カラーベストへの葺き替えメリットとリフォーム単価

全記事 一覧 | 2016.05.28

目次

1.カラーベストとカラーベスト・グラッサの関係
2.カラーベスト・グラッサの再塗装について
3.カラーベストへのリフォーム
4.カラーベストのデメリット
5.カラーベストのメリット
6.定額屋根修理のカラーベスト葺き替え事例
7.まとめ

化粧スレートにはたくさんの種類があります。
商品ごとに品質や単価が異なり、デザインも様々です。
今回は化粧スレートのひとつ「カラーベスト」について、定額屋根修理のリフォーム実例と合わせて解説します。

カラーベスト

1.カラーべストとカラーベスト・グラッサの関係

カラーベストは屋根材メーカー最大手であるケイミュー株式会社が販売する化粧スレート屋根全般の総称です。
カラーベストは合計で12種類(2016年現在)のラインナップがあります。
そのラインナップの中に「コロニアル・シリーズ」があります。
「コロニアル・クァッド」と「コロニアル・グラッサ」「コロニアル・グランデグラッサ」の3種類の商品が販売されています。

特に「コロニアル・クァッド」が低価格で最も普及されているため、現在では一般に「コロニアル」と言えば「コロニアル・クァッド」を示します。

「コロニアル」は歴史が長く、流通量が圧倒的に多いため、「カラーベスト」は「コロニアル」とよく言い換えられています。
弊社のホームページでも「カラーべスト」や「化粧スレート」を「コロニアル」に置き換えて表示しています。

カラーベストとコロニアル、スレート屋根の違い

一方、ケイミュー株式会社の販売する屋根材に「グラッサ」の名称が付くものがたくさんあります。
「コロニアルグラッサ」「スペリアルIIグラッサ」「セイバリーグラッサ」「コロニアル遮熱グラッサ」「グランデグラッサ」「プラウドナチュラルグラッサ」などです。
実は「コロニアル・クァッド」以外の全ての商品名に「グラッサ」が付いてます。

「グラッサ」とは「グラッサコート」の略称で、屋根表面の特殊塗膜のことです。
グラッサコートを施した屋根は約30年経過しても、色あせがしにくい優れた耐候性が実証(ケイミュー独自試験)されています。
塗膜が3層構造にコーティングされているのが特徴で、下位品質の「コロニアル・クァッド」は2層構造です。
色あせの保証期間は「コロニアル・クァッド」が2年であるのに対し、「グラッサコートされたカラーベスト」は10年です。
詳細についてはこちら、ケイミュー株式会社の資料をご覧ください。

カラーベストグラッサの特徴

2.カラーべスト・グラッサの塗り替えについて

「グラッサコートされたカラーベストは塗り替えの必要がないのか?」
30年間は屋根の塗り替えなどのリフォームをしないで住み続けたい読者の方もたくさんいます。
この質問に対して明確な答えがありません。
理由は二つあります。
ひとつは「グラッサコートされたカラーベスト」の販売開始が平成16年で、十分な検証が行われていないこと。
そして、メーカーが発表している「メンテナンス時期の目安」と「保証」が短いからです。

メーカーカタログで「カラーベスト・グラッサ」は10年ごとに部分補修を含めたメンテナンスを推奨しています。
30年が経過した場合は、状況次第で部分補修、再塗装、もしくは交換することを推奨しています。
色あせ保証は10年です。

たしかに、従来の「コロニアル」に比べて色あせの保証期間は改善していますが、アイジー工業の「スーパーガルバリウム鋼板屋根:スーパーガルテクトフッ素」の色あせ保証は20年であり、ディートレーディングの「石粒付き金属屋根:ディプロマット」の色あせ保証は30年です。
「コロニアル・グラッサ」の耐候性に不安が残ります。

