スレート屋根は4種類!カバー工法と葺き替えのポイントをご案内

全記事 一覧 | 2019.03.19

このページでわかること

  • スレート屋根の特徴と問題がわかるよ
  • スレート屋根の耐久性やメンテナンス時期がわかるよ
  • スレート屋根のリフォーム方法がわかるよ

屋根材の種類に「スレート」とよばれる屋根材があります。
一般的には「薄く平べったい板状の屋根材」として認知さていて、街中で必ず見かける屋根です。
特に都心部は、どこもかしこもスレート屋根ばかりです。
しかし、私たちがよく目にするスレート屋根は本当のスレート屋根ではありません。
現在、わが国で用いられているスレート屋根は4つにわけられます
このページでは各スレート屋根の特徴、そして最も馴染みのある「平板スレート」葺き替えカバー工法のポイントについても解説します。

知ってました?スレート屋根における製品保証の内容と期間

商品名 コロニアルクァッド(スレート) コロニアルグラッサ(スレート) スマートメタル(金属)
割れやひび(新築時) 0年 0年 発生しない
穴あき(新築時) 発生しない 発生しない 25年
色あせ(新築時) 2年 10年 0年(ただし、塗膜の不具合は15年)
リフォーム時の適用 保証は新築時のみ 保証は新築時のみ リフォーム時も適用

スレート屋根メーカー最大手であるケイミュー株式会社が販売しているスレート屋根商品2点と、金属屋根1点の保証期間を比較しました。スレート屋根の保証内容はかなり薄く、かつリフォーム時(張り替え時)では全く適用がされません。

1.日本では偽物(?)のスレート屋根が流通

1-1.本来スレートとは石のこと

スレートとは「粘板岩」のことです。
屋根材として使用する時は、この粘板岩を薄くスライスさせて屋根に葺(ふ)きます。
つまり、本来のスレートとは石のことです。
スレートはヨーロッパでよく用いられていて、お城などは石のスレートが葺かれています。
本物の石を使ったスレート屋根のこと「天然スレート」とよびます。
しかし、石は重く高価であるため、主にセメントとパルプ(昔はアスベスト)を主成分にした商品がわが国では広く流通しています。
石に”似せた”スレートであるため、セメントが主成分のスレート屋根は「化粧スレート」とよびます。スレート屋根

1-2.天然スレートについて

天然スレートは耐久性は高く、色あせもしません。
風合いもかっこうが良く、筆者個人では一番大好きな屋根材です。
しかし、わが国において天然スレートの使用状況は限定的です。
値段がおどろくほど高く、重量があり耐震性が悪いからです。
東京駅などの特別な建築物にしか使われていません。
天然スレート

2.化粧スレートとは

日本で製造されて流通しているのはスレートに似せた「化粧スレート」です。
その化粧スレートは3種類にわけられます。
「平板スレート」「厚型スレート」「波型スレート」です。
また、化粧スレートは天然スレートに比べて軽いため「軽量スレート」ともよばれています。

2-1.平板(へいばん)スレート

平べったい薄い板状(約5mm厚)の化粧スレートを「平板(へいばん)スレート」とよびます。
「薄板スレート」や「薄型スレート」とよぶ人もいます。
平板スレートは主に戸建て住宅で使用されます。
私たちに最も馴染みがあるスレート屋根です。
ブランド名ではカラーベスト商品名ではコロニアル」「パミールなどが有名です。
平板(へいばん)スレート

2-2.厚型スレート

厚みを持たせて瓦形状にした化粧スレートを「厚型スレート」もしくはセメント瓦ともよびます。
陶器製の瓦よりも安いため、昔は市場で受け入れられました。
1980年代は「モニエル瓦」とよばれる洋式の「コンクリート瓦」が世界的に流行しました。
1990年代は軽量化に成功したセキスイUかわら」「ニューウェーブ」などの商品が人気でした。
しかし、瓦ほどの耐久性がなく、平板スレートに比べて高価であるため、現在では厚型スレートは製造されていません。
厚型スレート

