スレート屋根とは?
日本でスレート屋根とは、主にセメントを原料として固めた屋根材のことをいいます。
軽量で施工性が良く、比較的安価であることから、多くの住宅や工場・倉庫の屋根で採用されています。
昔のスレート屋根には、固めたセメントを強化するために発がん性をきたすアスベストを含めていました。
アスベストが含まれていた時代のスレート屋根は耐久性に優れていました。
その一方、アスベストを取り除いたスレート屋根は、導入初期の製品で割れや剥離などのトラブルが相次ぎました。
事実、1990年代後半から2000年代前半に施工されたスレート屋根は、不具合が多く報告されています。
現在では製造技術が改善され、比較的安定したスレート屋根が供給されています。
本記事では、年間1,000棟の屋根リフォーム工事をおこなっているテイガクが、スレート屋根の劣化の兆候を早期に見極める方法や、適切なメンテナンス・修理方法、また葺き替えやカバー工法など、屋根寿命を延ばすために知っておくべき対処法まで詳しくお伝えします。
スレート屋根でお悩みの方や、これからメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。



目 次
閉じる天然スレートと化粧スレートの違い

そもそも「スレート」とは、「粘板岩(ねんばんがん)」という天然の石材のことです。
日本では、この石材を用いた屋根材を「天然スレート」と呼び、実際に東京駅の屋根などで使用されています。
静岡市にあるグランシップのように外壁仕上げ材としても用いられることもあります。
天然スレートは石材ゆえに高価で、大量生産には不向きな素材です。
そのため、日本の街中で見かけることは、ほとんどありません。
一方、日本国内では、セメントを主成分として成型させた屋根材が開発され、天然スレートの代替品として広く普及しました。
いつしか日本では、セメントでできた屋根材を「スレート屋根」と呼ぶようになっています。
なお、天然スレートとの区別を明確にするため、セメント製のスレート屋根を「化粧スレート」と呼ぶこともあり、建築図面などではこちらの名称が頻繁に書き示されています。
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屋根材のシェア
1990年代には最も多く使用されていたスレート屋根でしたが、そのシェアは低下傾向です。
既設の建築物ではスレート屋根の建物を数多く見かけますが、新築時におけるスレート屋根の出荷量は、ガルバリウム鋼板に代表される金属屋根に大きくシェアが奪われています。
工場や倉庫などの大規模建築物の新築では、スレート屋根はほとんど用いられていません。
矢野経済研究所による2022年に発表されたの戸建て住宅屋根の出荷量の素材別シェアでは、1位の金属屋根が63.2%過半数を占め、2位のセメント系屋根(スレート屋根)は15%です。
平板スレートと波型スレート
スレート屋根は、戸建て住宅で用いられる平べったい「平板スレート」と、工場や倉庫で用いられる波打った「波型スレート」の2種類に大きく分かれます。
戸建て住宅のスレート屋根製造会社は、スレート屋根の一般名称を「平形屋根用スレート」と名付けています。
「平板スレート」と「波型スレート」、どちらか興味がある屋根を選択すると、それぞれのスレートの特徴について詳しくご覧いただけます。
スレート屋根の種類
戸建て住宅で用いられるスレート屋根

戸建て住宅で用いられるスレート屋根は、平べったい板(フラット)の形状をしています。
そのため、「平板(へいばん)スレート」とも呼びます。
誰もが目にしたことがあるおなじみの屋根材です。
地域や人によってよび名が変わり、「コロニアル」や「カラーベスト」「化粧(化粧スレート)」「スレート瓦」「新生瓦(しんせいかわら)」など様々な、呼ばれ方があります。
コロニアル/カラーベスト/石綿スレート
コロニアルとは
スレート屋根といっても、様々なデザインの商品が販売されており、各メーカーの商品ごとに商品名があります。
スレート屋根のロングセラー商品が「コロニアル」です。
「コロニアル」は、スレート屋根で最も多く用いられている商品です。
「コロニアル」は旧クボタ(現ケイミュー)が製造している商品名ですが、現在では「バンドエイド」(ジョンソン・エンド・ジョンソン製の絆創膏)のように、スレート屋根を総称する一般的な呼称として定着しています。
また、「コロニアル」が属する商品カテゴリー(シリーズ名・ブランド名)として「カラーベスト」という名称もよく知られています。
これは「ウォークマン」(ソニー製の小型音楽プレイヤー)のようにブランド名が一般名詞化したケースに似ています。
東日本では「コロニアル」、西日本では「カラーベスト」と呼ぶ人が多いと筆者は感じています。
石綿スレートとは

