住宅建築物の構造の中で、屋根を構成する部材や名称など、屋根に関する用語はとても多く、100種類以上あります。
今回、テイガクの筆者がお客さまと打ち合わせをする時によく使う用語を37個、選別しました。
これらの名称を理解した上で屋根工事業者さんとの打ち合わせに臨んでください。
屋根の構造や屋根に関する用語を知るメリット
全く馴染みがない用語ばかりですね。。。
残念ながら素人が分かるように表現できない業者や職人さんが多いです。
屋根の構造や用語を知ることで、以下のようなメリットがあります。
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業者や職人さんの言ってる意味がよく分かる
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打ち合わせがスムーズに進む
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業者や職人さんの態度が変わる
(屋根に関する知識がお客様にあると、業者は襟を正します) -
建築学の知識・教養が身に付き人生が豊かになる
目 次
閉じる1.木造住宅の屋根構造と名称
屋根の内部構造とは
屋根の構造のことを小屋組(こやぐみ)とよびます。
小屋組の中を小屋裏、一般的には屋根裏や天井裏とよびます。
小屋裏の中には小屋束(こやつか)が垂直に立てられ、その上には母屋(もや)と呼ばれる木材が地面に対して水平に取り付けられています。
母屋のうち、一番外側の母屋を軒桁(のきげた)とよび、一番てっぺんの母屋を棟木(むなぎ)とよびます。新築工事で行う上棟式(じょうとうしき)はこの棟木を取り付ける儀礼のことです。
屋根の下地とは
母屋の上には垂木(たるき)と呼ばれる木の棒を取り付けます。
垂木の上には野地板(のじいた)と呼ばれる板を張り、その上にはルーフィングと呼ばれる屋根の防水シートを張ります。
一般的に「屋根の下地」といえば、「垂木」と「野地板」「ルーフィング」の3つを表します。
屋根の仕上げとは
下葺き材の上には屋根の仕上げ材を張ります。陶器瓦や金属屋根、コロニアルなど屋根本体のことです。
陶器瓦では瓦を引っ掛ける瓦桟(かわらざん)もしくは桟木(さんぎ)と呼ばれる木の棒を取り付けて、陶器瓦を引っ掛けるようにして屋根瓦を葺(ふ)きます。
雨水が屋内に侵入しない防水処置のことを雨仕舞い(あまじまい)と言います。
雨仕舞い部分には水切り板金とよばれる板金を用います。
板金部材のことを役物(やくもの)とよぶ職人さんが多いです。
板金部材にはたくさんの種類があります。
たとえば、屋根と外壁が接合する壁際には雨押さえ板金が取り付けられ、屋根のてっぺんには棟板金(むねばんきん)が取り付けられます。
これら板金は金属屋根だけではなく、瓦屋根にもコロニアルにも使われています。
板金部材は屋根仕上げ材と同じかそれ以上に大切な部材です。
2.屋根の部位の名称(11選)
1.棟(むね)とは
棟は戸建て住宅で最も不具合が多い部位!
棟とは屋根の頂上のことです。
金属屋根やコロニアルでは棟板金(むねばんきん)とよばれる金属製の板金が用いられます。
瓦屋根は棟瓦(むねかわら)を取り付けます。
棟瓦のすき間には、しっくいを詰めることがあります。
棟は風や地震の影響が受けやすく、飛ばされたり崩れたりします。
2.軒先(のきさき)とは
軒先は屋根で真っ先に腐り始める部位!
軒先は、屋根の先端部分のことです。
外壁から軒先までの長さを軒の出(のきので)とよびます。
金属屋根やコロニアルの軒先には軒先板金(のきさきばんきん)と呼ばれる板金部材を取り付けます。
軒先板金は軒先唐草(からくさ)ともよばれます。
軒先の裏側には広小舞(ひろこまい)と呼ばれる木下地が敷かれます。
軒の出がない軒ゼロ住宅が最近流行していますが、軒ゼロ住宅は雨漏りリスクが高いです。
軒先は雨水が集中する部位であり、屋根で真っ先に腐り始める部位です。
3.軒天(のきてん)とは
汚れやすく定期的にメンテナンスしたい軒天
軒先の裏面には屋根の構造部材を隠すために、軒天(のきてん)とよばれる白いボードが張られます。
ボードのことを軒天ボードとよびます。
材質はベニヤ板やケイカル板がよく用いらています。
強風ではがれ落ちたり、軒先からの雨漏りで雨染みができたりします。
4.ケラバ/妻(つま)とは
ケラバはしっかりビスで固定させたい板金部材!
