屋根リフォーム工事の保証は大きく3つあります。
「屋根材メーカーの保証」と「建設会社の保証」「かし(瑕疵)保険による保証」の3つです。
このうち「屋根材メーカーの保証」と「建設会社の保証」はお金がかかりません。
一方、「かし(瑕疵)保険による保証」は、消費者が有料でお金を支払って得られる保証です。
このページではこれからリフォームをおこなう予定の方へ向けて、リフォーム保証について解説します。
屋根材メーカーの保証
メーカーと屋根材ごとに保証年数が異なる
屋根材の保証年数は、屋根材の種別とメーカーで異なります。
屋根材 | 会社 | 保証期間 | 保証内容 |
---|---|---|---|
陶器瓦 | 鶴弥株式会社 | 60年 | 変質による割れ等 |
SGL鋼板 | アイジー工業等 | 25年 | 穴あき |
石粒付き鋼板 | リクシル等 | 30年 | 穴あき |
スレート | ケイミュー | 10年 | 雨漏り |
樹脂繊維セメント | ケイミュー | 10年 | 雨漏り |
シングル | 田島ルーフィング等 | 10~40年 | 雨漏り |
保証対象は消費者ではなく工事会社
保証対象は消費者ではなく工事会社に対して保証されます。
ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社、不動産会社を経由して消費者に屋根材メーカーが補償をおこないます。
つまり、依頼先のリフォーム会社が廃業した場合、その時点で保証書は紙くずになります。
これは屋根材だけではなく住宅建材の多くに共通する事実です。
そのため、屋根材に不良が生じているにもかかわらず、建設会社が廃業をしていて保証が受けられないといったケースがよくあります。
建設会社は景気の影響を受けやすく、思っている以上に廃業・倒産リスクは高いです。
屋根で重要な役物を保証しているメーカーは少ない
役物とは屋根本体以外の屋根部材のことです。
金属製品のため、板金役物とよばれることがあります。
屋根の機能維持において屋根本体よりも役物の方が重要だと筆者は評価しています。
錆びやすく屋根の不具合が多い部位として、「棟板金」や「ケラバ板金」「軒先板金」「谷どい板金」があげられます。
どれも雨漏り原因になりやすい屋根部材です。
残念ながら役物を含めて保証しているメーカーが少ないです。
改修工事では保証が付かない屋根
スレート屋根は改修工事(リフォーム)では保証が付きません。
保証基準に「新築のみ」と明記されています。
スレート屋根は新築専用の屋根であると言い換えられます。
理由は築年数が進んだ屋根では、平滑性が担保されないためだと筆者は評価しています。
スレート屋根は硬く平べったい屋根であり、歪んだ屋根に用いると割れてしまう恐れがあります。
そもそも価値がないメーカー保証
「代替商品として屋根材1枚だけ渡されても困りませんか?」
筆者は、代替品の無償提供はほとんど価値がない保証だと思っています。
多くの会社が代替品の無償提供です。
錆が発生して穴があいた場合、錆が発生した部分の屋根材1枚だけを用意されても消費者は困るはずです。メーカー保証ではどこまで何を保証してくれるのか、内容をしっかり押さえておきたいです。
1材料の部分提供だけなのか
2屋根全体の商品を支給してくれるのか
3屋根の施工まで保証をしてくれるのか
保証内容をウェブサイトで明記しており、消費者が安心できる情報を発信している屋根材メーカーの商品をおすすめしたいです。
テイガクのホンネ
代替品の無償提供はまったく価値がない保証です。
屋根の再施工を伴わないのであれば、意味がないとも言えるのではないでしょうか。
そのような中で、30年や60年などのメーカーの保証合戦が繰り広げられています。
保証対象の「建設会社」が30年後も存続している確率は数パーセントでしょう。
あってないようなものと思わざるを得ません。
全体的に国産の屋根メーカーは、消極的というか堅実という印象です。高い品質と適正な保証を定めていることが評価できます。
一方で、輸入品の屋根は、国産に比べて品質は劣るものの、保証期間が長さと価格の安さで勢いを増している印象があります。
(特に国産のケイミューの屋根はとても優れているのに、消極的過ぎると筆者は思っています。)
保証期間=耐久性の優劣を判断するものでは決してありません。
