ガルバリウム鋼板屋根メーカー比較【横暖ルーフS発売】

ブログ | 2016.11.21

目次

1.ガルバリウム鋼板屋根が普及した理由
2.ガルバリウム鋼板屋根の評価・評判
3.最新のガルバリウム鋼板屋根情報
4.ケイミュー【スマートメタル】
5.ニチハ【横暖ルーフS】
6.アイジー工業【スーパーガルテクト】
7.ガルバリウム鋼板屋根の再塗装やメンテナンス時期
8.工事を検討する前に注意すること
9.まとめ

「ガルバリウム鋼板屋根」はリフォームで用いられる屋根材の代名詞となっています。
日本瓦の葺き替えやコロニアルの重ね葺き(カバー工法)ではファーストチョイスに用いられる屋根材です。
2016年10月にはケイミューから【スマートメタル】、ニチハから【横暖ルーフS】が販売されました。
耐久性や耐候性がさらに向上した新しいタイプのガルバリウム鋼板屋根です。
今回は新しいガルバリウム鋼板屋根について、主要メーカー3社の屋根を比較することで詳しくお伝えします。

※ガルバリウム鋼板屋根には「鋼板を現場加工して仕上げる屋根」と「工場で屋根の形に成型加工した屋根」の2種類があります。
今回の記事にあるガリバリウム鋼板屋根は後者を示しています。

横暖ルーフとガルテクト比較 評判

1.ガルバリウム鋼板屋根が普及した理由

ガルバリウム鋼板屋根が普及した理由は主に下記があげられます。
・カバー工法による重ね葺きが可能(日本瓦やセメント瓦などの厚みや重さのある屋根は重ね葺きは不可)
・軽量で地震による影響が少ない
・耐久性能や耐候性能が良い
・施工性が良い
・デザインが豊富
・メンテナンス性が良い
・コストパフォーマンスが高い

カバー工法

2.ガルバリウム鋼板屋根の評価・評判

ガルバリウム鋼板屋根は住宅の屋根に使用されてるようなってからおよそ20年が経過しました。
一般住宅での実績も積み重ねており、耐久性能や耐震性能に関しては一定の評価が得られています。
このような背景の中、2016年10月には屋根メーカー最大手であるケイミューが【スマートメタル】を販売しました。
ガルバリウム鋼板が一般住宅の屋根で使用されて久しいですが、ケイミューはこれまで金属屋根を販売することはなく静観している立場でした。
そんなケイミューが金属屋根市場に参入した事実は、ガルバリウム鋼板屋根の価値が確立したと言ってよいでしょう。
今後もガルバリウム鋼板屋根の需要は高まると見込まれています。

ガルバリウム鋼板屋根の評価・評判

3.最新のガルバリウム鋼板屋根情報

3-1.【スマートメタル】の誕生

ガルバリウム鋼板屋根は時代の経過とともに進化しています。
従来のガルバリウム鋼板に続くSGL(超高耐久・スーパーガルバリウム鋼板)を日鉄住金鋼板(株)が開発しました。
※SGLのSはス―パーの他、スペシャル、スーペリアの意味があります。
従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えた新製品です。
各屋根メーカーの最新ガルバリウム鋼板屋根はこの日鉄住金鋼板(株)のSGLを成型加工しています。
つまり、ケイミューの【スマートメタル】やニチハの【横暖ルーフS】、アイジー工業の【スーパーガルテクト】はいずれも鋼板自体は同質です。

SGLの特に優れたところは断端部や傷部などの腐食抑制効果です。
厳しい腐食環境でもガルバリウム鋼板を超える耐食性が確認されています。
データでは耐食性は従来品の3倍超を示しています。
具体的には沿岸地域での使用制限が緩和され、色あせ保証も10年保証から15年に長期化しています。(スマートメタル除く)

超高耐久・スーパーガルバリウム鋼板

3-2.金属屋根の歴史

金属屋根の歴史を振り返ります。

年代 普及した金属屋根
~1990年代 亜鉛メッキ鋼板屋根(いわゆる波トタン屋根)が普及
2000年代 ガルバリウム鋼板屋根が開発され急速に普及
2000年代後半 塗料の耐久性能と遮熱性能が向上
2010年代 ちぢみ塗装(結晶塗装)の屋根が販売
2010年代 天然石チップを埋め込んだ屋根が販売
2010年代後半 SGL(スーパーガルバリウム鋼板)が普及

