奈良市 I 雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替え

奈良県奈良市のお客さまから、屋根のメンテナンスについてご相談いただきました。
築年数は20年の建物で、既存の屋根材はニチハのパミールAです。

パミールは1996年から2008年にかけて販売された屋根材です。このころ、アスベストの屋根材への使用が禁止されるようになったため、パミールにはアスベストが使用されていません。
健康被害のあるアスベストが不使用である、ということで、良い印象を持たれる方も多いと思いますが、アスベストは建材として非常に優秀であったため、ノンアスベスト切り替え直後の製品には不具合が多数報告されています。
パミールも不具合のある屋根材のひとつで、築後10年程経過すると、スレートの層が剥離してめくれ上がる「ミルフィーユ現象」を引き起こします。

さて、今回のパミールAですが、パミールAはパミールの上位品です。
パミールとフォルムが異なり、よく流通しているパミールよりも屋根にスリットが多くあり、上品な雰囲気を醸し出します。しかし不具合はパミールと同様で、層間が剥離するミルフィーユ現象を起こします。
現場調査をおこなったところ、築20年のお客さま宅屋根にもミルフィーユ現象が顕著に現れていました。
パミールの上位品といっても素材そのものは変わらないため、不良品と言わざるを得ません。劣化した時の見た目はとてもひどいです。

このようにパミールは素材そのものが不具合を起こし、内部から劣化するので、塗装によるメンテナンスはできません。
そのためメンテナンスの際には、「屋根カバー工法」か、「葺き替え」をおこなうことになります。
今回のお客さま宅では「葺き替え」をおこない、屋根全面を新規の金属屋根材で葺き替え、機能回復させる運びとなりました。

今回は屋根のケラバ(雨どいがついていない方の屋根の端)付近で雨漏りもあるとのことで、屋根裏も調査したところ、野地板やルーフィングシートがかなりダメージを受けていることが判明しました。そのため、垂木補強もおこなっております。
貫板も腐っていたため、新規のものに替えました。テイガクでは木製下地のうえに金属の下地を取り付けるため、腐食や変形の心配がなく、棟の不具合の心配もかなり軽減されます。

アイコン テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)の強度について

テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)は「価格の安いガルバ」と「錆に強いアルミ」の2種類からお選び頂けます。
アルミは、異種金属接触の腐食を考慮した板厚(1.3mm)で設計し、表面にはアルマイト処理(絶縁処理)を施しています。
これまでの数多くの失敗と経験から生まれたテイガクのオリジナルの下地材です。
詳細はこちら

その他、今回の工事では、シーリングの打ち替えと外壁付帯部の塗装も実施しました。

テイガクは屋根の適切な工事はもちろん、外壁のメンテナンスも得意な会社です。
屋根・外壁でお困りのことがございましたら、ぜひテイガクへご相談ください。
現場調査からお見積りまでは無料でおこなっております。

奈良市 I 雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替え

BEFORE

現場調査①

現場調査時の屋根
現場調査時の屋根

奈良県奈良市のお客さまから、屋根のメンテナンスについてご相談をいただきました。
ご相談をいただいた時点で、弊社担当者が現場調査に向かい、無料でお見積りをいたします。

写真はお客さま宅屋根の現場調査時の写真です。
お客さま宅は築後20年が経過しており、屋根材としてニチハの「パミールA」が使用されていました。
「パミールA」はよく流通しているパミールの上位品で、パミールよりも屋根にスリットが多くあり、新築時は上品な雰囲気を演出してくれます。

しかし、ノンアスベスト切り替え直後の製品で不具合のあるパミールと素材そのものは変わらないため、パミールと同様の不具合を起こします。
今回のお客さま宅ではケラバ付近で雨漏りがあったようですが、全面が写真のように劣化していました。
【ニチハ屋根材】パミールの正しいリフォーム方法

現場調査② ミルフィーユ現象(層間剥離)

