屋根の雨漏り原因について【雨仕舞と板金工事】

全記事 一覧 | 2017.01.01

目次

1.屋根の雨仕舞と板金工事について
2.雨漏りの原因を3つに分けて考える
3.雨漏り発生部位別ランキング
4.雨仕舞板金の問題点
5.金属屋根工事は板金工事
6.瓦屋根工事会社と金属屋根工事会社の見分け方
7.定額屋根修理は板金工事の会社です

–  「雨漏りは主に屋根(本体)の劣化が原因で発生する。」 –
雨漏りの多くはこのような認識をされています。
しかし、実際に屋根本体の劣化が起因となる雨漏りは少なく、板金部位からの雨漏りが大多数を占めます。
今回はなぜ板金部位からの雨漏り頻度が高いのか、その原因ついて詳しく解説します。

天井裏の雨漏り

1.屋根の雨仕舞と板金工事について

雨仕舞(あまじまい)という言葉があります。
建物内部に雨水が浸水しないための防水施工を意味します。
屋根における雨仕舞とは主に谷部棟部天窓まわり下屋根と外壁の取り合い部などで用いられる建築板金を示します。
いずれの部位も板金工事に該当します。
板金職人(板金工)が個々の屋根に適合した形に板金を制作し、納めることで雨水の浸水を防ぎます。
一般に私たちは屋根といえば屋根瓦を思い浮かべます。
しかし、雨漏りの観点からは雨仕舞板金が最も重要な役割を果たしています。

建築における板金工事は専門性が高く特殊な工事であるため、全28種類ある建設業の許可の一つとして分類されています。
建設業の許可一覧はこちら
建築板金は屋根に限らず外壁にも用いられています。
また、水が浸入しやすい部位だけではなく、雨水を建物外に逃がす排水部位にも用いられています。
板金工事は地味な印象がありますが、極めて重要な工事のひとつであります。
谷どい板金の雨漏りの詳細はこちら
天窓の雨漏りの詳細はこちら

谷どい板金棟板金

天窓下屋根板金

2.雨漏りの原因を3つに分けて考える

屋根からの雨漏りには主に3つの原因があります。

2-1.屋根本体の経年劣化による雨漏り

言うまでもないことですが、屋根材には寿命があります。
例えば、古くなったコロニアルは水を吸収し湿潤状態となり、最終的に水を透すようになります。
古い日本瓦は年月が経過することで割れやすくなります。
寿命が過ぎた屋根材は雨漏りリスクを高めます。

劣化した屋根

2-2.施工不良による雨漏り

二つ目の原因は経験不足・知識不足による施工不良や手抜き工事がもたらす雨漏りです。
特筆すべきが、屋根と外壁下地の連続性が損なうことによる雨漏りです。
屋根と外壁には取り合い部があり、それぞれ異なる職人が工事をします。
そのため、仕事分担をはっきりさせ、雨仕舞が必要なウィークポイントを各職人が協力して補う必要があります。
例えば、屋根下葺き材は外壁まで余分に出し(捨て張りと言います)、外壁で使う透湿シートは屋根まで余分に出さなければなりません。
しかし、各職人のコミュニケーション不足(現場監督の管理不足)により、本来あるべき施工がおろそかになることがあります。
にわかに信じがたいことですが、よくあります。(強調)

施工不良の雨漏り

2-3.雨仕舞板金からの雨漏り

そして三つ目に取り上がるのが、今回の主題である雨仕舞板金からの雨漏りです。
雨仕舞板金の経年劣化による腐食や錆び、凹みが原因による雨漏りです。

板金からの雨漏り

3.雨漏り発生部位別ランキング

雨漏りが発生する原因、もしくは部位を細分化しランキング形式で示します。(弊社独自の調べ)
最も多いのが谷どい板金からの雨漏りです。
谷どい板金とは屋根と屋根の取り合い部に用いられる板金です。
屋根本体の下に板金を敷き込み、「逆への字」に折り曲げて雨水を排水させる構造になっています。
次に続くのが「屋根本体の経年劣化」です。
雨や紫外線によりダメージを受け続けることで、屋根の防水機能が損われ最終的に雨漏りが発生します。
3位以降に下屋根と外壁との取り合い板金、パラペット板金などが続きます。
グラフが示す通り、板金がらみの雨漏りが全体の7割以上を占めます。
雨仕舞板金からの雨漏りは群を抜いて多いのです。

雨漏りランキング

 