2-3.波型スレート

波型の形状をした化粧スレートを波型スレートとよびます。
波型スレートは主に工場の屋根に使われています。
波型スレート

2-4.石綿スレート

かつての化粧スレートにはアスベスト(石綿)が含まれている商品が流通していました。
アスベストが含まれている化粧スレートのことを「石綿スレート」とよびます。
当然、現在の化粧スレートにはアスベストは入ってません。
アスベストの入っていない化粧スレートを「無石綿スレート」もしくは「ノンアスベスト」とよびます。
石綿スレート

2-5.スレートのまとめ

スレート屋根は石を使った「天然スレート」とセメントが主成分の「化粧スレート」にわかれます。
化粧スレートは「平板スレート」「厚型スレート」「波型スレート」にわかれます。
また、化粧スレートには「石綿スレート」と「無石綿スレート(ノンアスベスト)」にわかれます。
このようにスレート屋根にはたくさんの種類があり、各屋根ごとに耐久性やリフォーム方法が異なります。
各スレート屋根の解説をしていると、かなり長い文章になってしまうため、こちらのページでは戸建て住宅で最も多く使用されている平板スレートについて詳しく解説いたします。
厚型スレートと波型スレートについては下記をご参照ください。
厚型スレートについて詳しくはこちら
波型スレートについて詳しくはこちら

スレート屋根全種類

3.スレート屋根業界の実情

3-1.スレート屋根のメリット

スレート屋根の普及が拡大したのは高度経済成長期の時期と重なります。
今より40年以上昔の屋根材は「陶器瓦」が主流でした。
陶器瓦に比べてスレート屋根は「軽い」「安い」「生産しやすい」などのメリットがあります。
そして、スレート屋根は瓦葺(ふ)き職人だけではなく、金属の屋根を葺く板金工でも工事ができます。
つまり、屋根工事に携わる者であれば簡単に施工ができる屋根材です。
住宅供給量が不足していた1980年代は「軽い」「安い」「生産しやすい」に「早い」「施工がしやすい」が加わっているスレート屋根は建設会社にもってこいの屋根材でした。
現在でも都心部の新築戸建て住宅ではスレート屋根が最も多く使用されています。

なお、テイガク屋根修理の屋根職人さんは全て板金工です。
もちろん、スレート屋根は問題なく工事ができます。
スレート屋根のメリット

3-2.スレート屋根業界の縮小

外に出て周りを見渡すとスレート屋根の住宅や工場ばかりです。
スレート屋根業界は景気が良く、順風満帆なように感じます。
しかし、それは大きな間違いです。
会社の統廃合が進み、今では平板スレートを製造しているのはケイミューという会社1社に(ほぼ)集約しています。
現在、厚型スレートは製造されておらず、波型スレートもほとんど使用されていません。
全体的に屋根業界を見ると、スレート屋根業界は縮小気味です。
以下のグラフは住宅金融支援機構(旧住宅金公庫)が公開した2017年度における住宅ローン申請者の屋根材仕様を表したグラフです。
主に新築戸建て住宅のデータになります。
表参照:住宅金融支援機構(フラット35実態調査)/日経ホームビルダー新築のスレート屋根シェアスレート屋根の見方が大きく変わった理由は「アスベスト」にあります。
アスベストに代わる頑丈な素材が見つからなかったことが大きく影響しています。
余談になりますが、現在、新築戸建て住宅でもリフォームでも金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)がトップシェアとなっています。
表参照:一般社団法人日本金属屋根協会
各屋根材の出荷統計 シェア

4.スレートとアスベスト

4-1.ほとんどのスレートにアスベスト

昔のスレート屋根(主に2000年以前の屋根)にはアスベストが含まれていました。
アスベストが使われている建材のうち、64%以上が「屋根」といわれいます。
「スレート屋根=アスベスト」とイメージをもたれても、あながち嘘ではありません。

4-2.アスベスト入り屋根は耐久性が高い

国内で築後30年が経過しているスレート屋根は数え切れないほどあります。
しかし、大多数のスレート屋根が雨漏りもなく機能しています。
この事実はアスベストの力とも言い換えられます。