屋根材の保証などはどうでもよく、屋根工事会社の信頼性や板金役物の質や構造にこだわってほしいです。
リフォーム会社の保証
工事会社の保証
工事保証は工事会社が完成物の責任を負う保証です。
屋根カバー工法で10年などの工事品質を担保してくれます。
保証期間や保証内容は工事会社によってさまざまです。
工事会社の保証内容は現地調査の際、もしくは相見積もりの査定の際に確認をしましょう。
ハウスメーカーの囲い込み
ハウスメーカーの工事請負契約書があればその内容を確認をしてください。
外部のリフォーム会社が少しでも手を加えただけで、建物全体の保証が無効となる契約になる場合が多いです。
住宅購入時には10年後や20年後のメンテナンスの縛りについて、ほとんど気に留めていなかったのではないでしょうか。
ハウスメーカーは引き渡し後のメンテナンスを自社工事(指定工事会社・子会社)で請け負うことでさらに利益を生み出すシステムを構築しています。
ハウスメーカーが設ける30年長期保証や生涯保証といった保証は、消費者が他の工事会社に工事を依頼させないための囲い込みに過ぎません。
ハウスメーカー経由の屋根工事や外壁塗装工事は、下請けの専門工事会社への外注になります。
ハウスメーカーの正社員が屋根にのっぼって作業をするようなことはありません。
直接専門工事会社に依頼をすれば100万円で済む工事が150万円近くかかってしまったといった例はよくある話です。
もちろん、ハウスメーカーのブランド力や営業担当者の信用力もあります。
しかし、ハウスメーカーのビジネスモデルを理解しておくことも大事なことです。
特別な機材を用いて調査をすることや、メーカー指定の資材を用いなければダメだといった理由づけは、顧客を囲い込むための営業手法の可能性があることを知っておきましょう。
定期点検=営業目的
「アフターサービスがしっかりしているリフォーム会社は安心です」。
といった言葉をよく耳にします。
筆者からすると5年や10年で点検が必要になる工事に疑問を感じます。
定期点検をおこなう理由は、定期点検をきっかけとした営業活動をおこないたいからです。
ハウスメーカーの10年点検がいい例です。
建築後10年目の点検で外壁塗装や水回りのリフォームをしきりにすすめられるはずです。
次にご紹介する動画は、テイガクのYouTube動画ではありませんが、定期点検や無料点検で、お客さまがどのような思考に陥るのかが理解できる内容です。
動画もマンガ仕立てで分かりやすいので、読者の方に見てもらいたいぜひ見ていただきたいです。
決まった期間で定期的に点検へ来てもらうより、「気になった時にすぐに来てくれるリフォーム会社」の方が良いリフォーム会社ではないでしょうか?
テイガクのホンネ
20年以上の事業を継続しているリフォーム会社にリフォームはお願いすることおすすめしたいです。20年も経過していると、良いことも悪いことも、数え切れないほど経験してきています。創業から5年未満の会社の10年保証と、20年経過している会社の10年保証では重みが全く違うのではないでしょうか。
リフォームかし保険
リフォームかし保険とは?
リフォームかし保険とは、国土交通大臣が指定した「瑕疵保証担保責任保険法人」によるリフォームによるトラブルから消費者を守るための保険です。
保険加入のための保険料は多くの場合、消費者が有料でリフォーム前に支払います。
「瑕疵保証担保責任保険法人」は5社(民間のリフォーム会社が加盟できる保険法人)あります。
保険の適用を受けるにはリフォーム会社が「瑕疵保証担保責任保険法人」に加盟する必要があります。
テイガク(昭和ルーフリモ株式会社)は株式会社あんしん保証に加盟しています。
リフォームかし保険の保証期間と料金は?
リフォームかし保険の保証は工事内容によって変わり、屋根工事の保証期間は5年で外壁塗装の場合は1年です。
保険料金は工事金額によって変動します。
200万円の工事で約5万円です。
テイガクのホンネ
5年のために数万円の保険料を支払うことは、あまり現実的ではありません。
かし保険は新築工事もしくは大規模な改修工事をおこなう時に用いるのが一般的です。
テイガクの屋根と外壁工事保証
テイガクの工事保証については、下記のページをご参照ください。
工事保証についてご質問がございましたら、現地調査やお見積もりの際にお気軽にご相談ください。