雨漏り修理には、お金がかかるイメージをもつ人が多いかもしれません。
雨漏り補修アイテムは、ホームセンターやインターネットを通じて購入できます。
1,000円程度で購入できる優秀な道具もあります。
今回は、おすすめの雨漏り補修道具について紹介します。
本記事を読むうえでの注意事項
この記事の目的は「雨漏りを補修道具」を紹介することです。
「屋根やはしごにのぼって簡単に雨漏り補修作業をおこなうこと」を宣伝するものではありません。
屋根やはしごの上で作業することは極めて危険なため、慣れていない方はできれば避けるべきです。
シーリング
シーリングとは防水性が高い接着剤のことです。
シーリングのほか、コーキング、充てん剤ともよばれます。
洗面台やお風呂場の隅っこにあるパッキンもシーリングの一種です。
欠けた屋根などを接着させるだけではなく、外壁の穴やすき間を埋めるツールとしてつかいます。
建築現場に携わる人は困ったらまずシーリングが常識です。
シーリングは万能な雨漏り補修道具です。
シーリングはコーキングガン(900円位)とあわせてつかいます。
ホームセンターのシーリングコーナーに必ずセット陳列されています。
なんだか扱いに難しそうな見栄えですが、簡単に扱えます。
簡単に補修ができる道具なので、建物のあらゆるすき間をシーリングで埋めてしまう人がいます。
しかし、建物のすき間は建物内部に入り込んだ雨水を排水させる役割もあるので、注意をしてください。
なお、シーリングを付着させる行為はシーリングを打つと私たちはよびます。
おそらくコーキングガンが銃のかたちをしているためだと思います。
ホームセンターのシーリングコーナーにいって皆さんが感じることは、種類の豊富さです。
どのシーリングを購入すればいいか迷う人が多いです。
各シーリングの特徴とおすすめ商品を紹介します。
シリコン
最も価格の安いシーリングの定番商品です。
代表的な商品はセメンダインのシリコンシーラント8060です。
1本あたり300~500円くらいです。
普通のシリコンははっ水性が高く、塗料を上に塗れません。
街中を歩ているとシリコンで外壁のすき間を補修している住宅を見かけます。
シリコンをつかってしまうと、塗料が塗れないのでシリコンの跡がずっと外壁に残ったままになります。
シリコンの上に塗装をすることを考えて、建物の外側につかう場合はシリコンではなく変成シリコンをつかいましょう。
変成シリコン
「変成」のよび名が頭についたシリコンです。
シリコンとは似ているようで違う素材です。
基本的にシリコンは室内、変成シリコンは屋根や外壁などの室外につかいます。
代表的な商品はセメダインのPOSシーリングです。
1本あたり700~900円くらいです。
ホームセンターにいくと「POS」の文字が付いたシーリングがたくさん並んでいるはずです。
これらは変成シリコンと覚えておくといいでしょう。
レクセル
レクセルの大きな特徴は、透明度です。
一般的なシリコンの場合、クリアカラーを選んでも乳白色に近い仕上がりになります。
透明度の高いシーリングをつかいたい場合はレクセルがおすすめです。
シーリングを用いるときはみ出さないようにマスキングテープをつかうことが多いです。
レクセルであれば多少のはみだしも気になりません。
また、コーキングガンが不要のチューブ状になっている商品もあります。
1本あたり1300円くらいです。
瓦用シーリング
瓦屋根の接着には、セメダインの瓦用シーリングを使いましょう。
瓦の素材である陶器と相性の良いシーリングです。
瓦の接着補修や、ズレによる雨漏りを防ぐ効果が期待できます。
1本あたり500円くらいです。
プライマーが必要になることも
プライマーとは、シーリングの密着性を高めてくれる接着剤です。
シーリングを打つ前に、プライマーを対象箇所に刷毛(はけ)で塗ります。
もちろん、シーリングそのものも接着効果はあります。
しかし、ガラスなどはシーリングだけでは十分に接着できないことがあります。
シーリングをつかってもすぐに剥がれてしまう場合は、プライマーとあわせてシーリングをつかいましょう。
シーリング材ごとに適したプライマーがあるので、それに合わせて選ぶことが大事です。
【動画】シーリングの使い方について
シーリングの使い方
防水テープ
防水テープによる雨漏り補修は、ちぎって貼るだけなので、技術的には最も簡単な補修方法です。
屋根のてっぺんに取り付ける棟板金(むねばんきん)やブルーシートを張り付ける場合にも役に立ちます。
シーリングと違い、間違っても剥がして張り直せばいいだけなので、やり直しも簡単です。
シーリングをつかったことがある人はよくわかると思いますが、シーリングは手や衣類に一度付着すると汚れを落とすことがやっかいです。
ただし、防水テープはシーリングよりも割高です。
なお、間違ってもガムテープや普通のビニールテープなどはつかわないでください。
雨漏り補修用のテープとしては不適切です。
防水ブチルテープ
ブチルとは合成ゴムのことです。
「耐候性」「耐久性」「接着性」に優れています。
幅50mm×長さ5mの商品で1巻500円~800円くらいです。
ニトムズの強力防水補修テープが有名です。
防水アルミテープ
表面がアルミ素材の防水テープです。
合成ゴムの防水テープよりも耐久性に優れています。