一方、ノンアスベストのスレート屋根は従来のスレート屋根ほどの耐久性が期待できません。
特にアスベストの規制前後に製造されたスレート屋根は要注意です。
築後10年程度でボロボロになる傷みやすい商品が流通しています。
そのため、屋根にアスベストが入っているかどうかの確認はとても大切です。
屋根の機能だけを考えると、アスベスト入りの方が耐久性能が高いです。
ノンアスベスト スレート屋根

4-3.アスベスト入りの見分け方

アスベストの規制がはじまったのは2004年からです。
規制に先駆けてノンアスベストのスレート屋根は発売されています。
したがって、2000年初頭以降に建設された住宅のスレート屋根はノンアスベストである可能性が高いです。
スレート製造会社最大手のケイミューでは過去発売された自社製品のアスベスト有無や含有量を公開しています。
ケイミューのアスベスト含有製品についてはこちら

なお、ノンアスベストかどうかは目視でもわかります。
そもそも、ノンアスベストのスレート屋根は傷むのがとても早いです。
築後10年前後で屋根にヒビやカケが発生していたら、そのスレートはノンアスベスト製品です。
スレート屋根のヒビ

5.戸建て住宅のスレート屋根

流通量が多いため「スレート屋根=平板スレート」として一般的には認知されています。
このページの以降は平板スレートを「スレート屋根」と称して解説いたします。

5-1.スレート屋根より大切な下地

スレート屋根がどのように張られているか知ることも大切です。
そのために、覚えて欲しい言葉が2つあります。
ルーフィング」と「野地板(のじいた)です。スレート屋根の構造スレート屋根の下には「ルーフィング」とよばれる防水シートが張られています。
ルーフィングは「下葺き材(したぶきざい)」ともよばれています。
ルーフィングは最終的に雨漏りを防いでくれる屋根にとって一番重要な役割を担っています。
ルーフィングシート 
ルーフィングの下には「野地板」とよばれる合板が張られています。
野地板は屋根全体を支える役割を担っています。
ルーフィングが破れて野地板が傷んでしまう(腐って穴があく)と屋根は機能しなくなります。
屋根はスレート本体だけではなく、ルーフィングや野地板もケアしなければならなりません。
スレート屋根はルーフィングや野地板を保護するためのものと考えましょう。
腐った野地板

5-2.スレート屋根の構造

よく使われるスレート屋根の幅は約90㎝、厚みは約5mmです。
1枚当たりの重さは約3.4kgあり、㎡当たりに換算すると陶器瓦の半分になります。
金属屋根と比べると3倍以上の重さです。
スレート屋根のサイズスレート屋根の上側には釘穴が4か所あります。
釘を使ってスレート屋根を野地板に打ち付けて張ります。
打ち付けて張ったスレート屋根の上半分には、新しいスレート屋根を重ねて張ります。
これにより釘頭は隠れ、スレート屋根は2重構造になります。
1枚はがれても、下のルーフィングや野地板が露出することはありません。
スレート屋根の断面

6.スレート屋根の耐久性

スレート屋根の耐久性は製造された年によって変わります。
下記はテイガク独自によるざっくりとした解釈です。

6-1.アスベスト入りスレート屋根(2000年以前)

アスベスト入りのスレート屋根は2000年以前に建設された住宅に多いです。
アスベストが入っているため寿命が長いです。
平均的に30年~35年は屋根の機能は維持します。
塗装の手入れをしていないとコケがたくさん生えます。
コケが生えているからといって、屋根の性能に影響はありません。
しかし、コケの発生はスレート屋根が水を含みやすくなり痛みはじめているサインとしてとらえることができます。
スレート屋根のコケ

6-2.ノンアスベスト(2000年から2009年)

アスベスト規制前後(2000年代初頭)に製造されたスレート屋根は注意が必要です。
このころのスレート屋根はアスベストが入っていないため、傷みやすい商品が多いです。
築後10年程度で割れやヒビが目立ちはじめます
2018年に発生した台風で被害にあったスレート屋根の多くはこの時期に製造された商品です。

