スレートに屋根カバー工法をおこなう時期と調査について

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※戸建て住宅のコロニアルに金属屋根を張る工事をモデルにして執筆いたしました。

屋根カバー工法のタイミング【解説動画】

屋根カバー工法のタイミング【解説動画】

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屋根カバー工法の時期

カバー工法の適正時期は築年数では決まらない

築15年のスレート屋根
築15年のスレート屋根

築10年も経っていない屋根に、屋根カバー工法をおこなうことがあります。
決して経済的でありません。
しかし、テイガク屋根修理で屋根カバーをおこなうお客様の半分が築15年前後のお客様です。
背景として不具合が発生しやすいスレートが流通してしまったことがあげられます。
2000年代前半に普及したアスベストが含まれていないスレートは、従来のアスベストが含まれていたスレートに比べて劣化スピードが速い傾向があります。
具体的には割れやひび、めくれなどの不具合が生じやすいです。
台風などの自然災害が発生した時に顕著にあらわれます。
築年数にかかわらず屋根カバー工法は検討に値する工事です。

築20年未満のスレートは製造時期に注意

コロニアルNEOが割れた屋根
コロニアルNEOが割れた屋根

2000年代初頭のアスベスト規制直後に製造されたにスレートは、比較的、割れやめくれなどの不具合が多い傾向があります。
商品では「パミール」「コロニアルNEO」「レサス」などがあげられます。
旧パナソニックやクボタのスレートである場合、ケイミューのウェブサイトからアスベスト規制後に販売されたスレートの商品名と製造時期が確認できます。
アスベスト規制直後に販売されたスレートが張られている場合は、日ごろから(台風発生後は)点検をおこない、不具合があれば屋根カバー工法を検討してください。

アイコン 注意

これら全ての商品に不具合が発生するという訳では決してありません。
アスベストが含まれているスレートや最近販売されているスレートに比べて、割れやめくれなどの不具合が多い印象があるという弊社経験に基づく見解です。

築20年以上経過のスレートは野地板に注意

築20年以上が経過したスレートはスレートの中にアスベストが含まれているので、スレート自体はとても丈夫です。
築20年以上経過している場合は、屋根下地にあたる野地板(のじいた)が傷む前に屋根カバー工法をおこなうことがポイントになります。
野地板とは屋根材を構造的に支える木の板で、屋根全面に張られています。
屋根を構成する大事な部材です。

築40年以上経過のスレートにカバー工法はNG

築40年以上経過している多くの建物は旧耐震基準に基づいて建築されています。
耐震性能に不安があり、屋根下地も経年劣化が進行しているはずです。
テイガク屋根修理では築40年以上が経過した屋根には屋根カバー工法をおすすめしていません。

屋根カバー工法の事前調査

事前調査の重要性

屋根カバー工法をおこなう時はそもそも屋根カバー工法ができるのか?、できたとしてもどのくらいの期間、屋根が維持できるのか?、ということがポイントになります。
それを無視しして屋根カバー工法をおこなってしまうと、大失敗します。
1年前に屋根カバー工法をしたにもかかわらず、雨漏りが起きたや、台風で屋根がはがれたといった不幸なかたを、筆者はこれまで何人も見てきています。
(※弊社ではない他社様による工事です)
最近はスレートをリフォームする標準的な工法として屋根カバー工法が定着してきたため、安易に屋根カバー工法をすすめる業者さんが増えている気がします。
あらためて警鐘をよびかけたいです。
失敗を避けるには屋根がどんな状態になっているか、しっかりと事前調査をおこなってください。

野地板の傷み具合

屋根カバー工法でよくある失敗が、野地板(のじいた)がボロボロになっている状態でカバー工法をおこなってしまうことです。
野地板の傷みが進行していると、屋根材が風ではがれやすくなります。
野地板の劣化状況は、屋根裏もしくは屋根上から確認します。

屋根裏からの点検

室内の押し入れや点検口にもぐり込み、野地板の状態を屋根裏から点検します。
明るい懐中電灯で屋根裏を照らすと野地板の確認ができます。
まずは雨漏りがないか雨染みの有無を確認します。
つぎに北側の野地板を全体的に目視で確認をします。
北側は日照りが悪いこともあり、野地板が結露の影響で変色し、カビが生えていることがあります。
さいごに野地板の軒やケラバあたりを確認します。
谷がある屋根の場合は、谷まわりから劣化がはじまることが多いです。
経年劣化の場合は軒やケラバ、谷まわりから劣化がはじまります。

さいごに野地板の軒やケラバあたりを確認します。
谷がある屋根の場合は、谷まわりから劣化がはじまることが多いです。
経年劣化の場合は軒やケラバ、谷まわりから劣化がはじまります。

POINT
1

雨漏りがないか雨染みの有無を確認

2

北側の結露による劣化進行を確認

3

軒やケラバの経年劣化を確認

4

谷がある場合は真っ先に谷まわりの劣化進行を確認

屋根上からの点検

2階建てで勾配が緩い屋根であれば、はしごをかけて屋根にのぼって点検ができます。
野地板の固持力を簡易的に点検できる引き抜き検査器具もあります。
ただし、屋根上からの点検は専門的でかつ危険を伴ういます。
企業秘密にしておきたいことや、屋根工事業者向けの内容にもなってしまうため、詳しい点検方法は割愛します。

室内側からの点検は、十分な屋根裏スペースがなかったり、一番見たいところが見られなかったりすることが少なくありません。
また、見知らぬ人が室内に入ることに抵抗を感じるお客様も多いです。
そのため、テイガク屋根修理では屋根上からの点検で済ませることが多いです。

ドローンによる点検

ドローンによる点検をおこなう屋根工事業者が増えています。
ただし、ドローンを用いて屋根カバー工法ができるかどうかの判断はできません。
安全である一方、本質的なことがわからない調査なので意味がないともいえます。
屋根工事業者がドローンによる点検だけで屋根カバー工法をすすめてきた場合は、推測や経験に基づく提案だと思ってください。

現地調査は板金工事会社に

屋根カバー工法で仕上げる屋根材は金属屋根がよくつかわれます。
金属屋根を張り付ける工事をおこなう会社は板金工事会社です。
板金工事会社はスレートを張る工事も請け負えるので、屋根の構造を熟知しています。
屋根カバー工法の事前調査は、カバー工法の専門工事会社である板金工事会社の社員に診断してもらうとよいでしょう。

さいごに

まず、屋根カバー工法は野地板が良好であるうちにおこないましょう。
雨漏りや結露の影響で野地板がボロボロになっていれば、屋根カバー工法をおこなっても意味がありません。
築後20年~30年が屋根カバー工法をおこなう目安です。
ただし、一部のスレートには、築後10年前後で割れやめくれなどの不具合が顕著に発生することがあります。
その場合は、部分補修だけでは不十分なので、屋根カバー工法を検討してほしいです。
そして、台風などの被害が受けやす地域にお住いのかたは、耐風性能に強い屋根を用いて屋根カバー工法をおこなうことをおすすめします。

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この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
著者経歴

大阪府堺市生まれ。船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク屋根修理の記事を執筆しています。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は10,000棟を超えます。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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  4. さいごに