今回はサイディングの「合いじゃぐり」について解説するとともに、注意しておきたい外壁を事例を交えながら解説します。
テイガクの現場で撮影した動画でもご紹介しますので、ぜひ理解を深めてみてください。
これから外壁のメンテナンスを検討している方は、ご自宅の外壁が該当していないかチェックしてみましょう。
目 次
閉じる合いじゃぐりと雨漏りについての動画
縦張り窯業サイディングで多い相じゃくりからの不具合
サイディングの横張りと縦張り
外壁のサイディングには張り方が「横張り」と「縦張り」の2通りあります。
言葉の意味の通り、サイディングボードを横方向に張る「横張り」、縦方向に張る「縦張り」です。
サイディング材は1枚1枚が大きなボードで、メーカーや材質でサイズは異なりますが、1枚の幅は約45㎝、長さも3、4m程あり長尺です。
縦張りと横張りの張り方で外観の印象を変えることができます。
窯業サイディングでは一般的に横方向で張ることが多いです。
合いじゃぐり(相じゃぐり)とは?
合いじゃぐりはサイディングの繋ぎ目
サイディング材を張る際に、サイディングの長辺の端にあたる、重ね合わせる接合箇所のことを「合いじゃぐり」と呼びます。
外壁は、このサイディング「合いじゃぐり」を重ね合わせながら張っていきます。
下記はおなじみの窯業サイディングの合いじゃぐりです。
合いじゃぐりの箇所は、写真のような細い隙間(つなぎ目)ができます。
よく隙間ができて問題がないか、尋ねられますが、サイディングが変形していない限り、合いじゃぐりの隙間から雨水が入り込む恐れは低いです。
一方で、合いじゃぐりが無いサイディングの端と端の隙間は目地と呼びます。
窯業サイディングの場合、目地にはシーリングを打ち込みます。
合じゃぐりの構造ではないため、目地のシーリングは窯業サイディングの弱点になりやすいです。
なお、金属サイディングの場合、目地には見切縁とよばれる板金を取り付けます。
縦張りと横張で合いじゃぐりと目地の位置が違う
サイディングを張る方向が違えば、合いじゃぐりと目地ができる方向も変わります。
最近は目地がない「四方合いじゃぐり」のサイディングも
最近は、サイディング材の四方が合いじゃぐりになっている「四方合いじゃぐり」と呼ばれる、外壁に目地ができないシーリングレスの窯業サイディングも登場しています。
目地のシーリングをなくした外壁構造であるため、従来の窯業サイディングよりも防水性と意匠性に優れています。
代表的な商品には、ニチハの「Fu-ge(フュージェ)」や旭トステムの「カーディナル」があります。
普通のサイディング材より割高ですが、目地のメンテナンスが不要になるので、シーリングの打ち替えなどのランニングコストも抑えられる外壁構造です。
縦張りサイディングの合いじゃぐりは注意が必要
「合いじゃぐり」はメンテナンスを考える上で、横張のサイディングであれば問題ないのですが、縦張りのサイディングであれば注意が必要です。
縦張りの合いじゃぐりには雨水が集中する
外壁に、雨水などの水がかかると、雨水は上から下に流れていきます。
横張のサイディングの場合は、合いじゃぐりに水が入っても、そのまま下に流れていきます。
一方、縦張りサイディングの場合は、雨水は合いじゃぐり部分に集中します。
縦張りサイディングの合いじゃぐりのメンテナンス
縦張りサイディングの場合、合じゃぐりに雨水が集中することで、場所によっては雨漏りを引き起こす可能があります。
合いじゃぐりに雨水が集中し、雨水がうまく排出されない場合は、シーリングをすることで、雨水が外壁内部に入らないようにすることができます。
縦張りサイディングであっても、きちんとしたメンテナンスをすることで安心して過ごすことができます。
縦張りサイディングの外壁塗装(テイガクの現場)
では実際に、縦張りサイディングの外壁塗装を例にメンテナンスを見ていきましょう。
現場は縦張りの窯業サイディングの外壁塗装と屋根工事をおこないました。
外壁の縦張りなので、縦方向に合いじゃぐりがあります。
工事前は、合いじゃぐりに沿って苔が増殖している箇所や、合いじゃぐり下にある幕板にひびが入っている箇所が見られました。
下屋根と外壁が接する壁際に雨押さえ板金
建物は2階建てで、1階には下屋根があり、下屋根と外壁が接していました。
今回は、屋根もリフォームするので、下屋根と外壁が接する壁際に取り付けてあった、古い雨押さえ板金を切断し、新しい雨押さえ板金を設置します。
雨押さえ板金は、新築時は外壁の内側にあるのですが、リフォームの場合は外壁の外側に取り付けます。
そのため、雨押さえ板金は外壁の外側に露出する形になります。
当然のことながら、雨押さえ板金と壁の接合部分は雨水が入り込みやすいです。
そのため、しっかりシーリングを止水性を確保してあげます。
縦張りサイディングは合いじゃぐりもシーリング
ここで重要なのは、「合いじゃぐり」もシーリングでしっかり保護しておく必要があるということです。
この箇所を保護していないと、雨水が合いじゃぐりに集中し、外壁内部に雨水が入り込んだ場合、雨水は逃げ道を失ってしまいます。
雨漏りが発生するリスクを高めないためにも、合いじゃぐりをしっかりシーリングしましょう。
外壁を長持ちさせることができます。
テイガクのシーリング剤について
テイガクでは2024年10月より、工事に使用するシーリング材に、耐候性・速乾性に優れた「SRシール H100」を採用いたします。(SRシール H100の詳細はこちら)
ご希望のシーリング材がございましたら変更は可能ですので、担当の施工管理士にご相談ください。
縦張りのサイディングの外壁メンテナンスもお任せください
縦張りの窯業サイディングであっても、外壁のウィークポイントとなる箇所をしっかりメンテナンスしておけば、安心してお過ごしいただくことができます。
屋根と一緒に外壁のメンテナンスを検討されている方は、ぜひテイガクにご相談ください。
テイガクでは、それぞれ専任の職人が在中していますので、屋根と外壁の接合箇所についてもしっかり対応いたします。
現地調査、お見積りまで無料で受け付けています。
お気軽にご相談ください。