スレートの層がミルフィーユのように剥離する層間剥離(そうかんはくり)が生じることもあります。
層間剥離が生じやすい商品はニチハの「パミール」とセキスイルーフテック(積水化学の関連会社)の「セキスイかわらU」が有名です。
そよ風で屋根がめくれて、屋根にのぼると簡単に割れることもあります。
スレート屋根の欠けやワレ スレート屋根の剥離

この問題を受け、ニチハはスレート製造事業を撤退し、積水化学は屋根製造事業の撤退しています。

6-3.ノンアスベスト(2010年以降)

2010年以降に製造されたスレートはノンアスベストの問題を受けて品質改良されています。
そのため、2000年代初頭のスレートより高い耐久性が期待できます。
ケイミューの商品では「コロニアルクアッド」や「コロニアルグラッサ」が当てはまります。
コロニアルクアッドメーカーのカタログには30年目を目安に「カバー工法」もしくは「葺(ふ)き替え」を検討すると記載されています。
しかし、まだ品質改良されて日が浅いのも事実であり、30年保つかは不明です
まだ十分な検証がおこなわれているとは言い切れず、評価が確立していません。
そのため、テイガクでは積極的にノンアスベストのスレート屋根の使用をあまりすすめていません。
コロニアルクアッドの寿命 耐久性

7.スレート屋根の塗装と費用

7-1.塗装の目的

スレート屋根に塗装をおこなう主な目的は美観の維持です。
屋根塗装による耐久性の向上や遮熱効果は軽微であり、大きな期待はできません。
ケイミューのカタログにも屋根塗装は美観上必要に応じてとはっきり記載があります。

塗装を一度もおこなわずに問題なく屋根が機能しているスレート屋根の住宅はいたるところにあります。
一方で塗装をおこなわないと屋根が傷んで雨漏りするとあおる塗装業者がいます。
いささか誇大な表現です。

むしろ、塗装をおこなわない方が賢明な場合もあります。
たとえば、スレート屋根の塗装をおこなう際には高圧洗浄でコケや汚れを取り払います。
この高圧洗浄は殺傷能力があるほどの力があります。
作業は洗浄とよぶより「削り落とし」に近いです。

特にノンアスベストのスレート屋根にダメージを与えることは望ましいことではありません。
割れやすいスレート屋根にダメージを与えることで割れてしまったり、割れやすくなったりします。
そのため、テイガクではノンアスベストのスレート屋根の塗装を請け負っておりません。
屋根塗装について詳しくはこちら
スレート屋根 高圧洗浄

7-2.スレートの塗装手順と塗料

スレート屋根は「高圧洗浄」→「シーラー」→「中塗り」→「上塗り」手順の合計3回塗りで仕上げます。
塗膜でスレートとスレートのすき間が無くなると雨漏りの原因になります。
すき間がなくなる場合は「縁切り」をおおこないます。
縁切りとはスレート屋根にすき間を確保するための作業のことです。
具体的には「タスペーサー」とよばれるチップをスレート屋根のすき間に挟み込んでから塗装をします。
油性の屋根塗料で屋根塗装がはじめての場合は縁切り作業が必要ないことがあります。

屋根塗装は外壁塗装と同じ品質の塗料を使い、塗る回数も外壁と同じ3回塗りをすすめる塗装業者が多いです。
しかし、屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を強く受けます。
そのため、スレート屋根の塗装は外壁よりもワンランク上の塗料を塗るか、4回塗りで仕上げることをおすすめします。
下の画像は屋根塗装後3年しか経過していない他業者施工による屋根です。
塗料や塗装回数に注意をしないと短期間で屋根の塗膜は色あせてしまいます。
スレート屋根の塗料

7-3.スレートの塗装費用

テイガク屋根修理がお客様にご提供している屋根塗装の費用は以下の通りです。
ラジカル制御型の3回塗り屋根塗装は期待耐用年数が7年~9年です。
フッ素の3回塗り屋根塗装は期待耐用年数が8年~10年です。

使用塗料 3回塗り(下塗り・洗浄込) 約100㎡(30坪)の屋根塗装総額
油性ラジカル制御型 3,400円/㎡ 340,000円
油性遮熱フッ素 3,800円/㎡ 380,000円

