横葺き屋根の仕上げ方「千鳥葺き」と「乱葺き」
地面と並行に屋根材を葺く横葺き屋根。
横葺き屋根の仕上げ方は、「千鳥葺き」と「乱葺き」の2パターンあります。
実際の工事では、乱葺きで屋根を仕上げる場合がほとんどですが、太陽光パネルの設置や外観の良さを重視して千鳥葺きを選択する方も増えています。
千鳥葺きとは?
千鳥といえば、最近ではお笑い芸人を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「千鳥」というのは、建築用語ではレンガのような配置のことをよびます。
スレートの屋根などは、屋根材を交互に葺いていく千鳥配置です。
千鳥葺きは、目地(屋根材の継ぎ目)が整った綺麗な屋根の張り方です。
乱葺きとは?
千鳥葺きとは異なり、目地を整えない屋根の仕上げ方があります。
乱葺きとよばれる方法です。
経済的な乱葺きが主流
スレートやガルバリウム鋼板などの金属屋根を、横葺きに張る際は、乱葺きが基本です。
屋根は左端から右端にかけて屋根材を張りますが、右端の屋根は必ず余ります。
余った屋根は上の段の左端から張り付けていきます。
乱葺きのメリットは、屋根が余らない経済的かつエコロジーな張り方です。
また、職人さんが切断長さを間違えることもあるため、乱葺きは不均等な長さで屋根が仕上がります。
結果として、目地が整わない仕上がりになりますが、筆者はデメリットというほど気にはなりません。
それよりも、余分な端材がない分コストがかからないため、メリットの方が大きいと言えるでしょう。
端材を無駄にしないで使いまわすことができれば、屋根の目地は階段の形になります。
階段葺きと言います。
千鳥葺きは美しいが不経済
千鳥葺きのメリットは、屋根の目地が整列するので美しい仕上がりになります。
しかし、屋根材本体の廃材が大量に発生します。
乱葺きの約1.2倍は屋根材を必要としますので、その分工事金額が高くなってしまいます。
職人さんの中には、ポリシー(美学)があって千鳥張りを求める人がいます。
テイガクの職人さんにも存在します。
クレームになることも
業界の慣習は乱葺き
お客様からのクレームで目地が整列されていないと指摘を受けることがしばしばあります。
金属屋根はスレート屋根と違って屋根を嚙み合わせて仕上げるため、意匠はほとんど気にならず乱葺きで全く問題ないはずです。
太陽光パネル取り付けは千鳥葺き
太陽光パネルがある方、これから取り付ける可能性がある場合は、工事前に屋根の仕上げ方を確認しておきましょう。
太陽光パネル取り付けの際は、太陽光パネルの金具と屋根の目地が重なることを避けなければなりません。
雨漏りを引き起こす可能性が高くなってしまいます。
目地の位置をあらかじめ考慮したうえで屋根を千鳥配置で張っていきます。
金属屋根材のスーパーガルテクトの施工マニュアルでも千鳥張りにすることになっています。
金具と目地の位置が一致しなければ問題ないというのが筆者の見解です。
千鳥葺きを検討している方はテイガクにご相談ください
太陽光パネルの設置を目的に、千鳥葺きを検討されるお客さまも最近は増えています。
テイガクでは、太陽光パネルの設置を想定した工事内容についてもご提案が可能です。
千鳥葺きにご興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せください。