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破風板について

破風板(はふいた)は、屋根の妻側(ケラバ/三角の外壁面側)の端部に取り付ける板材です。
破風板は常に風雨や紫外線にさらされるため、塗膜のチョーキングや退色、割れ・反り、釘の浮き、木部の腐朽などが起こりやすいです。
放置すると雨水の侵入や屋根材のめくれ、雨樋不具合の原因にもなるため、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
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破風板の種類と耐用年数
破風板(はふいた)には、主に「木材・窯業系・金属系」の3種類があります。
それぞれ、耐用年数や適切なメンテナンス時期が異なります。
中には新築時に、本来屋外の端部材には不適な石膏ボードや軒天ボードを代用しているケースも見られ、その場合は築10年前後でひび割れや脱落が生じやすく、早期の是正が必要です。
いずれの素材でも、破風板は風雨や紫外線にさらされるため、定期点検と計画的なメンテナンスが重要です。
木製破風板の特徴と耐用年数

種類 | 木材(杉・米松など) |
特徴 | 劣化スピードが速い |
想定耐用年数 | 適切な管理で20~30年 |
代表的な劣化サイン | 退色・浮き・反り |
推奨対処 | 再塗装もしくは板金巻き |
窯業系破風板の特徴と耐用年数

種類 | 繊維強化セメント板 |
特徴 |
色あせしやすく、 継ぎ目はシーリング依存 |
想定耐用年数 | 適切な管理で20~30年 |
代表的な劣化サイン | 退色・浮き・反り・割れ |
推奨対処 | 再塗装もしくは板金巻き |
金属系破風板の特徴と耐用年数

種類 | ガルバリウム鋼板 |
特徴 | 高い耐久性 |
想定耐用年数 | 適切な管理で30年以上 |
代表的な劣化サイン | 退色・錆び |
推奨対処 | 再塗装 |
破風板でよくある手抜き工事

破風板の素材選定を誤り、軒天ボードや石膏ボード(室内用下地)で代用している建物を見かけることがあります。
これらは、よくある手抜き工事で、筆者の感覚では関西地区に比較的、多く見かけます。
いずれも耐候性・強度が不足し、厚みも薄いため、ひび割れや欠落が起こりやすい材料です。
表面の塗装だけで延命を図っても根本解決にはならず、下地補修のうえで板金巻き(ガルバリウム等)や適切な材料への交換といった是正工事が必要です。
破風板のメンテナンスは鼻隠し・軒天・広小舞とセット
破風板と同時に劣化しやすい鼻隠し、軒天、広小舞といった周辺部材の点検やメンテナンスについても、見積りに含まれているか確認しましょう。
これらを別々に工事すると、その都度足場代がかかってしまいます。
破風板と「鼻隠し」の違いは?

鼻隠し(はなかくし)は、屋根の軒先で雨樋金具を取り付ける横方向の板材です。
破風板が屋根の勾配に沿って取り付けられるのに対し、鼻隠しは、地面に対して水平に取り付けられます。
破風板と「広小舞」の違いは?

広小舞(ひろこまい)は、軒先の野地板先端を構成する下地板で、鼻隠しより約2cm前に出て外部に露出します。
露出している影響で、腐食が進みやすいです。
破風板の塗装や板金巻きをおこなう時は、広小舞の処置もセットでおこなうことをおすすめします。
破風板の劣化症状
破風板の劣化症状は、「塗膜の剥離・色褪せ」、「腐食や割れ」、「雨水侵入・雨漏り」が挙げられます。
ここからはそれぞれの症状について解説します。
塗膜の剥離・色あせ

破風板は屋根の端にあり、直射日光や雨風、紫外線に常に晒されています。
そのため塗装が劣化しやすく、色あせが生じやすいです。
塗膜が剥がれてしまうと、破風板自体が直接雨水や紫外線の影響を受け、さらに早く傷んでしまうことになります。
腐食や割れ(木製に多い)

木製の破風板の場合、塗膜が剥がれると水分を吸収し、腐食やシロアリ被害の原因となります。
また、乾いたり湿ったりを繰り返すことで、ひび割れや反りが発生することもあります。
雨水侵入・雨漏り