金額は税抜き価格です。
価格にタスペーサー設置と足場代、板金修理交換費用は含まれておりません。
スレート屋根の塗料選びポイント

8.スレート屋根の部分修理と費用

8-1.スレート屋根の部分修理

スレート屋根の部分修理は応急処置ととらえてください。
特にスレート屋根がノンアスベストである場合は部分修理をおこなっても意味がないことが多いです。
部分的に修理をしても、すぐ他の部位で割れやめくれなどの不具合が生じるからです。

割れや小さな欠け程度であればシリコンを打って補修します。
強力な防水テープを張って処置することも有効です。
ズレたり、割れが大きかったりする場合は新しいスレート屋根に差し替えます。
ノンアスベストスレート屋根の塗装

8-2.スレート屋根の差し替え修理

差し替えの場合、バールを使って既存スレート屋根を持ち上げて新しいスレート屋根を差し込みます。
新しいスレート屋根を釘で打って固定することは難しいため、シーリングを使ってスレート屋根を張ります。
バールを使って無理やり持ち上げて差し込むため、周りのスレートが割れてしまうことがよくあります。
1枚交換する予定が5枚6枚と複数枚交換するはめになることが少なくありません。
スレート屋根の差し替え作業はスレートの取り扱いに慣れている人でなければ難しい作業です。
DIYで修理することは避けてください
スレート屋根の差し替え

8-3.スレート屋根の部分修理費用

テイガク屋根修理によるスレート屋根の部分修理費用(税抜き価格)の目安は以下の通りです。

修理方法 局所的(10枚程度) 屋根全面(10枚以上)
シリコン(防水テープ)補修 25,000円 35,000円
差し替え 40,000円/1ケース 50,000円/2ケース

金額は税抜き価格です。
足場代や諸経費は含まれておりません。
シーリング材や防水テープは5,000円もあれば十分です。
スレート屋根は1ケース8枚入りで、1ケース3,500円程度です。
したがって、修理に要する費用はほとんど手間代となります。
スレート屋根の修理作業費で100,000円以上請求された場合は、工事内容をよく精査しましょう。
スレート屋根の差し替えポイント

9.スレート屋根の板金交換と費用

9-1.不具合が多いスレート屋根の板金

スレート屋根はスレートだけで構成されていません。
「屋根と屋根の取り合い部」や「屋根と外壁の取り合い部」には板金が取り付けられます。
代表的な板金が棟(むね)板金です。
棟板金はスレートのてっぺんに取り付ける板金です。
板金は棟板金の他に、谷どい板金や雨押え板金、軒先板金、ケラバ板金などがあります。
これらの板金は雨漏りが発生しやすい箇所、つまりスレートの弱点になる箇所に取り付けられています。
したがって、板金部分は不具合が発生しやすいです。
実はスレート屋根本体から起因する不具合より、板金部分から起因する不具合の方が多いです
スレート屋根の板金

9-2.スレート屋根で最も多い不具合は棟板金の飛散

大型台風が発生した際、棟板金がよく飛ばされます
飛ばされる原因は板金の下にある「板金下地」にあります。
一般的に板金下地は木が使われます。
木に釘を打って棟板金を固定させています。
しかし、木は経年劣化が進むと腐りはじめ、留めている釘はサビて緩みはじめます。
建築後10年程度で板金を留めている釘が抜け落ちることもあります。
言うまでもないことですが、釘が外れた状態で大型台風がくると棟板金は簡単に飛ばされます。

スレート屋根で最も多い不具合は棟板金の飛散です。
棟板金の交換工事の内容や詳細について詳しくはこちら
棟板金

9-3.スレート屋根で最も多い雨漏りは谷どい板金の穴あき

谷どい板金がある屋根で雨漏りが発生した場合、私たちはまっさきに谷部を疑います。
谷部とは屋根と屋根が谷の形で取り合う部位のことです。
谷部には屋根の部位の中で最も雨水やゴミが集中します。
板金が錆びて穴があく悪条件にさらされている部位です。
最近はガルバリウム鋼板やSGL鋼板などの耐久性の高い板金を谷どいに用います。
水を受ける量が大量にある場合はステンレス製の谷どい板金がおすすめです。
なお、谷どい板金はスレート屋根だけではなく、金属屋根や瓦屋根でも使用されています。
雨漏りの部位別発生ランキングはこちら
谷樋板金