4.雨仕舞板金の問題点

板金は住宅のいたるところで用いられています。
そもそも、板金は雨水が集中しやすい部位に用いられます。
雨水の漏れが多いのは当然といえば当然です。
雨漏りが発生しやすい板金部位について、読者の方に知って欲しい3つの問題点があります。
続いて、雨仕舞板金の3つの問題点を取り上げます。

4-1.板金と下葺き材の耐久性が低いため屋根全体の寿命が低減

一つ目の問題は屋根本体と比べて板金と下葺き材の耐久性が低いことです。
今から約20年以上前の建築板金は「亜鉛鋼板」が用いられています。
トタンとも呼ばれています。
(尚、現在の新設や改修で用いられる建築板金は耐久性能が高い「ガルバリウム鋼板」です。)
亜鉛鋼板は20年前後で修補もしくは交換を要します。
一方、日本瓦屋根の瓦本体の寿命は平均で約60年です。
雨仕舞板金が屋根本体より雨漏りの危険を多分に含んでいます。
したがって、屋根本体と板金には寿命ギャップが生じることになります。
本来であれば日本瓦屋根は60年に一回の改修工事で間に合うはずです。
しかし、劣化した板金により浸水した雨水が下地材や構造材を腐食させます。
結果、屋根全体の寿命を低減させることになります。

下葺き材も同様です。
下葺き材とは屋根本体や板金下に敷きこむ防水シートです。
屋根材や板金材から漏れた水を最終的に防いでくれるのが下葺き材です。
現在、新築住宅分野で主に使用されているのは「アスファルトルーフィング940」です。
940とは重さを表しています。
「アスファルトルーフィング940」は約10年で耐久性能が低下します。
耐久性が低い製品を使用する理由は明確です。
金額が安く、瑕疵担保責任がなくなるからです。
仕上げ材ではないので、施主側もあまり気にしません。
しかし、下葺き材は18種類あり、中には60年の耐久性能を示す製品もあります。
本来、下葺き材は用途や将来の改修見込みによって使い分けなければなりません。
下葺き材(ルーフィング)についての詳細はこちら

板金の寿命 メンテナンス 下葺き材の劣化

4-2.日常生活で確認できない上、ジワジワ雨漏りが進行

二つ目の問題は雨仕舞板金の状態を日常的に確認できないことがあげられます。
屋根本体は劣化や汚れを地上から確認することができるため、予防的な対処が可能です。
しかし、板金は地上から目視で観察し、定期的なメンテナンスを行うことができません。
ある日突然、天井裏に雨染みができてはじめて居住者は屋根の異変に気付きます。
この場合の多くは板金からの雨漏りです。
また、板金からの雨漏りはジワジワ進行する特徴があります。
「小さな穴からはじまり、雨水が浸水し、穴が広がり、天井裏に雨水が到達する」といった流れです。
何か月もかけて雨水が浸水するケースもあり、気づいた頃には下地材や構造材が腐食しています。

板金の雨漏り

4-3.板金工事技術の差

三つ目の問題は板金工事を専門にする職人の手で工事が行われていないことです。
屋根工事を行う職人は2つに分けられます。
日本瓦屋根職人と金属屋根職人(板金工)です。
シンプルな谷どいであれば既製品が利用できるので、職人技術の差は大きく影響しませんが、入り組んだ屋根やパラペットなどは既製品では対応できず、現場の状況に応じた造作による板金加工を要します。
複雑な屋根の場合、鋼板を現場で板金工が切断し、折り曲げて雨仕舞板金を取り付けます。
しかし、現実には板金工は手配されず、日本(陶器)瓦屋根職人が現場施工することがほとんどです。
現場ごとに板金工事技術の差が生じます。

屋根職人の道具

 

4-4.板金からの雨漏り解決策

雨仕舞板金からの雨漏りに関する問題点を取り上げました。
問題を解決するために5つの提案をいたします。
①ガルバリウム鋼板を使用して雨仕舞板金を制作すること。
②下葺き材は高耐久製品を使用すること。
③屋根本体と雨仕舞板金の素材を同じ(ガルバリウム鋼板製)にして改修スケジュールを統一すること。
④定期的に屋根にのぼってもらい、板金を含めたメンテナンスを行うこと。
⑤複雑な屋根は板金工事を専門にした職人や会社に工事を依頼すること。
これらを実行することで大幅に屋根のメンテナンス性は向上し、雨漏りのリスクを低減することができます。
将来的なものも含め、居住者の屋根に対するストレスが無くなるはずです。

雨漏りをなくすには

 

