金属屋根に金属屋根のカバー工法はできるのか?
金属屋根の上に金属屋根を張って仕上げる屋根カバー工法をおこなうことは可能です。
ただし、金属屋根の形は「横葺き」と「縦葺き」の2種類があります。
それぞれの屋根の特性とあらかじめ把握しておきましょう。
横葺き金属屋根(戸建て住宅)
横葺き金属屋根は横方向に張る金属屋根屋根です。
リフォームで用いる屋根として最もポピュラーな金属屋根です。
断熱材が金属屋根の裏側に貼り付けられた「断熱材一体型」と「断熱材がない金属だけの横葺き金属屋根」があります。
基本的に横葺き金属屋根は屋根カバー工法を避けてほしいです。
ただし、断熱材がない金属屋根は、屋根の商品や状況に応じて屋根カバー工法をおこなうことが可能です。
屋根の状況を適切に判断できる工事会社に工事の可否を確認してもらってください。
なお、テイガクでは断熱材一体型の金属屋根に屋根を被せる工事は不可しています。
縦葺き金属屋根(戸建て住宅)
縦葺き金属屋根は屋根の流れに沿って縦方向に張る金属屋根です。
代表的な形状が瓦棒(かわらぼう)とよばれる屋根で、現存するトタン屋根の多くが瓦棒です。
凸っとした突起物があるのが特徴の形状です。
凸っとした突起物の中には芯木とよばれる木の棒が入っています。
一方で、芯木がなく屋根を折り曲げ加工させた立平(たてひら)とよばれる屋根があります。
新築の戸建て住宅でよく採用されています。
いずれの屋根も屋根カバー工法をおこなうことは可能です。
ただし、野地板を敷いたうえで屋根カバー工法をおこなう必要があります。
そのため、縦葺き金属屋根のカバー工法はコストパフォーマンスが悪いです。
ガルバリウム鋼板でカバー工法
基本的に耐久性能が認められたガルバリウム鋼板を用いて屋根カバー工法をおこないます。
最近はガルバリウム鋼板よりも耐久性能が高いエスジーエル鋼板(ZAM鋼板)を用いることが増えています。
横葺き金属屋根では断熱材一体型の金属屋根を用いることが多いです。
縦葺き金属屋根では立平を用いることが多いです。
もちろん、トタンを用いることは原則ありません。
波型トタンは張り替え
縦葺きの金属屋根のうち、鋼板の断面が波型になっている波型トタンは原則カバー工法ができないです。
張り替えることをおすすめします。
折板屋根はカバー工法
折板屋根の上に折板屋根を被せる工事は、よくおこなわれています。
カバー工法ができる期間とカバー工法のメリット
横葺き縦葺きともに30年
基本的には30年が過ぎた金属屋根は、横葺き縦葺きともに屋根を張り替えることをおすすめします。
築後30年以上が過ぎた多くの金属屋根は屋根の劣化が進行しているはずです。
雨漏りが発生している場合は、下地の腐食が進んでいるためカバー工法ができないと判断してください。
また、トタン屋根のような縦葺き屋根の上にカバー工法をおこなう時は、先述のとおり、野地板を張る工程が必要です。
コストパフォーマンスが悪いため、トタン屋根はカバー工法ではなく、張り替え工事を前提に改修工事を検討してください。
屋根カバー工法のメリット
トタン屋根のような縦葺き屋根は屋根からの熱が直接、屋根内部へと伝わるため、お部屋が過ごしにくいです。
また、エアコンの効きもよくなりません。
しかし、屋根カバー工法をおこなうと、トタン屋根の凹部分が空気層となるため、一定の断熱効果が得られるようになります。
トタン屋根にカバー工法をおこなう唯一のメリットです。
部分的に板金を重ねて張る修理
街中で部分的にトタン屋根を修理している光景を見かけます。
部分張りは応急処置としての意味合い強いです。
長期的な屋根の維持という点では、耐久性に不安が残ります。
将来の居住予定年数などを踏まえた上で、部分張りをおこなうか検討してください。
屋根カバー工法の手順
屋根工事前
築35年のトタン屋根です。
下地補強
芯木を新たに屋根の上に沿わせて、屋根の下地を組みます。
野地板張り
新しい芯木を下地にして野地板を張ります。
構造用合板を用います。
野地板の下に空気層ができます。
空気層が断熱効果をもたらせてくれます。
ルーフィング貼り
防水シートであるルーフィングを野地板の上に貼ります。
この日は真夏だったので、田島ルーフィングのタディスセルフホワイトを使用しました。
屋根工事完成
金属屋根を仕上げます。
ガルバリウム鋼板の立平葺きで屋根を仕上げました。
カバー工法のご相談は板金工事会社へ
カバー工法で用いる金属屋根は板金工職人が施工をします。
金属屋根にカバー工法ができるかどうかの判断は経験豊富なものでなければ判断が難しいです。
これから金属屋根のカバー工法をご検討の方は、板金工事会社に直接ご相談されることをおすすめします。
ト屋根カバー工法はテイガクのような板金工事会社にご相談ください。
お見積りは無料です。