かつてのスレート屋根にはアスベストが含有されていたため、「石綿スレート」と呼ばれることもあります。
しかし現在では、健康リスクを理由にアスベストの使用が禁止されており、現在市場に出回っているスレート屋根にはアスベストは含まれていません。
そのため、アスベストを含まないスレート屋根を「ノンアスベスト屋根」あるいは略して「ノンアス屋根」と呼ぶこともあります。
スレート屋根の製造をほぼ独占:ケイミュー株式会社
戸建て住宅市場において、スレート屋根材はケイミュー株式会社が圧倒的なシェアを誇っています。その市場占有率は90%を超えており、実質的にケイミューの独占状態です。
そのため、「スレート屋根=ケイミュー製品」という認識が広く浸透しています。
ケイミュー株式会社は2003年12月1日に、住宅用スレート屋根材市場において業界1位だったクボタと、2位だった松下電工(現・パナソニック電工)の住宅外装建材部門が統合して誕生しました。
業界を代表する2社が合併したことにより、他の企業を大きく引き離すシェアを獲得しました。
スレート屋根の厚みとサイズ

一般的なスレートのサイズは幅91cm×高さ41.4cmです。
厚さは約5mmです。
上部に4か所、釘を打って固定する穴があります。
釘を屋根の下地(野地板)に打ち込んでスレートを張ります。
商品名:コロニアルクァッド
1枚のサイズ | 幅910㎜×高さ414㎜ |
厚み | 5.2㎜ |
1㎡あたりの重量 | 約20kg |
1㎡あたりの必要枚数 | 約6枚 |
屋根材の重さ比較
屋根材 | 重さ |
---|---|
スレート屋根 | 約20kg |
瓦屋根 | 約42kg |
金属屋根 | 約5kg |
ルーガ | 約20kg |
アスファルトシングル | 10kg |
スレート屋根の価格
スレート屋根の実勢価格(ホームセンター価格)は1梱包6枚入りで約4,000円です。
1枚あたりの値段は約500円、1㎡あたりの商品価格は約3,000円です。
戸建て住宅のスレート屋根の構造

野地板と呼ばれる下地材の上に防水シートであるルーフィングが敷かれ、その上にスレート屋根が仕上げ材として葺かれます。
スレート屋根は基本的に2枚重ねで施工されますが、構造上、ところどころ3枚重ねになる箇所があります。

スレート屋根は屋根本体だけでなく、さまざまな部材と組み合わせて構成されています。
スレート屋根材の下に敷かれるルーフィング(防水シート)も重要な防水の役割を担っています。
ルーフィングの性能や耐用年数は製品によって異なり、品質によっては約10年で防水機能が著しく低下してしまう製品も存在します。
また、ルーフィングの下に設置される野地板も永久に使えるものではなく、雨漏りや結露などの影響を受けて徐々に腐食が進みます。
一般的な野地板はおよそ40~50年ほどで寿命を迎えます。
工場倉庫屋根で用いられる波型スレートと折板屋根との違い

工場や倉庫では、波型の形をしたスレートを用いて屋根を仕上げます。
これは見た目のとおり、波型(なみがた)スレートとよばれています。
戸建て住宅で用いられるスレートよりは分厚いです。
大波スレートと小波スレートの違い

波型スレート屋根には大波スレートと小波スレートの2種類あります。
それぞれ波の大きさと形状に違いがあります。
大波スレートは波の間隔が広く、波の高さが小波スレートより高いです。
一枚あたりの面積が大きく、効率的に施工できます。
大波スレートは小波スレートよりも耐久性が高く、屋根で外壁でも用いることができます。
小波スレートは、大波スレートと比較して波の間隔が半分程度で、波の高さも低いのが特徴です。
主に外壁の仕上げ材として用いられます。
屋根に使用されることはほとんどなく、住宅や倉庫、工場など建物の外壁仕上げ材として広く採用されています。
波型スレート屋根の耐久性と折板屋根との違い

