外壁カバー工法とは? これからは「塗る」ではなく「張る」時代に

外壁カバー工法とは? 外壁カバー工法とは? 外壁カバー工法とは?

美しい軽い外壁材を重ね張りする外壁カバー工法の人気が高まっています。
外壁塗装では得られない満足感と納得感が得られる工事です。
このページでは、一生に一度で済む外壁リフォームである外壁カバー工法について詳しく解説します。

外壁リフォームの種類や費用についてはこちら

外壁リフォームの基礎知識

外壁カバー工法の基礎知識

外壁カバー工法とは?

外壁カバー工法とは、古い外壁の上に新しい外壁を重ね張りする外壁改修工事のことです。
主に軽い金属サイディングを張って外壁を仕上げます。
経年劣化が激しい外壁や、雨漏りが発生している外壁を改修する手段として適しています。
最近は、断熱効果やデザインの刷新を目的に改修を検討される人が増えています。
繰り返しおこなう外壁塗装と異なり、1度で済むリフォームであることも有益な点です。

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工事前の外壁 工事後の外壁

キーワードは「胴縁」

胴縁の上に金属サイディングを張る

外壁カバー工法は金属サイディングを張る前に、金属サイディングの下地にあたる胴縁(どうぶち)を取り付けます。
胴縁は外壁を固定させる役割だけではなく、通気層の役割があります。
そして、通気層は大きく2つの効果があります。
1つは断熱効果を高める効果、もう1つは外壁内部に入り込んだ雨水を排水させる効果です。
外壁に新たな通気層ができることで、30年以上の外壁の耐久性維持が期待できます。

外壁カバー工法で用いる主な外壁材

断熱材一体型の金属サイディング

断熱材一体型の金属サイディング

外壁カバー工法では、主に断熱材一体型のガルバリウム鋼板もしくはアルミのサイディングを用います。
断熱材一体型の金属サイディングは、外壁材の中で最も断熱効果が高い外壁材として知られています。
省エネ基準が設けられ、各外壁材メーカーは商品ごとに外壁材の断熱効果(熱還流率)を求めています.
断熱効果を期待している人は、各メーカーのホームページから商品ごとの熱貫流率を比較してください。

性能と性質、デザインラインナップを含めたトータル評価では、ガルバリウム鋼板が最もおすすめです。
一方、アルミのサイディングはサイディングの中で最も歴史が古く、工事後のメンテナンスの必要性がほぼない実績から近年、再評価されています。

外壁材 コスト 耐震性 断熱性 デザインの数 沿岸地域 凹みやすさ
ガルバリウム鋼板
エスジーエル鋼板
アルミ ×
樹脂 × ×
※金属サイディングは断熱材一体型の商品を想定

ガルバリウム鋼板の外壁について詳しくはこちら

ガルバリウム鋼板の外壁が人気の理由

抑えておきたいポイント

「横張り」と「縦張り」
横胴縁に縦張りの金属サイディング

一般的に、金属サイディングは横向きに張ります。
しかし、スパン系サイディングとよばれるシンプルな金属サイディングが登場し、金属サイディングを縦向きに張る機会も増えています。

胴縁の「縦胴縁」と「横胴縁」

横張りと縦張りで金属サイディングの下地に当たる胴縁の向きが変わります。
横張りの金属サイディングは縦方向(縦胴縁)に、縦張りの金属サイディングは横方向(横胴縁)に胴縁を取り付けます。
外壁材と逆向きに胴縁を取り付けます。
一般的に、縦胴縁の方がメリットが多いです。

透湿防水シート
透湿防水シートを貼った外壁

築後20年が経過している外壁は、原則、透湿防水シートを貼り付けます。
防水シートを貼ることで雨漏りリスクは更に低減できます。

金属サイディングの「フッ素」と「ポリエステル」塗膜

金属サイディングの塗膜は「フッ素」と「ポリエステル」の2種類があります。
フッ素鋼板は長期のメーカー保証が付保されます。
筆者の経験では30年近くの塗膜維持が十分、期待ができます。

工事期間は約1か月

金属サイディング用の外壁材を加工する

一般的な戸建て住宅で必要な外壁カバー工法の工事期間は、約1か月です。
金属サイディングは1枚4メートルあり、1棟あたり約100枚、使用します。
そのため、外壁材の搬入や資材置き場、職人さんの作業スペースが必要です。

外壁カバー工法に適したタイミングは?