5.金属屋根工事は板金工事

ここで少し板金工事の歴史について振り返ります。
瓦棒に代表される金属屋根が関東大震災以降、急速に普及し、板金工は雨仕舞板金だけではなく金属屋根工事を施工するようになります。
それでも、コロニアルや日本瓦より瓦棒屋根は圧倒的に施工数が少なく、屋根工事の主流には成り得ませんでした。
60代以上の方であれば記憶に残っていると思いますが、昔は「板金工事=(ブリキ製)雨どい」のイメージでした。
しかし、金属の弱点である耐食性が大幅に改善されたガルバリウム鋼板の登場により、屋根業界が大きく塗り替えられます。
現在では、施工性(カバー工法)やメンテナンス性、耐震性が良いガルバリウム鋼板はリフォーム分野では第一選択となり、新築分野でもガルバリウム鋼板屋根は求められるようになりました。
そして、屋根材だけではなく外壁材にも金属が使用されるようになっています。

ここで重要なのは、先ほどでも取り上げましたが、日本瓦屋根職人と金属屋根職人(板金工)は全く異なるということです。
人や使用する材料はもちろん、道具や技術なども異なります。
従来、日本瓦工事と瓦棒工事は同じ屋根でも全く異なる分野として、業界内でも住み分けがなされていました。
しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災以降、屋根の軽量化を求める声が高まり日本瓦工事の需要が落ち込み、追い打ちをかけるうようにガルバリウム鋼板屋根が登場しました。
このような背景があるため、現在では瓦職人が金属屋根工事も請け負う業界になっています。

両方の工事を請け負う会社を私たちはおすすめしません。
たしかに、両方の工事ができる手先が器用な職人が存在するかもしれません。
しかし、どちらかひとつの屋根工事を専門に施工している職人や会社には実績や実力に差がでることは間違いありません。
本来、金属屋根工事は板金工の仕事です。
日本瓦屋根工事も金属屋根工事も、一人前になるまでには十分な経験が必要です。
したがって、これから金属屋根工事をご検討されている読者の方は、板金工事を専門にしている会社に依頼することが大切です。
雨漏りに関しても同じで、板金工が最も優れた方法で解決に導いてくれるはずです。

そして、もう一つ大きな問題を取り上げます。
両方の工事を請け負う会社は得意でない工事を他業者に横流しする可能性があります。
本業は日本瓦屋根工事である会社が道具や技術を持ち合わせていないので、知り合いの金属屋根工事会社に横流しするといった例です。
本業ではない業務を請け負う理由は単純で、紹介料を目当にしています。
紹介料は工事発注者の工事費に上乗せされます。
これは業界では慣例になっています。

金属屋根工事

6.瓦屋根工事会社と金属屋根工事会社の見分け方

屋根工事は「一般社団法人 全日本瓦工事業連盟」に所属している会社に依頼することをオススメする人がいます。
連盟に所属しているから安心であるといった内容を示すホームページもありますが、これは大きな間違いです。
是非、この「一般社団法人 全日本瓦工事業連盟」のホームページをご覧ください。
金属屋根に関する記述はゼロです。
ガルバリウム鋼板などのフレーズさえも登場しません。

「○○瓦工業」や「○○瓦店」と社名が付いた会社に金属屋根工事を依頼するのは、少しためらった方が良いかもしれません。
これらの会社は、恐らく日本瓦やコロニアル(スレート瓦)を中心に屋根工事を行う会社です。
金属屋根工事は不得意なはずです。
「○○板金工業」や「○○金属工業」と社名が付いた会社に金属屋根工事を依頼するのが適切です。

雨仕舞板金

7.定額屋根修理は板金工事の会社です

現在、屋根のリフォームは金属屋根による工事が主流です。
日本瓦からの葺き替えやコロニアルのカバー工法でも金属屋根が使用されてます。

定額屋根修理は金属の屋根及び外壁工事を専門とする会社です。
つまり、板金工事や雨漏り修理工事を得意とする会社です。
お客様との直接契約、直接工事による定額制を標語にしています。

読者の方が検討している工事会社は金属屋根だけではなく、日本瓦屋根の工事も請け負っていませんか?
本質的に、この2つの工事は全く異なります。
定額屋根修理は日本瓦の葺き替えや葺き直し、漆喰詰めは行っていません。
当然、金属屋根工事に特化しているので実績は豊富であり、工事技術も一流です。

これからの屋根のリフォームは「耐久性やメンテナンス性に優れたガルバリウム鋼板製屋根材に葺き替え、工事は金属屋根専門の会社に依頼する」ことが重要です。

定額屋根修理だからこそできる、高品質で適正価格の金属屋根工事を私たちはお客様にご提供いたします。

定額屋根修理は金属屋根の専門工事会社です

 

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