現在リフォームを必要としている屋根の多くは亜鉛めっき鋼板(トタン)の金属屋根です。
トタン屋根は7年から8年位で塗膜が剥がれ落ち、一度錆びが発生すると直ぐに拡大し穴ができる特徴があります。
その後、アルミニウムと亜鉛を主成分とするガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金めっき鋼板)が開発されました。
アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、トタンよりも耐久性能が優れた画期的な鋼板です。
その結果、ガルバリウム鋼板を用いた屋根のリフォームが標準化し、時代が進むと同時に改良もされます。
塗料の質が向上し剥がれ落ちにくくなり、ちぢみ塗装(結晶塗装)による屋根が誕生しました。
天然石チップを埋め込んで石より発色させるメンテナンスフリーの屋根材も販売されています。
そして、2016年にはSGLが販売されるまでに至っています。
金属屋根の歴史

3-3.各メーカーのガルバリウム鋼板屋根比較

SGLに限らず、ガルバリウム鋼板屋根を取り扱うメーカーはたくさんあります。
定額屋根修理の取り扱いメーカーでも8社あります。
特にニチハの【横暖ルーフシリーズ】とアイジー工業の【ガルテクトシリーズ】が人気です。
グーグルの画像検索で金属屋根画像を閲覧すると、ほぼこの2社の商品で屋根が仕上げられています。

ガルバリウム鋼板の性質が同じであれば、どのメーカーの商品でも性能は同じ。
このような考えは間違いで、深く掘り下げてみると違いがあることに気づきます。
次にSGLを使用した主要3社の屋根の特徴を取り上げます。

アイジー工業の【ガルテクトシリーズ】

4.ケイミュー【スマートメタル】

ケイミューは屋根の最大手メーカーです。
新築で圧倒的なシェアを誇る薄型スレート瓦のコロニアルと厚型セメントハイブリット瓦のルーガがあります。
これまでケイミューは金属屋根材を取り扱っていませんでした。
しかし、不況と少子高齢化により新築の着工件数は減少し、最近の新築屋根は平型の陶器瓦が人気でコロニアルの需要も年々縮小傾向です。
一方、リフォーム市場ではガルバリウム鋼板屋根が席巻しています。
こにょうな背景の中で「スマートメタル」が販売されました。
弊社によるスマートメタルの評価は以下の通りです。

特徴 評価と評判
断熱効果
遮音効果
施工性
屋根材価格

スマートメタルの大きな特徴は断熱材がないことです。
断熱材がないため、断熱性能と遮音性能は他の屋根材より劣ります。
断熱材を敷き詰めた上でスマートメタルを葺くことも可能ですが、手間と材料が別途必要になり施工価格が高額になります。
スマートメタルの平米単価(希望小売価格)は4,710円です。
屋根材価格は他のSGL製品に比べ500円ほど安く、最安値商品です。
※屋根材本体の価格で各種部材と施工費は含まれておりません。
しかし、断熱材価格を考えると割高な印象があります。
スマートメタルの強みとして左右から重ねられることがあげられます。
材料が余らず手間も低減するため、施工性が良い屋根材と言えます。

現在、弊社ではスマートメタルの材料費を除く工事費(労務価格)は他の屋根材と同じに設定しています。
もし他の屋根材よりも施工性能が明らかに優れている場合は、工事の労務価格が見直される可能性もあります。

スマートメタル

5.ニチハ【横暖ルーフS】

2016年10月にニチハは横暖ルーフの後継品を販売しました。
SGLの断熱材一体型屋根「横暖ルーフS」です。
横暖ルーフの「S」はスーパーガルバリウム鋼板のスーパーを示しています。
元々、横暖ルーフシリーズは2013年までチューオー(株)から販売されていました。
チューオーはニチハの傘下になり、現在、ニチハが横暖ルーフシリーズを引き継いで販売しています。
横暖ルーフSの平米単価(希望小売価格)は5,200円です。
従来品の横暖ルーフは6,760円でしたので、大幅に価格が下がったことになります。
※屋根材本体の価格で各種部材と施工費は含まれておりません。
弊社による横暖ルーフの評価は以下の通りです。

特徴 評価と評判
断熱効果 〇(断熱材:硬質ウレタンフォーム)
遮音効果 〇(断熱材:硬質ウレタンフォーム)
施工性
材料価格
工事価格
デザイン性

横暖ルーフの強みとしてはデザインの豊富さがあげられます。
以下のラインナップで販売されれいます。

商品 特徴
横暖ルーフαプレミアムS 表面にエンボスと厚みのあるデザイン・フッ素タイプ・6,100円/㎡
横暖ルーフプレミアムS 表面にエンボスのない薄いスマートなデザイン・フッ素タイプ・6,100円/㎡
横暖ルーフαS 表面にエンボスと厚みのあるデザイン・5,200円/㎡
横暖ルーフS 表面にエンボスのない薄いスマートなデザイン・5,200円/㎡