9-4.スレート屋根の板金交換

スレートの板金を交換する場合は下地選びに注意しましょう。
テイガクでは樹脂にアルミ芯が入った下地を使用します。
樹脂下地は腐らず、アルミ芯は板金をしっかり固定させます。
板金の交換をする時に木下地を使うことは絶対い避けましょう。
棟板金の下地

9-5.スレート屋根のリフォームを塗装業者に任せてはいけない理由

2018年に大きな台風が日本列島を襲いました。
台風が発生後、最近スレート屋根の塗装をおこなったばかりなのに、棟板金が飛ばされたといった方が続出しました。
半年前に足場をかけて屋根塗装をしたのに、また足場をかけて棟板金の交換を強いられる方もいました。
理由は塗装時に棟板金が全くケアされていなかったからです。
1年に2回も足場をかけるのは苦痛です。
塗装会社の専門は塗装業であり、営業の目的は外壁塗装や屋根塗装の契約を得ることです。
屋根の板金工事は塗装会社にとって専門外の工事です。

塗装だけの工事であれば棟板金やスレート屋根が風で飛ばされても、塗装会社は責任を免れます。
そのため、もし屋根にのぼって棟板金に不具合があっても、塗装会社は気が付かないか見て見ぬふりをして屋根塗装の契約を優先します。

スレート屋根の塗装と棟板金の交換まで提案できる塗装会社はほとんどいません
もし、すすめたとしても棟板金の交換工事は板金工事会社へ外注することになります。
外壁よりも屋根の不具合の方が建物にとって致命的です。
スレート屋根の塗装は屋根工事ができる塗装会社ではなく、塗装工事ができる屋根工事会社にご相談することをおすすめします。
飛ばされた棟板金

9-6.スレートの板金交換費用

テイガク屋根修理がお客様にご提供している棟板金の交換工事は以下の通りです。

修理方法 費用
棟板金交換のみ 5,000円/m
屋根全面改修時の棟板金交換 3,000円/m
屋根全面改修時の谷どい板金交換 5,000円/m

金額は税抜き価格です。
屋根工事価格に足場代は含まれておりません。
なお、棟板金の飛散は火災保険(風災)が適用されやすいです。
保険会社が費用を全額支払ってくれる可能性があります。
火災保険の風災申請はとても簡単です。
積極手に火災保険を活用しましょう。
火災保険の申請方法はこちら
樹脂製棟下地

10.スレート屋根のカバー工法と費用

10-1.スレート屋根のカバー工法

カバー工法とはスレートの屋根に軽い屋根を重ねて張る工事方法のことです。
重ねて張る屋根は主に金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはSGL鋼板)を用います。
ガルバリウム鋼板とSGL鋼板について詳しくはこちら
スレート屋根の全面改修で最も採用されている工事方法です。

アスベスト入りのスレート屋根は剥がして処分するだけで20万円~40万円かかります。
カバー工法は古いスレート屋根を剥がさず工事ができるため、工事費用を抑えて全面改修できます。
経済的かつ合理的なリフォーム方法です。
なお、スレート屋根の上にスレート屋根を重ねることはできません。
カバー工法について詳しくはこちら
金属屋根のカバー工法

10‐3.2つのカバー工法

カバー工法は2種類あります。
「直接下葺き材張りカバー工法」と「野地板増し張りカバー工法」です。

直接下葺き材張りカバー工法とは古いスレート屋根の上に直接ルーフィングを張ってから金属屋根を張るカバー工法です。
「直接下葺き材張りカバー工法」は既存の野地板がしっかりしている場合に採用します。
たとえば、築後10年程度のノンアスベストのスレート屋根は野地板がしっかりしています。
ノンアスベストのスレート屋根では直接下葺き材張りカバー工法をおすすめすることが多いです。
スレート屋根 ルーフィングシート直張り

