原油価格の高騰と原材料不足を背景に、多くの建築資材で相次いで値上げが実施され、一時は一部の製品が入手困難となる事態になりました。2026年9月現在、各メーカーから価格改定の案内はほぼ出そろい、資材価格は高い水準で推移しています。
たとえば金属外壁・金属屋根のトップメーカーであるアイジー工業は、2026年6月1日から全商品を18%以上値上げしました。インフレや円安、人件費・物流費の上昇も重なり、一度上昇した建材価格が以前の水準まで下がる可能性は低いと考えられます。
このページは、屋根・外壁工事会社である株式会社テイガクが、実際にメーカーから届いた値上げ・出荷停止の通知をもとに2026年3月から継続更新しているものです。
報道の転載ではなく、当社および取引先を通じて入手した一次資料が情報源です。
新着情報
メーカーおよび取引先を通じて当社に届いた通知を、受け取った順に掲載しています。
値上げ・受注停止・再開など、日々更新しています。
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- 水回り
TOTO 全製品 12月1日受注分より 8〜13%値上げ
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- 線材
日亜鋼業 線材製品 トン当たり1万円以上 10月より追加値上げ
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- 窓
エクセルシャノン 商品10〜20%・運送費10% 12月1日受注分から。商品代金だけでなく運送費も値上げするメーカーが増えています
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- キッチン
タカラスタンダード 資材価格調整費 5,000〜30,000円 9月1日から。商品価格とは別に一時的な追加費用を加算する仕組み。他社への広がりが想定されます。
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- 折板屋根
J-MEx東日本 平均10〜15% 8月21日から
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- サッシ・ドア
LIXIL 平均10% 10月1日から
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- 樹脂下地
セイキ工業 12% 9月1日から
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- 太陽光資材
サカタ製作所 20〜25% 8月21日から
資材・原材料の値上がり状況一覧
建材の原料となる資材の価格指数です。公的統計をもとに、上流の価格がどう動いているかを掲載しています。原油やナフサから作られる資材ほど値上がり幅が大きく、セメントやガラスなど石油を使わない資材は動いていません。この差が、建材ごとの値上げ幅の違いにそのまま表れています。
掲載データ:2026年8月分(2026年9月2日公表)/毎月更新
資材・原材料の値上がり状況一覧
(↑ 前月から上昇/→ 横ばい/↓ 下落)
| 資材 | 指数 | 前月比 | 前年同月比 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 石油製品 | 161.7 | → 0.0% | +19.6% | シンナー、溶剤 |
| 舗装材料 | 132.7 | ↑ +0.7% | +31.5% | ルーフィング、シングル |
| 化学製品 | 191.7 | ↑ +2.8% |
+23.1% |
シーリング、接着剤 |
| 塗料 | 200.3 | ↑ +3.5% | +26.8% | 塗料全般 |
| プラスチック製品 | 139.0 | ↑ +1.1% | +10.1% | 雨樋、樹脂下地 |
| 繊維製品 | 136.8 | ↑ +6.2% | +11.9% | 防水シート |
| 紙・紙加工品 | 182.4 | → 0.0% | +18.2% | 養生材、クロス |
| 鉄鋼 |
170.7 |
→ +0.2% | +5.0% | 金属屋根、鋼板 |
| 非鉄金属 | 213.5 | ↑ +0.4% | +35.6% | 電線、板金 |
| 金属製品 | 146.7 | → +0.2% | +2.9% | 建築金物、ビス |
| 合板 | 147.4 | ↑ +5.3% | +8.5% | 野地板 |
| 製材 |
116.8 |
→ 0.0% | 0.0% | 木材 |
| セメント | 171.4 | → 0.0% | 0.0% | 窯業系サイディング |
| 生コンクリート | 184.4 | → 0.0% | 0.0% | 基礎 |
| ガラス | 156.8 | → 0.0% | 0.0% | 窓、グラスウール |
