ドーマーとは
ドーマーとは屋根から突き出して設けられた、ロフトなど小屋裏部屋への採光を目的とする屋根窓のことです。
ヨーロッパの建築物でよく見かけられます。
業界用語では「ハト小屋」と呼ばれています。
1-1.メリット
ドーマーは天窓に比べて、屋根に重厚感や高級感を演出するには最高な屋根窓です。
換気や採光をとる面でもメリットがあります。
1-2.デメリット
しかし、雨水を排水するという条件においてはとても悪く、非常に雨漏りが発生しやすい屋根です。
また、ドーマー屋根を取り入れている住宅は少ない上に、ドーマー屋根の形は多岐に及びます。
施工実績の絶対数に限りがあり、雨漏りなどのトラブル時に適切な施工ができる屋根業者が少ないです。
雨漏りのデパート
ドーマーには雨仕舞いという点でかなりの悪条件が重なっています。
今回取り上げるドーマーですが、雨水が浸入しやすい箇所は合計で6箇所もあります。
・屋根と屋根の取り合い・2箇所
・棟・けらば板金・3箇所
・壁と屋根の取り合い・1箇所
そして、ドーマー部分の屋根勾配が2.5寸と排水速度も悪い状況です。
ドーマーの修理 施工例
ドーマーからの雨漏り現場の改修工事について詳しく解説いたします。
ドーマー屋根自体の母体数が少ないため、屋根修理業者でも施工実績が少ない工事です。
また、天窓と違い、決まった形はなく、施工方法は様々です。
ドーマー屋根のリフォームは、ドーマー屋根の施工実績がある業者さんに必ず依頼してください。
3-1.既存屋根
既存の屋根の種類はコロニアルです。
大屋根、ドーマー屋根、ドーマーの立ち上がり部位も全てコロニアルが張られています。
ドーマー屋根は施工の特性上、大屋根より勾配(角度)が低くなります。
今回の現場の既存ドーマー屋根は2.5寸です。
2.5寸はコロニアルを葺くための最低条件の勾配で、ギリギリ排水できる状態です。
もちろん水の流れるスピードが遅いので雨漏りのリスクもあがります。
勾配の低い屋根は瓦棒、もしくは立平で屋根を葺くことを推奨します。
3-2.カバー工法とアスファルトルーフィングシート張り
今回のドーマー屋根は全てコロニアル素材であったため、カバー工法による施工を採用いたしました。
既存のコロニアルの上に、構造用合板を張り、アスファルトルーフィングシート(防水シート)を張ります。
ルーフィングとルーフィングの取り合いには、防水性、気密性、防振性に優れたブチルテープを張ります。
3-3.断熱材取り付け
小屋裏はかなりの高温になるので、断熱材(スタイロフォーム)を取り付けます。
断熱効果は冬の寒さ はもちろんのこと、暑さにも有効です。
冷暖房のエネルギー消費も抑えれます。
3-4.屋根材張り付け
今回の屋根改修工事の仕上げ材は下記の通りです。
1.大屋根:ガルバリウム鋼板の既製品屋根材(アイジー工業ガルテクト)
2.ドーマー屋根:立平葺き
3.立ち上がり壁面、破風部分:ガルバリウム鋼板による現場加工
屋根修理のプロフェッショナルであるテイガク屋根修理は、必要な部位に最も適切な方法、材料で施工をいたします。
3-5.完成
ドーマー屋根のリフォーム完成です。
これでももう、雨漏りの心配はございません。