カラーベストグラッサの塗装の必要性 メンテナンス

3.カラーベストへのリフォーム

「カラーベストで屋根を葺き替えるのはお勧めしますか?」
原則、カラーベストを用いてリフォームすることはお勧めできません。
カラーベストはリフォーム工事によるメーカー保証が認められていないからです。
葺き替えだけではなく、重ね葺きも同様で、メーカー保証が認められていません。
(※弊社でカラーベストによるリフォームを行う際は施工保証のみとなります。)
新築物件のみメーカー保証が認められています。
カラーベストは新築の戸建て住宅専用屋根材と言い換えられます。

カラーベストはデリケートな素材であり、野地板が綺麗なフラットでなければ葺くことができません。
屋根面をフラットにするに費用と手間がかかります。

屋根の葺き替えリフォームでは成型ガルバリウム鋼板屋根の使用をお勧めします。
2016年10月、ケイミューは成型ガルバリウム鋼板屋根「スマートメタル」の取り扱いを開始しました。

ケイミューの持つブランド力を重視している読者の方は屋根のリフォームでは「スマートメタル」の使用をお勧めします。

カラーベストグラッサの葺き替え工事

4.カラーベストのデメリット

4-1.リフォームで使用すると工事費が高くつく

カラーベストは商品単価が安く、施工性も良いため、新築分野では最もお勧めできる屋根材です。
一方、カラーベスはデリケートな屋根材であるがゆえに、リフォーム分野では「野地板の張り替え」が必要になります。
カラーベストの単価が安くても、「野地板の張り替え」費用が発生するためカラーベストの工事費が高額なります。
屋根のリフォームを行う際、以下の工事方法で施工することがよくありますが、カラーベストを使用する際はメーカー保証が認めらないため「NG」です。

カラーベストの改修の下地

3-1-1.直接下葺き材張りカバー工法について

既存屋根の上に新しくカラーベストを重ね張りするカバー工法は認められていません。
カバー工法いついて詳しくはこちら
屋根の段差を完全に解消しない限り、カラーベストを新しく張っても、カラーベストのあばれや割れを生じさせます。
カラーベストリフォームの注意事項1

3-1-2.野地板増し張りカバー工法について

既存の屋根上に新しい野地板を増し張りして、新しいカラーベストを重ね張りするカバー工法は認められていません。

カラーベストリフォームの注意事項2

3-1-3.既存野地板の上にカラーベストを張る

既存の屋根材を撤去後、既存の野地板の上に新しくカラーベストを張ること認められていません。
経年劣化した下地は歪みやたわみが生じているため、カラーベストを新しく張っても、あばれや割れを生じさせます。

カラーベストリフォームの注意事項3

3-2.金属屋根より重い

カラーベストの重さは和瓦(陶器瓦)の約半分です。
既存の屋根がカラーベスト(コロニアル)の場合、新たにカラーベストを重ねて張ると和瓦相当の重量になります。
和瓦は建築基準法上「重い屋根」に分類されるため、住宅の構造計算に影響を及ぼします。
そのためカラーベストをカバー工法でリフォームすることは認められていません。
尚、ガルバリウム鋼板屋根の重さはカラーベストの1/4です。
住宅の耐震性の改善を最重視する場合、ガルバリウム鋼板屋根が最適であり、カバー工法によるリフォームもお勧めです。

3-3.断熱効果がない

カラーベストには断熱材がありません。
屋根の断熱効果を重視する場合は、赤外線反射塗料が配合された「コロニアル・遮熱グラッサ」の使用をお勧めします。
その他、断熱シートを張るなどの対策があります。
特に断熱シートと空気層、棟換気を組み合わせた「熱シャット工法」は最も断熱効果を高めることができる工事方法です。

カラーベストの断熱効果

4.カラーベストのメリット

カラーベストのメリットについて取り上げます。

4-1.色あせない(カラーベスト・グラッサシリーズのみ)

グラッサコートされたカラーベストは長期間の色持ちが期待できます。

4-2.カバー工法ができる(重ねられる側)

カラーベストはカバー工法によるリフォームができます。
カバー工法は費用対効果が高い屋根のリフォーム方法です。
和瓦やガルバリウム鋼板屋根(重ねられる側)はカバー工法ができないため、リフォーム工事は葺き替えのみになります。
カラーベストは他の屋根材と比べて屋根のリフォーム方法の選択肢が多い屋根材です。

