- 屋根リフォーム業者の見積りを比較するポイントがわかります
- 見積金額だけで工事先を判断することを避ける理由がわかります

ガルバリウム鋼板屋根のリフォームをするとき、リフォーム業者からもらった見積もりが10万円単位で異なることがあります。
できるかぎり安く工事を済ませたい方も多いはずです。
しかし、金額だけで修理業者を選ぶことはキケンです。
屋根工事は常に監視ができない工事です。
そのため、手抜きをされたり、低品質の商品を使われたりする可能性があります。
お客様の一番の目的は「長く安心できる屋根工事の実現」であるはずです。
残念な工事にならないために、屋根リフォーム業者の見積り書を比較するポイントをまとめました。
※こちらのページではガルバリウム鋼板屋根へのリフォーム工事を対象に記載したページです。瓦屋根やアスファルトシングル屋根のリフォーム工事については記述がありません。あらかじめご了承ください。
見積もり書で確認するべき5つのポイント
屋根リフォーム業者から提出された見積り書で確認するべき項目は主に5つあります。
「屋根材」「板金部材」「板金下地材」「ルーフィング」「下地調整」です。
低品質な建材を使った見積り書であれば、金額が安くなるのは当然です。
そんな残念な見積り書を暴くための5つのポイントをご紹介します。
ポイント1:屋根材の見積り項目について
ガルバリウム鋼板を扱う屋根材メーカーはとてもたくさんあります。
当然、メーカーごとに商品特性が異なります。
さらにメーカーの商品ラインナップの中でも特性が異なります。
たとえば最近では「ガルバリウム鋼板」を改良した「スーパーガルバリウム鋼板(通称SGL)」が金属屋根の主流です。
しかし、従来のガルバリウム鋼板製の屋根材も流通しています。
金属屋根は特性も値段も「ピンからキリまで」あります。
ガルバリウム鋼板屋根のメーカーや種類について詳しくはこちら
屋根リフォーム業者の中にはひとつのメーカー商品しか取り扱わない業者も存在します。
テイガク屋根修理のように7社以上、たくさんのメーカー商品を取り扱う業者もいます。
もしお客様が「金額重視」でリフォームを検討している場合は、その意向を屋根リフォーム業者に伝えてください。
弊社でもお客様からリクエストがあれば、一番価格の安い屋根材で工事のご提案をいたします。
単純にA社の見積り金額が安かったからといってA社に決定することは避けましょう。
B社にA社の見積もり内容で施工した場合にいくらになるか、再見積りを依頼して比較しましょう。
良識のあるリフォーム業者であれば快く応えてくれるはずです。
ポイント2:板金部材の見積り項目について
下の写真はテイガク屋根修理ではなく、他の屋根リフォーム業者が施工した屋根です。
きれいに仕上げられたガルバリウム鋼板の屋根だと感じますか?
もしそう感じていたら大きな間違いです。
この写真を私たちが見ると、「残念なこと」をしているリフォーム工事と評価します。
この屋根には棟板金(むねばんきん)にメーカー指定品(純正品)が使われていません。
ガルバリウム鋼板屋根専用の棟板金ではなく、コロニアル屋根(スレート)専用の棟板金が使われています。
屋根リフォーム業者からの見積り書には「屋根本体の工事項目」以外に「板金工事項目」がたくさんあります。
「棟包み板金 〇〇円」「軒先水切り板金 〇〇円」「谷どい板金 〇〇円」「ケラバ唐草 〇〇円」「雨押え壁際板金 〇〇円」などなど、ガルバリウム鋼板屋根にはたくさんの板金工事項目があるはずです。
屋根の各部位の板金について詳しくはこちら
屋根本体だけではなく、これら板金部材もメーカーから販売されています。
言うまでもないことですが、板金部分にメーカー純正品が使われていないとメーカー保証が得られません。
しかし、格安な棟板金が流通しているため、メーカー純正品の使用を避けて施工する屋根リフォーム業者が存在します。
屋根リフォーム業者の見積り書では、メーカー指定品(純正品)の板金部材が使われているか確認しましょう。
ポイント3:板金下地の見積り項目について
棟板金や雨押え板金部分は不具合が多い部位です。
風で飛ばされたり、穴があいて雨漏りしたりすることが多いです。
理由はこの板金の下地部分に「木」が使われているからです。
木の下地はよくないです。
木は腐りやすく、耐久性が低いです。
そのため、板金部位の下地材は樹脂製品(プラスチック製)を使うことを強くおすすめします。
樹脂は腐らないため長寿命です。
樹脂製の下地材にはアルミ芯入りの商品をおすすめします。
アルミ芯がある方が、釘やビスが効きやすくガッチリと板金を取り付けることができます。
テイガク屋根修理ではセイキの「SKハイブリッド樹脂建材」を使います。
樹脂下地のメーカー/商品名 | アルミ芯入りの有無 |
ケイミュー/タフモック | アルミ芯なし |
セキスイ/プラ桟木 | アルミ芯なし |