傾いている屋根の側面をケラバとよびます。
もしくは妻よびます。
妻のある面を妻側(つまがわ)と呼びます。
一方、軒先側の面を平側(ひらがわ)と呼びます。
スレート屋根や金属屋根にはケラバ部分にケラバ板金とよばれる板金部材を取り付けます。
5.破風板(はふいた)とは
住宅で最もダメージが受けやすくボロボロになる部位
妻側の側面には破風板とよばれる板が取り付けられます。
雨どいが取り付けられていない方の側面の板が破風板です。
名前が示すように常に風がぶつかる板であるため、雨や紫外線の影響が受けやすく破風板は傷みやすいです。
破風板は窯業製品が用いられていますが、昔は木の板を用いていました。
傷みやすい部位であるため、ガルバリウム鋼板で巻いてリフォームすることが多いです。
破風板は雨風の影響が受けやすい箇所です。
定期的なメンテナンスをおこなう必要があります。
6.鼻隠し(はなかくし)とは
破風板と勘違いされやすい目立たない部材!
軒先側の側面に取り付ける板を鼻隠しとよびます。
鼻隠しは雨どいの下地材としての役割も担います。
雨どいがあるおかげで鼻隠しは傷みにくいです。
7.雨どいとは
30年前後で交換を検討したい部材!
雨どいは軒先からの雨水を受けて排水させる部材です。
トヨとよぶ人もいます。
写真のような外側から排水させる構造を外どいとよび、バルコニーのように内部から排水させる構造を内どい、もしくは箱どいとよびます。
鼻隠しに取り付ける雨どいを軒樋(のきどい)とよびます。
昔の住宅ではおわん型の丸い軒樋を用いていましたが、最近は丈夫な四角い軒樋を取り付けことが一般的です。
一方で、垂直に取り付ける雨どいを見た目の通り縦樋(たてどい)とよびます。
縦樋は丸い筒状の形状が一般的です。
8.庇(ひさし)とは
目立たないからこそ錆びの発生に注意したい部位!
建物に取り付けられた出幅が小さい屋根を庇とよびます。
勝手口の上に取り付けることが多いです。
霧除けとよぶ人もいます。
出窓の上部や玄関ポーチも庇になります。
昔の庇はトタンなどの鉄素材であり、錆止め塗装や重ね葺きなどの処置をおこなうことがあります。
最近はアルミやガラスなどの既製品の庇がつかわれる場面が増えています。
9.下屋根(げやね)とは
馴染みがない用語だけれど建築現場では頻繁に用いる名称!
上下に屋根がある場合、下側の屋根を下屋根とよびます。
2階建ての建物の場合は1階の屋根が下屋根、2階の屋根が大屋根になります。
下屋根には壁との取り合いが必ず生じ、壁際から雨漏りが生じることが多いです。
壁際からの雨水浸水を防ぐために、雨押え板金とよばれる板金部材を取り付けます。
10.雨押えとは
屋根と外壁からの雨水が集中する雨仕舞が重要な部位!
雨押えは屋根と壁の接合部のことです。
雨押え板金とよばる板金部材を取り付けます。
雨押え板金は新築時は壁の中に差し込まれているため、外観からは確認しづらいです。
屋根のリフォーム時は外壁の外側に雨押え板金は露出されます。
11.谷(たに)とは
谷は雨漏りの原因部位第1位!
谷は屋根面と屋根面が接合する部位です。
棟と異なり雨水を受ける役割もある部位です。
2つの屋根面に降り注いだ雨水が集中する部位であり、雨どい同様の役割を担うため、谷どいともよびます。
とにかく雨漏りが生じやすい部位です。
谷どい板金とよばれる板金部材を敷いて屋根を仕上げます。
瓦の屋根は瓦から発生する酸の影響を受けるため、耐錆性に優れたステンレスや銅板を用いることが多いです。
金属屋根やスレート屋根などは、ガルバリウム鋼板を用いることが多いです。
昔はトタンを用いていましたが、現代ではNGです。
3.屋根を構成する内部部材の名称(8選)
1.ルーフィングとは
屋根で一番大事な大切な建材!つまり、建物で一番大事な建材!