波型スレートはガルバリウム鋼板などの金属屋根と比較して、耐久性は低いです。
固定ボルトのサビが発生したり、屋根材自体の割れやすさから、定期的なメンテナンスが不可欠です。

現在は、改修時も含め新築時の大型建築物は、波型スレートではなく、折板屋根を張って仕上げることが多いです。
折板屋根とは、薄い鋼板(主にガルバリウム鋼板)成型加工した金属屋根で、軽量・排水性に優れ、長尺材でスピーディーに施工できる屋根です。
波型スレート屋根の構造

波型スレートは、屋根の鉄骨の骨組みとなる母屋(もや)にフックボルトと呼ばれる金具をひっかけて屋根材を固定します。
フックボルトは金属なので数年経つとサビが発生してしまいます。
フックボルトがサビると屋根材との間に隙間ができて、そこから雨漏りが発生するリスクがあります。
スレート屋根の世代別耐久性能
戸建て住宅のスレートは、いつ製造されたかによって耐久性や屋根リフォームの費用が大きく変わります。
製造年代別に第1世代から第3世代の3つに分類することができます。
現在、スレート屋根のリフォームを検討されている人は、どの年代の屋根であるか事前に下調べする必要があります。
スレート屋根の世代別耐久性能
世代 | 製造年 | アスベスト | 耐久性 | 屋根塗装 |
---|---|---|---|---|
第1世代 | ~1990年前半 | あり | 高い | 〇 |
第2世代 | 1990年後半~2000年中頃 | なし | 低い | × |
第3世代 | 2000年後半~ | なし | 普通 | △ |
第1世代のスレート屋根

スレート屋根が製造されはじめた時期は、セメントにアスベストを含めていました。
アスベストは健康被害の影響がある一方で、建材を丈夫にする点では優秀な素材でした。
アスベストがあるおかげで、割れにくく長寿命であり、この時期に製造されたスレート屋根の耐用年数は35年から40年程度です。
ただし、アスベストは処分に多額の費用がかかり、葺き替え時には屋根工事の費用がかなりかかります。
改修検討時期の目安と費用
工事内容 | 工事検討時期 | 工事費用 |
---|---|---|
屋根塗装 | 色あせ進行時 | 20~40万円 |
屋根カバー工法 | 築25~35年 | 80~110万円 |
屋根葺き替え | 築35年以上 | 150~190万円 |
代表的な商品
商品名 | メーカー |
---|---|
ニューコロニアル | 旧クボタ |
アーバニー | 旧クボタ |
フルベスト | 旧松下電工 |
第2世代のスレート屋根

アスベストの健康被害を受け、1990年代後半ごろからアスベストを含めないスレート屋根が製造されました。ノンアスベスト屋根やノンアス屋根とよびます。
屋根機能の限界時期は15年から25年程度です。商品や製造ロットによっては、急速に劣化が進行し、屋根が剥がれたり、割れたりします。2022年現在、最も多くのお客様がお悩みになっているスレート屋根です。
ニチハの「パミール」や旧クボタの「コロニアルNEO」が有名です。
改修検討時期の目安と費用
工事内容 | 工事検討時期 | 工事費用 |
---|---|---|
屋根塗装 | NG・塗装不可 | 無駄な出費 |
屋根カバー工法 | 築15~25年 | 80~110万円 |
屋根葺き替え | 築20年以上 | 120~160万円 |
代表的な商品
商品名 | メーカー |
---|---|
パミール | ニチハ |
コロニアルNEO | 旧クボタ |
セイバリーNEO | 旧クボタ |
グリシェイドNEO | 旧クボタ |
グリシェイドグラッサ | 旧クボタ |
レサス | 旧松下電工 |
エコ・シンプル | 旧松下電工 |
シルバス | 旧松下電工 |
シンフォニー | 旧松下電工 |
第3世代のスレート屋根

