腰折れ屋根とは?
屋根の形には寄棟(よせむね)や切妻(きりづま)、片流れなど、さまざまな種類があります。
その種類の1つに、腰折れ(こしおれ)屋根と呼ばれる屋根があります。
腰折れ屋根は、写真のように屋根が途中で折れ曲がるような形をした屋根です。
腰折れ屋根は別名、マンサード屋根やギャンブレル屋根とも呼ばれます。
厳密にはマンサード屋根とギャンブレル屋根は異なるものです。
しかし、日本では混合されて呼ばれることが多いです。
腰折れ屋根のリフォームをする場合は、少し工夫が必要です。
急勾配の部分でも安定して作業をおこなえるよう、足場を追加で設置することがあります。
腰折れ屋根のメリット
屋根の水はけがよくなる
一般的に屋根は勾配が急になるほど、水はけがよくなります。
腰折れ屋根は屋根の途中で勾配が急になるため、雨水をはっ水しやすい屋根と言えます。
屋根の水はけが悪いと、屋根にコケが生えてしまったり、屋根材の防水効果が切れたときに雨漏りがおこりやすくなったりします。
敷地の制限があっても屋根をつくれる
住宅を立てるときは、かならず敷地内に屋根をおさめる必要があります。
屋根の長さが敷地を飛び出てしまうときは、腰折れ屋根にすることで敷地からはみ出さずに屋根をつくれます。
また、敷地内に屋根がおさまったとしても、隣家への日射を遮ってしまう場合には、腰折れ屋根を採用することがあります。
腰折れ屋根のデメリット
勾配が変わるさかい目から雨漏りが発生することがある
腰折れ屋根には勾配が急に変わるさかい目があります。
さかい目に屋根材を地続きで張り付けることはできないため、さかい目で屋根材が途切れてしまいます。
このとき、さかい目に「雨仕舞(あまじまい)処理」という雨漏りの発生を防ぐ処置をおこなう必要があります。
さかい目の雨仕舞処理が不十分だと、将来的に雨漏りがおきてしまうことがあります。
しかし、職人さんによって厳重な雨仕舞処理が施されていれば、さかい目からの雨漏りはほとんどおこりません。
腰折れ屋根を金属屋根へリフォームする場合
腰折れ屋根にて、スレート屋根から金属屋根へカバー工法リフォームをするときは、かならず板金工事会社にリフォームを任せましょう。
腰折れ屋根のデメリットである「勾配が変わるさかい目からの雨漏り」を防ぐためには、経験豊富で腕が立つ板金工が必要です。
なぜなら、さかい目の雨仕舞処理には板金を加工する作業が必須だからです。
熟練した板金工でなければ、板金の加工が上手くできず、充分な雨仕舞処理ができません。
ここからは、具体的にどのような板金加工が必要なのかを紹介します。
腰折れ屋根を金属屋根でカバー工法するときは、2つの施工方法があります。
腰折れ板金をつかって施工する
「腰折れ板金」という腰折れ屋根の雨仕舞処理をするための板金があります。
腰折れ屋根のさかい目にあわせて、板金を切断したり、折り曲げたりして、その場で加工します。
この板金加工は慣れていない人がおこなうと、取り付け後の板金に隙間があいたり、板金の形が歪んだりしてしまいます。
板金の加工に慣れた板金工が欠かせない施工方法です。
腰折れ板金をつかわずに施工する
腰折れ板金を使わない施工もできます。
画像を見ていただくと、横葺きの金属屋根が勾配のさかい目で折れ曲がっていることがわかります。
金属の屋根材を腰折れの勾配にあわせて折り曲げてから、屋根へ張り付けています。
こちらの施工方法も板金加工をおこなうため、熟練した板金工が欠かせません。
腰折れ屋根のリフォームは板金工事会社にお任せください
腰折れ屋根について、メリット・デメリット、リフォームするときのポイントをご紹介しました。
腰折れ屋根の唯一のデメリットは、勾配が変わるさかい目からの雨漏りです。
しかし、そのデメリットも、熟練した板金工による雨仕舞処理を施すことで防げます。
ご自宅が腰折れ屋根で、今後リフォームを検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ板金工事会社へご相談されることをお勧めいたします。