ルーフィングは屋根の防水シートのことです。
下に葺くので下葺き材ともよびます。
屋根の防水機能を維持するために重要な建材です。
屋根で最も重要な建材とも言い換えられます。
アスファルトを原料にしているものをよく用います。
トップメーカーは田島ルーフィングです。
田島ルーフィングでは20種類近くのルーフィングを取り扱っています。
商品ごとに品質や価格が異なります。
2.野地板(のじいた)とは
野地板が結露や雨漏りで腐食すると屋根がはがれやすくなる!
野地板は屋根を葺くための下地になる板です。
野地板は垂木の上に張ります。
昔の野地板(およそ40年前)はバラ板とよばれる幅20cm程度の杉材がつかわれていました。
最近の野地板は耐震強度を上げられる構造用合板が一般的になっています。
構造用合板の大きさは91cm×182cmであり、畳と同じサイズです。
構造用合板は耐水合板ともよびます。
野地板のことをコンパネとよぶ職人さんが多いです。
3.垂木(たるき)とは
ごくまれに野地板をはがして垂木の補強が必要なことも!
垂木は野地板を支える木の棒です。
母屋の上に45cm間隔で取り付けます。
サイズは地域によってまちまちで、関東と関西では微妙に大きさが異なります。
屋根材や太陽光パネルの金具は野地板と共に垂木に打ち付けることが基本です。
私たちは垂木留めとよんでいます。
最近は野地板にだけ屋根材や太陽光パネルを固定させることが認められつつあります。
野地板留めとよびます。
ステンレスのビス留による固定であれば野地板留めを許容している屋根材メーカーも存在します。
4.貫板(ぬきいた)とは
棟板金がはがれる原因は貫板にあり!
貫板は幅9cm程度の板のことです。
主に棟板金の下地やサイディング外壁の下地に用います。
価格が安いため、木の素材の貫板がよくつかわれています。
木の他に樹脂や金属があります。
棟板金の飛散は戸建て住宅で最も多いトラブルであり、長く安心していただくために、テイガクでは金属製の貫板(エスヌキ)を用いて棟板金を仕上げています。
テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)の強度について
テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)は「価格の安いガルバ」と「錆に強いアルミ」の2種類からお選び頂けます。
アルミは、異種金属接触の腐食を考慮した板厚(1.3mm)で設計し、表面にはアルマイト処理(絶縁処理)を施しています。
これまでの数多くの失敗と経験から生まれたテイガクのオリジナルの下地材です。
詳細はこちら
5.タスペーサーとは
タスペーサーなしの屋根塗装は注意!
タスペーサーはスレート屋根の塗装時に用います。
タスペーサーを取り付けることで、スレート屋根の重なり部にすき間を設けることができます。
屋根塗装2回目以降、タスペーサーを取り付けずに屋根塗装をすると雨漏りリスクが高くなります。
6.換気棟(かんきむね)とは
2階が暑苦しい人は換気棟を増設!
換気棟は屋根裏の熱と湿気を外へ排出させるための部材です。
2階の居室が過ごしやすくなると同時に、湿気による結露から屋根を守ってくれます。
最近の新築戸建て住宅では、かなりの高い確率で換気棟は取り付けられています。
7.雪止め金具とは
屋根材によって適切な雪止め金具のサイズが異なるので注意!
雪止め金具は落雪防止の目的のために軒先に取り付ける金具です。
隣家や通学路に近い場合は、必ず取り付けてください。
8.PV金具とは
屋根材によって取り付け方が全く違うPV金具
PV金具は太陽光パネル設置に必要な屋根に取り付け金具です。
鉄製とアルミ製の2種類があります。
スレート屋根は直接屋根に穴を空けてPV金具を取り付けます。
金属屋根はキャッチ工法とよび、屋根に金具をつかませてPV金具を取り付けます。
瓦屋根は屋根の下地にPV金具を取り付けます。
屋根材によって全く太陽光パネル取り付けの方法が異なります。
新築戸建て住宅の太陽光パネル取り付け義務化の流れもあり、今後は太陽光パネル取り付けの方法についても理解を深める必要があります。
4.屋根の仕上げ材の名称(7選)
1.瓦屋根とは
耐久性はナンバーワン!