不具合が多発した第2世代の問題点を踏まえて、改良が施されたのが現在のスレート屋根(第3世代)です。
期待される屋根の耐用年数は約30年程度となっていますが、アスベストを含有していた第1世代のスレート屋根と比べると、やはり強度面で劣るというのが筆者の評価です。
改修検討時期の目安と費用
工事内容 | 工事検討時期 | 工事費用 |
---|---|---|
屋根塗装 | NG・塗装不可 | 無駄な出費 |
屋根カバー工法 | 築15~25年 | 80~110万円 |
屋根葺き替え | 築30年以上 | 120~160万円 |
代表的な商品
商品名 | メーカー |
---|---|
コロニアルクァッド | ケイミュー |
コロニアルグラッサ | ケイミュー |
コロニアルクァッドについて
「コロニアル」は、旧クボタの商品であり、ケイミューのラインナップとして今も引き継がれています。
現在は、一般的な安価な汎用品として「コロニアルクァッド」、耐久性の高い高級塗装品としては「コロニアルグラッサ」が販売されています。
全てに当てはまる症状ではないものの、経年と共に屋根先が少し反り上がる傾向があります。
グラッサコートについて

「コロニアルグラッサ」はグラッサコートとよばれる無機塗料が塗布された現行のスレート屋根の最高級商品です。
メーカー側は10年の色あせ保証を用意していますが、実際は30年近く色もちするはずです。
コロニアルグラッサがおすすめの理由
代表的な商品
商品名 | 8枚梱包価格 | 1㎡あたり | 塗膜保証 |
---|---|---|---|
コロニアルクァッド | 4,000円 | 2,000円 | なし |
コロニアルグラッサ | 4,800円 | 2,400円 | あり |
下記は2025年、ホームセンターで購入できるコロニアルクァッドとコロニアルグラッサの商品価格です。
施工方法は両者、変わらないため、80㎡の屋根の場合、差額は32,000円です。
コロニアルグラッサは、無機塗料のため、30年近く色あせしないと筆者は評価しています。
もし、屋根塗装をおこなう場合、最低でも200,000円はかかるはずです。
はじめらから、数万円の差額を支払うことで、将来、屋根塗装をおこなう必要がなくなります。
建売住宅はローコストを重視するため、初期費用の安いコロニアルクァッドをほぼ採用しますが、長期的なコストを考えるとコロニアルグラッサを採用した方が明らかに経済的です。
ケイミュー株式会社の公式ウェブサイトでは、各商品の特徴や推奨されるメンテナンススケジュールなどが詳しく記載されています。
ぜひ、本記事と併せてご覧ください。
アスベスト含有の確認方法

