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スレート屋根の寿命と雨漏り放置をした場合のリスク

公開

【製造年代別】 スレート屋根の寿命

スレート屋根は製造された年代によって三世代に分かれます。
見た目は同じなのに全く寿命が違います。

第一世代のスレート屋根の寿命

第一世代スレート
製造年~1990年後半
寿命30~40年
アスベスト含有
特徴耐久性が高く長寿命
問題点葺き替え時の処分費が高い
代表的な商品ニューコロニアル(旧クボタ)
アーバ二―(旧クボタ)

第二世代のスレート屋根の寿命

第二世代スレート
製造年1990年後半~2008年
寿命15~25年
アスベスト無し
特徴割れや欠けが発生しやすく脆い
問題点強風時に屋根がはがれ落ちる事例多数
代表的な商品コロニアルNEO(旧クボタ)
パミール(ニチハ)
レサス(旧松下電工)

第三世代のスレート屋根の寿命

第三世代スレート
製造年2008年~
寿命30年(?)
アスベスト無し
特徴第二世代の改良版
問題点製造からまだ10数年しか経過していない
代表的な商品コロニアルクァッド(ケイミュー)
コロニアルグラッサ(ケイミュー)

知っておきたい部材の寿命

屋根の構造
屋根の構造
POINT
1

防水シート(ルーフィング)

2

野地板(のじいた)

3

棟板金(むねばんきん)

防水シート(ルーフィング)の寿命

マスタールーフィング
60年の防水性能を示すマスタールーフィング

ルーフィングは屋根からの雨漏りを防ぐ防水シートです。
屋根で最も重要な建材です。
建物で最も重要な建材と言い換えられるかもしれません。

ルーフィングはピンキリで、20種類以上あることは、ほとんど知られていません。
一般的にはアスファルトルーフィング940とよばれる低グレード製品が用いられています。
アスファルトルーフィング940は紙質で破れやすく、築後10年で劣化が進行しはじめます。

スレート屋根は上下左右がすき間だらけ
スレート屋根は上下左右がすき間だらけ

スレート屋根は上下左右にすき間がある屋根材で、雨水はスレート屋根の下に常に入る込む屋根材です。
これは欠陥ではありません。
スレート屋根はすき間から雨水が入り込む特性がある屋根材であると認識してください。

大事なことは「スレート屋根の寿命=ルーフィングの寿命」だということです。
このことが理解できると、スレート屋根に塗装をおこなう行為は、屋根の寿命と関係がないことが分かります。

もしこれから屋根の新築やリフォームを検討されている人は、最低でも改質アスファルトルーフィングゴムの成分が含まれたルーフィング)を選定してください。

また、ルーフィングの素材は紙質ではなく、マスクと同じ不織布製が破れにくく、おすすめです。

アイコン ルーフィングはコストパフォーマンスが高い

テイガクでは、アスファルトルーフィング940から改質アスファルトルーフィングに変更する際の価格差はたったの100円/㎡です。
屋根工事全体で約1万円の差です。
屋根で最も重要な建材であるルーフィングは、できるだけ良い製品を選定してください。

野地板の寿命

新築時の野地板
新築時の野地板

野地板は屋根材とルーフィングの下に敷かれている木の板です。
垂木(たるき)とよばれる木の棒の上に取り付けられています。
屋根裏の天井を見上げると、野地板と垂木を確認することができます。
屋根材を固定する下地材としての役割を果たしています。

スレート屋根の場合、野地板は構造用合板(こうぞうようごうばん)とよばれる畳と同じ大きさの合板を張ることが多いです。
職人さんのなかにはコンパネとよぶ人がいます。

築40年のスレート屋根の野地板
築40年のスレート屋根の野地板

野地板の材質は木だから腐ります。
野地板の寿命は40年から50年程度です。
スレート屋根の場合、軒先の端部分から野地板は腐り始まる傾向があります。

野地板は屋根材を固定する建材なので、野地板が腐ってしまうと屋根が歪んだり、剥がれやすくなったりします。

当然、野地板を再利用するかたちで屋根カバー工法をおこなうと、野地板が先行して寿命が尽きます。
築後30年以上が過ぎたスレート屋根にカバー工法をおこなう場合、新しく張る金属屋根は、古い野地板に固持力を依存することになります。
したがって、長期的な屋根の耐久性維持に期待し過ぎないようにしましょう。

