がなくて、屋根自体の問題です」。もしくは「自然災害が原因です」。とあしらわれるだけで終わることでしょう。

屋根塗装はリスクが低く、外壁塗装のついでにすすめることで工事代金を上積みできる手段でしかないというのが筆者の見解です。

屋根塗装によって醜い姿になる”ファクト”

屋根塗装をしたスレート屋根
屋根塗装をして汚くなったスレート屋根
屋根塗装をしていないスレート屋根
築後25年何も塗装をしていないスレート屋根

上記の左の写真は、屋根塗装をした後、数年が経過し、塗膜が薄れてきた屋根です。
これはスレート屋根の劣化ではなく、塗膜の劣化です。
普段あまり気にかけていないと思いますが、このような姿になった屋根が必ずみなさんの近くにあるはずです。
是非、散歩がてらに塗膜が劣化したスレート屋根の家を探してみてください。

そして、右の写真が築後25年近く経過し、一度も屋根塗装をしていないスレート屋根です。
あくまでも私的な感想ですが、何も塗装をしないでおいたほうがスレート屋根は味わいがあって雰囲気が良いと感じます。

塗膜が劣化したスレート屋根

塗膜が劣化したスレート屋根

塗膜が劣化したスレート屋根

塗膜が劣化したスレート屋根

塗膜が劣化したスレート屋根

塗膜が劣化したスレート屋根

屋根塗装の色もちは外壁塗装の半分という”ファクト”

屋根塗料について、ほとんど消費者が知らされていない真実があります。
それは、屋根は雨風の影響を受けやすく、色あせしやすいことです。
外壁と屋根が同じグレードの塗料だった場合、屋根塗料の耐候年数は外壁塗料の約半分とされています。

たとえば、塗料メーカーのエスケー化研にプレミアムシリコンとよばれる人気塗料があります。
ラジカル制御型というジャンルに分類される塗料です。
プレミアムシリコンには外壁用と屋根用の塗料があります。
エスケー化研のホームページをみると、以下のように、外壁用の期待耐候年数と屋根用の期待耐候年数が記載されています。

塗料メーカーが公開している情報

つまり、屋根塗装と外壁塗装をセットにおこなう場合、屋根塗料は外壁塗料よりもワンランクもしくはツーランクうえの塗料を用いなければいけません。
なんとなく”ついで”の気持ちで屋根塗装をおこなってしまうと、外壁は綺麗なのに屋根だけが醜いアンバランスな建物になってしまいます。
ちなみに、プレミアムシリコンはラジカル制御型の塗料なので、シリコン塗料やウレタン塗料で屋根を塗った場合、もっと短い期間で屋根が汚くなります。

スレートの屋根塗装は必要か?

スレートの苔は見栄えだけの問題であり屋根の機能に影響は全くない
スレートの苔は見栄えだけの問題であり屋根の機能に影響は全くない

屋根機能を考えるうえにおいて、スレートに屋根塗装をおこなう必要はないというのが筆者の意見です。
築後30年が経過しているのに全く問題がなく屋根が機能しているスレート屋根をこれまで何百と筆者は見て、そして登ってきました。
逆に屋根塗装をしたことで雨漏りを引き起こしたスレート屋根も何百と見て、登ってきました。

一生のうち一回は大規模な屋根工事をおこなう機会がは必ずやってくる
一生のうち一回は大規模な屋根工事をおこなう機会がは必ずやってくる

屋根塗装にお金を費やすことはもったいないです。
いずれ必要になる屋根カバー工事もしくは葺き替え工事の資金として貯金をしておいたほうが賢明です。
特にノンアスベストのスレート屋根の場合は、屋根塗装をおこなうわないでそのまま放置しておいたほうが賢明です。

ここまでの情報は、これまでの経験に基づいた、ひとつの板金工事会社の結論です。
屋根塗装を推し進めている会社様がたくさん存在するので、異論や反論があるはずです。
是非、たくさんの意見を参考にしたうえで、ご判断ください。
そしてもし、この記事が読者の方に共感と利益が得られる結果になれば、とても嬉しいです。

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
著者経歴

大阪府堺市生まれ。船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク屋根修理の記事を執筆しています。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は10,000棟を超えます。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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