建材におけるアスベストの規制は1995年から段階的にはじまり、2006年に全面実質禁止になりました。
多くのメーカーが法改正を見越して前倒しで対策を進めていたため、1990年代後半〜2000年代初頭には、住宅用スレート屋根では、アスベストが削減・廃止されています。
住宅用スレート屋根にアスベストが含まれているかどうかは、ケイミュー株式会社が公開している石綿(アスベスト)関する見解書で確認ができます。
製造年月日や商品名がわからないこともあります。
その場合、筆者は、屋根の不具合状況を見て見分けることをおすすめします。
アスベストが入っていない屋根は、築10年頃から小さなヒビなどの不具合が発生してきます。
築20年を過ぎると大きなヒビ、割れ、欠けなどが見られるようになります。
一方、アスベストが含まれている屋根は頑丈なためこれらの不具合は見られません
ただし、一般の方が屋根の上にのぼることは危険ですのでお止めください。
アスベストのない屋根にのぼってしまうと、屋根の割れなどの不具合をさらに進行させてしまいます。
スレート屋根の劣化症状
代表的な劣化症状と屋根機能の影響度
スレート屋根の劣化症状とメンテナンス早見表
画像 | 劣化症状 | 危険度 | 対処法 |
---|---|---|---|
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色あせ | ★ | 塗装 |
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苔 | ★ | 塗装 |
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反り | ★★ | カバー工法or葺き替え |
![]() |
欠け | ★★ | 補修 |
![]() |
ひび割れ | ★★ | 補修 |
![]() |
剥離 | ★★★ | カバー工法or葺き替え |
![]() |
棟板金の浮き | ★★★ | 交換 |
![]() |
屋根材の剥落 |
★★ ★★★ |
カバー工法or葺き替え |
![]() |
棟板金の飛散 |
★★ ★★★ |
交換 |
欠けたり割れたりしても問題はないのか?
テイガクの経験上、スレート屋根が割れたり欠けたりしてもすぐに雨漏りが起きることはどありません。
その理由はスレート屋根の構造にあります。
スレート屋根は瓦のように重ねて敷かれており、表面のスレート屋根の下にもう一枚のスレート屋根があります。
そのため上のスレート屋根が割れても、その下のスレート屋根が防水機能をはたします。
さらにスレートの下には防水の役割を果たすルーフィングも施工されているため、屋根材が多少損傷しても、直ちに浸水が生じるリスクは低いのです。
もちろん損傷したまま長期間放置することは望ましくありませんが、実際には数か月程度であれば大きな問題に発展する可能性は低いといえます。
苔が生えても問題はないのか?
日当たりの悪い北側や自然が多い地域では、スレート屋根表面に苔が発生しやすいです。
一見、屋根に悪影響がありそうな苔ですが、実際は屋根の性能に大きなダメージはありません。
理由は欠けたり割れたりした場合と同じです。
雨漏りの原因は何か?

スレート屋根の雨漏りの原因はルーフィングの劣化です。
スレート屋根の下にはルーフィングと呼ばれる防水シートが敷かれています。
通常、屋根の隙間から入り込んだ雨水はルーフィングがはじいてくれますが、このルーフィングが破れると雨漏りが発生します。
ルーフィングは商品にもよりますが、10年程度で機能が低下する商品もあります。
スレート屋根の割れや欠けより、ルーフィングの破れのほうが深刻な問題です。
スレート屋根の他屋根材との比較
スレート屋根のメリットとデメリット
-
初期費用が安い
-
軽量
-
工事が簡単
-
ひび割れや欠けが発生しやすい
-
色あせしやすい
-
断熱性が低い
-
苔・カビが発生しやすい
-
寿命が短い(商品による)
他屋根材との比較
金属屋根 VSスレート屋根


ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、耐久性の高さから現在多くの屋根で使用されています。
中でも、断熱材一体型の商品が人気です。
断熱性や防音性が非常に優れている屋根材も販売されています。
初期費用は高めですが、長期的なメンテナンスの少なさを考えると、様々なメリットがあります。
金属屋根(断熱材一体型)とスレート屋根の比較
金属屋根 | スレート屋根 | |
---|---|---|
初期費用 | × | 〇 |
耐久性 | 〇 | × |
メンテナンス | 〇 | × |
耐震性 | 〇 | × |
防水性 | 〇 | × |
断熱性 | 〇 | × |
防音性 | 〇 | × |
瓦屋根VSスレート屋根


瓦屋根は、粘土やセメントからできた屋根材です。
特に粘土瓦は、50年以上の高い耐久性が特徴です。
また、瓦と下地の間に空気層ができることで、優れた断熱性と遮音性を発揮します。
しかし、瓦屋根は重く、耐震性が低いデメリットがあるため、近年では新築で採用されるケースが少なくなっています。
瓦屋根とスレート屋根の比較
瓦屋根(粘土瓦) | スレート屋根 | |
---|---|---|
初期費用 | × | 〇 |
耐久性 | 〇 | × |
メンテナンス | 〇 | × |
耐震性 | × | 〇 |
防水性 | 〇 | × |
断熱性 | 〇 | × |
防音性 | 〇 | × |
アスファルトシングルVSスレート屋根