既存の野地板が傷んでいる場合は「野地板増し張りカバー工法」を採用します。
古いスレートの上に新しい野地板増し張りした後にルーフィングと金属屋根を張るカバー工法です。
築後30年近くの屋根は野地板が傷んで腐っていることが多いです。
腐っている野地板に新しい金属屋根を張っても釘が効きません。
そのため、新しい野地板を張ってから金属屋根を張ると金属屋根をしっかりと張り上げることができます。

なお、野地板がかなり痛んでいる場合はカバー工がおこなえません
たとえば、雨漏りなどの致命的な症状が発生している場合は葺き替え(ふきかえ)を選択します。
カバー工法は”ある程度”屋根が良好な状態な時でのみおこなえる工事です。
屋根カバー工法 野地板増し張り

10-3.カバー工法の費用

テイガクがご提供している屋根カバー工法は以下の通りです。
金額は平均的な目安となります。

カバー工法の種類 ㎡あたりの
カバー工法費用
約100㎡(30坪)の
屋根カバー工法総額平均
直接下葺き材張りカバー工法 約12,000円 約1,200,000円
野地板増し張りカバー工法 約14,000円 約1,420,000円

約100㎡(30坪)の屋根カバー工法総額は足場を含めた税抜き金額です。
テイガク屋根修理は板金工事会社であるため、お求めやすい金額でカバー工法のリフォーム工事がご提供可能です。
テイガク屋根修理の屋根リフォーム価格表はこちら
スレート屋根のカバー工法

11.スレート屋根の葺き替え(ふきかえ)と費用

11-1.スレート屋根の葺き替え

葺き替えとは古いスレート屋根を剥がして処分し、新しい屋根に張り替える工事のことです。
屋根全体がリフレッシュするため、屋根にとって最も適した工事方法です。
しかし、リフォーム費用がカバー工法に比べて高額です。
スレート屋根の葺き替え

11-2.葺き替える屋根材は?

スレート屋根から葺き替える屋根材は金属屋根が第一選択になります。

スレート屋根からスレート屋根への葺き替えをすすめる業者さんが存在します。
スレート屋根への葺き替えををすすめる業者さんはたいてい瓦工事業者さんです。
瓦工事業者さんは金属屋根を張ることが得意ではない(外注になる)ため、しきりにスレート屋根への葺き替えをすすめたがります。

金属屋根を張る業者は板金工事業者です。
職人さんのことを板金工とよびます。
カバー工法でおこなう金属屋根張り工事も板金工事業者がおこなう工事です。

板金工事業者は金属屋根もスレートも張ることができます。
両方の工事ができる中で金属屋根を強くすすめます。
もちろん、それには理由があります。
板金工

11-3.スレート屋根への葺き替えをすすめない理由

スレート屋根におけるノンアスベストの問題が発生してまだ日が浅いです。
改良されたといえ、十分な検証がおこなわれ、実証されているとは言い切れません。
一方、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)は販売開始から30年が経過し、十分な検証がおこなわれた屋根と言い切れます。
金属屋根はスレート屋根よりも耐久性が高く、不具合も少ないのは明らかです。
加えて軽いため、葺き替えでは地震対策にもなります。

さらに、リフォーム工事においてスレート屋根はメーカー保証が付きません
一方、金属屋根はメーカー保証(穴あき保証)がリフォーム工事でも25年に設定されています。
葺き替えで保証が0年のスレート屋根を選択する余地はありません。

相対的に金属屋根の方が優れているのは明らかです。
ケイミューも主力商品のスレート屋根に加えて、金属屋根(スマートメタル)を販売しているほどです。
主力商品の他に競合する屋根材を同時に取り扱うということは、金属屋根が優れていることの証拠になります。
スレート屋根の保証

11-4.スレート屋根の葺き替え費用

テイガクがご提供しているスレート屋根の葺き替え費用は以下の通りです。

スレートの種類 ㎡あたりの葺き替え費用
約100㎡(30坪)の
屋根葺き替え総額平均
アスベスト入りから
金属屋根に葺き替え
約17,500円 約1,750,000円
ノンアスベストから
金属屋根に葺き替え
約16,000円 約1,60,000円
ノンアスベストから
スレート屋根に葺き替え
約15,000円 約1,50,000円