屋根材の先端部分でスレートの層がめくれ上がる「ミルフィーユ現象(層間剥離)」
屋根材の先端部分でスレートの層がめくれ上がる「ミルフィーユ現象(層間剥離)」

パミールAの不具合は近くで見るとよりはっきりします。
パミールやパミールAは写真のように屋根材の先端部分でスレートの層がめくれ上がる「ミルフィーユ現象(層間剥離)」を引き起こします。
お客さま宅屋根でもこのミルフィーユ現象が顕著に現れていました。
このまま放置していると、見た目の印象が悪いだけでなく、お客さま宅で見られたような雨漏りや、雨水浸入による家屋全体の劣化につながります。

現場調査③

現場調査時の屋根
現場調査時の屋根

ここまで見てきたように、パミールは素材そのものが内部から劣化するため、塗装によるメンテナンスをしても効果はありません。
そのため、屋根カバー工法か葺き替えによりメンテナンスをおこないます。
今回は「葺き替え」によりメンテナンスをおこなう運びとなりました。
屋根全面を耐久性に優れた新規の金属屋根材で葺き替え、屋根としての機能を回復させます。

現場調査④ 屋根裏調査

屋根裏の様子
屋根裏の様子

お客さま宅ではケラバ付近で雨漏りが生じているとのことでした。
そのため、 屋根裏も調査しました。

現場調査⑤ ケラバ付近の雨漏り

ケラバ付近
ケラバ付近

ケラバとは、雨どいのついていないほうの屋根の端を指します。
雨漏りしているケラバ付近のパミールAとルーフィングを剥がして調査したところ、雨漏り部の野地板がズタズタで毛羽立っている状態になっていることがわかりました。
ルーフィングシートもボロボロです。
パミールAの劣化によって雨水が侵入し、長年にわたってこの状態を作ってきたのだと思われます。
屋根本体の経年劣化からの雨漏り

葺き替え工事開始 垂木補強

補強
屋根面を支える垂木を補強

現場調査と無料お見積りの結果、お客さまとの契約まで進みましたら工事開始です。
まずは野地板を剥がし、屋根面を支える垂木を補強します。

野地板補強

補強
新規の野地板を部分的に張って補強

垂木補強後、再度、新規の野地板を部分的に張ります。

ルーフィングシート張り付け

ルーフィング
ルーフィングシートの張り付け

垂木や野地板など、屋根を支える下地の部分を補強したら、旧屋根材のパミールAを撤去していきます。
その後、屋根面がフラットな状態になったら、写真左下に見えている、ルーフィングシートを張り付けていきます。

ルーフィングシートは防水シートの役割をもつ建材です。
万が一強い雨風が吹き付け、屋根本体から雨水がしみだしてきたとしても、このルーフィングシートが全てブロックして家屋へ浸入させません。

防水のために非常に重要な建材であるため、さまざまな種類のものがあります。
今回はさまざまあるルーフィングシートの中でも、田島ルーフィングの「ニューライナールーフィング」を使用しました。
ニューライナールーフィングは改質アスファルトという素材からできており、防水性・耐久性共に最高級の品質を誇る下葺材です。
ルーフィングについて詳しくはこちら

新規金属屋根材張り付け

金属屋根
金属屋根材を張り付け

屋根全面にルーフィングシートを張り付けたら、その上から新規の金属屋根材を張り付けます。
新規の金属屋根材として使用したのは、アイジー工業の「スーパーガルテクト」です。
スーパーガルテクトはSGL鋼板という優れた金属からできており、抜群の耐久性を誇ります。
断熱材と一体となった構造のため、高い断熱性も備えています。

このスーパーガルテクトは全面ビス留めし、さらに「嵌合式」という屋根材同士を嵌め合う施工方法で取り付けるため、耐風性能も非常に高くなっています。

工事前の貫板の様子

工事前の貫板
工事前の貫板

こちらは一度さかのぼって、工事前の棟の様子です。
棟板金の中に入っていた古い杉の貫板は腐っており、真っ二つに割れていました。
このように、棟板金を支える貫板が腐食したり変形したりして釘が抜けると、強い風が吹いた際、棟板金がめくれたり飛散したりするおそれがあります。
万が一棟板金が飛散して人にあたったりすると大変危険です。
そのため、棟も下地から新しくしてリフォームしていきます。