建設総合 中分類別指数/東京/2015年平均=100
出典:一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建設資材物価指数®」2026年8月分
変化率は当社が算出
建材の入荷・値上がり状況一覧
資材(原材料)が、実際の建材にどのような影響を及ぼしているかを表形式で紹介します。入手状況と値上げ幅は、当社が実際に発注した際の状況に基づく独自調べです。施工会社が仕入れる立場から見た数値です。
値上げ幅は資材によって15%から70%まで開きがあります。石油由来の原料を多く使う品目ほど上昇幅が大きく、シンナーは70%前後に達しました。
2026年8月時点で受注停止・制限が続いているのは、シーリング(高耐久・変成タイプ)、雨樋、塩ビ管の3品目です。
※表中の値上がり幅は、ナフサショック前の2026年3月時点と、その後の価格を比較したものです。
入手状況 ○ 入手可/△ 一部制限/× 入手困難・受注停止
値上げ幅 少/ 中/ 大
| 品目 | 入手状況 | 値上げ幅 | 更新日 |
|---|
| シンナー | ○ | 70%前後 | 9/14 |
| 錆止め | △〜○ | 20%前後 | 9/14 |
| 溶剤塗料 | △〜○ | 30%前後 | 9/14 |
| 水性塗料・下塗り | △〜○ | 30%前後 | 9/14 |
| 水性塗料・上塗り | △〜○ | 20%前後 | 9/14 |
| シーリング(シリコーン) | △〜○ | 20%前後 | 9/14 |
| シーリング(高耐久・変成タイプ) | ×〜△ | 20%前後 | 9/14 |
| シーリングプライマー | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 金属建材用シーリング | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 窯業用シーリング | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 養生資材 | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| マスカーテープ(塗装資材) | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 防水テープ | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| ルーフィング | △〜○ | 40%前後 | 9/14 |
| 透湿防水シート | ○ | 15%前後 | 9/14 |
| 断熱材(ボード系) | △〜○ | 40%前後 | 9/14 |
| 断熱材(ボード系以外) | △〜○ | 15%~20% | 9/14 |
| 屋根材(シングル) | ○ | 30%前後 | 9/14 |
| 屋根材(瓦) | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 金属屋根(戸建て用) | ○ | 15%前後 | 9/14 |
| 金属屋根(長尺・野丁場) | ○ | 15%前後 | 9/14 |
| 金属サイディング | ○ | 15%前後 | 9/14 |
| 樹脂下地 | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| ポリカ波板 | ○ | 20%前後 | 9/14 |
| 構造用合板 | ○ | 15%前後 | 9/14 |
| 雨樋 | ×〜△ | 20%前後 | 9/14 |
| 塩ビ管 | △〜○ | 25%前後 | 9/14 |
※入手状況・値上げ幅は、当社が実際に発注した際の状況に基づく独自調べです。発注実績のない資材は掲載していません。
※値上げ幅は品目により幅があるため、おおよその水準として記載しています。
メーカー別 通知アーカイブ
2026年3月以降、メーカーおよび取引先を通じて当社に届いた通知を、五十音順に掲載しています。(34社160件)
値上げ・受注停止・出荷制限・納期遅延・受注再開などの通知を、届いた日付順にデータ化しています。同じ製品が停止から再開まで、どのように推移したかを追うことが可能です。
社名は「株式会社」「有限会社」等の法人格を省略した表記としています。
掲載順・件数はメーカーの評価を示すものではありません。
アイカ工業
-
再開
メラミン化粧板(アイカコンパクトを含む)・セラール・タフウォールS
数量・納期の調整解除 -
値上げ
メラミン化粧板、化粧ボード
6月1日出荷分より10〜30%の値上げ -
値上げ
壁装材製品、住器建材製品
6月29日出荷分より 8〜30%の値上げ
アイジー工業
-
制限
エコシーリング
6月10日より当面の間 受注制限 -
値上げ
-
制限
エコシーリング
5月11日より当面の間 出荷制限、納期遅延、一部受注停止