破風板が傷むと、屋根の内部に雨水が入りやすくなります。
破風板のひび割れや隙間から入った雨水が破風板の内側や、さらには壁の内部まで腐らせてしまう恐れがあります。
こうした状態が進むと、最終的に雨漏りにつながるリスクがあります。
破風板の修理方法と費用
破風板の修理方法は、「塗装」、「板金巻き(カバー工法)」、「部分または全面交換」です。
ご自宅の築年数や破風板の劣化状況に合わせて、費用対効果が高いメンテナンス方法を選択しましょう。
破風板塗装

破風板塗装は、破風板の劣化が軽度の場合に適しています。
ボロボロで見た目が悪くなった美観を回復したい場合はおすすめです。
塗装することで、雨水や紫外線による劣化を防ぐとともに、色あせた見た目も綺麗にすることができます。
破風板塗装の価格
破風板塗装の費用目安は、800〜1000円/mです。
通常は外壁塗装時に合わせておこないます。
1棟当たりの費用感は、40,000円前後です。
用いる塗料によって、費用は変わります。
劣化が生じやすい部位であるため、できればフッ素等の高耐久塗料をおすすめします。
テイガクの破風板塗装費用
工事項目 | 単価 | 数量 | 小計 |
---|---|---|---|
足場組立 | 750円/㎡ | 180㎡ | 135,000円 |
破風板塗装 | 900円/m | 20m | 18,000円 |
諸経費 | ー | 1式 | 20,000円 |
消費税額(10%) | ー | ー | 17,300円 |
税込合計価格 | ー | ー | 190,300円 |
破風板塗装のデメリット
破風板塗装のデメリットは、繰り返しの塗装が必要なことです。
1度の塗装で半永久的、長期美観の維持は困難です。
また、破風板本体の腐食が進行している場合は、塗装は根本的な解決にはなりません。
劣化が激しい場合は塗装ができないことも注意してほしいポイントです。
破風板の板金巻き

破風板の板金巻き(板金カバー工法)は、今ある破風板の上からガルバリウム鋼板などの金属板を覆い被せる方法です。
ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、サビにも強いため、一度施工すればその後の塗装メンテナンスはほとんど不要です。
他の修理方法と比較して費用対効果が高いです。
破風板板金巻きの価格
破風板板金巻きの価格は、建築板金工事会社による施工の場合、3,500〜4000円/mが目安です。
自社施工のため、比較的安価に抑えることができます。
1棟当たりの費用感は、破風板と鼻隠し全部の板金巻きで150,000円前後です。
鼻隠しの板金巻きをおこなう場合は、雨どいの交換が必要になります。
テイガクの破風板板金巻きの費用
工事項目 | 単価 | 数量 | 小計 |
---|---|---|---|
足場組立 | 750円/㎡ | 180㎡ | 135,000円 |
破風板板金巻き | 3800円/m | 20m | 76,000円 |
諸経費 | ー | 1式 | 20,000円 |
消費税額(10%) | ー | ー | 23,100円 |
税込合計価格 | ー | ー | 254,100円 |
破風板板金巻きのデメリット
破風板板金巻きは、塗装に比べて費用が高いこと以外、デメリットはありません。
破風板の部分交換・全面交換