棟の雨仕舞

板金を支える木製の下地を取り付け
板金を支える木製の下地を取り付け

スーパーガルテクトを全面に張り付けたら、棟の雨仕舞(雨漏り防止処置)をしていきます。
最終的に板金を取り付けて雨漏りのないように施工していきますが、まずはその板金を支える木製の下地を取り付けていきます。

エスヌキ(テイガクオリジナルの金属下地)取り付け

金属下地
金属下地を取り付け

木製の下地を取り付けたら、その上から金属製の下地を取り付けていきます。
この下地は腐食したり変形したりすることがほとんどないため、長い間棟板金をしっかり支え、棟板金飛散のリスクを最小限に抑えてくれます。
金属製の下地はテイガクオリジナルの工事です。

アイコン テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)の強度について

テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)は「価格の安いガルバ」と「錆に強いアルミ」の2種類からお選び頂けます。
アルミは、異種金属接触の腐食を考慮した板厚(1.3mm)で設計し、表面にはアルマイト処理(絶縁処理)を施しています。
これまでの数多くの失敗と経験から生まれたテイガクのオリジナルの下地材です。
詳細はこちら

下り棟の様子

金属下地
金属下地を取り付け

大棟だけでなく、下り棟にも同じように丁寧に施工していきます。

外壁と屋根の取り合い部

取り合い部
取り合い部に板金を取り付けるための下地を取り付け

外壁と屋根の取り合い部は、外壁と屋根材がつながる部分であるため、雨漏りしやすい部分です。
そのため、板金を加工・取り付けし、棟と同様雨仕舞していきます。
写真は板金を取り付けるための下地を取り付けたところです。
棟や取り合い部の板金加工は施工に慣れた職人さんが現場でおこないます。

屋根葺き替え工事完成です!

棟板金
棟や取り合い部の板金を取り付け

最後に棟や取り合い部の板金を取り付け、屋根葺き替え工事が完成です!
パミールAの劣化により雨漏りしていた屋根の機能が回復しました。
これで今後数十年雨漏りに悩まされず、快適にお過ごしいただけます。
金属屋根への葺き替えにより、外観も非常におしゃれになります。

シーリングの打替え工事①

シーリング
シーリングを新しく打替え

つづいて、外壁のシーリングの打替えをおこなっていきます。
外壁のシーリングも経年により劣化し、ひび割れ、破断、剥離、欠落などするおそれがあります。
このようなシーリングの劣化を放置していると、屋根同様雨漏りや雨水による建材の劣化を引き起こす恐れがあります。
そのため、劣化したシーリングをすべて撤去して、新しく打替えていきます。
写真は既存のシーリングを撤去し、シーリングのバックアップ材が見えているところです。

シーリングの打替え工事②

養生テープで周囲を保護し、プライマーを塗る
養生テープで周囲を保護し、プライマーを塗る

新しいシーリングを充填する前に、養生テープで周囲を保護し、プライマーを塗っていきます。
これによりシーリングが外壁にしっかり密着するようになります。

シーリングの打替え工事③

シーリングを充填させて完成
シーリングを充填させて完成

最後にシーリングを充填させて完成です。
今回はシーリング材に「オートンイクシード」を使用しました。
オートインクシードは高い耐久性と耐候性を誇る、長寿命シーリング材です。

外壁洗浄

高圧洗浄
高圧洗浄

外壁も劣化していた場合は、塗装によるメンテナンスをおこなう場合があります。
今回、外壁本体は模様が綺麗なまま残っていたため、高圧洗浄により、洗浄だけ実行しました。

雨どい、破風板、鼻隠し塗装

鼻隠し塗装
鼻隠しの塗装

雨どい、破風板(屋根の端に取り付けられた板)、鼻隠し(雨どいの裏にある板)は塗装をおこない、美しく仕上げました。

軒天塗装

軒天塗装
軒天の塗装

軒天(軒先の裏に取り付けてあるボードの部分)も塗装をおこないました。
下から見上げるとよく見える部分なので、塗装で美しく仕上げます。

バルコニー床のウレタン防水工事

ウレタン防水
バルコニーの床下はウレタン防水で仕上げ

バルコニーの床下はウレタン防水で仕上げていきます。
これでバルコニーの防水も完璧です。
また、塗装の際にはすべての工程を写真に収め、お客さまにご確認いただいております。

AFTER

奈良市でおこなった、雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替えリフォーム工事が完成です!