横暖ルーフ横暖ルーフ

今回のSGL製品の販売とあわせて、セットバックスタータも販売されました。
セットバックスタータとはカバー工法専用の水切り板金です。
屋根カバー工法を行った場合、屋根の厚みが増すため雨水が既存の雨どいを越えてしまいます。
そのため、雨どいを適切な位置に取り付け直しする必要があります。
セットバックスタータを用いることで雨どい位置の修正が不要になります。

wetretretyd

6.アイジー工業【スーパーガルテクト】

アイジー工業は金属製品(ガルバリウム鋼板)に特化した会社です。
アイジー工業のカタログはこちら
金属サイディングではトップシェアを誇っており、施工会社にとってアイジー工業は金属系建材のリーディングカンパニーとして認知されています。
スーパーガルバリウム鋼板による屋根も他の2社に先行し、2016年3月に販売しています。
SGLの断熱材一体型屋根「スーパーガルテクト」です。
弊社によるスーパーガルテクトの評価は以下の通りです。

特徴 評価と評判
断熱効果 ◎(断熱材:ポリイソシアヌレートフォーム)
遮音効果 ◎(断熱材:ポリイソシアヌレートフォーム)
施工性
材料価格
工事価格
商品ラインナップ

横暖ルーフシリーズはガルテクトシリーズと比較検討されることが多いです。
設計価格も横暖ルーフSとスーパーガルテクトは平米単価5,200円で、両者横並びになりました。
※屋根材本体の価格で各種部材と施工費は含まれておりません。
尚、定額屋根修理では「スーパーガルテクト」を主に推奨しています。(もちろん、お客様のご要望により横暖ルーフを施工することは可能です。)
断熱性能と塗膜の耐久性能が優れているからです。
次にスーパーガルテクトをお勧めする3つの理由について解説します。

スーパーガルテクト

6-1.断熱材の敷き詰め部位が違う

横暖ルーフとスーパーガルテクトでは断熱材の敷き詰め部位に違いがあります。
各製品のジョイント部に注目してください。
横暖ルーフは凸部の内部には断熱材が敷き詰められておりません。
一方、スーパーガルテクトの凸部には断熱材が敷き詰められています。
屋根と屋根のジョイント部は弱点になりやすい箇所であるため、この断熱材敷き詰め度合いの差は大きなポイントになります。

断熱材の敷き詰め横暖ルーフとガルテクト

6-2.ポリイソシアヌレートフォームを使用している

横暖ルーフSでは断熱材は「硬質ウレタンフォーム」を使用し、スーパーガルテクトでは「ポリイソシアヌレートフォーム」を使用しています。
ポリイソシアヌレートフォームは硬質ウレタンフォーム一種ですが、より高い品質で製造された断熱材がポリアイソレートとして分類されています。
ポリイソシアヌレートフォームは燃えにくく、ウレタンフォームに比べて発熱量、発熱速度は小さい素材です。
したがって、断熱効果はポリイソシアヌレートフォームがウレタンフォームより優れています。
この2つの断熱材の違いの詳細についてはこちらをご確認ください。ウレタンフォームとイソシアヌレートフォームの違いは何ですか。

ポリイソシアヌレートフォーム

6-3.ちぢみ塗装(結晶塗装)について

スーパーガルテクトの塗装はちぢみ塗装を採用しています。
ちぢみ塗装は結晶塗装やリンクルペイントとも呼ばれています。
塗料の付着向上のために被塗物(塗装しようとするもの)の表面に細かな凹凸を表面につける塗装方法で、傷が付きにくく、剥がれにくい特性があります。
実際に二つの屋根材を並べて傷を付ける試験を行いました。
拡大してご覧いただくと傷の付き具合がよくわかります。

