ガルバリウム鋼板の色選びのポイント
リフォームでも新築でも、ガルバリウム鋼板の屋根材と外壁材を用いる機会が増えています。
しかし、実際に工事を進めると、「はじめに思っていた仕上がりのイメージとは違う」といった結果になることがあります。
色選び方に悩む方も多いはずです。
金属屋根と金属外壁工事の専門家であるテイガクがこれまでの経験を元に、ガルバリウム鋼板の色選びのポイントや遮熱効果、メンテナンスについて解説します。
シュミレーションで色決め
商品化されたガルバリウム鋼板の外壁材は、シミュレーションができます。
建物外観がどのようになるのか、イメージがつきやすいです。
金属サイディングメーカーがシミュレーションソフトを施工業者に提供してくれます。
簡単に商品や色の切り替えができるため、有効活用しましょう。
ただし、屋根の色はシュミレーションできません。
色の種類のポイント
ガルバリウム鋼板の色の種類は、たくさんありますが、以下のようなポイントがあります。
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「鋼板から成型加工する屋根材と外壁材」に比べて「商品化されたメーカーの屋根材と外壁材」は色の種類が少ない
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「商品化された屋根材と外壁材」とでは、屋根材のほうが色の種類が少ない
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メーカーによって色のラインアップが変わる
鋼板から成型加工する屋根材と外壁材の色
「鋼板から成型加工する屋根材と外壁材」とは、具体的には「縦葺きの金属屋根」や「工場や倉庫に張る金属サイディング」があたります。
下記はJFE鋼板の「極み-MAX」とよばれる鋼板のカラーバリエーションの一部です。
テイガクが立平屋根(縦葺き金属屋根)を施工する時によく用います。
「極み-MAX」は2023年現在、17種類あります。
メーカーのサイトでガルバリウム鋼板の商品ページを確認して見ましょう。
お好みの色が見つかるかもしれません。
商品化された外壁材の色
「商品化された外壁材」とは、建材メーカーが成型加工した金属サイディングのことです。
具体的にはアイジー工業やニチハ、旭トステム外装の金属サイディングがあたります。
商品化されたガルバリウム鋼板の外壁材は、断熱材一体型の製品が多いです。
商品ごとにカラーバリエーションが異なります。
下記はアイジー工業の金属サイディング、ガルステージシャインのカラーバリエーションです。
11種類あります。
商品化された屋根材の色
「商品化された屋根材」とは、建材メーカーが成型加工した屋根材や、輸入品の屋根材のことです。
具体的にはアイジー工業やニチハ、ディートレーディング、リクシルの金属屋根があたります。
屋根材の色は外壁材よりもバリエーションが少ないです。
色を選ぶ時に押さえて欲しいこと
外壁と屋根の選ぶとき、基本手には外壁の色を決めてから、屋根の色を決めることをおすすめします。
外壁の方がラインアップが多いため、お好みの外壁の色に屋根の色を合わせる手順で色を決めるとスムーズに色が決められます。
色選びで失敗しないためには?
カットサンプルで確認
商品化された外壁材や屋根材は、カットサンプルを手に入れることができます。
カタログやウェブサイトだけで色を選んでしまうと失敗する可能性があります。
シミュレーションだけではなく、カットサンプルも活用してください。
フッ素鋼板
上記の写真は筆者が撮影した 18年経過したフッ素鋼板の屋根です。
フッ素塗膜の鋼板は、ほとんど色あせが進行しません。
これからガルバリウム鋼板の外壁と屋根の工事を検討されている人には、フッ素であるかどうかも、おさえほしいポイントです。
通常のポリエステルよりもフッ素は価格が高いこと、フッ素の原材料の共有抑制によりカラーバリエーションが少ない問題があります。
しかし、せっかく入念に選んだ色が色あせするのは残念です。
30年経過したフッ素塗膜の実力
ガルバリウム鋼板の色による遮熱効果は?
ガルバリウム鋼板の色によって、遮熱効果が変わります。
明るい色は遮熱効果が高く、暗い色は遮熱効果が低く熱くなりやすいです。
ガルバリウム鋼板に製造会社は、各鋼板の色の日射反射率をデータ化しています。
夏の暑さ改善を期待されている人は、日射反射率を参考に屋根の色を決めてください。
遮熱塗料よりも色が重要
工場や倉庫の夏の熱負荷対策として、遮熱塗料の有無と色の違いによる遮熱効果を調べた研究結果です。
文献では塗料による遮熱効果の差異は低く、色による遮熱効果の差異が大きかったことを強調しています。
遮熱効果を期待する場合は、遮熱塗料よりも色に注意を払うことが求められます。
遮熱効果が高い色は?
遮熱効果が高い色はシルバー・グレーの2色です。
ホワイトも日射反射率が高い色ですが、汚れが目立ちます。
寒さ対策と光熱費抑制には暗い色
ブラックやネイビーなどの暗い色は熱の吸収が大きいため、室内が暑くなりやすいです。
寒冷地にお住まいの人には、寒さ対策として暗い色をおすすめします。
暗い色と明る色の家にかかる年間光熱費は(場所にもよりますが)、冷房より暖房の方が電気料金が高いため、暗い色の方が電気料金が抑えられるといった評価もあります。
世間では遮熱塗料で環境対策といった宣伝がなされています。
実際は、逆効果なのかもしれません。
【外壁の色】白系がいいのか?黒系がいいのか?どっちなの!?
色で変わるメンテナンスのタイミング
色によるメンテナンスの違い
暗い色は太陽の光が吸収されやすいため、色あせが進みやすいです。
つまり、屋根と外壁のメンテナンスが必要になるスピードが明るい色に比べて早くなります。
筆者の感覚ですが、赤が混じったブラウンやレッドは、比較的、色あせが早いイメージがあります。
いっぽう、グレーは(もともと色あせしているような色なため)退色が遅いです。
言うまでもないことですが、外壁より屋根の方が色あせが早いです。
塗料メーカーの期待耐候年数では、同じグレードの塗料であっても屋根は外壁の半分程度の色もちで設定されています。
たとえば、外壁のシリコン塗料は12年の色もちですが、屋根は半分の6年程度です。
ガルバリウム鋼板おすすめの色と人気色
テイガクが施工をして良かったと感じたガルバリウム鋼板の色の実例を3パターン取り上げます。
最近の傾向としては、「暗くてシックな色」「木目調」「愛車に合う色」が人気です。
画像中央の アイコンを左右に移動すると、画像の比較ができます
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ガルバリウム鋼板の色はバリエーションが豊富なので、この記事が色選びの参考になれば幸いです。
テイガクでは、金属屋根工事はもちろん、金属サイディングも専門におこなっていますので、お気軽にご相談ください。