【動画】野地板の状態の調べ方

野地板の耐久性の調べ方

野地板の耐久性の調べ方

古いスレートのうえに新しい野地板を張って、その上にルーフィングと金属屋根を張って仕上げる「野地板増し張りカバー工法」とよばれる工事方法があります。

本来、屋根カバー工法をおこなうのであれば、「野地板増し張りカバー工法」がおすすめです。
しかし、野地板と金属屋根の重さを加えると、屋根は「瓦屋根とほぼ同じ重さ」になります。
結局、葺き替えに心が動くお客様が多いです。

野地板増し張りカバー工法
野地板増し張りカバー工法

野地板の劣化は主に結露による水濡れでもたらされます。
真夏の屋根裏はサウナのような熱と湿気で地獄と化します。
その熱と湿気の対策を講じることは、野地板の寿命を長くすることになります。

たとえば、スレート屋根のうえに断熱材一体型の金属屋根で屋根カバー工法をしたり、換気棟(かんきむね)を取り付けたりすると、野地板の劣化進行のスピードを抑えられるきっかけになります。

断熱材一体型の金属屋根で最も断熱材が分厚い「横暖ルーフαプレミアムS」
断熱材一体型の金属屋根で最も断熱材が分厚い「横暖ルーフαプレミアムS」

断熱効果の高い断熱材一体型の金属屋根で屋根カバー工法をおこなうと、屋根裏温度を下げることができます。
そして、屋根のてっぺんに換気棟を取り付ければ、屋根裏の湿気が外に排出されます。
結果、結露の発生が抑制できます。
野地板が結露で傷むことを「野地板が泣く」と表現する人もいます。

屋根のてっぺんから熱を排出させる換気棟の穴
屋根のてっぺんから熱を排出させる換気棟の穴

屋根の状態が良好なうちに屋根カバー工法をおこなうことは、賢明な判断あると筆者は考えます。
第一世代のスレート屋根は築後25年前後、第二・三世代のスレート屋根は築後15年前後で屋根カバー工法をおこなうことをおすすめします。

棟板金の寿命

飛ばされかけている棟板金回収の様子
飛ばされかけている棟板金回収の様子

棟板金の寿命はスレート屋根よりも短命です。
スレート屋根よりも、はるかに不具合が生じやすい部位です。
この記事をご覧になっている人のなかには、棟板金の不具合がきっかけでスレート屋根について関心を持ち、詳しく調べ始めた人が多いはずです。

築後10年から15年前後経過すると、棟板金を固定している釘がゆるみ、強風で飛ばされやすくなります。
筆者が応対したお客様のなかで、築後2年で棟板金が飛ばされたというお客様もいました。

築8年の棟板金下地でも割れや水濡れの腐食が確認できる
築8年の棟板金下地でも割れや水濡れの腐食が確認できる

不具合原因は棟板金の下地材にあります。
一般的に棟板金の下には貫板(ぬきいた)とよばれる木の下地材が取り付けられます。
木は経年劣化し、湿気や水濡れが伴うと腐食が促進されます。
木が腐ることで棟板金の固持力が低下するというメカニズムです。

耐風性能に優れたアルミ型材下地
耐風性能に優れたアルミ型材下地

テイガクでは棟板金の耐風性強化としてアルミの型材下地を用います。
そして、棟板金を固定する留め具にはステンレス製の板金ドリルビスを用います。

この工法を採用することで、棟板金は30年以上は安定します。
10年15年ごとに足場を組んで棟板金を交換するといった、ばかばかしい事態を避けられます。

スレート屋根の棟板金交換動画

棟板金の構造と40年以上安心して固定する方法

棟板金の構造と40年以上安心して固定する方法

雨漏りを放置すると?

