折板屋根とは?耐久性やメリット・デメリットについて

折板屋根(せっぱんやね)とは

主に工場や倉庫などの大型建築物で用いられる金属屋根材

折板屋根の画像
折板屋根は工場や倉庫で用いられる屋根材
折り曲げ加工を拡大した画像
断面を見ると金属鋼板が折り曲げられていることがわかる

折板屋根(せっぱんやね)とは、文字が示す通り、金属の板を折り曲げ加工した屋根材のことです。

主に工場や倉庫などの大型建築物で用いられる屋根材です。

屋根の横方向に屋根と屋根の継ぎ目がある一方で、傾き方向(長手方向・屋根の縦方向)には、原則、継ぎ目がありません。

傾き方向に継ぎ目がないため、折板屋根は屋根1枚1枚の長さが10mを超えることも少なくなく、屋根の長さがかなり長くなります。

長さの長い折板屋根は、長尺屋根(ちょうじゃくやね)ともよばれます。

折板屋根の全体を写した画像
折板屋根の1枚当たりの長さはとても長い

一方、戸建て住宅で用いられる金属屋根は、長さが短いので、短尺屋根(たんじゃくやね)とよんで区別されています。

折板屋根の厚みは、戸建て住宅で用いる金属屋根よりも1㎡あたりの重さが重いです。

そのため、鉄骨造の建物で採用されることが多いです。

戸建て住宅の金属屋根と大型建築物の金属屋根の違い

戸建て住宅大型建築物
鋼板の厚み薄い分厚い
屋根の重さ短い長い
屋根の重さ軽い重い
断熱材一体型ありなし
野地板必要不要 

折板屋根のメリットとデメリット

折板屋根のメリットは?

折板屋根が普及しているメリットは、大きく3つあります。

1:工事が短期間で終わる

2:長尺で継ぎ目が少ないので雨漏りが起こりにくい

3:工事価格が安い

いずれも、屋根の1枚当たりの長さが長い長尺だからこそ、得られるメリットです。

300㎡の屋根でも折板屋根であれば、1週間程度で工事が終わります。

屋根の大きさが大きければ大きいほど、手間が少なくて済むようになり、工事価格はより安くなります。

折板屋根のデメリットは?

折板屋根のデメリットは以下の通りです。

1:持ち上げる場所の確保が必要

2:(基本的に)断熱効果が得られない

3:定期的な塗装メンテナンスが必要

1.折板屋根の持ち上げスペースに関する動画

折板屋根の持ち上げる車とスペース

折板屋根の持ち上げる車とスペース

2.断熱効果が得られない

断熱材を敷いて折板屋根を張る様子
断熱材を敷いて折板屋根を張る様子

折板屋根の裏側には断熱材がない施工が多く、真冬に石油ストーブを用いると、天井に大量の結露水が発生します。

断熱材を敷いて折板屋根を張る施工をおこなうことは可能ですが、工事費用が高くなってしまいます。

3:定期的な塗装メンテナンスが必要

錆びている折板屋根
錆びが発生し始めている折板屋根

折板屋根の多くはガルバリウム鋼板に代表される「鉄」素材なので、長期間、何もしないで放置すると錆びが発生する恐れがあります。

錆びは穴あきによる雨漏りの原因となるため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。

折板屋根は勾配が緩やかなので、錆を進行させる(電蝕させる)木材や落ち葉などが屋根の上にあると、錆のリスクが高まります。

折板屋根の種類

折板屋根の3つの形(種類)

折板屋根は大きく3つの種類に分けられます。
(一般財団法人 日本金属屋根協会は5つに分類しています。)

1:はぜ締めタイプ

2:重ねタイプ

3:嵌合(かんごう)式タイプ

多くの折板屋根は上記の3種類で建設されることが多いです。

それぞれ横側(水平側)のつなぎ目の方法が異なり、その点で種類が分けられます。

どの折板屋根であるかで、屋根の改修方法も変わります。

もちろん、工事金額にも関わります。

なお、筆者の経験上では、「重ねタイプ」の折板屋根が世間一般では多いように感じます。

1.はぜ締めタイプ

はぜ締めタイプの画像
左右の鋼板を折り曲げて継ぐ

鋼板の継ぎ目を折り曲げてつなぎ合わせる工法です。

重ねタイプと異なり、ボルトの露出がなく雨漏りリスクは重ねタイプよりも低いです。

ただし、重ねタイプより風に弱いです。

2.重ねタイプ

重ねタイプの画像
左右の鋼板をボルトでつなげる

鋼板の継ぎ目をボルトで固定するタイプです。

屋根外側にはボルトが露出し、経年と共に錆びていることが多いです。

ボルト部分のメンテナンスが定期的に必要になります。

3.嵌合(かんごう)式タイプ

嵌合式タイプの画像
キャップを取り付けて左右の鋼板をつなげる

鋼板の継ぎ目をキャップで覆うタイプです。

他のタイプと比べて施工費用が高いタイプです。

施工数が少ないため、改修方法も限られており、改修費用も割高です。

折板屋根の寿命

鋼板の厚みと鋼板の種類、メンテナンス頻度が大切

折板屋根の先端の画像
鋼板の厚みや素材によって耐久性が異なる

折板屋根の寿命はおよそ35年~40年前後です。

1:鋼板の厚み

2:鋼板の種類

3:メンテナンス頻度

上記3点によって、折板屋根の寿命は大きく前後されます。

折板屋根は金属製品です。

中でも塗装によるメンテナンスは定期的におこなうことを心掛けてください。

雪が積もる折板屋根の画像
折板屋根は勾配が緩いので雪解け水による雨漏りが起こりやすい

折板屋根の工事はテイガクにお任せください

折板屋根を運ぶクレーン車の画像
営業中でも屋根工事ができるのが屋根カバー工法のメリット

折板屋根の新築及び改修工事はテイガクにお任せください。

テイガクでは金属屋根と金属外壁の専門工事会社です。

専門の施工管理者と建築板金工がお客様の大切な資産である工場や倉庫を、長く安心して利用ができるよう改修いたします。

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工場や倉庫の屋根と外壁改修工事をご検討されている人は、お気軽にテイガクへお問い合わせください。

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改修工事前の折板屋根 改修工事後の折板屋根

テイガクによる折板屋根の改修工事例(折板屋根のうえに折板屋根をカバー工法で施工)

テイガクの折板屋根工事の施工例

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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