奈良市でおこなった、雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替えリフォーム工事が完成
奈良市でおこなった、雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替えリフォーム工事が完成

以上で、 奈良市でおこなった、雨漏りが発生したパミールAの葺き替えと、外壁シーリング打替えリフォーム工事が完成です!
パミールAから金属屋根材のスーパーガルテクトに葺き替えることで、パミールAの層間剥離、下地材の劣化などにより雨漏りしていた屋根の機能が回復しました。
これで今後数十年雨漏りに悩まされず、快適にお過ごしいただけます。
金属屋根への葺き替えにより、外観も非常におしゃれになります。 スーパーガルテクトは施主さまの好みに合わせて色をお選びいただけますので、施主さまの理想の外観に仕上げることが可能です。
また、外壁も細かなところまでメンテナンスし、美しく耐久性の高いお住まいへと生まれ変わりました。

テイガクは屋根の適切な工事はもちろん、外壁のメンテナンスも得意な会社です。
屋根・外壁でお困りのことがございましたら、ぜひテイガクへご相談ください。
現場調査からお見積りまでは無料でおこなっております。

奈良市と周辺地域のその他工事例

奈良県奈良市でおこなった金属屋根への葺き替え工事が完成
奈良県奈良市

奈良県奈良市 – セキスイかわらUの葺き替え現場とアンテナ金具取付工事

日付:2021年3月

奈良県奈良市 – セキスイかわらUの葺き替え現場とアンテナ金具取付工事

奈良県奈良市のお客さまから、屋根のメンテナンスに関するご相談をいただきました。 お客さま宅の屋根材には「セキスイかわらU」が使われていました。 「セキスイかわらU」はアスベストの健康被害が問題視された時期に、ノンアスベス…

日付:2021年3月

奈良県桜井市の瓦屋根葺き替えリフォームが完成です!
奈良県桜井市

奈良県桜井市 – 棟瓦から雨漏りが発生した瓦屋根を金属屋根へ葺き替えリフォーム

日付:2019年11月

奈良県桜井市 – 棟瓦から雨漏りが発生した瓦屋根を金属屋根へ葺き替えリフォーム

奈良県桜井市にお住まいのお客様から、棟瓦(むねがわら)からの雨漏りに関するご相談をお受けしました。 現場は築後35年が経過した瓦屋根で、屋根の棟部分(棟瓦)から雨漏りが発生してしまっています。 さらに、屋根瓦には複数箇所…

日付:2019年11月

大和高田市でおこなった屋根のカバー工法リフォームと外壁塗装が完成です!
奈良県大和高田市

奈良県大和高田市 – パミールのカバー工法リフォームと外壁塗装

日付:2019年10月

奈良県大和高田市 – パミールのカバー工法リフォームと外壁塗装

奈良県大和高田市にお住まいのお客様から、パミールのリフォームに関するご相談をお受けしました。 現場は築後12年が経過したパミールのスレート屋根で、屋根材には黄色いカビや苔が生えてしまっています。 パミールはアスベストを含…

日付:2019年10月

奈良市の屋根・外壁リフォームはテイガクにお任せください!

堺工事センター
堺工事センター

奈良市でおこなったパミールAの葺き替えと外壁シーリング打替えの施工例をご紹介いたしました。
テイガクは大阪府堺市と兵庫県伊丹市に工事拠点を構える、板金工事会社です。
金属屋根や金属サイディングのリフォームを専門としています。
工事はすべて直接工事となりますので、外注はありません。
お客さまとテイガクの間に紹介会社や仲介会社が入らないため、工事料金はすべて定額制でご提供しております。
奈良市で屋根のリフォームをご検討されている方は、ぜひテイガクへご相談ください。
現場調査からお見積もりまではすべて無料で承っております。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

トップへ戻る
テイガクの類似サイトにご注意ください
テイガクの類似サイトにご注意ください