フクビ化学工業/エコランバー | アルミ芯なし |
セイキ/SKハイブリッド樹脂建材 | アルミ芯あり |
板金の下地に何をつかうのかまで把握しましょう。
ポイント4:ルーフィングの見積り項目について
屋根リフォーム業者が提出する見積り書に「ルーフィング」の項目があるはずです。
ルーフィングとはガルバリウム鋼板屋根の下に敷く「防水シート」のことです。
「下葺き材(したぶきざい)」ともよばれます。
このルーフィングは最終的に雨漏りを防いでくれる重要な建材です。
ルーフィングについて詳しくはこちら
あまり知られていませんが、ルーフィングは種類が豊富です。
ルーフィング最大手の田島ルーフィングでは18種類も取り扱い商品があります。
商品ごとに価格と防水性能が異なります。
屋根の劣化状況や条件、将来のメンテナンススケジュールによって使用するルーフィングの提案内容が変わります。
耐用年数が10年程度の製品もあれば30年もあり、最高品質製品の耐久性能は60年もあります。
屋根リフォーム業者からの見積り書にルーフィングの商品名の記載がなければ要注意です。
商品名の記載がない場合は最低品質の商品が使われる可能性が高いです。
せっかく屋根リフォームをおこなうのに低寿命商品を使うのは避けたいです。
ルーフィングのメーカー名と商品名、特徴、耐用年数は必ず確認しましょう。
ポイント5:下地調整の見積り項目について
土葺きの瓦屋根はほぼ100%野地板(のじいた)が歪んでいます。
野地板とは屋根の下地に使われる木の板のことです。
最近は構造用合板とよばれる合板が野地板として使われます。
築後40年以上が経過している瓦屋根は、屋根の重みが原因で屋根全面が波打つように歪んでいるはずです。
そのため、葺き替えをするときは下地調整をおこなって屋根面をフラットにさせる必要があります。
歪んだ面に新しい屋根を張ってしまうと、屋根の不具合リスクが高くなります。
大きな台風や地震が発生したとき、屋根がめくれやすくなります。
不陸調整をおこなうと工事費が15万円から25万円ほど高くなります。
そのため、不陸調整を提案せずに見積り書を作成するリフォーム業者が存在します。
屋根のことをよく理解しているリフォーム業者は必ず下地調整をすすめます。
テイガク屋根修理でも土葺きの瓦屋根のリフォーム工事では下地調整をおこなった上で屋根を張ることを徹底しています。
屋根の葺き替え工事では下地調整の実施有無を必ず確認してください。
特に土葺き屋根が多い関東地区以外の地域では注意が必要です。
その他に注意したいこと
軒どいの種類について
軒どいとは屋根の軒先にそって横向きに取り付ける雨どいのことです。
屋根のリフォームあわせて軒どいを交換する方が多いです。
もちろん軒どいも商品ごとに品質が異なります。
軒どいは大きく「丸」タイプと「角」タイプがあります。
この2つのタイプの大きな違いは断面積です。
「丸」タイプより「角」タイプの方が断面積が大きく丈夫です。
「丸」タイプは不具合が多いため、屋根のリフォームでは「角」タイプの軒どいの使用をおすすめします。
見積り書には「角」という文字があれば、四角い軒どいを使う工事であると判断できます。
何も書かれていない場合は「丸」もしくは「円」タイプの軒どいを使われる可能性が高いです。
「角」タイプの軒どいの方が高額です。
軒どいにはプラスチックの中に「アイアン入り」と「アイアンが入りでない商品」の2種類があります。
軒どいを交換するときは軒どいのメーカーを商品名を確認して、比較しましょう。
足場のない見積もりについて
屋根リフォーム工事をおこなうときの足場は15万円から30万円程度かかります。
そのため、足場を組み立てない工事見積りを作成する屋根リフォーム業者がいます。
足場を組まない屋根の工事は間違いなく「手抜き工事」になります。
屋根リフォーム業者の甘い言葉に誘われないようにしましょう。
一番重要なポイントは何か?
屋根のリフォーム工事において、一番重要なポイントはリフォーム業者の「施工」と「管理」の技術力です。
どんなにいい素材を使っても屋根リフォーム業者の技術力が未熟であると工事を依頼した意味がありません。
・板金専門の工事業者であるか?
・実績は豊富か?
・たくさんの屋根材を取り扱っていて、・屋根資材倉庫がある業者か?
・実際にはなしをしてみて屋根の知識が豊富な人であったか?
などの技術力を示す担保を確認することが重要です。
まとめ
1.リフォーム業者からの見積り書に記載されている金属屋根材のメーカー名と商品名を確認し、比較しましょう。
2.板金部材はメーカー純正品を用いるか確認しましょう。
3.板金部材の下地材は樹脂製品でかつアルミ芯入りであるか確認しましょう。
4.ルーフィングのメーカー名と商品名を確認しましょう。
5.土葺き屋根の葺き替えのときは、必ず下地調整をおこないましょう。
6.技術力のある屋根リフォーム業者であるかが一番重要なポイントです。