雨押え板金とは?
雨押え板金(あまおさえばんきん)とは、屋根と外壁の取り合いの壁際に取り付ける板金部材です。
「壁押さえ板金」もしくは「雨押え水切り」とよぶ人もいます。
雨押え板金は、2階建てにおける1階の屋根と外壁の接合する箇所に取り付けます。
外壁から伝って落ちてきた雨水が外壁内部に入らないように止水保護をするための板金です。
屋根と外壁が取り合う壁際は、雨水が外壁内部に入りやすいです。
そのため、雨押え板金周りは建物にとって弱点になりやすい部位です。
このページでは雨押え板金の重要性について詳しく解説します。
屋根リフォーム前に抑えておきたいポイント
屋根リフォーム後に外観が大きく変わる
新築で建物を建てた際、雨押え板金の上側は外壁内部に入り込んでいます。
そのため、雨押え板金の全てを外から確認することはできません。
モルタル外壁の雨押え板金も同じような仕上がりになっています。
しかし、屋根のリフォーム後、雨押え板金は外壁の外側に取り付けることになります。
理由は、外壁の内部に雨押え板金を入れ込むことが難しいからです。
屋根カバー工法後、「こんな見栄えになるなんて聞いていなかった!」とクレームに発展することがあります。
2022年現在、テイガクでは雨押え板金の取り付けで建物の見た目が変わることをお客様に事前にお知らせしています。
ただし、雨押え板金が外側に取り付けられることは、屋根工事をおこなううえで避けられない納まりです。
屋根カバー工法後に外壁の吸気口がなくなる
2000年以降に建築された窯業サンディングの建物は、外壁に通気層が設けられているはずです。
屋根カバー工法で普通の雨押え板金を取り付けてしまうと、外壁の通気層の下側が雨押え板金で塞がれてしまいます。
結果、通気層の効能が低下してしまいます。
対策として「換気雨押え」とよばれる部材があります。
穴の開いた雨押え板金です。
外壁の通気をしっかり取りたい人は、「換気雨押え」の取り付けを検討してください。
屋根と外壁の取り合いからの雨漏り
雨押え板金は雨漏りリスクが高い部位です。
原則、下地に木下地を用いるので、雨水が雨押え板金内に入り込むと腐食が勢いよく進んでしまいます。
さらに、画像のような鉄くぎを用いていると、雨押え板金が木材の腐食と共に浮いてきます。
特に最近の新築戸建て住宅は、軒先の出がほとんどない建物(軒ゼロ住宅)が多いです。
そのため、 雨押え板金部分に雨水が直接かかる住宅が増えています。
今後ますます、雨押え板金からの雨漏りが増えると筆者は予測しています。
同時に施工不良が原因の雨押え板金からの雨漏りもよくみかけます。
雨押え板金の施工不良2事例
雨押え板金そのものがない
過去、雨押え板金そのものを取り付けずに屋根カバー工法をおこなっていた現場がありました。
雨押え板金の上部はシーリングを打って処置をしていただけの仕上がりであり、雨漏りが生じていました。
金属屋根の工事を普段おこなっていない人の工事、もしくは故意の手抜き工事です。
雨押え板金を取り付けずに雨漏りが発生
カバー工法後に雨漏り1
雨押え板金の下地がない
雨押え板金の下には貫板とよばれる下地の板を敷きます。
貫板を取り付けずに雨押え板金を取り付けていた現場がありました。
故意による手抜き工事です。
雨漏りの貫板を取り付けずに屋根に直接穴を空けていた現場
カバー工法後に雨漏り2
テイガクオリジナルの雨押え板金下地
2022年現在のテイガクが推奨している雨押え板金の施工方法についてご紹介いたします。
テイガクでは雨押え板金の下地にはアルミ製の貫板を用いてます。
木下地では腐ってしまうからです。
水濡れによる下地材の腐食を防ぎ、雨押え板金を長く安定的に固定することができます。
雨押え板金の取り付け部位は、屋根と外壁が接合する建物の弱点となる部位だからこそ、テイガクがこだわったオリジナルの施工方法です。
雨押え板金部分にはパッキン付きの着色ステンレスビスを用いることもテイガクのこだわっている施工方法です。
下屋根のあるお客様は、是非、テイガクに屋根の工事をお任せください。