松下電工の屋根材「レサス」の正しいリフォーム方法

レサスとは?

不具合が多いスレート屋根

レサスは旧松下電工が平成18年まで発売していたスレート屋根です。
レサスの素材はセメントを固めたものであり、アスベストは含まれていません。
割れ」や「欠け」などの不具合がよく発生する屋根材として知られています。
不具合の理由は、他のノンアスベスト屋根と同じです。
発売当初のアスベストを含めていないスレート屋根の製造技術は不十分でした。
ニチハの「パミール」やクボタの「コロニアルNEO」に次いで不具合が多い印象があります。

屋根材レサスについて

屋根材レサスについて

築後15年前後で不具合顕在化

筆者が持つレサスのイメージは、築後15年程度で欠けもしくは割れが多く発生する印象です。
「パミール」や「コロニアルNEO」よりも欠けの程度は顕著に現れる傾向があります。
また、塗装をしていない場合よりも、塗装をしているレサスの方が不具合が多い印象です。
屋根の割れが気になるから見に来て欲しいと言われて現地に伺った際、レサスの場合はたいてい、屋根塗装が一度されています。

パミールのリフォーム方法

パミール 屋根

レサスの塗装は意味がないどころか逆効果

レサスに塗装をおこなうことは全く意味がありません。
お金の無駄遣いです。
ちなみに、スレート屋根に塗装をおこなうこと自体、筆者は全く価値がないと思っています。

レサスは割れやすく欠けやすい、ぜい弱な屋根です。
そのような屋根に塗装をしたところで、屋根が長もちするはずはありません。
むしろ、屋根にのぼって高圧洗浄などの作業をすることで、屋根に負荷を与えてしまうことになり逆効果となってしまいます。

スレート屋根の塗装は意味がない理由

スレートの屋根に塗装をおこなう必要がない理由

レサスの特徴と見分け方

レサスの特徴

レサスの見分けは簡単です。
1枚が3つのブロックに分かれていて、縦にスリットがあります。
スレート屋根はどれも同じように見えますが、実は、形に特徴があります。
画像の形の屋根を見た場合は、注意が必要です。

レサスの屋根には上らないで!

レサスの屋根には上らないでください。
人の重さだけで簡単に踏み割ってしまう恐れがあります。
割った勢いでレサスが滑り出し、屋根からの転落事故に至ります。
これは、パミールやコロニアルNEOなどのノンアスベスト屋根すべてに共通します。

レサスのリフォーム方法

カバー工法

コストパフォーマンスを重視される人は、カバー工法によるリフォームを検討してください。
基本的には金属屋根を張って仕上げます。
昔はガルバリウム鋼板の屋根を張って仕上げることが多かったのですが、最近はガルバリウム鋼板を改良させたエスジーエル鋼板が金属屋根の主流です。
野地板保護やお部屋の環境改善のために、断熱材一体型の製品を選んでください。
カバー工法をおこなう場合、野地板の長寿命化のために、換気棟の取り付けを忘れないようにしましょう。

断熱材一体型エスジーエル鋼板屋根「スーパーガルテクト」

スーパーガルテクト

葺き替え(ふきかえ)

予算がある人には、葺き替え工事をおすすめいたします。
原則、葺き替え時は、屋根材の下にある野地板も新しくしてください。

野地板とは?

野地板とは

筆者から読者の方へ

レサスでお困りの人は、既に1度、屋根塗装をしている人が多いです。
屋根塗装をにかけた費用は無駄だったと気づいたことでしょう。

なぜ問題がある屋根だと教えてくれなかったのか?
このように思われている人がいるはずです。

塗装工事を主体にしている会社の中には、屋根材の知識が乏しい業者が存在します。
レサスの不具合が問題視されるようになり、最近になってようやく、塗装工事会社に知れ渡るようになりました。

ただ単に屋根材の知識が無かった。
ということです。

本当に屋根について詳しいのは屋根材を取り扱う業者です。
屋根を張る業者です。
瓦やスレート、金属屋根を張って仕上げる業者が屋根の問題点を一番理解しています。
レサスの一番の解決策は、金属屋根を用いる工事です。
ご自宅がレサスの屋根であった場合、まずは板金工事会社にご相談されることをおすすめします。

絶対に再塗装をおこなうことは避けてください。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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