コロニアルNEOとは?
ひび割れや欠けが多いスレート屋根
コロニアルNEOは、2001年に昔のクボタから販売されたノンアスベストのスレート屋根の商品です。
アスベストが含まれていることで販売中止となったニューコロニアルの後継品です。
アスベストが禁止された直後に販売された第二世代のスレート屋根に該当します。
2008年にコロニアルクァッドが発売されるまでの約7年間しか販売されていない商品です。
しかし、「スレート屋根=コロニアル」と言われるほどコロニアルはスレート屋根のシェアを独占していた商品なので、コロニアルNEOは多くの戸建て住宅で採用さています。
年々、コロニアルNEOに悩まされている人が増えています。
ひび割れや欠け、反りなどの不具合に悩まされている人が増えています。
コロニアルNEOは築後15年を過ぎる頃にひび割れなどの不具合が目立ち始めることがあります。
庭先に屋根の破片がたくさん落ちていることで、はじめて自宅の屋根に問題があることを知る人が多いです。
アスベスト規制直後の販売されたスレート屋根すべてに当てはまる
欠けや割れが目立つスレート屋根は、コロニアルNEOだけに当てはまる症状ではありません。
メーカーを問わず、 第二世代のスレート屋根全般に多い不具合です。
1990年代中頃から2000年代中頃に製造されたスレート屋根に比較的多くみられる不具合です。
コロニアルNEOの見分け方は?
コロニアルNEOはスレートそものの形で見分けることができます。
注目はコロニアルNEOの先端部分です。
YouTube動画で説明をしているので、是非、参考にしてください。
コロニアルNEOの見分け方
屋根にはのぼらないで!
基本的に、素人の人は、スレート屋根には、のぼらないでください。
ぜい弱な状態だった場合、人の体重でスレート屋根が簡単に割れてしまいます。
また、苔が生えやすい屋根材なので、滑って屋根から転落するおそれもあります。
商品名にNEOがつくスレート屋根は注意
アスベストが含有されないスレート屋根として、コロニアルNEOは発売されました。
コロニアルNEOのように商品名の末尾に「~NEO」がつくスレート屋根は、旧クボタからたくさん発売されています。
いずれも同じ材質のスレート屋根なので、コロニアルNEOと同様の症状が生じやすいです。
旧クボタで販売された商品名にNEOが付く第二世代のスレート屋根
商品名 | 販売時期 |
コロニアルNEO | 2001年4月~ |
セイバリーNEO | 2001年12月~ |
スペリアルNEO | 2001年12月~ |
ミュータスNEO | 2001年12月~ |
グリシェイドNEO | 2001年9月~ |
そもそもコロニアルは?
コロニアルは旧クボタが販売していたスレート屋根です。
カラーベストとよばれるシリーズ名(ブランド名)の中のひとつの商品です。
カラーベスト・シリーズの中で一番安い商品がコロニアルでした。
そのため、コロニアルは旧クボタの看板商品になりました。
コロニアルの販売実績は約60年におよびます。
もちろん、販売時期によって看板商品のコロニアルは改良され商品名も変わっています。
コロニアルNEOの耐久性
コロニアルNEOの耐久性は?
不具合が既に生じているコロニアルNEOの耐用年数はおよそ15年から20年程度です。 (※販売時期やロットによって症状は変わるので、必ずしも20年屋根が機能しなくなるということではありません。)
建築後10年程度経過すると、小さなひび割れや欠けなどが目立つ傾向があります。
ひび割れや欠けはコロニアルNEOの先端部分に生じやすいです。
コロニアルNEOの屋根先が上側に反りあがって、屋根のすき間が大きく空いてしまっているコロニアルNEOもしばしば見かけます。
もちろん、屋根のすき間が空き過ぎてしまうと、雨水が屋根の裏側に入り込みやすくなり、雨漏り原因となってしまいます。
割れや欠けるのはよくある症状
そもそも、スレート屋根は製造年代に限らず(アスベストが含まれている製品でも)、割れや欠けなどが生じやすい屋根材です。
局所的な割れや欠けであれば、心配をする必要はありません。
スレート屋根の下にはルーフィングとよばれる防水シートが敷かれており、ルーフィングが雨漏りを防ぐ屋根の機能を担います。
コロニアルNEOのメーカー保証と火災保険
コロニアルNEOはリコールされている?
コロニアルNEOはリコール対象商品ではありません。
メーカー保証は?
築後10年を過ぎている場合、 屋根材の製品保証は10年なのでメーカーからの保証は得られません。
基本的には自己負担でコロニアルNEOを修理することになります。
コロニアルNEOの割れは火災保険の風災被害にあたるのでしょうか?
