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・2021年8月より屋根工事価格を改定いたしました。

【石粒付き鋼板屋根】ジンカリウム鋼板とは?特徴と耐久性について

更新 公開

ジンカリウム鋼板とは?

金属屋根の鋼板のひとつ

石粒付き鋼板屋根

金属屋根の素材といえば、ガルバリウム鋼板がよく知られています。
最近はガルバリウム鋼板を改良した(組成にマグネシウムを加えた)エスジーエル鋼板の人気が高まっています。
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍強の耐久性が認められた鋼板です。
テイガクがおこなう屋根工事は、8割がエスジーエル鋼板の屋根です。

エスジーエル鋼板の代表的な商品として、アイジー工業の「スーパーガルテクト」やニチハの「横暖ルーフαプレミアムS」があげられます。

一方で、ジンカリウム鋼板と称された金属屋根が流通しています。
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板と同じ、鉄にメッキをした合金です。

ジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板は同じ素材

ジンカリウム鋼板の組成を読み解くかぎり、ジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板は同じ素材です。

日本JIS規格によるガルバリウム鋼板の正式名称は、溶融55%アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板です。
以下はガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板の組成です。

鋼板組成
ガルバリウム鋼板「アルミ55%」「亜鉛43.4%」「シリコン1.6%」
ジンカリウム鋼板「アルミ55%」「亜鉛43.5%」「シリコン1.5%」

いずれもアルミが55%で残りが亜鉛を中心とした組み合わとなっています。
したがって、両者は学術的には同じ素材です。
耐久性も変わらないと評価できます。

ジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板の違い

なぜ呼び名が違うのか?

ジンカリウム鋼板

ジンカリウムで称された屋根は全て輸入品の屋根です。
日本に当たるガルバリウムを自国ではジンカリウムと称して扱っています。
屋根の輸入代理店が外国の組成名をそのまま日本で持ち込んだ結果、ジンカリウム鋼板という名前が日本で広まっています。
ジンカリウムもガルバリウムも大きな違いはありません。
ただし、ジンカリウムと称されている屋根には、日本のガルバリウムの屋根と決定的に大きく違う特徴があります。
それは、鋼板の表面に石粒を付着させていることです。

ジンカリウム鋼板屋根=石粒付き鋼板屋根

石粒付き鋼板屋根の拡大写真
石粒が接着剤付着している

ジンカリウム鋼板名義で販売されている屋根には、全て、屋根の表面に石粒が付着されています。
石粒付き鋼板屋根とよばれる屋根材です。
販売元によって、「自然石粒仕上げ鋼板屋根」「天然石粒付き屋根」「ストーンチップ鋼板」ともよばれています。

リクシルやヤマウチコーポレーションなどは、日本の正式名称であるガルバリウム鋼板名義で石粒付き鋼板屋根を取り扱っています。
石粒が雨音と熱を吸収するため、石粒は断熱性と遮音性をもたらしてくれます。

石粒付き鋼板の屋根を取り扱う販売元

販売元商品名
伊藤忠建材スカイメタルルーフ
リクシルTルーフ
ディートレーディングエコグラーニ
ルーフタイルグループジャパンセネター
ヤマチコーポレーションメトロタイル
鶴弥レコルーフ

石粒付き鋼板屋根のデメリット

色あせや汚染はすると思ったほうがよい

石粒付き鋼板屋根の色あせ
12年が経過した石粒付き鋼板屋根

石は釉薬(お茶碗と同じ方法)で色付けされています。
そのため、色あせにくいと宣伝している販売元が存在します。

注意して欲しいのは、色あせしないや、メンテナンスフリーなどの宣伝です。

写真は筆者が撮影した12年が経過した石粒付き鋼板の屋根です。
色は経年とともに薄くなることが確認できています。
おそらく屋根完成から10年15年と時間が経てば、元の色とは異なる色になっていくはずです。

やっかいなのは、塗装ができないことです。
つまり、色あせや汚れを改善させる方法ありません。
石粒付き鋼板の屋根を専用とする塗料はありません。
なにより、屋根塗装をおこなう下準備の高圧洗浄ができません。(石粒が剝離する恐れがあります。)

石がボロボロ落ちる

石粒付き鋼板屋根を工事した直後、お客様から石がボロボロ落ちるとクレームを受けることがあります。
雨どいの中に大量にはがれ落ちた石がたまります。
石は次第に熱で鋼板に吸着されるようになり、はがれにくくなります。
製品の特性で避けられないものであり、大きな問題はありません。

輸入品

ジンカリウム鋼板名義で販売されている屋根の多くは輸入品です。
韓国や中国、ニュジーランドなどから製造されたものを輸入しています。
日本で流通している商品は韓国製品(鋼板はポスコ社製)が多いです。