葺き替え工事は避けられない

【一番避けたい】野地板を剥がして垂木で補強
【一番避けたい】野地板を剥がして垂木で補強

スレート屋根の雨漏りを一定期間放置しておくと、葺き替え工事しか工事の選択ができなくなります。
野地板が雨水を吸い込み、ブヨブヨになってしまうからです。
また、雨漏りが起きているといことは、野地板の下にある垂木(たるき)も水に濡れいることになります。
垂木とは野地板を支える45センチ間隔で取り付けられている木の棒です。
垂木まで腐ってしまうと更に大変です。

葺き替え工事は基本的には古い野地板を残したまま、新しい野地板を古い野地板に増し張りするかたちで仕上げます。
しかし、垂木が腐っていたり、折れたりしていると、野地板を張ることができません。

野地板を剥がして、垂木を補強しなければなりません。
わたしたち屋根工事会社や板金工職人にとって、野地板を剥がす工事ほど神経をすり減らす工事はありません。
なぜなら、室内から常に空が見える状態であり、雨が降ったら即雨漏りとなるからです。

垂木が腐食した場合は補強が必要
垂木が腐食した場合は補強が必要

垂木にまで雨漏りの影響が及んでいる場合、通常の葺き替え工事に加えて、数十万円の追加費用がかかることは覚悟してください。

皆様が抑えて欲しいことは、工事契約前に野地板の交換や垂木補強の可能性について、屋根工事会社にあらかじめ確認することです。
屋根を剝がした後に、「野地板が大変なことになっていて追加料金がかかる」という事態は絶対に避けて欲しいです。

突然に求められる追加料金は、屋根工事会社の信頼を損なうことになり、消費者にとっては予想外の出費や心理的負担の増大を招きます。
誰も得をせず、両者が不幸になる結果となります。

スレート屋根は40年もたない

スレート屋根は40年はもちません。
筆者が対応した横浜市のお客様で、大手ハウスメーカーで屋根塗装を過去3回おこなったお客様がいました。
ハウスメーカーの提案どおり、10年から15年に1度、屋根と外壁の塗装をしてきたお客様です。
結局、41年目で雨漏りが起き、テイガクで葺き替え工事をしました。
葺き替え時に野地板の状態を確認したところ、いたるところに野地板の腐食が発現していました。

スレート屋根の場合、30年を過ぎる頃には、防水シートは完全に機能しなくなっており、野地板の劣化がはじまっています。
そして、35年が経過すると、雨漏りリスクが一気に高まります。

なかでも第二世代のスレート屋根は、20年はもたないと思って割り切ってください。
築後10年を過ぎるころに、屋根の割れや欠け、剥がれ、層間剝離といった不具合が頻繫に発現します。

スレート屋根の本質を知ると、部分修理(特に第二世代スレート)や塗装は、屋根機能の観点ではあまり価値がないと思います。

強風による棟板金の飛散は、屋根の割れや剥がれよりも発言リスクが高いことを心がけてください。

現代は人生100年時代です。
そして年々、雨量が増え、風が強くなっています。
一生のうちで一回は、スレート屋根の全面改修工事は避けられないと覚悟してください。

人生において一括で支払う出費のうち、屋根の全面改修工事は住宅購入費用に次いで高額であることは、あまり知られていません。(増改築工事を除く)
アスベスト入りの屋根の葺き替えは、ざっと200万円から300万円程度のお金がかかります。
これに外壁塗装工事を加えると300万円から400万円です。
雨漏りを放置しておくと、さらに余計な出費がかさみます。

だからこそ、屋根についてももっと関心興味をもっていただき、一度で済ますことができる屋根工事を実現して欲しい思いがあります。
この記事が閲覧者のスレート屋根の理解を深める一助になれば、うれしいです。


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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
著者経歴

大阪府堺市生まれ。船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク屋根修理の記事を執筆しています。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は10,000棟を超えます。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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