旭化成建材
-
再開
ネオマフォーム、ネオマフォーム複合品、関連副資材
2026年8月3日より受注再開 -
値上げ
AKシール、プライマー、ネオマフォーム類
6月22日出荷分より価格改定 -
停止
AKシール、プライマー
4月20日〜5月10日 受注停止
アサヒ金属
-
値上げ
旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ
-
値上げ
タイベック、その他製品
6月1日より 15〜20%UP -
値上げ
Tyvekソフト・ハード原反、シルバー原反ほか
5月1日より15%/10%/20%引き上げ
旭ファイバーグラス
-
値上げ
グラスウール全製品
9月1日出荷分より 15%以上価格改定 -
値上げ
遮熱エース
6月出荷分より 30%以上価格改定 -
遅延
グラスウール全製品
10日以内の納期でのお願い、納期回答遅延のお詫び
一村産業
-
停止
防水シートネーム入り
ネーム入り品の受注一時停止 -
停止
シート、テープ全般
4月9日より暫くの間 一時受注停止 -
値上げ
透湿防水シート、粘着養生シートDX、防水テープ全般、モイストバリア
サーチャージ的な価格運用を一部製品に適用。暫定リードタイムはAM受注/中3日以内に納期回答/順次出荷。恒久的な価格改定ではなく暫定的な緊急措置
ウッドワン
-
値上げ
住設商品
8月18日受注分より 15%アップ -
値上げ
建材商品
6月22日受注分より 約15%アップ -
値上げ
住設商品
6月22日受注分より 15%価格改定
エクセルシャノン
-
値上げ
樹脂サッシ、網戸、ガラス、その他、運送費
12月1日受注分より商品10〜20%・運送費10%
エコウッド
-
制限
デッキ材等
5月までの原材料は確保。それ以降は不透明
エスケー化研
エヌビーエル
-
値上げ
全製品
7月1日出荷分より 20%価格改定
オズ・ワーク
-
制限
ウォーターシールド
5月7日出荷以降、受注制限・受注停止。 -
停止
シート、テープ類
受注停止(シート)、受注制限(スペーサー、テープ)。6月15日より価格改定 -
制限
シート、テープ類
受注制限、納期調整。価格改定の可能性
オーティス
-
値上げ
雨樋金具、雨戸、雪止め金具、板金ねじ
2026年10月1日出荷分から価格改定
オート化学工業
-
再開
全製品
2026年6月18日より制限付きで受注再開 -
制限
全製品
一部製品で新規受注の一時停止および出荷遅延が発生。受注入力・出荷準備に通常より大幅な時間を要し、着日指定は原則不可 -
値上げ
全製品
2026年5月7日出荷分より現行価格の20%以上(製品によって異なる)
値上げ・受注停止が起きている背景
今回の混乱には、原因の異なる2つの出来事が同時に起きていると考えています。ひとつは「価格」です。中東情勢の悪化で原油とナフサの供給が不安定になり、石油を原料とする資材から順に値上げが波及しました。
もうひとつは「供給」です。受注停止の直接の原因は原材料の枯渇ではなく、「今のうちに確保したい」という注文が一時に集中したことでした。この2つを分けて整理しています。
01.値上げの背景|原油からナフサ、そして建材へ
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今回の建材価格の上昇は、過去の価格改定と比べても異例といえる規模です。
テイガクがこれまで受け取ってきたメーカーの価格改定では数%程度の値上げが一般的でした。しかし、今回は10%を超えるものが多く、商品によっては50%近く価格が上昇しています。
原油価格の高騰は、精製されたナフサの価格に転嫁されます。
ナフサは塗料の溶剤、シーリング材、断熱材、ルーフィングの原料であり、 石油由来の建材はこの段階で一斉に値上げの対象となります。
はじめの価格上昇は、塗料・シンナー・ルーフィングなど、原油を主原料と する外装資材だけでした。しかしその影響は次第に広がり、現在ではクロス などの内装材や、キッチンをはじめとする住宅設備など、幅広い建築資材にまで波及しています。
02.なぜ資材によって値上げ幅が違うのか
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値上げ幅を決めているのは、その資材が石油をどれだけ含んでいるかです。
溶剤そのものであるシンナーは70%前後。
アスファルトを主原料とするルーフィングは40%前後、アスファルトシングルは30%前後に達します。
一方、戸建て住宅で広く使用されているスレート屋根は、2026年8月時点で値上がりしていません。
窯業系サイディングも同様です。主原料がセメントと繊維であるためです。
断熱材の中でも差が出ています。
原油由来の原料を使うスタイロフォームなどは約40%値上がりした一方、原油価格の影響が比較的限定的なロックウールやグラスウールは約20%にとどまりました。
| 資材 | 値上げ幅 | 主原料 |
|---|---|---|