一次的な応急処置ではなく、長期間にわたる防水効果を期待する場合は防水アルミテープをつかいましょう。
幅50mm×長さ5mの商品で1巻800円~1,000円くらいです。
アルミテープと商品名に入っていても防水性がないものもあります。
パッケージの説明書きを確認して買うようにしましょう。
ファストフラッシュ
ファストフラッシュは雨漏り修理をする時に、最もおすすめしたい商品のひとつです。
ファストフラッシュは幅が広く「14cm」と「28cm」の商品があります。
大きさに合わせて自分でカットして使えます。
この商品が優れているところは柔軟性と安定性です。
貼る箇所に合わせて形状がフィットし、素人でも簡単にかつ適切に張れます。
幅140mm×長さ5mの商品は1巻13,000円くらいです。
幅280mm×長さ5mの商品は1巻20,000円くらいです。
ブチルテープやアルミテープに比べると、10倍ほどの価格差があります。
しかし、価格差を考えてもおすすめしたい雨漏り補修ツールです。
この商品はホームセンターには置いていないことが多いので、通販でお求めください。
【動画】防水テープによる棟板金の応急処置
防水テープによる棟板金の応急処置
パテ
パテとは、壁面のひび割れを埋めるセメントのことです。
セメントパテともよびます。
モルタルや窯業サイディングは共にセメントからできているので、同質素材で補修をすることになるので親和性に優れています。
シーリングと異なり乾燥すると硬化するのが特徴です。
パテも基礎コンクリートやレンガ、タイル目地など種類が豊富です。
壁面の補修の場合、“壁用”と記載されたものを選びましょう。
容量によって価格は異なります。
チューブに入った200ml程度の少量なら500円くらいです。
ブルーシート
ブルーシートは雨漏り補修をおこなう代表的な道具ですが、思っている以上に扱いが難しいです。
飛ばされないように固定するのには、防水テープや土のうが必要であり、下準備が大切です。
まずはブルーシートの商品選びです。
ブルーシートには「♯」から始まる数字が表記されています。
この数字は重量を表しています。
3.6m×5.4mサイズのブルーシートの重さが基準になります。
「♯2000」なら「3.6m×5.4mサイズのブルーシートが2キロの重さ」ということです。
つまり、同じサイズでも「♯」の数字が低ければ軽く、その分厚みがなく薄手になります。
♯1200番台は薄いため、つかえません。
最低でも♯2000番台以上、できれば♯3000番台のブルーシートを使いましょう。
3.6m×5.4mサイズの♯2000番台で1500円、♯3000番台で2,300円くらいです。
ブルーシートの貼り方は、防水テープもしくは土のうをのせるが一般的です。
土のうは無償で提供してくれる自治体が多いです。
建物の周囲に電柱や大きな樹木などがあれば、シートをはさむクリップをつかってはることもできます。
ブルーシートによる雨漏り補修方法は、見ていると簡単なように感じます。
しかし、素人が重量のある道具を持ちながら、はしごでのぼって補修作業をおこなうのは想像以上に危険です。
体力のある大人が2人以上いなければ作業は難しいでしょう。
DIYでブルーシートを用いた作業をすることは、基本的には素人のかたには避けて欲しい補修方法です。
上級レベル:粘着式ルーフィング
ルーフィングとは屋根材の下に敷かれている防水シートのことです。
アスファルトが主成分となっています。
本来の目的とは異なりなりますが、雨漏り補修の道具として、粘着式のルーフィングが活用できます。
もともとルーフィングは雨漏りしないよう開発されたものなので、防水性能は最高レベルです。
田島ルーフィングのタディスセルフがおすすめです。
ブルーシートが期待できる応急処置期間は約3か月程度です。
粘着式ルーフィングは約6か月程度は期待ができます。
しかし、粘着式ルーフィングの貼り付けは難しいです。
二人一組でおこなわないときれいに貼れません。
幅1m×長さ16mの商品で1巻8,500円くらいです。
この商品はホームセンターには置いていないことが多いので、通販でお求めください。
上級レベル:ブルーシートを木で固定
ブルーシートに木下地をはわせてビスで打ち付ける雨漏り補修方法があります。
スレートや金属屋根の場合は、直接ブルーシートを打ち付けます。
瓦屋根の場合は、瓦を撤去して瓦の下にある野地板(のじいた)にブルーシートを打ち付けます。
防水テープや土のうよりもしっかりとブルーシートを固定できるため、雨漏りの補修方法としては最強の方法です。
使用する木材は、赤松の半貫(はんぬき)サイズなどの安い部材で大丈夫です。
たいていの場合、この方法で6か月以上は屋根からの雨漏りは止まります。
しかし、屋根の上に乗って木で固定するのは技術や集中力も必要です。
上級レベルの雨漏り補修方法です。
素人の方には、かなり危険な方法となり、おすすめできません。
さいごに
雨漏り補修に関するおすすめの道具を紹介しました。
「雨漏りの補修をしたい」というときには、ホームセンターやインターネットで道具が買えます。
扱いが簡単な道具もあります。
ただし、これらの道具による補修はあくまでも“応急処置”です。
専門家に相談し、本格的な改修工事をおこなう方が被害を早期に解決することにつながり安心です。