アスファルトシングルは、アスファルトを主成分としている屋根材です。
軽量で建物への負担が少なく、持ち運びやすいのが特長です。
シール状の屋根材で施工が簡単なため、アメリカではDIYで使用されることが多いです。
価格の安さから、近年は日本でも建売住宅などで使用されています。
ただし、強風で剥がれやすい点、断熱性能が低い点、などがデメリットです。
アスファルトシングルとスレート屋根の比較
アスファルトシングル | スレート屋根 | |
---|---|---|
初期費用 | 〇 | × |
耐久性 | × | 〇 |
メンテナンス | 〇 | × |
耐震性 | 〇 | × |
防水性 | × | 〇 |
断熱性 | × | 〇 |
防音性 | 〇 | × |
スレート屋根のリフォーム方法と費用
スレート屋根のメンテナンス方法と相場
スレート屋根のメンテナンス方法と相場
画像 | メンテナンス |
屋根機能 維持の効果 |
費用 |
---|---|---|---|
![]() |
コーキング補修 | ★ | 50,000円 |
![]() |
差し替え補修 | ★ | 50,000円 |
![]() |
棟板金交換 | ★★★ | 100,000円 |
![]() |
屋根塗装 | ★ | 250,000円 |
![]() |
屋根カバー工法 | ★★★★ | 900,000円 |
![]() |
屋根葺き替え (石綿無) |
★★ ★★★ |
1200,000円 |
![]() |
屋根葺き替え (石綿有) |
★★ ★★★ |
16,000,00円 |
スレート屋根の修理方法
コーキング補修

コーキング補修は、防水性能を有した補修用の接着剤を割れた部分や隙間に流し込むことで修理する補修方法です。
接着剤は時間の経過と共に固まります。
小さなひび割れや欠け、ズレ、または屋根材同士の隙間を埋めるのに効果的です。
ただし、コーキング補修は手軽に修理できますが、あくまで一時的な対策です。
コーキング材は紫外線や温度変化により5〜10年程度でひび割れが生じ、再び修理が必要になります。
また、部分的な処置をしても他の箇所で同様の不具合が生じるため、いたちごっこになる可能性が高いです。
コーキング補修は、足場代なしで50,000~60,000円が相場です。
差し替え補修

差し替え補修は、割れた部分を除去して、新しいスレート屋根に交換する方法です。
屋根に負荷がかかるため、基本的には筆者はおすすめしていません。
特に第2世代のスレート屋根の屋根上作業は、屋根を更に痛めてしまう恐れがあるり、差し替え補修はNGです。
差し替えの費用は、1枚当たり5,000円程度が相場です。
おすすめは「Cガード」

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棟板金の交換

スレート屋根の頂部に取り付ける棟板金は風で飛ばされることが多いです。
棟板金の下にある貫板とよばれる木下地の腐食が原因です。
築後1年で、台風で飛ばされるといったこともあるほど、スレート屋根のウィークポイントといって良いでしょう。

下地は樹脂下地も普及していますが、十分な耐久性は有していません。
スレート屋根の棟板金固定には、金属下地をおすすめします。
エスヌキを使用した実績は3,000棟を超え、第三者機関による試験もおこない有用性が証明されています。
テイガクでは、金属下地「エスヌキ」を用いた棟板金の交換で30年の工事保証を設けています。
棟板金下地の性能比較
棟板金の下地 | 耐久性 | 寿命 |
---|---|---|
木下地 | △ | 10年~20年 |
樹脂下地 | × | 5年~10年 |
金属下地(アルミ) | ◎ | 30年以上 |
棟板金下地の費用比較
棟板金の下地 | 長さ | 費用 |
---|---|---|
木下地 | 10m程度 | 10万円 |
樹脂下地 | 10m程度 | 12万円 |
金属下地(アルミ) | 10m程度 | 15万円 |
スレート屋根のリフォーム方法
屋根塗装
スレート屋根の塗装は、まず高圧洗浄で屋根の汚れを落とした後に、ひび割れの補修をして、その後3回塗装を行います。
屋根塗装をスレート屋根の耐久性維持のために行うことだと誤認している人が多いです。
スレート屋根の塗装は、美観維持を目的におこないます。
ケイミュー株式会社のメンテナンススケジュール表にも明記されています。