| シンナー | 70%前後 | 石油由来(溶剤) |
| ルーフィング | 40%前後 | 石油由来(アスファルト) |
| 断熱材(ボード系) | 40%前後 | 石油由来(ポリスチレン) |
| 屋根材(シングル) | 30%前後 | 石油由来(アスファルト) |
| 断熱材(グラスウール等) | 15〜20% | 珪砂・ガラス |
| 金属屋根・金属サイディング | 15%前後 | 鋼板 |
| スレート屋根 | 値上がりなし | セメント・繊維 |
| 窯業系サイディング | 値上がりなし | セメント・繊維 |
このように建築資材の値上がり幅は一律ではなく、建材に使用される原料によって大きく異なります。
今回のナフサショックを契機に、建設業界における標準的な建材選定の基準が変わっていく可能性があります。
03.受注停止の主因はブルウィップ効果
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建材が入手困難となった背景には、ナフサなどの原材料不足だけでなく、「今後さらに手に入りにくくなるのではないか」という懸念から、建材メーカー、卸会社、工事会社がそれぞれ原材料や在庫の確保を急いだことも大きく影響したと考えられます。
実際の需要以上の注文がサプライチェーンの各段階で連鎖的に膨らんでいくこの現象は「ブルウィップ効果」と呼ばれます。
コロナ禍のマスク不足の際に「入手できるうちに確保しておきたい」という心理から買いだめが広がり、一時的に品薄が加速した現象とよく似ています。
実際に当社に届いたメーカーの通知書にも、注文の集中が理由として記載されています。
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ケイミュー:想定を上回る注文が続き、生産・出荷スケジュールへの影響が避けられない状況
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エスケー化研:主力製品への注文が短期間に集中し、安定供給が困難となった
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LIXIL:タイル用接着剤の受注量が通常期の5倍に達し、納期が9月以降に
04.もともと余力のなかった日本の物流
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建材業界は、必要になってから発注して1〜2日で届くという前提で回っていました。
効率的な仕組みですが、需要が急変したときの緩衝材がありません。
もともと人手不足や輸送能力の低下など、物流面に課題を抱えていた日本において、今回のナフサショックはその問題を一気に浮き彫りにさせる決定打となりました。
商品代金だけでなく運送費を別建てで値上げするメーカーも増えています。
エクセルシャノンは商品10〜20%に加えて運送費10%を、菊水化学工業は小口運賃一式1,000円を、それぞれ通知しています。
05.ナフサショックだけが原因ではありません
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建設コストを押し上げている要因は、原材料だけではありません。
国土交通省が公表している「公共工事設計労務単価」の全国全職種加重平均は、2020年の20,214円から2025年には24,852円となりました。わずか5年間で約22.9%の上昇です。さらに2026年3月からは25,834円となり、前年から4.5%引き上げられています。
住宅価格にも同じ傾向が確認できます。積水ハウスが公表している戸建住宅の1棟当たり単価は、2020年度の4,138万円から2023年度には4,955万円へ、2025年度には5,642万円へと上昇しています。
建設費は今回のナフサショック以前から、人件費の上昇に加え、インフレ、円安、エネルギーコストなど複数の要因によって上昇してきました。原材料価格が落ち着いたとしても、これらの要因は解消しません。
今後どうなるか|テイガクの見解
供給の回復時期について、確定した見通しはありません。
メーカー各社も「解除時期は決まり次第」としており、現時点で期日を示せる情報を当社は持っていません。
一方、価格については見通しを述べることができます。原材料価格が落ち着いても、人件費と物流費は下がりません。現在の価格が新しい基準になると当社は考えています。
ここからは、これまでに受け取った通知と現場の状況から、当社が判断していることです。事実の記録ではなく、当社の見解としてお読みください。
【動画】年末や2027年以降の屋根工事や外壁塗装の価格はどうなる?
2027年へ向けて、今後ナフサショックの影響が現場においてどうなっていくのか。
屋根工事や外壁塗装の価格を中心に、テイガクの前川が影響予測を動画で解説します。
【YouTube動画】年末や2027年以降の屋根工事や外壁塗装の価格はどうなる?