築後5年未満

築浅の建物に外壁カバー工法をおこなう必要はありません
この時期に製造された外壁材(窯業サイディング)は、厚みが14mm以上あり、かなり丈夫です。
お子様の教育費や生活費の蓄えに大切なお金を活用することをおすすめします。

築後6~19年

築後10年を過ぎると、外壁の経年変化が気になり始めます。
この時期に製造された窯業サイディングは12~13mmが多く、現行の品質基準にならうと「ぜい弱」な外壁です。
しかし、外壁通気工法が採用されているため、雨漏りリスクは低い外壁構造となっています。
必要に迫られて外壁カバー工法(外壁塗装含)をおこなうほどでもありませんが、金属サイディングのデザインや性能に魅力を感じている人は、検討する価値はあります

築後20~39年

外壁カバー工法の適正時期です。
テイガクのお客様の中で最も外壁カバー工法を実施されるお客様が多い時期です。
ひび割れしやすい12㎜の窯業サイディングもしくは、モルタル外壁の建物が多いです。
窯業サイディングは、雨漏りと外壁が傷みやすい直張りで仕上げられています。

お子様が成長し、子育ても一息ついた人も多いはずです。
加齢による体力の衰えもあり、リフォーム業者を探して大がかりな外装工事をおこなうことも一苦労です。
断熱性能が高くデザインも豊富な金属サイディングを用いた外壁カバー工法をおこなうことで、一生に一度で済むの安心と満足感が得られます
また、この時期までに外壁塗装を一度もおこなっていない人は、トータルコストを抑制できます。

築後40年以上

外壁内部の腐食が進行している場合は、外壁カバー工法ができないおそれがあります。
外壁カバー工法と外壁を張り替えを検討する時期でもあります。
最悪の場合、建て替えを要するかもしれません。
外壁工事のプロに調査を依頼しましょう。

外壁カバー工法の費用と外壁塗装との比較

外壁カバー工法の費用

工事例1:横張りガルバリウム鋼板の外壁カバー工法

横張りガルバリウム鋼板の外壁カバー工法

【工事詳細】

メーカー名 アイジー工業
鋼板種類 ガルバリウム鋼板
商品名 ガルステージ/フッ素
施工方法 横張り/縦胴縁/通し出隅/通し目地
透湿防水シート なし
工事期間 約3週間
工事費用 約250万円(税込み)

工事例2:縦張りガルバリウム鋼板の外壁カバー工法

縦張りガルバリウム鋼板の外壁カバー工法

【工事詳細】

メーカー名 アイジー工業
鋼板種類 ガルバリウム鋼板
商品名 ガルスパン/ポリエステル
施工方法 縦張り/横胴縁/中間水切り
透湿防水シート なし
工事期間 約3週間
工事費用 約280万円(税込み)

工事例3:縦張りアルミの外壁カバー工法

縦張りアルミの外壁カバー工法

【工事詳細】

メーカー名 YKKAP
鋼板種類 アルミ
商品名 ガルスパン/インクジェット(無機)
施工方法 横張り/縦胴縁/通し出隅/段目地
透湿防水シート なし
工事期間 約3週間
工事費用 約300万円(税込み)

外壁カバー工法の性能ー外壁塗装と外壁張り替えとの比較

外壁カバー工法の費用は外壁塗装の2.5~3倍程度します。
外壁塗装は繰り返しおこなう必要があり、塗装をしても古臭さは残ってしまいます。
しかし、外壁カバー工法は外観が新築時のように刷新されます。
費用面を除くと一生に一度で済む工事でもあり、「やって良かった」とお客様から高い評価が得られる工事です。

工事方法 コスト メンテナンス性 耐震性 断熱性 デザインの数 遮音性
外壁カバー工法
外壁塗装 × ×
外壁張り替え ×

外壁カバー工法でよくある質問

Q

訪問販売業者から外壁カバー工法をすすめらました。外壁カバー工法の費用相場はいくらですか?

A

一般的な2階建ての住宅でアルミで約300万円、ガルバで約250万円(税込み)です。

Q

断熱材一体型の金属サイディングによる外壁カバー工法は、断熱改修の補助金対象になりますか?

A

残念ながら断熱改修の補助金対象にはなりません。

Q

外壁1面だけといった部分張りはできますか?

A

金属サイディングを部分張りすることは可能です。

Q

工事後のメンテナンスはどうすればいいでしょうか?

A

雨がかかりにくい箇所は錆びやすいです。
そのため、雨がかかりにくい箇所の状態を年に数回程、チェックしましょう。
ガルバリウム鋼板は錆が拡大しにくい特性があります。
しかし、錆が赤い錆びに変色していると、穴あきへと進行するおそれがあります。
外壁塗装を検討してください。

Q

金属サイディングが張れない部位はどうしますか?

A

金属サイディングが張れない部位は塗装仕上げとなります。

Q

金属サイディングではなく窯業サイディングを張ることはできますか?

A

窯業サイディングを張ることは、基本的には耐震性低下の心配があるため、おすすめいたしません。

Q

凹んだ時の対処は?

A

リペアを得意とする職人さんがパテと塗装の技術を用いて修理します。
全く凹みが気にならない程度にしあがります。
外壁機能にも影響は及びません。

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