屋根カバー工法をおこなう際は、相見積もりを取ることが常識です。
しかし、見積り書の金額だけで工事会社を決めてしまうのはNGです。
見積り書は契約書類のひとつであり、工事品質を裏付ける証拠になる書類だからです。
見積り書の細かい項目を読み解くことではじめて、どこの会社に工事を依頼するべきかがわかります。
このページでは屋根カバー工法の見積り書をテーマに、見積り書を比較する時のポイントを解説します。
目 次
※戸建て住宅のコロニアルに金属屋根を張る工事をモデルにして執筆いたしました。
屋根カバー工法の見積書の見方【解説動画】
屋根カバー工法の見積書の見方【解説動画】
屋根カバー工法の見積り書
こちらの画像はテイガク屋根修理がお客様に実際に提出した見積り書です。
工事の合計金額に目が移ってしまいますが、注目すべきは工事の合計金額ではありません。
次の項目で金額以外でチェックして欲しいポイントについて解説します。
見積り書でチェックするべき5つの項目
防水シートの商品名
屋根カバー工法は、防水シートをスレートに直接貼る工事からはじめます。
防水シートはルーフィング、下葺(ふ)き材ともよばれます。
防水シートは最終的に屋根からの雨漏りをふせいでくれる重要な役割を担っています。
屋根材よりも大切だといってよいでしょう。
なんとその防水シートは20種類以上もあります。
一番安く耐久性が低い防水シートは「アスファルトルーフィング940」です。
カバー工法の見積りでアスファルトルーフィングと書かれている場合は、この商品を指すので注意してください。
名前が紛らわしくなりますが、防水シートは「改質アスファルトルーフィング」以上の品質が望ましいです。
「改質アスファルトルーフィング」は「ゴムアス」よびます。
そして、改質アスファルトルーフィングも「紙質」と「布質」の商品があります。
布質の商品は30年以上の耐久性が期待できます。
田島ルーフィングのニューライナールーフィングがおすすめです。
このように防水シートにはグレードがあり、どの商品を選ぶかで屋根カバー工法の金額が変わります。
板金下地の種類
棟板金などの下に取り付ける下地材に注目してください。
新築時、板金下地には木がつかわれることが多いです。
しかし、木は雨水や結露の影響で腐ってしまうため、板金を留めている釘やビスが抜けやすくなります。
その結果、風で板金が飛ばされるという事故がよく起こります。
木ではなく腐りにくい素材の下地をつかうことで、不具合リスクが低減します。
板金の製造元
板金は屋根の軒先やケラバ、棟、壁際に取り付けます。
板金のことを役物(やくもの)とよぶ人もいます。
板金をメーカー純正品ではなく汎用品をつかうことで屋根工事価格を抑えられます。
しかし、メーカー純正品をつかわなければ、メーカーからの保証が得られません。
屋根本体の材質と違うものがつかわれていることもあります。
板金がメーカー純正品であるかどうかも、見積りを比較するためのポイントです。
板金と屋根本体の留め具
板金の留め具は鉄釘ではなく、ステンレスのビスをつかって欲しいです。
釘は風で抜けやすく、固持力がビスより弱いからです。
屋根本体も釘打ちが一般的です。
必須ではないですが、できれば屋根本体もビスをつかって張り付けたほうがよいです。
屋根材の商品名
屋根材はたくさんあります。
ひとつの屋根材しか紹介しないリフォーム業者が多いです。
ひとつの屋根商品に限定した方が仕入れ値を安くしたり、つかい回しをしたりできる経済的メリットがあるからです。
しかし、金属屋根の製造会社や輸入販売会社は20社以上あり、商品は100種類以上あります。
商品ごとに断熱材の種類、断熱材の厚み、鋼板の種類、鋼板の厚み、塗膜のグレード、遮熱塗料仕様の有無、生産国、メーカー保証などが異なり、当然、価格も異なります。
屋根材の商品名を確認し、各商品の特徴を比較するようにしましょう。
見積り書でチェックしなくていい項目
工事の合計金額
前項目のように、屋根カバー工法は素材と仕上げ方で工事金額が大幅に変わります。
まずは手元にある見積り書を読み取ったうえで、工事金額が適正であるか判断しましょう。
工事の金額合計だけで屋根工事業者を選んでしまうのは危険です。
割引金額
キャンペーンや決算などを口実にした大幅な値引きは、営業手法に過ぎません。
惑わされないようにしましょう。
見積り書で読み取れない項目
工事保証の内容・期間・免責
見積り書では工事保証の内容や、期間、免責が読み取れません。
思いもよらない落とし穴が隠されているかもしれません。
最低でも工事保証年数と保証対象は契約前に確認しておきましょう。
工事開始日
見積り書には工事開始日が書かれていないことが多いです。
特に大規模な自然災害後はすぐに工事ができないはずです。
いつ開始の工事になるか、契約前に確認をしましょう。
屋根カバー工法の相見積りについて
相見積り取り過ぎに注意
相見積りを取り、各業者が出す見積り書を比較したうえで屋根工事会社を決定します。
しかし、相見積もりを取り過ぎると情報過多におちいり、判断力が低下するおそれがあります。
相見積りを取る会社は2社~4社がおすすめです。
足並みをそろえた見積りを依頼
屋根工事会社の判断にゆだねるのではなく、お客様があらかじめ工事内容をリクエストしたうえで相見積りをするとよいでしょう。
同じグレードの見積り書であれば比較検討しやすいはずです。
屋根カバー工法であれば「ニューライナールーフィングでスーパーガルテクトをつかい、板金はメーカー純正品で腐りにくい素材の下地をつかった見積り書をお願いします」。といった感じでリクエストしてください。
屋根カバー工法は板金工事会社へ
金属屋根の屋根カバー工法をおこなうのは板金工事会社です。
丁寧かつ適切な見積り書を望まれるかたは、板金工事会社に相談しましょう。