01.即納を前提とした調達には戻れない
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2026年8月現在、品薄状態そのものは回復傾向にあります。
ただしメーカーからの納期は、これまでの1〜2日程度から1〜2週間程度まで長期化しています。
資材をまったく入手できない状況は改善しつつあるものの、以前のような即納体制には戻っていません。
今後は、当社が進めているように、在庫の持ち方や発注時期の見直し、調達先の分散など、資材調達体制そのものを見直す工事会社が増えていくと考えています。
02.契約のあり方が変わる?「スライド条項とは」
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国際情勢や為替の不安定化、人手不足による労務費の上昇、資材価格やエネルギーコストの高騰を考えると、今後も建設コストには上昇圧力がかかり続ける可能性があります。
2024年には建設業法が改正され、「資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止」を目的としたルールが設けられました。
資材高騰が発生した場合、受注者は契約で定めた変更方法に基づき、注文者に請負代金の変更協議を申し出ることができます。
民間工事の注文者には、その協議に誠実に応じる努力義務が課されます。
賃金や資材価格の変動に応じて請負代金を調整するこうした仕組みは、「スライド条項」と呼ばれます。
建設工事では「契約を結んだ時点で工事金額は確定し、その後は原則として変わらない」と考える方が多く、これまで契約後に工事会社側から値上げを申し出ることには高い心理的ハードルがありました。
しかし契約から着工までの数か月間、あるいは工事中に、想定を超える資材価格の上昇が発生する状況が現実に起きています。
今回のナフサショックをきっかけに、スライド条項を契約に取り入れる工事会社は増えると考えています。
注文者側も「契約時の金額が必ずしも最終金額とは限らない」という可能性を理解したうえで、住宅購入やリフォームを検討する必要が出てきます。
※この見解は2026年8月時点のものです。今後の状況により見直す場合があります。
資材高騰が工事に与えている影響
屋根・外壁の資材は、当社テイガクが直接仕入れ・直接施工している領域です。
実際の工事でどのような影響が出ているかを、現場の目線から解説します。
01.工事費への影響は?
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資材の値上げ幅と、工事費への影響は比例しません。
工事の種類によって、材料費が占める比率が異なるためです。
塗料の値上げ幅は最大70%前後と大きいものの、塗装工事に占める材料費の比率は高くありません。
一方、屋根材や外壁材は住宅に使用される建築資材の中でも材料費の割合が大きいため、価格改定が工事費全体に与える影響も小さくありません。
※値上がり額は工事規模・仕様・施工店によって異なります。
02.見積の有効期間を短縮
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ナフサショック以前、当社ではお見積書の有効期間を通常1か月としておりました。しかし、建材供給の不安定化や、断熱材等における急激な価格高騰(1か月前の通知で40%値上げなど)が相次いだことで、従来通りの期間で価格を保証することが困難となりました。
これに伴い、顧客への不利益回避と取引における透明性確保の観点から、2026年5月以降の新規お見積もりにつきましては、有効期間を「14日間」へと短縮する措置をとっておりました。
2026年9月現在は資材供給が安定化の兆しを見せていることから、見積書の有効期間を通常の「1か月」へと戻しております。
一方で、今後の原油価格高騰など不測の事態に備え、現在はお客様に対し「スライド条項」に関する事前説明を実施しています。具体的には、ルーフィング、塗料、シーリング材等の代替商品をご提案する可能性や、急激な資材高騰の際における費用調整の協議についてあらかじめご案内し、リスクを共有する体制を整えています。
03.代替仕様への切り替え
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田島ルーフィングのアスファルトルーフィング類が2026年4月9日以降に受注停止となった際、通常使用しているルーフィングが欠品したため、 テイガクでは代替仕様による施工をご提案しました。
保証内容についても 従来と同等の条件を維持しています。
04.影響の大きかった資材
詳細を見る 閉じる屋根・外壁工事で使用する資材のうち、値上げ幅または供給への影響が特に大きかった5品目を取り上げて紹介します。いずれも当社が実際に受け取った通知に基づいています。
ルーフィング(下葺材)
田島ルーフィングより、2026年4月1日付で価格改定の通知がありました。実施は5月1日納品分からで、屋根下葺材・外壁下張材・雨仕舞材・屋根材全般を対象に40〜50%程度の改定です。
値上がり幅は1本あたり約2,000〜3,000円。一般的な戸建て住宅では平均6本程度を使用するため、ルーフィングだけで原価ベース約1万2,000〜1万8,000円、概ね2万円前後の上昇となります。
供給面では、2026年4月9日12時以降に受注が一時停止しました。
通常使用しているルーフィングが欠品したため、当社では代替仕様による施工をご提案しています。