瓦屋根は昔ながらの屋根材です。
屋根材のなかで最も耐久性能が優れています。
軽量防災瓦とよばれる耐風性能や耐震性能を改善させた瓦が現代では一般的に用いられています。
手間と時間、労力がかかるため、最近は新築戸建て住宅で採用される機会が減少しています。
相次ぐ台風被害により、2022年に瓦をビスで固定することが建築基準法で義務化されました。(ガイドライン工法)
陶器製の瓦が広く普及していますが、セメントで固めたセメント瓦の人気が高い時期がありました。
現在はセメント瓦(モニエル瓦)は入手ができない状況です。
2.スレート屋根とは
製造年月日やメーカーによって耐久性が違うので注意!
戸建て住宅で用いられるスレート屋根は、平べったい板の形状をしています。
ケイミューが主に取り扱っている屋根材です。
コロニアルやカラーベスト、化粧スレートともよびます。
主に新築の戸建て住宅で用いられています。
工場や倉庫で用いるスレート屋根は、波型の形状をしています。
波型スレートとよびます。
コロニアルも波型スレートも、セメントを固めた屋根材です。
ただし、製造年によってアスベストが含まれています。
3.アスベスト含有屋根とは
年々、取り扱いが厳しくなっています!
20年以上昔のスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性が高いです。
アスベストが含まれている屋根は処分に特別な対処が必要なため、処分費が高くなります。
そのため、古い屋根に軽い金属屋根を重ねる屋根カバー工法でリフォームすることが多いです。
2022年4月1日から改修工事にはアスベストの有無にかかわらずアスベスト調査が義務化されました。
4.ガルバリウム鋼板屋根とは
新築と改修共にシェアナンバーワン!
ガルバリウム鋼板は屋根や外壁で用いられる金属素材です。
トタンに比べて錆びにくい特徴が認められ、急速に普及が拡がりました。
近年はガルバリウム鋼板を更に改良させたエスジーエル鋼板を用いるケースが増えています。
金属屋根は素材の他に断熱材一体型や石粒付き鋼板、瓦棒、折板屋根など形状や特徴が異なる屋根がバリエーション豊かにあります。
2017年以降、金属屋根が新築と改修共にシェアナンバーワンになっています。
5.トタン屋根とは
現存する金属屋根で最も多い形状の屋根!
トタン屋根はガルバリウム鋼板が登場する前に主流であった金属素材です。
屋根の流れに沿って縦方向張る、縦葺き(たてふき)屋根のひとつです。
凸っとした突起物には芯木とよばれる木の棒が入っています。
この形状の屋根を瓦棒(かわらぼう)とよびます。
木と金属が接触すると電蝕による錆びを急拡大させてしまうおそれがあるため、芯木のない瓦棒も用いられるようになっています。
ただし、近年は立平(たてひら)とよばれる、より一段とシンプルな形状させた金属屋根が縦葺きの主流となっています。
トタンは錆が発生するとすぐに錆が拡大してしまうため、10~15年ごとに屋根塗装を要します。
6.石粒付き鋼板屋根とは
お手頃価格の金属屋根!
ガルバリウム鋼板(=ジンカリウム鋼板)の上に石粒を付着させた美しい見た目の金属屋根です。
断熱材一体型が標準の国産の金属屋根よりも施工が簡単で、技術力がない職人さんでも施工ができるメリットから、普及が拡がっています。
主に中国や韓国、ニュージーランドで製造されている輸入品の屋根材で、価格が安いメリットもあります。
製造国ごとに屋根や屋根の構造(内部構造)が異なります。
国産の金属屋根とも性能において異なる点が多くあるので、各屋根材の施工方法や特徴を十分に理解したうえで採用を検討してください。
7.アスファルトシングルとは
建売住宅で急速にシェアが拡大している屋根材!
アスファルトシングルは、アスファルト製のシートの上に石粒を付着させた屋根材です。
石粒粒付き鋼板よりもさらに値段が安いため、建売住宅でよく採用されています。
アメリカの戸建て住宅は9割近くがアスファルトシングルです。
石粒粒付き鋼板と同様、輸入品の屋根材です。
5.屋根の形の名称(4選)
1.片流れ(かたながれ)とは
最近の新築建物で増えている屋根の形!