屋根塗装には、雨漏りを防いだり、屋根の性能を高めたりする科学的な根拠はありません。
また、第2世代のスレート屋根は、屋根塗装をおこなってはいけません。
むしろ、屋根を痛めてしまうのでお金の無駄遣いだけではなく、屋根の寿命を縮める結果を招きます。
タスペーサーの取り付けが必要な場合も

スレート屋根は、重なり部(重ね合わせた部分)の隙間を利用して雨水を排水する構造になっています。
しかし、塗装工事を行うと、この重なり部の隙間に塗料が入り込み、隙間が埋まってしまうことがあります。
これが原因で排水経路が塞がれると、雨水が屋根の内部に滞留し、雨漏りを引き起こす恐れがあります。
そのため、スレート屋根を塗装する際には、『タスペーサー』 と呼ばれる専用の縁切り部材を取り付け、適切な隙間を確保する必要があります。
屋根カバー工法
屋根カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい防水シートを敷き、金属屋根材などの軽量な屋根材を重ねます。
屋根カバー工法のメリットは、既存屋根材の撤去費用や処分費用がかからないため、葺き替え工事よりも費用を抑えられ、工期も短縮できる点です。
また、屋根が二重になるので、断熱性や防音性も向上します。
さらに、アスベストが含まれているスレート屋根の場合、アスベストの飛散リスクを抑えながらリフォームできます。
ただし、屋根全体の重量が増すため、建物の耐震性を考慮して軽量な屋根材を選ぶことが重要です。
屋根葺き替え
葺き替え工事は、現在使用しているスレート屋根をすべて撤去し、下地から完全に新しい屋根を作り直す工法のことです。
屋根リフォームの中でも最も規模が大きく、スレート屋根の劣化が著しく進んでいる場合や、下地(防水シートや野地板)の腐食・損傷が確認される場合に適した工事方法です。
特に築後40年以上が経過したスレート屋根の場合は、葺き替え工事の実施を検討してほしいです。
葺き替え工事を行うことで、雨漏りの原因を根本から完全に解消できるだけでなく、屋根の耐久性や安全性も大幅に向上します。
ただし、葺き替え工事は屋根リフォームの中で最も費用がかかり、工事期間も長いです。
アスベストを含まないスレート屋根の場合、葺き替え工事の費用は屋t根カバー工法の約1.5倍程度、アスベストを含むスレート屋根の場合は約1.8倍程度が目安となります。
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スレート屋根のリフォーム費用はテイガクのサービスを活用
テイガクでは、屋根リフォームにかかる費用をウェブサイトで公開しています。
多くのお客様に安心していただける大好評のサービスです。
屋根工事単価表をはじめ、工事費用のシミュレーション、条件で指定できる施工例検索、他社の見積り書をテイガクの見積り書に置き換えるサービスなどをご用意しています。
スレート屋根での工事検討の材料としてぜひご活用ください。




テイガクによるスレート屋根のリフォーム事例
平板スレートの屋根カバー工法の手順
テイガクが実際に手掛けた戸建て住宅の屋根カバー工法の実例をご紹介します。
築年数 | 築21年 |
既存屋根 | 第2世代スレート屋根 |
屋根面積 | 63㎡ |
工事金額 | 81万円(税込み/足場別途) |
使用屋根 | スーパーガルテクト |
板金下地 | 金属下地(エスヌキ) |
ルーフィング | タディスセルフカバー |
こちらの施工事例の詳細はこちらから
波型スレートの屋根カバー工法の手順
波型スレート屋根の上に折板屋根を被せる屋根カバー工法の手順をご紹介します。
なお、波型スレート屋根を葺き替える場合は、税制面で一括損金処理できる可能性があります。
築年数 | 築35年 |
既存屋根 | 第1世代スレート屋根 |
屋根面積 | 996㎡ |
工事金額 |
880万円 (税込み/足場別途/雨どい交換あり) |
使用屋根 | KBルーフ600(ペフ付き) |
こちらの施工事例の詳細はこちらから
金属屋根を用いたリフォームは建築板金工事会社へ