4-3.ブランド力がある

ケイミューは化粧スレート市場の90%以上を占有しています。
ケイミューは松下電工とクボタが統合して設立された会社であり、技術力だけではなく歴史も長い会社です。
住宅メーカーや設計会社、施工店から絶大な信頼が得られている会社です。
尚、カラーベストは日本で製造されています。

4-4.施工性が良い

カラーベストは施工性が良く、施工できる会社がたくさんあります。
地震や台風などの災害時に早急な対処がしやすいメリットがあります。

4-5.低価格、種類・デザインが豊富

カラーベストは他の屋根材より低価格で施工ができます。
そして、毎年カラーベストのラインナップは増えています。
商品の特性や形、色が豊富に用意されています。
メーカーのホームページでは施工例がたくさん掲載されており、工事後のイメージがしやすいこともメリットになります。

コロニアル・グラッサ

6.定額屋根修理によるカラーベスト葺き替え事例

定額屋根修理でカラーベストを使用したリフォーム工事をご紹介します
お客様からのご要望があり、「カラーベスト・グラッサ」へ葺き替えました。

6-1.現場調査

既存の屋根瓦は積水化学工業株式会社が販売していた「セキスイかわらU」です。
「セキスイかわらU」はカバー工法ができるスレート系屋根材として人気を博した屋根材です。
私たち施工会社は「U瓦」や「セキスイ瓦」と略して呼ぶことが多く、セキスイ瓦は30年近く販売されていました。
しかし、ノンアスベストで再販売されたセキスイ瓦の中で不具合報告が多発する製品が流通し、現在ではセキスイ瓦自体が販売終了になっています。
セキスイ瓦の詳しい情報はこちらをご覧ください。
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6-2.下地調整

お客様からご要望をいただき「カラーベスト・グラッサ」へ葺き替えました。
一番の理由は長い歴史と実績がある証明された「松下電工」と「クボタ」の商品力とブランド力に信頼があったからです。
カラーベストはとてもデリケートな素材であるため、新築の屋根面のようなフラットな状態にしなけれればなりません。
メーカー保証をもらうためにも、下地の張り替えは必ず必要です。
ただし、通常のリフォームより手間がかかります。
経年劣化した既存屋根と下地を撤去し、下地を張り替え、垂木(たるき)で屋根面を調整し、更に下地を増し張りしました。
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6-3.ルーフィングシート張り

下地の上にルーフィングシートを張ります。
今回の現場は換気棟を取り付けるため、棟の頂部に換気用の穴を設け、防水処理を行いました。
カラーベスト自体に断熱効果がないため、空気層と換気棟を設けて、断熱効果と結露防止効果を高めます。
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カラーベスト本体張り

カラーベスト本体を張り、棟板金を取り付けて屋根のリフォーム完成です。
新築のような綺麗な屋根です。フラットで隙間のない、自画自賛したくなる綺麗な屋根です。
パチパチパチ!!
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7.まとめ

・カラーベストはKMEW株式会社が販売するスレート屋根全般の総称です。

・カラーベストは主に新築屋根で使用され、張り替えリフォームでの使用にはあまり向いていません。

・カラーベストを使用した屋根リフォームを行う場合、施工方法には様々な制約があり、メーカー保証がでないケースが多いです。

・カラーベスト・シリーズは12種類あり、品質やデザイン、価格は様々です。

・カラーベスト・グラッサと呼ばれる耐候性に優れた屋根材があります。

・カラーベストの価格帯は11,000円から12,600円と幅があまりないため、遮熱塗料が配合された「遮熱グラッサ」、石木調のシリーズ最高品質として販売している「プレミアムグラッサ」がオススメです。

・既存屋根がカラーベストの場合は、屋根カバー工法(重ね葺き)リフォームが適応可能です。
その際、カバー工法で使用される屋根材は「ルーガ」もしくは「ガルバリウム鋼板屋根(軽量金属瓦)」です。

定額屋根修理は常にお客様の利益に適う正しい情報をご提供することをお約束いたします。

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