ノンアスベストとは?
スレート屋根はセメントを固めて屋根の形に成型させた屋根です。
屋根の強度を高めるために昔はアスベストを含有させていました。
ノンアスベストとはそのアスベストが含まれていないという意味です、屋根業界ではアスベストが含まれていない屋根のことを意味します。
ノンアスベストを略して「ノンアス」を私たちはよぶことが多いです。
屋根工事会社のスタッフや職人さんが「ノンアス」と言っていたら、アスベストが含まれていない屋根のことであると認識してください。
スレート屋根は3種類に分かれる
スレート屋根は「アスベストが含まれている屋根」と、「ノンアスベストの屋根(2000年前後)」、「ノンアスベストの屋根(2006年以降)」の3種類に分けられます。
昔はアスベストを含めていましたが、発がん性の問題を受けたアスベストを無くした屋根が製造されることになります。
しかし、2000年前後に製造されたノンアスベストの屋根の多くは、まだ技術が未熟で、割れや欠け、反り上がりなどが発生しやすいことが後に判明しました。
なお、2000年代後半のノンアスベストの屋根は不良発生を受けて、改良がなされています。
アスベスト含有のスレート屋根の特徴
1990年代後半までに製造されていたスレート屋根です。
アスベストを含んでおり、かなり丈夫な屋根です。
35年程度は維持できる屋根です。
ノンアスベストの屋根(2000年前後製造品)の特徴
1990年代半ば〜2000年代半ばに製造されたノンアスベストの屋根です。
この時期に製造された屋根の多くは、築後10年以上経過すると割れや欠けなどの不具合が現れてきます。
商品によってはリコールされている屋根も存在します。
築後15年~20年の間で屋根葺き替えや屋根カバー工法などの本格的な改修工事を検討してください。
代表的な商品 | 耐久性 | 多い不具合 |
---|---|---|
コロニアルNEO | 20年前後 | 割れ・欠け |
ザルフ | 20年前後 | 割れ・欠け |
レサス | 20年前後 | 割れ・欠け |
セキスイかわらU | 15年前後 | 割れ・欠け |
パミール | 15年前後 | 層間剝離 |
ノンアスベストの屋根(2006年以降製造品)の特徴
2006年以降に製造されたスレート屋根はノンアスベストの屋根に当たりますが、従前のスレート屋根の不具合続出を受けて改良がなされた屋根です。
築後10年経過した屋根を観察していると、屋根機能の影響はないものの、多少の反りを見かけることが多いです。
筆者の見解としては、アスベストを含んだ屋根よりは耐久性が低い印象です。
築後20年~25年の間で屋根葺き替えや屋根カバー工法を検討してください。
代表的な商品 | 耐久性 | 多い不具合 |
---|---|---|
コロニアルクァッド | 30年前後 | 反り |
ノンアスベストの屋根は屋根塗装の意味がない
屋根寿命を短くすることも
屋根塗装がされているノンアスベストの屋根を見かけることがあります。
スレート屋根の知識と経験がない塗装会社によるものです。
「屋根塗装をする意味がない」ことを分かっていて塗装をしているとも言い表すこともできます。
お金の無駄遣いです。
ノンアスベストの屋根に屋根塗装はおこなわないでください。
屋根塗装をおこなっても屋根寿命が長くなったり、雨漏りが改善されたりすることはありません。
ノンアスベストの屋根は割れや欠けが生じやすい屋根であり、屋根塗装中に屋根をたくさん踏み割ることがあります。
屋根塗装をしてメンテナンスをするつもりが、たくさんの屋根を割ってボロボロにしてしまうという全くの逆効果をもたらします。
ノンアスベスト屋根のリフォーム方法
ノンアスベストの屋根のリフォーム方法は、屋根葺き替えもしくは屋根カバー工法です。
30年近く現在の建物にお住まいになる予定の人は、屋根葺き替え工事を選択してください。
20年程度の屋根機能の維持を期待されている人は、屋根カバー工法で屋根をリフォームしてください。
スレート屋根がボロボロでも、雨漏りが生じるリスクは高くありません。
ただし、屋根がはがれて近隣の住居や通行人に破損した屋根が当たり、事故や事件をもたらすリスクがあります。