ガルバリウム鋼板などの金属屋根を用いた屋根リフォームは、建築板金工事会社への直接のご依頼をおすすめします。
一般的に認知されていませんが、建築板金業とよばれる金属屋根を専門に取り扱う事業者や職人が存在します。
塗装会社やハウスメーカーが請け負う屋根工事の多くは、建築板金工事会社への外注工事となっていることがほとんどです。
テイガクは建築板金工事会社です。
スレート屋根の改修工事を専門に扱う会社だからこそ、適正価格でかつ高品質な工事提供が可能とま会社です。
建築板金工事会社は全板連とよばれる組合のホームページから検索することができます。
テイガクのスレート屋根のリフォーム事例
関東地区で手掛けた施工例

横浜市旭区 – 屋根塗装後のスレート屋根をテイガクルーフで屋根修理
日付:2025年7月
横浜市旭区 – 屋根塗装後のスレート屋根をテイガクルーフで屋根修理
日付:2025年7月

さいたま市見沼区 – スレート屋根をスーパーガルテクト フッ素に葺き替えた屋根工事
日付:2025年06月
さいたま市見沼区 – スレート屋根をスーパーガルテクト フッ素に葺き替えた屋根工事
日付:2025年06月

東京都武蔵野市 – 色あせしたスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根修理
日付:2025年06月
東京都武蔵野市 – 色あせしたスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根修理
日付:2025年06月

千葉県市川市 – コロニアルNEOをスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2025年06月
千葉県市川市 – コロニアルNEOをスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2025年06月
関西地区で手掛けた施工例

大阪府河内長野市 – スレート屋根の屋根カバー工法リフォームと雨どい交換
日付:2025年06月
大阪府河内長野市 – スレート屋根の屋根カバー工法リフォームと雨どい交換
日付:2025年06月

兵庫県明石市 – アスベストの含まれるスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根リフォーム
日付:2025年04月
兵庫県明石市 – アスベストの含まれるスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根リフォーム
日付:2025年04月

奈良県奈良市 – セキスイかわらUの葺き替え現場とアンテナ金具取付工事
日付:2021年3月
奈良県奈良市 – セキスイかわらUの葺き替え現場とアンテナ金具取付工事
日付:2021年3月

大阪府茨木市 – 築年数20年以上経過したノンアスベストのスレート屋根を横暖ルーフαsでカバー工法
日付:2025年06月
大阪府茨木市 – 築年数20年以上経過したノンアスベストのスレート屋根を横暖ルーフαsでカバー工法
日付:2025年06月
動画で学ぶスレート屋根
スレート屋根に関するよくある質問
A
スレート屋根に太陽光パネルを設置する際は、支持金具をビスで固定するために屋根材へ直接穴を開ける必要があります。そのため、ビス穴からの浸水防止がシーリング材の性能に依存することになり、雨漏りのリスクを完全には解消できないという課題があります。
A
一般的に屋根材の製品保証期間は10年のため、メーカーからの保証は既に切れていることがほとんどです。第2世代の屋根材には「コロニアルNEO」や「パミール」などがありますが、経年劣化によるものとみなされ、メーカーの責任を問うことは難しいです。
A
屋根が割れて落ちた場合、火災保険が適用され保証金がもらえる可能性があります。台風や強風、雹などの自然災害による屋根への被害は、火災保険の補償範囲に適用されることがあります。経年劣化による被害は、対象外なので注意しましょう。火災保険を利用した屋根修理に関してはこちらをご確認ください。
A
適切な方法で屋根カバー工法をおこなえば、30年以上の耐久性が期待できます。フッ素加工がある屋根材を使用すれば、長期間、色褪せの心配がいりません。屋根材によって性能や保証内容が異なるので、適切な工事知識を有している、建築板金工事会社に相談することを強くおすすめします。
A
築20年以上〜30年未満の場合、屋根の下地に深刻な問題が生じているケースは少ないため、屋根カバー工法を推奨いたします。一方、築30年以上経過した屋根では、下地の劣化が進行していることも多いため、状況によっては屋根葺き替えをご検討ください。
なお、この時期に施工された屋根材にはアスベストを含む製品が多く使われています。アスベストを含む屋根の葺き替え工事は高額になる傾向がありますので、可能であれば、葺き替えが必要になる前の段階で屋根カバー工法を選択されることをおすすめします。