7.ガルバリウム鋼板屋根の再塗装やメンテナンス時期

7-1.ガルバリウム鋼板屋根とコロニアル屋根の保証期間

ガルバリウム鋼板屋根の再塗装の必要性やメンテナンス時期についてお客様からよくお尋ねされます。
メーカーカタログでは施工後15年を目安に再塗装が推奨されています。
再塗装の必要性について、コロニアル(クアッド)を比較対象として取り上げます。
コロニアル(クアッド)の色あせ保証は2年です。
保証期間がわずか2年の製品であるため、10年で色あせすることは容易に想像できます。
実際にコロニアル(クアッド)の先代商品であるコロニアルネオは施工後10年目から大きく色あせします。
このコロニアルの保証期間を参考基準にすれば、SGL製品の15年という数値は私たちが想像している以上に価値があるはずです。

ガルバリウム鋼板屋根の再塗装やメンテナンス時期

7-2.10年前に葺かれたガルバリウム鋼板の状態

下記に施工後10年目のガルバリウム鋼板屋根の画像を示します。
施工後10年目以降に色あせがあった場合、この製品は再塗装がメーカーから推奨されています。
しかし、実際には屋根表面に細かな傷がある程度で、再塗装に迫られている状態ではありません。
このまましばらく放置していて問題はないでしょう。
以上のことからガルバリウム鋼板屋根は施工後15年後に大きく美観が損なったり、屋根自体の耐久性能が低下することはないと考えられます。
また、SGLだけではなく、これまでガルバリウム鋼板屋根はちぢみ塗装やフッ素塗装など改良が繰り返されてきました。
塗膜の耐久性は画像で示した10年前のガルバリウム鋼板屋根より期待できることも付け加えておきます。
※記載内容は責任問題になりかねますので断言きません。
一例の実務経験からの印象と私見になります。
屋根の使用環境にも大きく左右されますので、あらかじめご了承ください。

上段画像:施工後10年目のガルバリウム鋼板屋根
下段画像:施工後10年目のスレート瓦(左はケイミューのコロニアルネオ・右はニチハのパミール)

工事後10年目のガルバリウム鋼板屋根工事後10年目のガルバリウム鋼板屋根
工事後10年目のコロニアルネオ工事後10年目のパミール

 

8.工事を検討する前に注意すること

8-1.工事会社が提示する屋根材に偏りがないか

ひとつのメーカーの商品だけを強く勧める工事会社が存在します。
例えば、横暖ルーフ以外の見積もりを受け付けない会社です。
仕入れ価格が他の屋根材より安く、余った材料を使い回しできるからです。
しかし、ガルバリウム鋼板屋根はメーカーごとに特性が大きく異なります。
そもそも、提示する屋根材が偏っている工事会社は勉強不足・知識不足の会社と言えます。

お客様のことを考えれば、工事会社が最新情報の知識を身に着け、幅広い商品ラインナップでご提案することは当たり前のことです。

昔は工事会社が使用する建材をあらかじめ定めていた時代でした。
しかし、ネットの普及により、そんな時代は終わりました。
現代はお客様が比較検討し、最適な屋根材を選択する時代です。

8-2.板金工事を得意とする会社か

屋根工事会社は下記の3つに大きく分けられます。
【ガルバリム鋼板などの金属屋根を得意とする会社】
【日本瓦などの陶器瓦を得意とする会社】
【コロニアルなどのスレート瓦を得意とする会社】

ガルバリウム鋼板屋根と日本瓦を使用する工事は技術や使用道具などが全く異なります。
一方、コロニアルは主に新築工事で用いられ、ガルバリウム鋼板屋根は主にリフォーム工事で用いられます。
したがって、同じ屋根工事会社といえども得意・不得意があります。
当然、ガルバリウム鋼板屋根によるリフォームは板金工事を得意とする会社に依頼してください。

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9.まとめ

・ガルバリウム鋼板屋根は一般住宅による使用実績を積み重ねており、耐久性能や耐震性能に関しては一定の評価が得られています。

・屋根のリフォームでガルバリウム鋼板屋根は第一選択の屋根材です。

・屋根メーカー最大手であるケイミューも2016年10月、金属屋根市場に参入しました。

・従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えた超高耐久のスーパーガルバリウム鋼板が2016年に開発され販売しています。

・工事価格のみを優先する場合ははケイミューのスマートメタルがおすすめです。

・デザイン性を優先する場合はニチハの横暖ルーフSがおすすめです。

・総合的に判断する場合はアイジー工業のスーパーガルテクトがおすすめです。

・ネットの普及により、工事会社が建材をあらかじめ定める時代は終わりました。お客様自身が比較検討し、最適な屋根材を選択する時代です。

・ガルバリウム鋼板屋根によるリフォームは板金工事を得意とする会社に依頼してください。

定額屋根修理はお客様の利益になる情報をご提供し続けます。