破風板(はふいた)とは屋根を構成する部位のひとつです。
聞きなれない建築用語ですね。
実は破風板(はふいた)は住宅の耐風性能や耐火性能を高める重要な役割をもった建築構造材です。
今回は破風板の役割と、破風板修理やリフォームに伴う費用について詳しく解説いたします。
.破風板(はふいた)とは
破風板とは切妻屋根のケラバ(妻)部分に取り付ける板のことです。
ケラバとは切妻屋根の山形になっている(地面に対して傾いている)部位を示します。
一方、地面に対して水平になっている部位を「軒もしくは軒先」と呼びます。
「軒先」には「鼻隠し」と呼ばれる板や、「雨どい」を取り付けます。
かいつまんでいうと、破風板は「雨どいの付いていない屋根の先端にある板」のことです。
破風板の役割はその文字の通り、「風を破る板」です。
主に、風を防止すること、耐風性能向上の目的で取り付けられています。
しかし、雨どいがない、風の影響を強く受けるなど、悪条件に常に晒されている部位です。
従いまして、点検・修理をする必要性の頻度が高い建築構造材です。
破風板板金工事の様子(職人さんの作業)
破風板の役割
破風板のもつ、主な4つの役割についてご紹介いたします。
2-1.耐風性能の向上
台風などが発生した際、風は上からも下からも、様々な方向から吹き荒れます。
特に屋根瓦や軒天などは、下から吹き上げる風に弱い特徴があります。
破風板はそんな下からの強風を防止する役割を担っています。
2-2.耐火性能の向上
住宅火災は下から上に延焼します。火災時には窓から火が上がることがよくあります。
防火性能が高い素材でできた破風板があるだけで、住宅の延焼はある程度、遮れます。
2-3.壁面を保護する
実は雨漏りの原因になる箇所は屋根よりも壁からの方が多いです。
特にケラバ(妻)側は雨どいがないため、壁面の劣化が進行しやすい面です。
破風板があるだけで、雨による壁面保護が期待できます。
2-4.意匠性の向上
屋根は垂木(たるき)や桁(けた)、母屋(もや)などの木材の構造材で支えられています。
これらの構造材を露出することは格好のいいことではありません。
破風板を取り付けることで、これらを隠せます。意匠性(見栄え)が向上します。
破風板(はふいた)の多くは木材
これまでの住宅のほとんが「木材による破風板」です。主な材質は杉になります。
厚みは3cm、長さは15cmと18cmが多く使用されています。
ただし、現在(新築)ではほとんど使用されていません。理由は耐久性と耐火性が良くないからです。
最近では窯業系不燃性の破風板を用いるのが一般的です。
窯業(ようぎょう)は、粘土、ケイ砂、石灰岩などから陶磁器、瓦、ガラス、セメントなど、非金属原料を高熱処理して作るものを製造する工業で、窯(かま)を使用するため、窯業と呼ばれています。
破風板(はふいた)の3つの修理方法
木材破風板の修理方法は主に3パターンあげられます。
4-1.塗装
木材に限らず、金属系破風板、窯業系破風板でもできるリフォーム方法です。
既存の破風板に塗装をすることで、耐久性や意匠性を高めます。
もちろん防水効果も高まります。ただし、防火性能はほとんど向上しません。
4-2.金属板金巻き
ガルバリウム鋼板の板で、既存の木製破風板を覆い包む方法です。
最も多い破風板の修理方法です。
塗装によるリフォームよりも耐久性や耐火性が高まります。
テイガク屋根修理で使用するガルバリウム鋼板は不燃材料として適合するものとして国土交通大臣認定番号を取得しております。(不燃材料認定番号 NM―8697)
4-3.破風板交換
既存の破風板や、破風板下地がボロボロの場合は破風板自体を交換する必要があります。
通常、交換には窯業系破風板を使用します。
窯業系破風板のトップメーカーであるフクビ化学工業株式会社の破風板であれば、お客様の住宅にピッタリの破風板をご用意できます。
耐久性や耐火性、メンテナンス性、意匠性において最も優れています。
破風板(はふいた)修理の工事価格
通常、破風板だけを修理することはほとんどございません。
なぜなら、破風板交換費用より、足場工事費用の方が高くなるからです。
屋根や外壁のリフォームあわせて、破風板の修理を行うのが一般的です。
破風板の工事価格について、テイガク屋根修理は一部公開しています。
公開している価格より、高くなることは絶対ありません。
お客様が少しでも安心して当社に工事をお任せしていただけることが、私どもの経営理念だからです。
工事項目 | 1mあたり(税別) |
---|---|
破風板塗装 (防腐剤配合) | 2,000円 |
破風板板金 | 4,000円 |
窯業系破風板交換 (既存撤去・処分共) | ※平均6,000円 |
※窯業系破風板の取替えは、使用する破風板により工事価格が異なります。
サイズは品質などによりメーカーの価格設定が様々です。
風災被害による保険申請
破風板はその名前の通り、風の影響を常に受けて防いでくれます。
その分、劣化や腐食がしやすい部材です。
風による被災が確認された場合は、火災保険の風災補償の対象として認められます。
破風板の修理費用だけでなく、足場工事費用も保険会社から支給されますので、もし、破風板の割れや釘の浮きなどのおそれがある場合は、火災保険の申請も一度ご検討ください。
テイガク屋根修理の破風板板金工事
こちらでは破風板の修理工事で最も多い工事である、ガルバリウム鋼板による破風板板金工事をご紹介いたします。
東京都小平市の破風板板金工事の修理現場です。
7-1.既存破風板
小平市の屋根修理現場です。
長年雨や風に晒されてきた破風板の劣化が目立ちます。
今回は屋根のリフォームにあわせて、破風板の板金巻き、軒天の張替え、外壁サイディングのご注文もいただきました。
屋根の工事は足場を取り組み必要があるので、将来、修繕の可能性がある箇所は、できる限りまとめてリフォームを行うことをお勧めいたします。
7-2.現場板金加工
コイル状になったガルバリウム鋼板をお施主様宅の破風板のサイズに合わせて切り取ります。
写真では簡単に切ってる様子に見えますが、ガルバリウム鋼板はとても頑丈で特殊なハサミと熟練技術が必要です。
7-3.破風板板金完成
ガルバリウム鋼板による破風板板金巻き完了です。
軒天も外壁も綺麗に新築のような状態になりました。
まとめ
破風板は「雨どいの付いていない屋根の先端にある板」のことです。
破風板は耐風性・耐火性・意匠性・外壁保護などの役割を担っています。
足場工事が必要になるため、屋根のリフォームにあわせて修理をすることをおすすめいたします。
修理方法は塗装・板金巻き・取替えがあります。
風災被害を受けやすい部位であるため、火災保険の風災補償の対象になることがあります。
テイガク屋根修理は常にお客様の利益に適う正しい情報をご提供することをお約束いたします。