輸入建材の怖いことは、販売元が取り扱いを辞めることです。
輸入販売元が取り扱いを辞めることは、この業界ではよくあることで、代替商品の入手できなくなります。
現在、金属屋根は国産の商品が圧倒的なシェアを占めており、これから5年先10年先も供給が続くのか不安が残ります。

断熱材がない

石粒付き鋼板屋根の裏側の温度
石粒付き鋼板屋根の裏側表面温度
断熱材一体型屋根の裏側の温度
横暖ルーフαプレミアムSの裏側表面温度

ジンカリウム鋼板の屋根には断熱材一体型製品がありません。
石が遮音性と断熱性を確保する役割を担っています。

スーパーガルテクトや横暖ルーフαプレミアムSなどの分厚い断熱材が付着した屋根と比べて、石粒付き仕鋼板屋根の断熱効果は劣ります。

屋根の断熱性能は屋根下居室の過ごしやすさだけではなく、屋根下地の傷みやすさ(屋根の寿命)にも影響を及ぼします。

空気層が形成される

石粒付き鋼板屋根の裏側には断熱材がない代わりに空気層が形成されます。
空気層が断熱効果をもたらすとも評価されています。
ただし、空気層の厚みが分厚い商品もあれば、ほとんどない商品があります。
空気層による断熱効果の期待は商品によって大きく変わります。

金属屋根の裏側
石粒付き鋼板屋根の裏側と国産金属屋根の裏側

屋根裏の塗膜が薄い?

石粒付き鋼板屋根を裏返すと、ジンカリウム鋼板の素地が丸見えです。
国産メーカーの金属屋根は素地が隠れるように着色した塗料をしっかり塗っています。
しかし、石粒付き鋼板屋根の裏側はクリアーの塗膜が塗布されているだけです。
屋根裏の露の影響により錆びる恐れがあるのではないかと、筆者は心配しています。
このような細かいところが国産メーカーの輸入品とで差があるように感じます。

凹みやすい

石粒付き鋼板屋根の凹み
凹んだ石粒付き鋼板屋根

断熱材がない分、石粒付き鋼板屋根は凹みやすいです。
特に空気層の層が厚い屋根ほど、簡単に屋根のうえに足をのせると屋根が凹みます。
屋根にのぼって作業をおこなうこと(メンテナンス)が難しいです。
バックアップ材(屋根を凹みにくくさせる部材)を屋根の下に敷いて屋根を仕上げることが可能ですが、工事金額がかなり高くなります。

かん合式タイプの屋根が少ない

オーバーラップ式のビス
屋根と屋根をつなぐ金具が外に露出する
かん合式タイプ
かん合式タイプは屋根の留め具が外に露出しない

ジンカリウム鋼板の屋根を張り付ける方法は、屋根材同士を留めるビスが外に露出するオーバーラップ式タイプの屋根が多いです。(全てではありません。)

耐風性能の点では、屋根材と屋根材を上下で引っ掛け合うかん合式タイプの屋根がおすすめです。
かん合式タイプは屋根を留める釘やビスが外に露出しないので、施工の安定化が図れます。
国産メーカーの金属屋根はかん合式タイプがほとんどです。

重なり合う屋根材が少しでもずれてしまうと、ビスはしっかりと屋根を固定してくれません。
風ではがれてしまうリスクが高いです。
もちろん、工事をおこなう職人さんの技術力が高ければ心配はありません。

かん合式タイプの石粒付き鋼板屋根
留め具が露出しない石粒付き鋼板屋根もある

石粒付き鋼板屋根のメリット

屋根本体が安い

ジンカリウム鋼板の屋根(石粒付き鋼板屋根)は国産の金属屋根よりも価格が安いです。
楽天市場で商品名を検索するとジンカリウム鋼板の方が国産の金属屋根よりも安いことが分かります。
また、賃貸住宅建築の最大手が手掛ける屋根は、石粒付き鋼板屋根が採用されています。
理由は建築コストが安く済むからだと予想できます。

屋根材1㎡あたりの屋根本体価格
スカイメタルルーフ2,816円(税込み・送料別途)
スーパーガルテクト3,736円(税込み・送料別途)
2021年8月20日 楽天市場での調査価格

石粒が付いてない板金を使うともっと安い

非同質役物の屋根
非同質役物の屋根
同質役物の屋根
同質役物の屋根

屋根のてっぺんに取り付ける棟板金を石粒が付いていないものにすれば、工事金額がさらに安くなります。
屋根本体と同じように石粒がついた板金部材を「同質役物(どうしつやくもの)」、屋根本体の質感と異なる板金部材を「非同質役物(ひどうしつやくもの)」とよびます。