破風板の劣化や腐食がひどい場合には破風板交換をおこないます。
雨漏りが発生している場合は、破風板を解体して、内部補修が必要な場合があります。
破風板の部分交換・全面交換の費用
破風板の部分交換は、6,000〜9,000円/mが目安です。
ただし、破風板の交換をおこなう場合は、外壁や軒天ボードにも手を加える必要になることが多いです。
破風板部分交換のデメリット
破風板の部分交換のデメリットは、塗装より工程と材料が多いため、塗装の10倍程度かかる場合があります。
更に内部の腐食が進んでいると補強が必要になり、追加の費用だけではなく、専門知識と技術が伴った対応が求められます。
破風板の修理は板金巻き(カバー工法)がおすすめ
もし、ご自宅が築30年以上経過しているのであれば、破風板修理は板金巻き(板金カバー工法)をおすすめします。
30年経過した破風板は塗装の剥がれだけでなく、内部の腐食がかなり進行している可能性が高いです。
内部の腐食が進んでいる場合は、塗装をおこなってもすぐにまた不具合が起きる可能性があります。
板金カバー工法は耐久性の高いガルバリウム鋼板で覆うため、再塗装をおこなう必要性はありません。
結果的にトータルコストを抑えることに繋がります。
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破風板板金の施工手順と施工業者
破風板板金の施工手順
破風板の板金巻きは建築板金工事会社へ
建築板金工事会社は、ガルバリウム鋼板などの金属板の加工・取り付けに特化した技術と経験を持っています。
破風板板金巻きのプロフェッショナルです。
建築板金工事会社へ工事を依頼すれば、お客様と直接契約になるため、中間マージンなどの手数料がないため、安価で破風板板金のカバー工法の提供が受けられます。
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破風板板金の耐久性は?
こちらの動画は、テイガクのベテラン社員の実家を撮影させてもらった動画です。
約30年前にテイガクの建築板金職人さんに破風板板金を巻いてもらいました。
素材はガルバリウム鋼板、塗膜はポリエステル塗膜です。
色あせや錆びがほぼ見られず、見た目も上品で安定した状態が今でも続いています。
破風板板金で仕上げた破風板は、耐久性が高く、塗装で繰り返しメンテナンスをおこなうよりも、長期的な安心を得られる選択肢であることが分かります。
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建築板金工事会社の見つけ方
信頼できる建築板金工事会社を見つけるためには、以下の点をチェックしてみてください。
-
施工実績の確認
ガルバリウム鋼板を使った破風板や屋根、外壁の施工実績が豊富かを確認しましょう。
写真付きの施工事例があれば、仕上がりをイメージしやすくなります。 -
倉庫施設の確認
直接屋根材や板金コイルなどを入手して工事を提供する会社であれば、必ず屋根材などの資材を保管する倉庫を所有しているはずです。
金属屋根材や雨どいはとても長く、天井高の高い倉庫が無ければ、事業を営むことができません。
グーグルマップなどを利用して倉庫がある工事会社であるかどうかを確認すれば、”本当の”建築板金工事会社であるかどうか見分けることができます。 -
見積りの詳細さ
詳細な見積りを提出してくれる会社は信頼できます。
テイガクの職人が板金カバー工法をおこなっている様子
破風板の修理に関するよくある質問
DIYで破風板を塗装しても大丈夫?
2階以上の高所作業は、落下事故のリスクが非常に高いです。
そのため個人でおこなうのではなく、専門業者への依頼を強く推奨します。
また、適切な下地処理や塗装方法を知らないまま作業すると、1年以内に塗装が剥がれてしまうケースが多いです。
結果的に業者に依頼し直すことになり、費用が二重にかかってしまいます。
破風板のメンテナンスには足場が必要?
「足場なしで破風板の修理や交換ができないか?」とお客様からよくご質問をいただきます。
破風板の工事は高所での作業になるため、原則として足場の設置が必須となります。
足場がないと、職人は不安定な体勢で作業することになるため、落下事故のリスクが高まります。
また、手抜き工事や不十分な仕上がりになる可能性があります。
板金カバーと全面交換、どちらが長持ちする?
破風板自体が健全で、腐食が進んでいない場合は、板金カバー工法がコストパフォーマンスに優れ、長持ちします。
しかし、下地の破風板の腐食が激しい場合は、全面交換が安全で根本的な解決策となります。
専門業者に現地調査を依頼し、破風板の劣化状況を正確に診断してもらうことが重要です。
見積りは何社取ればいい?
最低でも2〜3社から見積りを取ることをおすすめします。
複数の業者から見積りを取ることで、価格の相場感を把握できるだけでなく、担当者の対応、使用する材料などを比較検討できます。
風災で不具合があった破風板は無料で直せる?
台風などの自然災害による被害は火災保険の補償対象となることが多く、修理費用を保険でまかなえる場合があります。
まずはご加入の火災保険会社に連絡してみましょう。
破風板のメンテナンスはテイガクで
この記事では破風板の修理とそれに伴う費用について詳しく解説しました。
築30年以上の建物には、費用対効果に優れるガルバリウム鋼板を用いた板金カバー工法がおすすめです。
テイガクは建築板金の専門工事会社として、これまで、多数の破風板板金巻きの実績がございます。
破風板の板金巻きの工事はお任せください。
お見積り作成まで無料です。
ぜひ一度お気軽にご相談ください。