約100㎡(30坪)の屋根葺き替え総額平均は足場を含めた税抜き金額です。
テイガク屋根修理は板金工事会社であるため、葺き替え工事もお求めやすい金額でご提供しています。
テイガク屋根修理の屋根リフォーム価格表はこちら
アスベスト入りスレート屋根の撤去

12.スレート屋根のリフォーム時期

12-1.スレート屋根のリフォーム時期目安

下記の表はテイガク屋根修理の経験に基づいてスレート屋根のリフォームに適した時期を表したものです。

スレートの種類 屋根塗装に適した時期 カバー工法に適した時期 葺き替えに適した時期
平板スレート
(ノンアスベスト)
築10年~15年 築25年以上
平板スレート
(アスベスト入り)
築10年ごと 築20年~25年 築35年以上
厚型スレート
(ノンアスベスト)
築20年
厚型スレート
(アスベスト入り)
築10年ごと 築30年

スレート屋根や野地板の痛みが進行すると、カバー工法を選択することができなくなり、葺き替え工事になります。
そして、雨漏りを放置したままにしておくと、垂木(たるき)などの屋根を支える大事な構造材にも悪影響を及ぼします。
垂木までに影響が及ぶと葺き替え以上に大掛かりな工事が求められます。
スレート屋根は傷みが大きく進行する前に全面改修の実施を検討してください。
築40年が経過したスレート屋根の雨漏り

12-2.何気なく使われている屋根にも歴史があります

もう一度、住宅金融支援機構のグラフを見直します。
1990年代まではスレート屋根が全ての屋根材で最も使われていました。
2000年代になるとアスベストの問題を受け、瓦屋根がトップシェアになります。
2000年代後半にノンアスベストのスレート屋根は品質改良をおこなわれ、ふたたびスレート屋根はトップシェアを挽回します。
しかし、2010年代には東日本大震災をはじめとする震災被害の影響で瓦屋根のシェアが急落し、金属屋根のシェアが急伸します。
現在は金属屋根の評価が確立し、全ての屋根材ではじめて金属屋根がトップシェアに位置するようになりました。
また、最近は太陽光パネル一体型の屋根の人気が高まりつつあります。
このように、何気なく使用されている屋根材にも社会的背景が色濃く反映されています。新築のスレート屋根シェア

12-2.スレート屋根のリフォームは板金工事会社へ

新築で住宅を建てる時、屋根材について深く考える人が少ないです。
住宅購入時は屋根よりも内装や外壁に目移りし、購入者はお金をかけます。
中古で住宅を購入してリフォームする時も同じです。
建設会社の立場は瑕疵担保責任(債務不履行責任)が免れられる10年の間に欠陥が見つからなければ、屋根材は何でもよい立場です。
そのため、安く工事ができ、職人さんが多いスレート屋根を建設会社は好みます。
スレート屋根であれば、建設会社は10年点検の名目で塗装工事を請け負うチャンスも広がります。
残念なことに最近はスレートよりももっと安く不具合が発生しやすい「アスファルトシングル」の使用が高まっています。

しかし、建物にとって一番重要な部位は屋根です。
雨漏りが発生すると住宅価値は地に落ちます。
安易な選択をすると、お金を無駄遣いをすることになります。
築後10年程度しか経過していないにもかかわらず、ボロボロになったノンアスベストのスレート屋根でお困りの方がたくさんいます。
屋根塗装をした直後に台風でスレート屋根や棟板金が飛ばされた方が2018年はたくさんいました。

一生に一度で済むためにスレート屋根にはどんなリフォーム工事が適切であるか、その答えはスレート屋根と金属屋根が施工できる板金工事会社が知っています。
これからスレート屋根のリフォームを検討されている方は、信頼できる板金工事会社を探してお客様のご不安になられていることをご相談ください。
スレート屋根の工事は板金工事会社へ

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