7月1日に新規受注が全面再開し、約3か月ぶりに供給が正常化しました。
金属屋根材・金属サイディング
アイジー工業より、2026年5月11日付で価格改定の通知がありました。
実施は6月1日出荷分からで、アイジーサイディング・アイジールーフ・アイジーヴァンドの全商品(本体・付属品)を対象に18%以上の改定です。
戸建て住宅の屋根改修で最も多く採用されている断熱材一体型の金属屋根材が対象に含まれます。
ルーフィングを含めた屋根工事価格全体では、約10%前後の上昇が見込まれます。
なお鋼板価格については秋以降に再度の値上げが予定されており、今後も屋根工事価格への影響が続く可能性があります。
雨樋
ケイミューより、2026年5月18日付で価格改定の通知がありました。
実施は7月1日納入分からで、改定率は雨とい全般20%以上、JIS管本体30%以上、JIS管部材15%以上です。
供給面では、2026年4月28日から住宅用・非住宅用雨樋の出荷制限・供給枠制限が始まりました。さらに5月26日からは一部商品の減産が実施されています。
減産・供給制限の解除については「決まり次第改めて案内」とされたまま、2026年9月時点で通知は届いていません。
今回の資材のなかで、供給制約が最も長く続いている品目です。
アスファルトシングル
旭ファイバーグラスより、2026年4月1日付で価格改定の通知がありました。
実施は7月1日出荷分からで、アスファルトシングル屋根材「リッジウェイ」本体および関連部材を対象に約30%の改定です。
対象には棟部材(ヒップアンドリッジ)、スターターシングル、換気部材(リッジロール)、シングル釘、シングル用接着剤が含まれます。同系統の「オークリッジ」についても値上げが通知されています。
当面は数量制限や新規案件の受注見合わせが行われる可能性があります。
シンナー
今回のナフサショックにおいて、当社で特に影響が大きかった資材の一つが「シンナー」です。シンナーは工事資材の原材料として欠かせないものであり、油性塗料や防水材、プライマー、溶剤系ボンドなど多岐にわたる商材に使用されています。
このように工事全体へ波及する重要な資材でありながら、一時は70%以上の価格高騰に見舞われたほか、長期にわたる入手困難な状態が続きました。
現在は供給自体こそ安定しているものの、価格は依然として高止まりの状況が続いております。シンナーをはじめとする石油化学製品は、今後の原油価格変動の影響を最も受けやすい資材であるため、当社としても引き続き市場動向を厳しく注視してまいります。
報道関係者の方へ
対応可能なテーマ(例)
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建材価格の推移と、住宅リフォーム価格への転嫁の実態
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受注停止品目の代替仕様への切り替え事例
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中小工事会社の資材調達と見積有効期間の短縮
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値上げを口実にした便乗商法の手口と見分け方
上記以外のテーマについても、まずはご相談ください。
出演・掲載実績
TV:NHK「ニュースウォッチ9」、テレビ東京「WBS」
新聞・Webメディア:毎日新聞、リフォーム産業新聞
引用・転載について
出典を明記いただければ、本ページのイラスト・図解は自由に転載いただけます。
事前連絡は不要です。
出典表記
株式会社テイガク「資材・建材 価格供給動向ポータル」
https://yanekabeya.com/201086/
※Web媒体では、媒体名に上記URLへのリンクを設定いただく形でも差し支えありません。
注意事項
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数値は随時更新しています。引用時は取得日を併記してください
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画像は、出典リンクを付けてご利用ください
-
数値を改変しての利用はご遠慮ください
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商用媒体・有料記事内での利用も同条件で可能です
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メーカー通知書の画像は各メーカーに権利が帰属するため、転載はご遠慮ください
-
「資材の価格動向」のグラフ・数値は、一般財団法人 建設物価調査会
「建設物価 建設資材物価指数®」を当社が編集・加工したものです。
同データの二次利用には同会の利用規約が適用されます。
ご利用の際は下記をご確認ください。
https://www.kensetu-bukka.or.jp/business/so-ken/shisu/shisu_shizai/
住宅の所有者の方へ|便乗商法へのご注意
「値上げ前の今だけ」という営業には根拠を確認してください
値上げはメーカーが通知書で公表しています。
値上げを理由に契約を急がせる業者には、通知書の写しと適用開始日の提示を求めてください。
本ページの需給表と照らし合わせれば、その品目が本当に値上げ対象かを確認できます。
資材の入手状況は、メーカー別通知アーカイブに掲載していますので、参考にご利用ください。