ただし、非同質役物を用いた屋根の見栄えは悪くなります。

注意したいことは、同質役物をつかう工事だと思っていたのに、実際は石粒の付いてない板金部材をつかって工事をされることです。
見積書の棟板金や雨押え板金が同質役物か非同質役物であるかは、必ず事前確認しておきましょう。

雪止め不要

雪に残った屋根

石粒付き鋼板の屋根は屋根の表面がザラザラしているので、落雪しにくい屋根としての評価が高いです。
コロニアルやその他の金属屋根は、屋根のうえにとどまった雪が塊となって落ちます。
そのため、屋根工事にかかる雪止め金具費用を抑えることができます。

あたたかみのあるデザイン

石粒付き鋼板屋根ローマン
石粒付き鋼板屋根はデザイン性に優れている

国産の金属屋根は立体感がなく単調なデザインの商品が多いです。
立体感がある瓦風デザインの商品もありますが、何となく和風テイストです。

一方、石粒付き鋼板の屋根は屋根材自体が暖かみがあり、意匠性に優れています。
特に洋風の瓦屋根のデザインはとても雰囲気が良く、屋根の印象がガラリと変わります。
屋根が良く見える住宅の場合、建物全体の高級感は間違いなく増します。

保証期間が長い

ジンカリウム鋼板屋根の輸入販売元が設定している品質保証期間はとても長いです。
多くの商品が30年、最高で50年といった長期保証となっています。
保証期間が長いからジンカリウム鋼板は金属屋根のなかで最も優れているといったアピールをするリフォーム会社も存在します。

ただし、この点については、国産メーカーに対抗するために保証期間を長く設定している処置だと筆者は評価しています。
なぜなら、鋼板の耐久性はジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板と変わりがなく、最近の主流であるエスジーエル鋼板に比べて劣るからです。

どちらかというと、国産メーカーが堅実であると捉えたほうがよいと思います。

ジンカリウム鋼板による屋根カバー工法

カバー工法は古い屋根うえに、軽い金属屋根を重ねる屋根のリフォーム方法です。
ジンカリウム鋼板(石粒付き鋼板屋根)の重量は1㎡あたり7kgです。
石粒が付いていない金属屋根の重さは約5kg/㎡です。
多少、ジンカリウム鋼板の屋根が重いですが、軽微といえる差です。

 屋根材m2当たり重量1棟分の重さ(100m2
約50キロ5.0t
化粧スレート
(コロニアル)
約20キロ2.0t
石粒が付着していない
ガルバリウム鋼板屋根
約5キロ0.5t
ジンカリウム鋼板屋根約7キロ0.7t

ひとつの屋根材だけをすすめる業者は避けましょう

これはジンカリウム鋼板に限った話しではあまりませんが、ジンカリウム鋼板の屋根だけを消費者にすすめるリフォーム会社は避けたほうがよいでしょう。

限られた屋根材しか扱わないリフォーム会社は、偏った情報を伝えがちです。
すすめられた屋根のデメリットについて、消費者は全く話しを聞かされない展開になります。

金属屋根といっても、メーカーや商品ごとに価格や特徴、デザインが様々です。
今回のジンカリウム鋼板の屋根を例にすると、鋼板の素材はジンカリウム鋼板よりエスジーエル鋼板のほうが優れています。
耐久性を考えると、断熱材一体のエスジーエル鋼板屋根が一番おすすめです。

屋根の工事はとても高額です。
たくさんの金属屋根メーカーの商品を取り扱っており、各屋根材の特徴を正しく消費者に説明ができる屋根工事会社に依頼されることをおすすめします。

よくある質問

Q

石粒付き鋼板とSGL鋼板の屋根どっちが優れている?

A

耐久性ではSGL鋼板が優れています。
価格は石粒付き鋼板が安いです。

Q

石粒付き鋼板のメンテナンスフリーは本当?

A

一生涯メンテナンスフリーは過大評価だというのがテイガクの見解です。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
著者経歴

大阪府堺市生まれ。船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク屋根修理の記事を執筆しています。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は10,000棟を超えます。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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    3. 石粒付き鋼板の屋根を取り扱う販売元
  3. 石粒付き鋼板屋根のデメリット
    1. 色あせや汚染はすると思ったほうがよい
    2. 輸入品
    3. 断熱材がない
    4. 凹みやすい
    5. かん合式タイプの屋根が少ない
  4. 石粒付き鋼板屋根のメリット
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    2. 石粒が付いてない板金を使うともっと安い
    3. 雪止め不要
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