風災と認められれば、火災保険金を利用してコロニアルNEOの修理ができます。
風でコロニアルNEOがはがれたかどうかは、屋根の被害状況で判断することになります。
もちろん、判断するのは保険会社だったり、保険鑑定会社だったりします。
屋根の不具合が小さなひび割れや欠けの場合、保険の対象とはなりにくいです。
過度の期待は避けましょう。
特に最近は、「火災保険の申請」を呼び水にしたインターネット集客が盛んにおこなわれています。
保険会社は風災であるか経年劣化であるか、分別できる体制が整っています。
したがって、火災保険の申請が得意な会社選びより、しっかりした屋根工事会社選びにエネルギーを使いましょう。
コロニアルNEOを部分修理することは意味がない?
火災保険でコロニアルNEOの修理費用がおりたからと言って、 コロニアルNEOを部分的に修理することは避けたほうが賢明です。
理由は修理のいたちごっこになるからです。
修理をした翌年に大きな台風がくると、修理以外の部分で屋根が傷み、同じ修理を繰り返すことになります。
基本的には全面改修しか選択はありません。
コロニアルNEOの塗装はNG
コロニアルNEOへの屋根塗装は意味がない?
コロニアルNEOに屋根塗装をおこなっても意味はありません。
むしろ、逆効果です。
何もしなくてもパリパリ割れる屋根に乗って、圧力のある洗浄をかけることは、コロニアルNEOにダメージをかけることになります。
コロニアルNEOの寿命を縮める自殺行為です。
コロニアルNEOに塗装をおこなうことは絶対に避けてください。
コロニアルNEOへの太陽光パネル取り付けは意味がない?
コロニアルNEOに太陽光パネルを取り付ける行為は、おすすめできません。
ぜい弱な屋根に太いボルトを数百も打ち込むことの無謀さは、容易に理解できます。
現在、太陽光パネルを取り付けてしまい、再び屋根リフォームと太陽光パネル脱着の両方を強いられている人がたくさんいます。
もちろん、金属屋根に用いる太陽光パネル取り付け金具は、コロニアルNEOで用いる金具と異なります。
太陽光パネルが乗っているだけで 40~50万円の無駄な出費が発生します。
コロニアルNEOのリフォーム方法
屋根カバー工法
最も多くおこなわれれている屋根の工事です。
コロニアルNEOのうえに軽い金属屋根を張る工事です。
築後20年に満たない住宅が多いので、比較的、屋根の下地である野地板が良好なはずです。
屋根の下地が良好なうちは、費用対効果が高い屋根カバー工法がおすすめです。
屋根の防水シートにあたるルーフィングは、釘で打つタイプのシートではなく、裏側が粘着式のシールになっている粘着ルーフィングを必ず用いるようにしましょう。
屋根葺き替え工事
コロニアルNEOを剥がして、新たに屋根材を張ります。
軽量の金属屋根を張ることが多いです。
葺き替えの際は、屋根材を固定させる屋根の下地材である野地板も新しく張りましょう。
野地板に手を加えられる機会は、屋根を葺き替えるタイミングしかありません。
是非、コロニアルNEOのリフォームを検討中の方は、野地板新設を伴った工事をおこなってください。
コロニアルへの葺き替えはおすすめしません
コロニアルNEOを同じコロニアル製品への張り替えを検討されている人がいるかもしれません。
コロニアルは、金属屋根と異なり、改修時にメーカー保証が得られない商品です。
コロニアルはデリケートな屋根材なので、野地板の歪みや反りなどがあった場合に不具合が生じやすくなります。
コロニアルは新築専用の屋根材と割り切ったほうがよいでしょう。
金属屋根への葺き替えができない業者は、コロニアルの葺き替えを強くすすめるはずです。
葺き替え工事は高額な工事ですので、長く安心できる金属屋根に葺き替えることをおすすめいたします。
筆者より読者の方へ
ご自宅の屋根が不具合の多い屋根だと知って、がっかりした読者の人が多いはずです。
しかし、スレート屋根そのものは半永久的に維持するものでなく、寿命があるものです。
いつかは屋根カバー工法や葺き替えなどのリフォーム工事を誰もが必ずおこなう局面が訪れます。
そのタイミングが早かったと割り切るほうが良いもしれません。
中には、アスベストがあるがゆえに悩まれている人もいます。
たとえば、コロニアルNEOの従前品であるニューコロニアルは、アスベストが含まれているので、葺き替えるには驚くほどの費用がかかります。
コロニアルNEOを葺き替える金額から、さらに40万円~50万円の負担を強いられます。
まだアスベストがなくて良かったと、割り切って欲しいです。
そして、コロニアルNEOに屋根塗装をしたり、太陽光パネルをのせたりすることは絶対に避けてください。
この記事をたまたま見かけ、コロニアルNEOの塗装や太陽光パネル取り付けを見送ることができた人が一人でも多くいらっしゃれば、嬉しいです。