折板屋根のカバー工法のデメリット
折板屋根による改修工事後におきる最も多いクレーム事例が結露水による水漏れです。
天井から水が滴る不具合が生じることがあります。
屋根カバー工法をおこなった時にも結露水は発生します。
経年劣化が進んで穴があいた古い屋根から、結露水が漏れてくるので、屋根カバー工法をおこなったにもかかわらず雨漏りが解消しないと勘違いするお客様もいます。
倉庫などの暖房が効きづらい建物で冬場、ストーブを用いた場合、大量の結露水が発生します。
落水によって段ボールが濡れてしまったり、製品が濡れてしまったりし、事業に悪影響を及ぼすことになります。
紙製品や精密機器などを取り扱う事業主様にとって、結露水の落水は決して見逃すことができません。
ぺフによる結露対策
折板屋根の裏にぺフとよばれる厚さ1㎜程度の断熱材を貼り付けることで、結露発生が抑えられます。
ポリエチレンフォームとよばれる最も安価な断熱材です。
もちろん、その他にもフェルト形状のより優れた断熱材もあります。
基本的には折板屋根の裏貼り付けられた鋼板一体型の断熱材仕様(裏打ち断熱)が安くて、コストパフォーマンスに優れています。
価格は高くなりますが、戸建て住宅で用いるようなグラウウールを敷いてから折板屋根をカバー工法で施工することも可能です。
折板屋根の断熱材の料金
100坪程度の倉庫・工場の屋根でぺフを採用すると、10万円~15万円程度のコストアップになります。
断熱材の料金 | おおよその㎡単価 |
ポリエチレンフォーム(ぺフ) | 300円~400円/㎡ |
グラスウール | 1,500円~2,000円/㎡ |
折板屋根工事のコストカットは断熱材から
私たち施工会社にとって、屋根工事後すぐにお客様からのクレームを受けることは一番避けたいことです。
そのため、裏打ち付き(断熱材付き)の折板屋根工事を見積書に反映させます。
同時に、筆者がお客様と工事費用の折衝をする時、真っ先にコストカットの提案をおこなうのが断熱材の取り下げです。
事業用途をヒアリングし、断熱材を貼らない施工をご提案します。
しかし、将来的に倉庫や工場のなどの建物を、他の用途に使ったり、テナントとして賃貸にだしたりすることもあるはずです。
建物の資産価値を考えると、是非、折板屋根の裏打ちは取り入れて欲しいです。