1面の屋根を片流れとよびます。
施工が最も簡単です。
2.切妻(きりづま)とは
最も多い屋根の形!
2面の屋根を切妻とよびます。
お馴染みの三角屋根です。
最も雨漏りが生じにくい理想的な屋根の形です。
3.寄棟(よせむね)とは
切妻の次に多い屋根の形!
4面の屋根でかつ、主棟と下り棟で形成される屋根を寄棟とよびます。
主棟のない4面の屋根を方形(ほうぎょう)とよびます。
ケラバや妻面がありません。
4.陸屋根とは
屋根材ではなく防水層で仕上げる屋根
陸屋根はマンションやビルの最上階でよく採用されている屋根の形です。
屋根材で仕上げるのではなく、防水層を形成させて屋根を仕上げます。
防水層の仕上げ方も種類があります。
建築板金工事会社でも塗装会社でもなく、防水工事会社がおこなう工事です。
6.屋根を仕上げる行為や人の名称(7選)
1.葺く(ふく)とは
屋根を葺く職人さんは板金工もしくは瓦葺工の2人!
葺くとは屋根材を張って仕上げる行為のことです。
屋根を張り変えることを葺き替えとよびます。
2.建築板金工事会社とは
材料や職人さんを管理しているので何かあったらすぐに駆け付けられる!
建築板金工事会社は、金属建材を用いた工事を請け負う工事会社です。
建設業の許可の板金工事業を取得している会社が当てはまります。
主に金属屋根や金属サイディングの工事をおこないます。
金属屋根や金属サイディングは大きいため、建材を保管する大きな倉庫を保有している点が建築板金工事会社の特徴です。
工務店やハウスメーカーは板金屋さんとよびます。
車の板金屋さんとは全く違う業種です。
3.雨仕舞い(あまじまい)とは
金属屋根と金属サイディングの施工は技術力が必要でかつ難解!
雨仕舞いとは防水処置のことです。
通常、屋根や外壁で雨水を防ぐ部位には水切り板金が取り付けられます。
そのまま板金とよぶことが多いです。
屋根では棟板金(むねばんきん)や谷どい板金、軒先板金、雨押さえ板金、天窓板金などがあります。
外壁では土台板金や見切り板金などがあります。
板金が正しく取り付けられておらず、建物内部に雨水が浸水する時、専門家は「雨仕舞いが悪い」と表現します。
4.屋根カバー工法とは
葺き替え工事の予算がない方向けの工事!
屋根カバー工法は、スレート屋根やアスファルトシングルのリフォームで採用される工事方法です。
古い屋根の上に軽い金属屋根を被せる工事です。
古い屋根の撤去処分費用と労務費がかからないので、コストパフォーマンスに優れています。
基本的には経年劣化が進行した屋根は、葺き替えが望ましいです。
しかし、築後20年前後の屋根は野地板の劣化が進んでいないことが多いため、屋根カバー工法で仕上げることは有効です。
5.下地調整とは
土葺き屋根では必須の工程!
主に土葺き屋根のリフォームでおこなう屋根の不陸調整のことです。
40年以上昔、瓦の屋根を土で固定させる方法が一部の地域で採用されていました。
現在は耐震性や屋根が歪むことから、土葺き屋根の施工はおこないません。
土葺き屋根では必ず求められる工程です。
6.屋根通気工法とは
屋根の耐久性と屋根下居室の過ごしやすさに大きく関わる!
屋根通気工法とは、屋根の中に通気層を設ける工事のことです。
空気の通り道を作ることで、屋根内部の結露を抑えて屋根の長寿命化が図られます。
また、断熱効果が得られるため、夏の暑さが軽減されます。
通気工法は外壁では常識となっていますが、残念ながら屋根では工事費や工程の関係で、ほとんど採用されていません。
7.その他
勾配(こうばい)とは
勾配は屋根の傾斜のことです。
傾きが緩い勾配を緩勾配(かんこうばい)、傾きが急な勾配を急勾配といいます。
勾配は1~10の寸単位で表し、10寸勾配は直角になります。
一般的な住宅では3寸から5寸勾配が多く採用されています。
屋根の勾配は北側斜線などの建築基準法を元に定めることが多いです。
屋根の構造上、急勾配であればあるほど水はけが良くなるため防水能力が向上しますが、その分屋根面積が増えます。